登山NO.0029 磐 梯 山( 磐梯山:1,819m ) 1991.4.28登山


 赤埴山山腹から見た磐梯山( 1991.4.28 )

【磐梯山登山記録】

【磐梯山登山データ】

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再登山


NO.29 磐梯山登山記録

昨年 (1990年) のゴールデンウィークには、出張とうまく結びつけて霧島山開聞岳に登ることができたので、 今年のゴールデンウィークにも2つ程百名山に登りたい と考えていた。

そこで選んだのが、磐梯山安達太良山で、まず1日目に磐梯山に登って川上温泉側に下り、 翌日沼尻登山口まで行って 安達太良山に登るという計画である。

しかし、川上温泉の宿を調べて予約する暇がなく、私としては珍しく、男一人なら宿などどうにかなるさとの いい加減な計画での出発となった。

上野から東北新幹線で郡山まで行き、そこから磐越西線に乗り換えて猪苗代まで行ったのであるが、途中、 車窓から磐梯山の形の良い三角錐が見え、 登高意欲が大いに高まってくるとともに、 何とかその姿をカメラにおさめたいと思い、 色々試みたものの、 汽車はうまい具合に止まってくれるはずもなく、 シャッターを切ることができないまま 目的の猪苗代駅に着いてしまった。

当然、猪苗代駅前からも磐梯山は見えたが、そこから眺める磐梯山は近すぎて、先ほどと比べて被写体としての魅力がやや劣っており、 心残りのままタクシーにて猪苗代スキー場へと向かった。

登山路はスキー場の斜面につけられており、リフトに平行しながら斜面を登るようになっていたが、 ここはスキーのオフシーズンには パラグライダーの盛んな場所となっているらしく、 パラグライダーを担ぎながら斜面を登る人たちや、 これから飛ぼうとしている人たちが結構大勢いた。
振り返れば 眼下に猪苗代湖が大きく広がっており、 確かに湖に向かって飛ぶというのは 大変気持ちが良さそうである。

スキー場の斜面を登りきると、お馬返しからやがて天狗の庭と呼ばれる所に着き、そこからは今まで先端部分しか見えなかった磐梯山の姿を 見ることができるようになった。

ゆっくりと赤埴山からの尾根道を登って行くと、道は赤埴山の頂上を通るものと山腹を巻くものの2つに分かれたので、 私は頂上を避ける左の道を選ぶことにした。

赤埴山を巻いて磐梯山の表側から裏側へと回っていくと、裏側は表側の明るさと比べて何となく暗く、 磐梯山も 赤茶けた暗い岩肌の絶壁に雪を多く残しており、 これほど雰囲気が変わるのも珍しい と感心させられた。

やがて着いた沼の平には多くの沼が点在しており、本来ならば気持ちの良い所なのであろうが、私が行った時は 沼も結構雪に埋もれており、 また草木もまだ茶色のままで 何となく寒々とした感じであり、 また目の前に見える櫛ヶ峰の荒々しい姿もあって、 あまり居心地の良い所とは言えない状況だった。

雪の上に付けられた踏み跡を慎重に辿って沼地を抜け、櫛ヶ峰の鞍部へと登って噴火口の上部に出ると、 下には火口原が広がっており、 その火口原の広さや荒れた櫛ヶ峰の姿に、 この磐梯山の火山活動のパワーがいかほどのものだったかを 思い知らされた。

そこから道を左に折れて石の多い道を登って行くと、やがておいしそうな水が湧き出ている弘法の清水となり、 その先に2軒の小屋があって、 小屋の前に多くの人たちがたむろしているのが見えた。

小屋の裏手からは、急な斜面が始まっていたが、そこは完全に雪に覆われていて、心の準備ができていなかった私は 少々ビビってしまった。
今までこのような急角度な雪の斜面を登った経験がなく、 さらに5月にもなろうとするのに 雪が斜面を覆っているなど夢にも思っていなかったからであるが、 雪国東北では当たり前のことなのであり、 自分の無知を恥じるばかりであった。

斜面にはステップが切ってあって、そこを忠実に辿っていけば問題ないのだが、少し間違えば滑り落ちてしまうような急角度となっていたため、 不安を抱きながらの慎重な登りとなった。
しかし、 不慣れで若干ビビリながら登っていく私の傍らでは、 山に慣れている若者が 雪の斜面をシリセードで滑り降りて楽しんでおり、 何とも皮肉なものを感じた (もっとも、傍目からは私は淡々と登っているように見えたであろうが・・・)

長い雪の斜面がやっと終わると、嬉しいことにそこは磐梯山頂上で、一番高い所には石の祠と「磐梯明神」 と刻まれた石が置かれていた。

頂上には雪も全くなく、暖かい日差しの中でノンビリすることができたが、天候は晴れにも拘わらず周囲は霞んでいて あまり展望をえることができず、 わずかに西吾妻山方面が確認できるだけであった。

暫し休憩した後、頂上の立派な標識の前で記念写真を撮ってから先ほどの雪の斜面を慎重に下り、弘法の清水を経て、 今度は荒々しい岩肌を見せる櫛ヶ峰の鞍部から 広い火口原へと下り立った。

火口原は岩と砂の台地で、太陽を遮る物がないために大変明るいものの、やはり草木もあまりないため死の世界のようであり、 右に櫛ヶ峰の荒々しい火口壁が 長く城壁のように続いているのを見ながらの、 単調な歩きとなった。

火口原は広いため、このような晴れた日でも慎重に目印を探しながら進まねばならなかったのであるが、 もし霧などに巻かれたら 道を失う可能性もあると思われ、 なかなか侮れない場所でもある。

やがて樹林帯となり、そこを抜けるとようやく川上登山口と書いた看板がある所に出たが、周囲には温泉らしい所が見あたらなかったため、 仕方なく道路沿いを歩き、 ようやく見つけた売店で旅館を紹介してもらった。

紹介された旅館は、老夫婦だけでやっておられる、昔旅館だったといった方が良いような所で、風呂も裏に流れる川の水を湧かしているようであったし、 またトイレは一応水洗だが ほとんど水が流れないような状況であった。

しかし、老夫婦の手作りの夕飯、朝飯、頼んだ翌日の昼食のおにぎりが思いの外美味しく、これは幸運と考えても良いな と思われた。

安達太良山の登山口である沼尻温泉まで行くために、翌日8時にタクシーに来てもらうよう頼み、ほとんど何もすることがなくて 後は寝るだけであった。

以下、安達太良山の項へ続く。


磐 梯 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1991.4.28 天候:快晴単独行下山後泊
登山路:猪苗代スキー場−天狗ノ庭−鏡沼−沼ノ平 −弘法の清水−磐梯山−弘法の清水−ハシゴ場−火口原−川上温泉(
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(東海道本線)− 東京−(山手線)−上野−(東北新幹線)−郡山−(磐越西線)−猪苗代−(タクシー)−猪苗代スキー場
交通復路:翌日、安達太良山登山。安達太良山の項参照
その他:4月28日磐梯山登山。その後川上温泉泊。
その他の磐梯山登山猪苗代スキー場−天狗ノ庭−鏡沼−沼ノ平−弘法の清水−磐梯山−祠−猪苗代リゾートスキー場 (2005年05月21日 : 快晴)
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