NO.010 鹿 納 山( 鹿納山:1,567m ) 1994.12.4登山


 主稜線から見た鹿納山( 1994.12.4 )
【鹿納山について】

【鹿納山登山データ】


鹿納山について


鹿納山は宮崎県の北端に位置し、その稜線上にニョキっと飛び出した姿は一度見たら忘れられない、 強烈な個性を有している。
この山の登山ルートは大きく分ければ 南側の宇土内谷林道側から登るものと、北側の日隠林道から登るものとの 2つであり、 私が最初にこの山に登ったのは宇土内谷側からである。
延岡から車で国道218号線を高千穂方面に進み、途中の槇峰から右折して綱の瀬川沿いを鹿川渓谷へと進む。
やがて、今村橋という所で、鹿川キャンプ場への道を右に分け、クネクネした林道を進むようになるが、あまりスピードを出しすぎると、 道路のへこみの所で車が下腹 (シャーシ) をこすることになるので要注意である。
地蔵岳の麓を巻くように進み、右に大崩山の登山口を見てから暫くすると、 道路が崖崩れによって塞がっている場所に着くので、そこに車を止める (やや広い場所なので車は数台止められる)。
ガイドブックには、大崩山登山口手前にゲートがあり、ゲートが閉まっている場合はそこから歩かねばならないと書かれていたが、 私が行った日にはもっと上にあるこの崩壊地まで進むことができたという訳である。

道路は右上の崖がかなり崩れて、大岩が完全に道路を塞いでいたが、これも先の台風のせいであろうか、 九州の山を登ると台風の爪痕がかなり残っているのが目に付く。
鹿納谷に沿って林道を進んでいくが、こちらにはもう車が入ってこれないため、道路は荒れ放題になっている。
鹿納谷橋を渡る時、橋の下を流れる清流に多くの魚影を見ることができたが、ヤマメなのであろうか。
途中、標識も見あたらないので少々心細くなってくるものの、やがて林道が終わる所に鹿納山登山口と書かれた標識が見え、 そこから山にとりつくことになるが、そのそばにある谷沿いの道もまた登山ルートで、この山側のルートの方は高校総体時に新たに作られたものらしい。

尾根道は急ではあるがそれほどキツさを感じさせず、樹林越しにチラホラ見える鹿納山の特徴ある姿が登高意欲を高めてくれる。
小 1時間程で稜線に達するので左折し、暫く進むと小高い丘のような所に出るが、目の前の展望が開けて鹿納山の姿がパッと目に飛び込んでくる。
その姿は、よく西部劇などで見られる、アリゾナの砂漠に立つ岩峰のようで、周囲の中で一人その存在を誇示している。この周辺の山々からはどこからでも、 それを確認できる本当に特徴的な形をしている ( " 鹿納坊主 " という別名がある)。

正面からはとても登れそうもない岩峰であるが、その後ろ側 (北面) にはジグザグの道が切ってあり、 意外と簡単にその頂上に立つことができる。
頂上は、ケルン状に岩が積んでであるだけで標識もなく、恐らく標識がつけられていたのであろう木の棒が 1本置かれているだけであった。
展望の方は、その突出した姿の通り 360度遮るものがなく、南東に大崩山、北には五葉岳、 お姫山、そして北西には祖母山、そして鹿納谷をはさんで日陰山などが見え、 素晴らしいの一言である。

下山は一旦往路を戻り、途中から右手に見えるササの中の道を下って、最初の登山口で分かれた鹿納谷を通るコースを選んだが、 このコースはかなり斜面が急で、恐らく登りに使った場合は苦労するかもしれない。
やがて、先ほどの登山口へと戻ったが、途中振り返ると、こちらのコースでも木の間越しに鹿納山の姿を見ることができ、 その姿は表現は悪いが稜線上のデベソのように見えたのだった。

もう一つの登山ルートは、化粧山・五葉岳・夏木山に登るコースの途中から分岐するもので、 化粧山分岐のブナの巨木までは、夏木山の項を参照頂きたい。
化粧山分岐から右にコースをとり、ササの中を下っていくと大きな岩がかたまっているが、そこを右に迂回してウド谷側を大きく巻いて稜線に戻り、 そこから暫く登ると鹿納野に出る。
ここは 1,548mのピークらしいのであるが、全くそのような雰囲気はなく、また樹林に囲まれて展望をほとんで得ることができない。
鹿納野からは南東に進路を変え、暫く平坦な道を進むとやがて露岩帯となり、" 三ツ鹿納 " と呼ばれる北の峰、 中の峰 (あるいは第三鹿納、第二鹿納)、そして本峰へと続く岩峰越えが待っている。
一瞬、その難儀さを想像してたじろぐが、実際はそれ程心配することもなく、途中ロープもつけられており、 また巻き道もあるので意外とあっさり通過できる。
岩登りが得意な人は、中の峰の岩峰に登ると面白いかもしれないが、それもそれ程技術を要するわけではない。
やがて、鹿納山本峰の北面に達してそのままジグザグに登れば頂上であるが、縦走路の方は本峰の右側 (西側) につけられており、 先に述べた宇土内谷側のルート (高校総体ルート) と合流することになる。

2つのルートのうち、やはり登り応えがあるのは間違いなく後者であるが、 鹿納山の姿を正面からとらえ、その姿にハッとさせられる宇土内谷側のルートも捨てがたい魅力がある。
所要時間は、前者の宇土内谷ルートが 4時間から 5時間見ておけば十分で、後者の日隠林道のルートが凡そ 4時間半から 5時間半といったところであろう。


鹿 納 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ 登山日:1994.12.4 天候:曇り時々晴れ 単独行 前日泊
登山路:宇土内谷林道−鹿納谷橋−鹿納山登山口 −(高校総体ルート)−主稜線分岐−鹿納谷コース分岐−鹿納山−鹿納谷コース分岐−鹿納谷− 鹿納山登山口−鹿納谷橋−宇土内谷林道
交通往路:宮崎−日向−延岡()−槙峰−鹿川渓谷−宇土内谷林道(車にて)
交通復路:宇土内谷林道−鹿川渓谷−槙峰−延岡−日向−宮崎(車にて)
その他の鹿納山登山 (1) 日隠林道化粧山登山口−化粧山−化粧山分岐 −鹿納野−三ツ鹿納−鹿納山−三ツ鹿納−鹿納野−化粧山分岐−お姫山−五葉岳−お姫山− 化粧山分岐−化粧山−日隠林道化粧山登山口(1995. 1.29:晴れ時々曇り)

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