スズキ、セルボ550CX-G、(同じ車種を2台乗り継ぎました、銀色が1台目、白が2台目)


軽乗用車の枠が一回り大きくなり排気量も550ccになった昭和52年・・軽を作っている各メーカーはまずそれまでの車に550ccエンジンを乗せた車をリリース、その後車体もワンサイズ大きくなりました、スズキは乗用車タイプが新規格一杯の大きさで出てきました、確かに大きい・・長さで200mm、幅で100mmは軽にとってかなりの物。
しかし先ず出てきたスズキの新規格軽はエンジンが今までの360ccの物をシリンダーボア(内径)だけを大きくした物で排気量は450cc程度と中途半端な物でした・・営業マンが勧めて来ましたがセダンタイプで興味はなく”この車(フロンテクーペ)の550ccが出たら買います・・”と伝えた。
実際にフル規格のエンジンを積んだのは1年後だったかな?、2ストながら厳しかった排気ガス規制の53年規制をクリアしてリリースされたのがこのセルボでした、微妙にバランスは変わったけれどデザインはほぼそのまま、車高は殆ど変わらずに全長と幅が増えたので余計に低く感じます。

エンジンは550ccと大きくなりましたが出力は26馬力と10馬力以上も少なくなりました、しかし馬力を抑えた分低速トルクを太らせてあり非常に使いやすいエンジンに生まれ変わっていました、ただあのパンチのある加速は望めなくなりました・・。
発表されて直ぐに契約、1週間程度で納車されました、その後は生産が追い付かず2ヶ月程度待たされた様な・・、しばらくは同じ車とすれ違う事は無かったですね。
世の中は丁度スーパーカーブーム・・この低い車体は人目を引きました、うっかり下校時の学校の側を通ったら子供達に囲まれてしまいしばらく動けなかったと言う事も・・。
馬力は小さくなりましたが低回転でのトルクに物を言わせ2速で十分に起動発進が出来てしまい、そのままリミット付近まで回すと50Kを超す為特に怠いという走りでは有りませんでした、3速は速度の守備範囲が広くずぼらな運転に持ってこいの特性・・。
途中で冷房改造(外付けクーラーを取付)、市販品の後付パワーウィンドウモーターを組み込みその当時としては軽唯一のパワーウィンドウだったはず・・。
猛暑の年でクーラー需要が多く工場での取付が間に合わず私の車は外注先で改造されました、丁寧な組付けで良かったのですが後でこのことが要因になりコワイ目に合うことになりました。

クーラーのコンプレッサーから出る配管を通す位置を間違えていたため左リアタイヤに行くブレーキのゴムホースと止め金具が接触していてエンジンの振動で擦れる状態に・・徐々に摩擦で摩耗してゆき、出先で急に割り込んだ車を避けるためちょっと強いブレーキをかけた瞬間に破裂しブレーキ系統の半分がダウンという状態になりました。
その時は”効かない・・”と慌ててシフトダウンとサイドブレーキにて停車(止めた後脇の下に汗が流れるのを感じた・・(^^;))、下りてみたらブレーキフルードがジャジャ漏り状態、残った系統はフロントのディスクブレーキ、効かない事は無いのですがマスターバックの無い車なのでちょっと大変でしたが何とか自力で販売店まで回送し”ブレーキホースが切れた様です”と何気なく言ったら整備の人が驚いていたっけ・・。
結局全国で販売したセルボでクーラー取付車は全てこの部分を確認することになったそうな・・私の場合仕事にも使っていたので症状が早く出たのでした。
修理が完了し車を取りに行ったらサービスの方から”いや〜、切れたのが○○さん出よかった・・”って言われてしまったのだけど・・(苦笑)
その後また同じ車種の白に乗り替え昭和60年まで愛用しました、流石にこの車も見られなくなりましたが会社の側の団地駐車場で赤のセルボを発見、やはり私が乗った車と同じ所に錆がでているなぁ・・。