2001年6月3日 MSLサーキット試乗会


この日は、都民サーキットでMSL主催のビックバイク試乗会があった。梅雨も差し迫っていて、この日も朝からどんより、すっきりしない天気。雨の中の試乗会なんて楽しくないし、せっかくサーキットなのに思い切った走りができなくなってしまう。午前9時、受け付け開始。天気は何とか持ちそうな気配。

自分の目的は、GSX1400とZRX1200Sを試乗し、もう一台の有力候補、XJR1300と比較すること。XJRのほうは、豊玉のショールームにて何度か試乗したことがあった。雑誌などの評価がなるほどと思える、大変良くできたバイクである。エンジンはドンつきもなく滑らかに回り十分パワフル、ポジションも足つきもいい。一般道上の試乗だと、コーナーリングがまともにできないので、ハンドリングはよくわからなかった。一方、GSXとZRXはどんなバイクなのだろうか。どちらも評判はよいので、すごく楽しみである。

各車、試乗してみての感想

ZRX1200R(逆輸入車)
ハンドリングはニュートラル。アップライトで疲れない。ちょっとシートが高いかなと思ったが、これはタンクの上面がほかのバイクに比べて低いからそう感じるのだと思う。ポジションの自然さは非常に気持ちがいい。エンジンは逆輸入車だけあって、国産と比べると明らかに低速からトルクが太い。エンジンは低速でもぎくしゃくすることなく、とても素直である。ZRX1200 を買うならフルパワーがいいと思った。値段はそれなりに高いけど。

ZRX1200SS(国内)
ハーフカウル装備は私にとって魅力的。

ZRX1200SSエボリューション
MSLオリジナルのZRX1200Sのカスタムバージョン。キャブセッティング変更、キャブパーツを交換、マフラーを集合管に変えてあって逆輸入車なみのパワーが出るようにしてある。自分の好みだと集合管はちょっとイヤ。当日、主催者が車が用意できずに(部品で持ってきたマフラーが簡単には取り付けできなかったようだ)乗れなかった。残念。

ZZ−R1100AFTI
停車時、ハンドルがびっくりするほど重い。走り出すとすこしは軽くなるので、タイヤの空気圧が低いのか、それともフロントフォークが寝ているのか。
ハンドリングはニュートラルと言うにはほど遠く、バンクするとどんどん内側に切り込んでいこ うとする。すばやい切り替えしの瞬間に、なにかに引っかかるような動きをすることがたびたびあって、前輪がグリップを失いそうでものすごくこわかった。コーナーリングがぜんぜん楽しくない。俺はこんなバイク絶対に買 わない。この試乗車はどこかに不具合があるのでは?

GSX1400
ポジションがすごくいい。XJR1300に感じた窮屈さがない。XJRよりもハンドルが 遠く、高いが、かといって車体を大きく感じるわけではない。シートは滑らない素材 でできており、しっとり、しっかりした着座感。エンジンは思ったほどの怒涛のトルクはないが、シルクのように滑らかな感触。さすが2次バランサー付です。マイルドでコーナーリングのときには抜群にコントローラブル。 コーナーリングマシン、しかも長時間乗っても疲れなさそう。街乗り、ツーリングには最高のバイクだと思った。

GSX1300隼
なんでこんなにハンドルが低いんだ!いやな前傾姿勢を強いられる。顔を前に向けているだけで首も疲れる。腕で体重を支え なければならないのでたいへん。
ブレーキング時などは、しっかりニーグリップしていても、ハンドルを握った手を軸に前に前転しそうな恐怖を感じる。俺はこれでツーリングにはとても行けない。
エンジンは確かにトルクフル。でもパワーの出方が唐突すぎるような気がする。コーナリング中には身の置き場がない感じがする。特に リーンインしようとケツをずらすともう駄目。俺自身がこの手のバイクのポジションに慣れていないせいもあるけど。世界最速であっても乗りにくすぎて俺には向いてない。

GSX1200SS
デザインは好き嫌いがはっきりと分かれるだろうが、俺は結構好きかも。でも黒い塗装のマフラーは見た目が安っぽいので、すぐに何とかしたいもんだ。シートがかなり低いせいか、セパハンでもそんなに前傾を強いられ ずに済む。見た目の低さ通り足つき性も良好だ。でもツーリングポジションとはいいがたい。 エンジンは思っていたよりずっと扱いやすくてパワフル。排気音は高周波成分が多めでレーサーっぽい雰囲気。ぶん回したくなる音だ。

ビューエル ライトニングX1
ハンドリングが思っていたよりもいい。このバイクはよくも 悪くもエンジンのキャラクタが際立っている。コーナーで速く走らせるのはすごく難 しい。ゆさゆさブルブルの振動がものすごく大きくて驚く。4発のエンジンのバイクばかり乗っていると余計にそう感じる。長時間は疲れると思う。でもゆっくり走ってもそれなりの楽しさがあるのは、エンジンのキャラクターのお かげでしょう。

ZX−12R(純正セパハン仕様)
車体がとてもデカく感じる。またがっただけでもてあましそうな予感。でもこいつのエンジンは「すごい」。下からパワフルすぎてちょっと怖い。さらに、スロットルをほんのちょっ と開けた状態のコントロールがめちゃくちゃ難しい。ドンつきってやつですね。コーナーリング途中パーシャル状態のキープが思ったようにできなくてギクシャクしまくった。やっぱりこいつはコーナーリングより直線で気が遠くなるようなスピードを楽しむためのバイクなのだろう。アップハンドル仕様車も用意されていたが、時間切れで乗れなかった。

ZX−9R
同じZX系列なのに、なんで、ZX-12Rとこんなにも違うの?っていうぐらい全く違う性格のバイク。これはバリバリのコーナーリングマシン。すごく扱いやすい。エンジンもハンドリングも。もしレプリカ系バイクを買うつもりなら迷わずこれを買います。サスを自分に合わせて調整すればもっとよくなりそう。できればライバル車のファイヤーブレードやR1とも乗り比べしてみたい!

GSX−R1000
9Rに匹敵するか、あるいはそれ以上コーナーリングマシンとしては優秀だとおもう。装備も豪華。乗りこなせたら無敵のマシンかも。俺には到底乗りこなせない。

と、まあ好き勝手な感想をいろいろ書きましたが、乗りにくく感じているのは結局私がヘタクソなのが原因です。弘法は筆を選ばず。どのバイクもメーカーを代表するすばらしいオートバイばかりです。いろいろと試乗した結果、やっぱりGSX1400が一番乗り易く、自分に合っていると感じたのでコイツに乗ることを決心しました。


お昼休みに行われた、サーキット走行タイム(自分のバイクを使って)で、ペースカーだったZX-9R。9Rは意外なことにすごく乗りやすいバイクでした。レプリカ買うならこれだぁ!とおもいました。ところでデジカメで流し撮りってできるんですね。以外と良い感じなので驚きました。

試乗会が無事終わって、帰ろうとしたら、雨が降り始めた。高速に乗った途端に雨脚は激しく、土砂降り状態。昼休みの走行会には参加できなかったけど、バイクに乗ってこなくて正解だった。





2001年6月21日 納車の日


せっかく納車なのに、小雨がぱらついている。でも、この日を逃すといつ取りにいけるかわからないのでなんとしても今日納車するぞ。下取り車のドラッグスターを小雨のなか洗車する。下取りに先立って完全にノーマルに戻したので、なんだか自分のバイクじゃないみたいな気がする。しばらくすると雨が止んだので、この隙にバイク屋さん(MSLアリエス)に向かう。

アリエスに到着すると、店の入り口に張り紙が。どうやら、私のバイクのナンバーを取るために陸運局に出かけているようである。戻ってくるまで小一時間あったので、お店の近所のラーメン屋に昼飯を食べにいく。

時間を見計らってお店に戻ると、店長がいた。やはり、私のバイクのナンバーを取りに行ってくれていた。早速ナンバーをつけようとすると、リアフェンダーにはナンバーを留めるためのネジの穴がない。普通、ナンバープレート用のステーがあるもんだが、最近のバイクにはないのか?店長がどこかに電話して確認すると、「フェンダーにネジ穴をあけて直接何パープレートをネジ止めしてくれ」とのこと。新車にドリルで穴を開けることになるとはおもわなんなんだ。仕方がないので、オートポンチでポンチングして電動ドリルで穴を開ける。無事にドンピシャの位置に穴をあけることができた。ナットがひとつだと、緩んでナンバーを落としそうなのでダブルナットで留めることにする。

書類もらって、任意保険の付け替えをやって、残金払って、クラッチ、ブレーキ、チェンジペダル、ミラーなどを自分に合わせて調整する。店長に納車記念の写真をデジカメで撮ってもらって、挨拶もそこそこにさっそく乗ってみる。


もうちょっと嬉しそうな顔しろよ

ドラッグスター11の大排気量Vツインに比べたら、そりゃもう乗るのが簡単。味わいみたいなものは今ひとつだけど、すごく楽。すり抜けもやりやすい。

雨で路面が濡れているので、ペイントやマンホールなどには細心の注意を払って家に帰る。とりあえず無事に家までたどりつきました。





2001年6月22日 納車翌日、不具合発見


昨日の天気予報では雨だったのに、昼頃起きてみたら結構いい天気。休みで納車の翌日なのに!天気予報を信じた俺がバカだった。気を取り直してバイクを車庫から引っ張り出し、シゲシゲと眺めてみる。インジェクションのバイクは初めてなので眺めているだけで面白い。

「おや?」

タンクのふちに汚れのようなものがついてる。拭き取ろうとしたがすぐに塗装の剥離であることに気がついた。組み立ての時にどこかにぶつけたか、工具が当たったのだろう。なんてこった!このままじゃここから錆が発生して塗装がどんどんはがれていってしまう。

早速、店長に電話して事情を説明すると、メーカーにタンクを送ってもらえるようすぐに手配してくれた。納車の日、サイドカバーに貼ってある「フューエルインジェクション」のステッカーがうまく貼られていなかったのを店長が発見しクレーム(サイドカバーを交換)にしてくれていたのだが、タンクにまで不具合があろうとは。こりゃ他の部分も要チェックだな。シリンダーヘッドカバーとガスケットをサービスキャンペーンと称して交換してるみたいだし。(リコールとは違うのか?)


ここから錆びて塗膜が浮きそう







2001年7月18日 ビキニを着せる


納車後程無く、GSXにビキニを着せたいと思うようになった。調べて見ると2社ほどGSX用のビキニカウルをつくっているようです。

どちらも値段的には同じようなものだが、シックデザインには以前気持の良い対応をしていただいたことがあり、信頼しているので今回もシックデザインのカウルを選択しました。

担当者に電話すると、現在猛烈に忙しく、GSXの青/白のツートンカラー対応はできないとのこと。いろいろ考えたが、青のみでも充分イカしてると判断し、「ロードコメット」のスモークスクリーン仕様、純正色の青塗装で注文する。ほんとに忙しいらしく、納入まで一月かかると言われ、気長に待つことにする。

7月14日、宅急便でカウルが届く。イヤー待ちました。

単色塗装だと、ちょっとさびしいと思い、カッティングシートでアクセントをつけることにする。うーん、なんだかヤマハ車っぽい感じになってしまったが、ま、いいか。

7月18日、取り付けてみる。取り付けはヘッドライトをバラすことが面倒なだけで、いたって簡単。
おっ、なかなかイイじゃないか! アクセントもヤマハっぽい(しつこいっ)けど、いいぞ。これは黒くて味気ないサイドカバーにもつけよう。

装着後、高速道路を走行してみました。額すれすれを風が流れているのがわかります。腕にはかなりの風圧がありますが、胸の辺りの空気の流れはずいぶん穏やかです。時速ぬやわKmになると、さすがにビキニカウルではつらいものがありますが、実用速度域ではこれで充分だと思いました。視界の開放感も損なってないですし。

ビキニつける前に思ったんですが、二つのメーターケースだけでも結構整流効果がありますね。小さいメーターバイザーつけるだけでもかなり効果がありまそうです。





2001年7月21日 初オイル交換、ヨシムラの油温計取り付け


慣らし走行を続け、走行距離が900Kmを超えたので、そろそろオイル交換である。当然、オイルフィルターも交換する。さらに、手元にあるヨシムラのデジタルテンプメーターを取り付けることにする。少なくともセンサーだけは、オイル交換のタイミングで変えたほうが面倒がなくてよいだろう。

暖機運転してオイルを温めた後、ドレーンボルトの下に廃油受けを置いてボルトを緩めようとするが、この17mmボルトがものすごくキツく締めてあって全然緩む気配がない。普通のメガネレンチでは埒があかないので、1/2インチソケットと長さ80cmのブレイカーバーを使ってバキッと緩める。ふぅ。こわいこわい。

ドレーンをはずすとオイルが馬のションベンのようにドバドバと流れ出る。おー、さすが油冷の1400ccだわい、バイクとは思えないオイルの量だ。4.5リッターくらい出るはずである。

オイルがほぼ出終わったら、フィルターをはずす。この日のためにイエローハットで買ってきたオイルフィルターレンチ(買うときは必ず現物あわせをすることお勧めします。スズキの軽自動車用のものです)を使う。

次に、油温計のセンサーを取り付ける。センサーは【タイプBセット】を使用します。(パーツナンバー415-003-0616)

エキパイのそばにセンサーのワイヤリングを近づけると溶けてしまいそうなので、これから注文される方は延長ケーブルの購入をお勧めしておきます。これを使えばスロットルボディ側を回してワイヤリングすることができます。

エンジン右側の下の方に、キャップがしてあるオイル通路があるので、キャップをはずして液体ガスケットを薄く塗ったセンサーをつける。センサー取り付けには、付属のOリングとアルミのガスケットの両方を使う。

取り扱い説明書には、配線は熱の影響を受けないようにキャブ側にまわすように書いてあるが、どうやってもキャブ側に回すと配線の長さが足り無そうである。取り説を無視して、マフラー側のフレームに沿わせて、タイラップで固定した。

新しいフィルターにオイルを塗って取り付け、ドレーンを良く拭いて(マグネット部分に鉄粉がびっちりついていた)取り付け、新しいオイルを入れる。オイルは、モービル1の15W−50、最近暑いので一番固いのを選んだ。量は、フィルターの交換もしたので、4.6〜4.8リッターってところでしょうか。なんだよ、うちの四輪車よりも多いよ!(汗)

暫くアイドリングしてからエンジンを止め、車体を垂直にしてレベルをみる。ちょっとたりないのでオイルを継ぎ足す。よしよし、こんなもんかな。

次に、油温計本体を取り付ける。取り付け場所は、アルミ板を加工して造ったステーをハンドルポストに両面テープで固定することにした。ヨシムラからポストのボルトに友締めするステーが2000円くらいであるらしいので、それにしたかったのだが、とりあえずはこれでよしとしよう。

電源は、ヘッドライトの中でとぐろを巻いていたハーネスのうち、メーター関係のコネクターからエレクトロタップで寄生する形でとった。12Vは灰色の電線、グランドは黒い電線です。

この油温計は、リチウム電池内臓なので電源を接続しなくても計測可能なのです。キーをオンにして電源を入れてみると、液晶に照明が点いた。とりあえず時計を合わせる。

温度アラームLEDの設定をする。油温がどこまで上がるとピンチなのかさっぱりわからないので、とりあえず100℃にしておく。

以上で取り付けは終わりです。今年の夏は暑いから、かなり油温があがりそうですね。





2001年7月23日 油温は、どのくらいまで上がるのか?


いままで、油温を監視しながらバイクに乗ったことがないので、どのくらいまで温度が上がるものなのか、私にはまったく相場観というものがないのです。

本日は、朝から良い天気、ここのところ連日気温が35℃を超える猛暑がつづいているので、今日もかなりオイルにとっては厳しい一日になるにちがいないでしょう。

コースは、東北自動車道で宇都宮まで行き、いろは坂を抜け、金精道路、丸沼、薗原湖、赤城山を走り、前橋から関越自動車道で東京に戻ってくるいつもの日帰りツーリングコース。

朝、暖気運転をする。2分ほどで油温が60度を超えたので、出発。

外環外回りを100Km/hほどで走る。油温は70℃〜80℃くらいで大きな変化もなく安定。

一般道は大体60Km/h〜70Km/h程度のスピードで走ったが、走行中は高速道路での走行と同程度の油温、ただし、信号待ちなどで停車すると、油温はみるみる上昇し、すぐに90℃を超える。

今回の最高温度は111℃。これは、東京に戻ってきて、渋滞中の新目白通りでのろのろすり抜けをやっているときに記録しました。

夏の間はやっぱり高級な固いオイルをいれないとマズそうですね。




2001年8月3日 ヨシムラの集合管を取り付ける


スズキの車輛にはヨシムラがつきものだと思うので、マフラーも迷うことなくヨシムラのサイクロンマフラーを選択しました。でも、チタンマフラーってお値段がすごく張るのね(涙)

通信販売で買ったので、自分で取り付ける羽目に。くわしくはこちらに

2001年9月6日 ヨシムラの対策品、送られてきた集合管を取り付ける


チタンサイクロンを取り付けたのも束の間、チタンサイクロンに問題があることが分かった。メーカーであるヨシムラは電光石火の対応。さすがです。詳しくはこちらに。

2001年11月2日 180Km/hリミッターカット装置を自作する


GSX1400メーリングリストでリミッターカットについて盛り上がり、自分でもオリジナルなものを作って見た。某メーカーが作るものより簡単でインテリジェント(自画自賛)。詳しくはこちらに。