開発室の活動

                            株式会社フォトンプローブ

光で物理量がどうして測れるのでしょうか?

 こんな質問が寄せられます。ここでは、どうすれば、そしてどうして物理量が測定できるかを説明します。開発室の活動を端的に説明できる質問だと思います。

 理科年表を手に取ってください。真ん中あたりに、”物理/化学部”があります。単位の説明から始まり、機械物性、熱と温度、電気的・磁気的性質、音、光と電磁波、光学的性質、原子・原子核・素粒子、構造化学・分子分光学的性質、熱化学、電気化学・溶液化学、と分類されています。これらの各分野に、数多くの物理現象に基づく定数などが示されています。多くの科学者や研究者はこれらの値を参考にして、次へのステップを模索しています。当然、年表の厚みから、掲載に制約があります。しかし、記載事項は数多くの先輩達の努力の結果です。
 物理量は、偉人達が定義し、方程式を作り出し、自然界の事象を説明できる際の、基本的な量となりました。自然は大きすぎるので、まだまだ、不明なことが多いのです。

 我々は幸いなことに、過去の偉人達が成し遂げた成果をそのまま利用することができます。そうすることで、過去に得られなかったデータも取得できます。
 過去の偉人達は、方程式などであらわしました。その方程式に沿って、測定を考えましょう。
方程式は右辺と左辺があります。これは、右辺で表されたアクションが、左辺であらわした現象に現れることを意味しています。例えば、ニュートンの方程式、ma=F、(a;加速度ベクトル、F;力のベクトル)は、次のことを著しています。力を物体に加えた場合、物体は加速度を持つことになる。それも力を加えた方向に加速度が発生する。(テンソルを考えないでください)。ニュートンはこの式に近い形で、万有引力を発見したのです。よくたとえ話に使われるリンゴの話で説明します。つまり、リンゴが落ちる、リンゴが加速度を有する。これが目の前で起きている現象。これは、何かこの現象を引き起こしている原因があるはずだと。右辺がこの原因。左辺が目の前の事象。これを、右辺と左辺を逆にすると、F=ma、となりますが、高校や大学ではこの式はめったに出てきません。何故でしょう。”加速度が力を生み出す”この考え方を適用する出来事が考えにくいからです。しかし、成り立ちます。
 少し脱線しました。右辺と左辺の存在は、右辺の原因がない限り、左辺は発生しないのです。物理量の計測は、この因果関係に因っています。したがって、何らかの原因を与えて、他の物理量がどのような変動を示すかを求めるのです。そして、この変動量を光を用いて、測ることができれば、2つの物理量の間の関係を知りえます。これが、”光で物理量を計測”できる根拠です。関係する理論方程式が存在すれば、計測できる物理量は多くなります。(理論式は理想形であり、実際の場合はエネルギーロスなどが働くため、少しずれますが、基本的には物理量間の関係を表現できます。)

 次に、どうやって、光を役立たせることができるのかが問題になります。
少し、光の特性を復習します。回折・干渉を経験して波動性を知り、光電効果から粒子性を知りました。電磁波のひとつの認識も確立し、制御により、エネルギー順位における逆転分布から、レーザ発振が開発され、固体や半導体でも可能となり、核融合に利用できないかと研究されています。(レーザが開発される前は、光を用いて計測する主流は輝線を利用した干渉です。有名なニュートンリングがその代表です)。そして、現在は光の波長を安定化させ、長さの基準をも作り出しています。波長と位相は光を使った高精度計測のキー語句です。この2つの語句の特性制御・計測こそが、高精度に結びついています。

 上記の二つのことを、結びつけると、弊社の経営理念、”光で物理量を高精度の計測”、がお分かりになるかと思います。だから測りえる物理量も多く、その測定するためのアイデアはいっぱいあります。基本的にユーザさんの要求・要望から出発しますが、方程式が山ほどある現在、山ほど手段があると考えています。

開発室では、経営理念に必要な光計測に関する装置および部品を、開発しています。

光で物理量を高精度に計測