相対計測とは?
ベース上に固定された被測定物の変動を計測する際の問題点として、
ベースの僅かな変動を誤って被測定物の変動として計測してしまうことがあります。
この誤りはベース上の被測定物の動きのみをベースと離れた測定装置が計測することにあります。
次善の策はベースと測定装置を一致させることです。しかし、非常に小さな変動を観測する場合には、まだ問題が残ります。
相対計測はこれらの問題点を根本的に除きます。
つまり、相対計測とはベースの変動と被測定物の変動を同時に測定し、両者の差(又は和)を求める計測です。

相対的な変位計測
2本のレーザビームが2つの異なる場所(被測定物とベース)の変位を独立に測定し

それらの差(または和)を求める測定方法です。



従って、ベースの振動等による誤差発生要因を根本的に抑えられます。 
つまり、ヘテロダイン変位計(HV−350)のプローブ先からは2本の測定用レーザ光が出射され、独立な2か所の変位を独立に求めます。図1で概念図を模式的に説明します。2本のビームが被測定物とその測定物のベースにそれぞれ当てられ、その各々の同時刻の変動量を求め、その差(または和)を直接求めています。その差(または和)の算出は光回路で行っており、ソフト処理によるものではありません。したがって、同時刻性が高い測定になっています。この差(または和)の測定は被測定物の見かけの変位がベースの変位に強く依存する場合に必要不可欠です。本光ヘテロダイン変位計(HV−350)では真の被測定物の変位を直接に、非接触、高精度で短時間変動を記録して表示・出力します。また、2つのビーム出射方向、間隔も設計により変えられます。               

                  

                      図1 相対的な変位量計測(1プローブタイプ)−基本概念

1プローブタイプの測定値は                        

測定値=被測定物のみかけの変位量−ベースの変位量   

と表されます。
上記のプローブは1プローブ2出射型です。しかし、必ずしも、参照面にレーザ光を当てる必要はありません。プローブ内部にその参照面を作ったのが1プローブ1出射型です。(プローブの選択のページ参照)
                             
 2プローブタイプもあります。2つのプローブから各1レーザ光を出射します。図2に2プローブタイプの概念図を模式的に示します。2つのプローブの出射方向も自由に変えられます。
もちろん、一方のプローブの測定面を基準面とすれば他方のプローブの測定面の変動量の絶対値も計測できます。

                  
                 図2 相対的変位量計測(2プローブタイプ)−基本的概念図

 2プローブタイプの場合には、2つのプローブの測定値の差ではなくて和が有効である場合もありますが、本装置はその要求も実現しています。つまり、

測定値=被測定物のみかけの変位量+ベースの変位量

として測定値も出力できます。 このプローブが2プローブ2出射型です。
測定の仕方・方向・対象等は色々に変えられます。あくまでも、基本は2地点の相対変位量計測です。この方法で物理量を計測します。プローブの選択のページも参照してください。
HV350で何が測定できるかの例を”測定対象は?”のページに示しました。ご覧下さい.

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