光ビームのふらつきを抑えるには?
高精度計測において、光ビームのふらつきは致命的です。
ふらつきが発生する原因は、レーザ装置そのものです。装置からの出射光そのものがふらつきの最大原因です。このふらつきの周期は数分から数十分と長いものです。
受動的光部品ではふらつきは、固定が不十分な場合を除き、起きません。
能動的光部品(たとえばAOM)では、制御信号が十分なSNを有していれば問題ありません。たとえばAOMの場合、80MHz近傍の周波数で格子を構成し、ブラッグ回折させていますが、この周波数が10Hz変動した程度では、ふらつきは1マイクロrad以下です。加えて、このノイズ成分は高周波のランダムノイズなので、短時間平均でふらつきの平均値はゼロになります。
短時間でのふらつきは計測時において平均化処理の結果、ランダム発生要因ならば消えてしまいますが、長周期のふらつきは大問題です。
なぜなら、試料面、光学部材の反射面、透過面がゆっくりと変更し、計測条件がわずかながら変動していくために、測定データ上ではドリフトと認識されます。このドリフトが試料の持つ特性なのか否か判別できず、計測値への信用性を失います。
したがって、レーザ装置そのものが発する長周期のふらつきは除去しなければなりません。
その方法として、ファイバの導入を提案しています。レーザから一度ファイバーに入射させ、ファイバーからファイバコリメータを用いてコリメート光を出射させるのです。ファイバーとして偏波保存ファイバー(PANDAファイバーなど)を用いれば、25dB程度の消光比で直線偏光光を出射できます。<ファイバー導入で問題は発生しないのか?>もご参照ください。また、ファイバコリメータに関しては<ファイバコリメータ・大口径ファイバコリメータ>の項も合わせてご覧ください。
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