ファイバ導入で問題にならないのか?


空間伝播で試料にレーザ光を照射する場合と、一旦ファイバに入射させ、その後ファイバーコリメータで出射させ、試料に照射する場合を比較します。

項目 空間伝播の場合 ファイバー導入の場合
光損失 光学部材による損失のみ 光学部材による損失
+ファイバへの入射損失(約1dB)
+ファイバー内損失(約0.2dB)
+ファイバーからの出射損失(約1.5dB)
光軸などの制御性 レーザ装置の固定位置が基準
レーザ装置の固定に対して、光学部品を配置
レーザ装置の移動は全光学部品の移動を伴う
ファイバ出射口の固定位置が基準
レーザ装置の固定位置に対し、光学部品の位置関係は無関係
レーザ装置の移動が自由。
コリメート性 レーザの持つコリメート性。
市販のHeNeレーザでは1mradr程度の拡がり角。
ファイバコリメータとして設計できる。
直進性 レーザ装置はHeNeレーザの場合、
ヘッド部分を固定して利用するが、完全に固定しても、レーザ管の熱・高圧保持問題からか、ポインタビリティは数マイクロrad発生
熱・高圧の保持の問題がないため、ポインタビリティ優れている。
作業効率 レーザ装置の大きさゆえに取り扱いに注意。
HeNeレーザの場合でも50mmφ×30cm程度のヘッドを支持固定する空間が必要。
ファイバ出射口はレーザ装置に比べ小さい。
50mm×50mm×30mm程度の空間で設計できる。
光学回路 レーザヘッド部を含む光学回路になり、大型化に。 小型コンパクト化が図れる。
ファイバーの固定問題 ファイバーを固定しない場合には、ノイズが発生する。
ファイバ破損から守るための防具が必要

一長一短あります。ファイバ導入は無駄のない光回路実現に役立つと思います。
弊社ファイバコリメータの項を参照ください。


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