ファイバーコリメータ (HV-FC)
ファイバーコリメータとはファイバーからの出射光がコリメート光(平行光)である光部品です。
用途に合わせて次の3種があります。
@ 標準ファイバーコリメータ
光ファイバー用フェルール(規格品)に非球面レンズを組み込むことで、従来のFCコネクタを利用したコリメータです。
空間伝幡光のファイバーへの導入も簡便に実現できます。
A 大口径ファイバーコリメータ
標準ファイバーコリメータより大きなレンズを用いることで、集光力を高めましたので、受光光学系に簡便なコリメータです。
B 高コリメートファイバーコリメータ
非常に高いコリメート性を持っています。出射光学系に簡便なコリメータです。
また、これらのファイバーコリメータを利用したファイバー光学系も製作します。
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@ 標準ファイバーコリメータ(HV−FCS)
<< 仕様 >>
レーザ波長 | レーザ波長 633nm(532nmより1550nm波長まで対応) |
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使用ファイバー | シングルモード、マルチモード、 定偏波ファイバー(633nm波長に限る |
結合損失(*1) | 2.6dB以下(結合距離60mm、シングルモードファイバー) |
接続損失(*2) | 1.3dB以下(シングルモードファイバー) |
出射ビーム径(*3) | 出射ビーム径(*3) 0.6mm以下(シングルモードファイバー;出射口において) |
ビーム拡がり角 | 1.1mrad以下(シングルモードファイバー) |
受光許容角 | 1分以下(シングルモードファイバー) |
使用環境 | 5〜60℃(ただし結露しないこと) |
(*1) 結合損失は2つのファイバーコリメータをある距離(結合距離)だけ離して非球面レンズ側を対向設置し、第1のファイバーコ
リメータからの出射光に対する第2のファイバーコリメータの出射光量の損失を表します。従って、第2のファイバーコリメータの出射時
の損失も含んでいます。この値は測定者に強く依存します。
(*2) 接続損失はファイバー内を伝幡してきた光が非球面レンズでコリメート光にされる場合において、伝幡してきた光量に対して、
コリメート光の光量での損失を表します。非球面レンズの集光性の良さを表しています。
(*3) 1/e^2 (13.5%)強度の直径です。
<< 用途 >>
◇ 光分岐・結合・スイッチ等のためにファイバー伝幡から空間伝幡への切り替えを必要とする光回路部分において、光結合効率を
必要とする光コネクタ部分。小形光結合部品。
◇ 光ポインター( 10m遠方でもビーム径は5mm程度です)
◇ 弊社光ヘテロダイン変位計で使用し、高効率結合・簡便化を実現しています
応用例も示しました
<< 外観写真 >>
光ファイバーの規格品フェルール内に非球面レンズが取付られていますので、現在お使いの光回路がそのまま活かせます。 ファイバー用フェルール(金属製、セラミック製)は規格により外形直径が2.5mmです。支持固定はこのフェルール部分で行えます。特にフェルールは加工精度が高いため、光コネクタ部品を使うことをお勧めします。
また、ファイバーコードは約3mmの外径を有していますが、極度の曲げには弱く、曲率半径で2cm以上としないと光ファイバーが折れてしまいます。コード内でのファイバーの切断は外見からは解りません。引っ張りなど余分な力が加わらない光回路の設計が必要です。両端の扱いは自由です。つまり一端がコリメータ(平行光を出射します)、一端がSPC研磨FCコネクタのタイプも、両端ともに、コリメータも構成できます。また下図のように、プラグなしのフェルールむき出しのタイプもあります。
標準ファイバーコリメータ外観FCプラグのフェルール内にレンズが組み込まれています。
見かけ上は、FCプラグと同一です。FCプラグ固定方法がそのまま利用できます。
FCプラグのないフェルールがむき出しのタイプも作製できます。
ケブラーの処理も自由です。(フェルールとファイバーの結合部は、非常に弱い状態になっています。過度な圧力を加えないようにしてください。)
<< 出射ビーム形状 >>
出射ビーム形状は円形でガウス分布型です。
次に10μmコア径のシングルモードファイバーに、1. 31μm波長の光を用いた場合の出射ビーム形状を示します。ガウス分布は、シングルモードファイバー、定偏波ファイバーを用いる場合に得られます。ただし、これらのファイバーの固定時の曲率半径により損失が異なりますので、(例えばファイバーを持って動かした場合など)レーザ強度が変化し、一見歪んだ分布に見えるかもしれません。
マルチモードファイバーを用いた場合、ファイバーの固定・移動でその分布は変わりますが、基本的にガウス分布は得られません。
<< ビーム径の距離依存性 >>
距離に無関係にビーム径一定は実現できません。わずかに拡がっています。
しかし、ファイバーを用いても通常のレーザの拡がりに匹敵する程度の性能を有しています。
A大口径ファイバーコリメータ (HV−FCL)
FCプラグに収納しないタイプで、レーザ光のファイバーへの入出力用にお使い下さい。
ビームウエスト位置に関して、ユーザ希望に対応します。
<< 仕様 >>
使用波長 | 633nm(532nmから1550nmの波長にも対応) |
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使用ファイバー | シングルモードファイバー、マルチモードファイバー 定偏波ファイバー(633nm波長に限る) |
結合損失 | 2.5dB以下(結合距離60mm、シングルモードファイバー) ユーザ指定構成ではこの値を超える場合あり |
ビーム径(*1) | <1.0 mm(633nm,シングルモードファイバー、出射口において) |
ビーム拡がり角 | 1mrad(633nm,シングルモードファイバー) ユーザ指定構成ではこの値を超える場合あり |
大きさ | 8φ×23L(ステンレス製のカバー部) |
(*1) 1/e^2 (13.5%)強度の直径です。
<< 用途 >>
◇ コリメート光を再度光ファイバーに入射させるための受光器
◇ 弊社光ヘテロダイン変位計で使用し、高効率結合・簡便化を実現しています
<< 外観写真 >>
ステンレス製のカバー内に非球面レンズ群が収納されています。
FCプラグ用コムプラグで光ファイバーを保護しています。
<< 出射ビーム径特性 >>
レーザ光をファイバー内に導光することを目的に開発しました。そこで、コリメート光を得ることより、出射口から有限の距離にある光源からのレーザ光を、効率よくファイバーに入光させるためには、この有限距離近くに焦点を結ぶ(この近くにビームウエスト位置を設定する)構成をとっています。したがって、様々な特性のファイバーコリメータを製作できます。次図は、様々なタイプのビーム径変動を示します。
<<結合効率>>
大口径ファイバーコリメータを、レーザに対向させて、その結合効率を、タイプの異なる場合での変化を示します。
レーザの光を直接入光させる場合は、ファイバーコリメータはコリメート性の高いほうが効率がよいことが知れる。距離が1m程度になるとレーザのビーム拡がりが無視できなくなり、結合効率は減少している。
(結合効率の算出方法: ファイバーコリメータのコリメータではない側の出射口からの光量を、レーザ光量で割った値。%で表示)
B 高コリメートファイバーコリメータ (HV−FCH)
コリメート性の高さを追求したファイバーコリメータです。
<< 仕様 >>
使用波長 | 633nm(532nmから1550nmの波長にも対応) |
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使用ファイバー | シングルモードファイバー 定偏波ファイバー(633nm波長に限る) |
ビーム径(*1) | 1.0mm±0.1mm (633nm,シングルモードファイバー) 出射口10cmから100cmの距離までにおいて |
ビーム拡がり角 | 0.15mrad(633nm,シングルモードファイバー) 出射口10cmから100cmの距離までにおいて |
大きさ | 8φ×26L(ステンレス製のカバー部) |
(*1) 1/e^2 (13.5%)強度の直径です。
<< 用途 >>
◇ 高コリメート光が必要な光学系の出射系
◇ 弊社光ヘテロダイン変位計で使用し、高コリメート・簡便化を実現しています
<< 外観写真 >>
ステンレス製のカバー内に非球面レンズ群が収納されています。
FCプラグ用コムプラグで光ファイバーを保護しています。
<< 出射ビーム径特性 >>
高コリメート性を有する出射ビームを目的に開発しました。
出射口から100cm程度まで、ビーム径は0.9mmから1. 1mmの範囲に入ります。特に60cmあたりまでは、その差を0. 05mm程度としました。
高コリメートファイバーコリメータ特性例
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