【特別編】日本で唯一! 車窓からロケット打上げが見える路線


種子島も、内之浦も両方見えます!
【ロケット発射場が2ヵ所にある鹿児島県。そのどちらも車窓から打上げ鑑賞が可能な日本唯一の路線!】
鹿児島県には大隅半島の内之浦という基地と、HU型などの比較的大型ロケットが打ち上げられる種子島の2つの打上げ基地があります。内之浦からは小型の機体ながらも飛距離が非常に遠く、あの「はやぶさ」のような小惑星探査機などロマンにあふれる衛星や探査機も打ち上げられ、種子島からは暮らしに関わっている気象衛星や各種観測衛星のような実用向けで大型の衛星が打ち上げられるなど、用途で使い分けられています。
このうち内之浦は当線が縦断している薩摩半島の対岸にあたるため、当線では多くの区間において車窓から見るチャンスが多いといえます。一方で種子島の方向は、鹿児島から指宿方面への進行方向と重なるため車窓からは見づらいのですが、山川〜枕崎の区間では列車進路が西に変わるので、大型ロケット特有の力強い上昇の様子が南側車窓のほぼ真正面に見えます。

最新の打上げ情報に注意しよう


【準備その1】打上げの日時・どちらの打上げ基地かををチェックして、当日の天気も問題なさそうであれば、打ち上げ時間に付近を走行する列車に乗ります。

【準備その2】打上げの時刻は、天候や機体の状態で急に中止・延期される場合があります。詳細な情報は、JAXAのツイッターでリアルタイムにチェックしておきましょう。

【準備その3】打上げ時刻付近に列車は海沿いを走るとは限りませんが、ロケットはある程度「待って」くれます。その理由はロケット上昇につれて見かけの飛行速度がゆっくりに変化するため(ロケットは上昇しながら徐々に地球の自転速度を利用するために東向きに飛行するので、地上からの見かけ上の速度が次第に遅くなっていく)、車窓が障害物を抜けてロケットを目視できるまでじっくり待ちましょう。また上昇中のロケットそのものは隠れて見えない場合でも、ロケット雲は上空に比較的長い時間残っているため、飛行の奇跡を見ることが出来ます。

◆上昇中のロケットはオレンジ色に光って見えます。なお発射直後はロケットはほぼ無煙状態ですが、高度が上がるにつれて飛行機雲のような尾が伸びてきます。打上げが夜間に行われると、その光は少し遠くにある黄色い街路灯くらいに輝いて見えます。

1.種子島のロケットを見るならこの区間


上で述べたように、当線が西に向かっている山川〜枕崎の区間では車窓正面に見ることが可能ですが、トンネルや開聞岳で視界がさえぎられる区間が多いです。その中でも最も打上げ基地に近く、海抜も当線の中で最高点を通る「山川トンネル」の大山側出口から西大山駅付近までが適しています。
特に眺望が良いのは、同区間のうちでも山川地熱発電所を海側に望むあたりです(下写真)。
※写真下に動画サイトへの入口があります。

【種子島から発射された H-2Aロケット35号機(搭載機は準天頂衛星みちびき)の軌跡】 山川〜大山間 2017-08-19
〈Youtube〉の動画を見る



【発射4分前に通過した枕崎発鹿児島中央行き列車。】

【鹿児島中央~指宿までの区間なら進行方向に望めます】

【同じく種子島から発射され上昇中のH-2Aロケット36号機(搭載機は準天頂衛星みちびき4号)】喜入駅 2017.10.10


【同上】文字通り、車窓からロケット打上げが観察できるのは当線だけ。喜入駅停車中の列車内から

【内之浦宇宙空間観測所からの打上げでは鹿児島〜山川間の車窓左手、東方向に見える】

【早朝に打ち上げられたイプシロンロケット3号機の軌跡(搭載機は ASNARO(アスナロ)2)この時の打ち上げでは、西日本の広い範囲でウルトラサインのような「夜行雲」が観察されたため話題になりました】喜入駅 2018-1-18

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