フリーマンの随想

その92. 将棋六段の認定を頂きました

( Sept.24, 2019 )


 今般、私は社団法人日本将棋連盟から六段の推薦状を頂きました。

 2019年9月現在、私は87歳と4か月です。 四肢の筋力、持続力、瞬発力などはすっかり弱ってしまい、当然若い頃とは比べものになりませんが、 頭脳の働きだけはまだ殆ど衰えていないと日頃思っています。

 4年前、2015年、83歳の時に、私は日本酒の 「 きき酒師 」 の資格取得試験に挑戦し、 猛?勉強の結果合格できました

 しかし、その前後の連日の飲酒がたたったのか、内臓を若干傷め、昨年夏に医師から禁酒を申し渡される羽目になりました。 幸い、その後の節制と医療技術の進歩のおかげでだいぶ回復し、 現在は少々なら飲んでも良いと言われていますが、体を気遣いながら、制限された少量だけを飲む酒は、旨いけれどちょっと侘しいものです。 そこで今度は将棋の段位にでも再挑戦してみようかという気になりました。

 退職の翌年、22年前 ( 1997年 )、65歳の時に私は日本将棋連盟から初段の免状を頂きましたが、その後も少しずつ勉強をしているので、もう少し上の段位に再挑戦してみようかという気になったのです。 その結果、今般めでたく、日本将棋連盟からなんと六段!を認定されました。


 将棋の段位を取得するにはいくつものルートがありますが、私は今回は 「 日本将棋連盟の紙上認定係に、毎週一回、問題の解答を提出し、 連続10週の成績で判定して貰う 」 という、前記のサイトの中の7番目の方法を選択しました。

 問題の一選択肢につき10分以上、時には30分も詳細に考え、翌日も念のため更に多角的な再検討・確認を行い、何故その選択肢が正解なのか ( あるいは不正解なのか )、 全選択肢につきあらゆる枝分かれを納得が行くまで考え尽くしました。 一度も駒と盤を用いることなく、問題図を見つめて頭の中で駒を動かすことに努めました。  正解に到達したと確信できた瞬間、自分の頭脳の働きはまだまだ衰えていないと自覚できるのが、この過程での最大の喜びでした。

 最終的に、9月8日、2問×10週間連続=20問のうち全20問を正解し、満点を獲得して、今般六段の推薦状を頂くことができました。

 ただ、出された問題は中盤、終盤の局面に関するものが殆どでしたので、私の序盤の力量は全く試されておらず、また磨かれることもありませんでした。 序盤から終盤まで通した総合的な私の力量は、 やはり初〜2段あたりがいいところだろうとは思っています。 そして、よく考えるまでもなく、本当の六段なんて、強豪大学の将棋部の主力選手のレベルでしょうから、この認定試験そのものが随分と甘くできているのだと思われます。

 でもこの87歳の老人でも、長時間緻密に真剣に考え続けさえすれば、五〜六段くらいの力が出せる場面、瞬間も 「 たまにはあり得る 」 という事でもあると思います。  「 深く多角的に読み尽くすことの大切さ 」 が、今回よく納得できました。

 何はともあれ、2か月半にわたって良い頭の鍛錬ができました。 さて、次は何に挑戦しようか・・・実は非常に野心的な腹案が一つ有るのですが、まだ公表出来ません。 運よく今後も健康であり続け、 1年後に成功できたら報告いたします。


ご感想、ご意見、ご質問などがあれば まで。

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このコラムは、もともとはグリンウッドで働く友人たちとそのご家族向けに、私や家族の動静、 日本や特に足柄地域の出来事などをお知らせしようと、97年初めから「近況報告」 という名でEーMAILの形で毎月個人宛てに送っていたものです。 98年2月以降はホームページに切り替え、毎月下旬翌月分に更新してきました。 ところが最近、日本に住むグリンウッドをご存じない方々も多くご覧になるようになってきたので、 同年7月から焦点の当てかた、表現などをを少し変えました