デビルマン単行本バリエーション
(2017年12月現在。尚、巻末のKC発売予告やカタログの違いは除く)

『デビルマン』も2017年で45周年。「読みたいんだけど、どのバージョンを買えば いいのか分からない!」という話もよく見るので、ココに並べるです。同種の悩み をお持ちの方、ご参考にして下さいませ。

コレから悪魔人間道を歩むなら(1)(2)(5)の中から選んで頂きたいですぞっ!


デビルマン

(1) KC(講談社コミックス・新書版)全5巻 1973〜4年
最初に発売されたバージョン。カバー下の表紙に、それぞれ連載時に トビラになった、モノクロのイラストが入っている。尚この段階で既 に加筆や再編集がある。

(2) KC(講談社コミックス・新書版)全5巻 1982年頃?
カバー装丁・内容とも(1)と同じだが、カバー下表紙が変更。KCマ ークがずらりと並ぶ茶色の下地に黒の角ゴシックで題名・作者表記が入る。

(3) 講談社漫画文庫(旧)全5巻 1977〜8年
内容は(1)(2)と同じ。表紙は全て新作で、ダイナミックプロ・ 風 忍の筆による。

(4) KCスペシャル(講談社コミックス・B6版)全3巻 1983年
内容は上と同じだが、旧版の1巻と5巻の差別用語に書き換えあり。表紙は永井豪新作。
(旧3巻/ジンメン編のその種の語には修正無し)

(5) KCDX・完全復刻版全5巻 1993〜4年
実質は(1)(2)の再版。ただし差別用語は、全て書き換え済み。カバー装丁は 当時のモノに近いが、背表紙のKCマークやロゴ、色指定等が異なる。

(6) 豪華愛蔵版全5巻 1987〜8年
永井豪マンガ家生活20周年記念出版。当時発売されたビデオアニメとリンクする新編集。 描き下ろし巻頭カラー付き。5巻のキャラクターの顔など絵の修正も多い。 「新デビルマン」が3巻と5巻に何事もないような 顔をして(笑)収録されている一方で、デーモンハンター編が落ちたり、クモデーモン の話が途中から描き直されていたりと、オリジナル派には評判が悪い。各巻に解説が付く。 差別用語は完全に修正された。

(7) 講談社漫画文庫(新)全5巻 1997年
上記(6)と同内容。デビルマン誕生25周年と共に、永井豪30周年記念出版。
初版表紙画は1、2巻が風 忍、3、4、5巻は永井豪。1、2巻の表紙絵は、 以前ケイブンシャのムック用に描かれたもの。3巻はLPレコード「デビル マン 真・黙示録」用描き下ろし。4巻は「永井豪SF傑作集」7巻の表紙と 同じ。5巻は下記(9)の表紙用描き下ろし。「作者の希望により」3版よ り2巻の表紙画が、永井豪筆に変更。セット箱売りアリ。

(8) 限定「ダイナミックボックス」用全1巻 2000年
一連の永井豪30周年記念企画で、双葉社から発売。このバージョンが唯一 講談社以外から出た『デビルマン』単行本ということになる。内容自体は、(5)と同じ。

(9) スーパーベストKC全3巻 2000年
内容自体は、(5)と同じもの。 コンビニ売り雑誌形態の装丁マンガ。小学館や秋田書店など、他社は ほとんどA6判で出したが、講談社はB6判での出版。

(10) KBC(バイリンガル版)全5巻 2002〜3年
内容は(6)と同じ足し引きナシ。フキダシ内が全て英語に翻訳され、欄外に 元のネームが載せられている。言うまでもないコトだが、海外で発売 されている左右逆版のモノとは違って、開き方が日本と同じ「日本専用の 英語版」というある意味妙なブツではある。

(11) 月刊「完全版 デビルマン×キューティーハニー」vol.1〜7 2004年
連載時の復刻というのが売りで、トビラと付録のピンナップを収録。 ただし内容は(5)と同じ…というコトで、連載時に加筆した形 であるため、次回予告などは収録されていない。

(12) KPC全3巻 2004年
内容は(5)と同じ。映画公開に合わせた発売のコンビニ本。同趣旨の(11) とは判型が被らない形をとっているようだ。

(13) ミニコミvol.1(セガトイズ) 2006年
内容は(5)と同じ。名前どおりサイズが1/4程度に縮小されている。ガム付きの食玩で、第一弾では1・2巻が『タイガーマスク』の1〜4巻と共に発売。第二弾で3・4巻が発売されたが、一旦休止。2007年4月に突如、食玩でなく玩具流通にて(5)のKC完全復刻版全5巻と(新3)と同じ『新デビルマン』(全1巻)6冊を1セットにして発売。(余談ながらこの時、『あばしり一家』と『キューティーハニー』も同版型で発売された)

(14) KCDX・愛蔵版(講談社)全1巻 2008年
内容は(5)と同じ。表紙は(4)KCスペシャル版3巻で裏表紙は(7)新文庫版2巻差し替え後の表紙イラスト。「永井豪デビュー50周年×週刊少年マガジン創刊50周年記念特別企画」とのコピーがオビに書かれている。

(15) 講談社漫画文庫(新装版)全4巻 2009年
内容は(6)と同じ『新デビルマン』編入・加筆版。3巻表紙は『新デビルマン・ウィーンの晩い春』の扉より。

(16) 改訂版 デビルマン全4巻 2012年
発表40周年に出版された、コレまでとは全く異なる形での加筆再構成版。 表紙は1巻が連載当時、2巻がイメージアルバムジャケット、3巻は「バラエティ」発表短編のトビラ、4巻豪華愛蔵版からとなっている。

(17) 激マン!デビルマン編 1〜6巻 2010年〜
永井豪先生ご自身のキャリアを元に虚実織り交ぜた、メイキングマンガ。 1〜6巻が『デビルマン』。完全なバリエーションではないが、 オリジナルの内容のかなりの部分を切り貼りでなく新規描き起こしの形で セルフカヴァー的に織り込んだり、本編に無い加筆ページなども交えているため、 ココに並べる。

(18) 画業50周年愛蔵版 デビルマン 全5巻 2017〜8年
永井豪先生デビュー50周年記念出版。(16)の改訂版での加筆再構成に加えて、 新規描き下ろしや新たに『ネオデビルマン』の一部が挿入されている。 表紙も全て描き下ろし。(8)限定商品の「ダイナミックボックス」用全1巻は別として、 単独刊行物としては初めて、講談社以外の出版社・小学館から出された。

(19) デビルマン -THE FIRST- (復刻名作漫画シリーズ) 全3巻 2018年
連載時の誌面に可能な限り近づけたバージョンで、扉絵やカラーも再現。

(Ex) イーブック 2004年から配信
電子書籍版で内容自体は、(5)の完全復刻版。ただし、カラー原稿がそのまま収録されているのは このバージョンのみ。


新デビルマン

(新1) KC「新デビルマン」全1巻 1981年
雑誌「バラエティ」(角川書店)、「月刊少年マガジン」に発表された連作。
続編ではなく、キャラクターを使った外伝的な一話完結作品。原作者付きの モノもある。

(新2) KCスペシャル「新デビルマン」全1巻 1987年
(新1)と同内容。表紙は同じく永井豪による新作。他に5本の短編収録。

(新3) KCDX完全復刻版「新デビルマン」全1巻 1994年
(新1)の実質上の再版。表紙・カバーに若干の変更がある程度。

(新4) KC「永井豪SF傑作集」7巻 1979年
SF短編を集めたシリーズの内の一巻。「新デビルマン・ウィーンの晩い春 (辻 真先原作)」収録。表紙もデビルマン。カンケー無いが、コレに入 っている「白雪姫」はスンゴク好きだ!


外伝作品

「悪魔騎士 Demon Knight」(単行本未収録・講談社モーニング特別編集「MANDALA」vol.1〜3 全3回) 2007〜9年
永井豪デビュー40周年記念フルカラー作品。時代も次元も不明な異世界で、 悪魔騎士アモンをはじめ悪魔の鎧を身に着けた戦士が闘う。 シレーヌ・サタン・アモンの誕生が描かれており、最終回では 不動明と飛鳥了の会話でそれがかつて地球で起こった、 デーモン進化の過程かもしれない…と匂わされている。

この雑誌では「デビルマンの起源」と謳われているが、その後の単行本に デビルマンの一編として収録はされていない。このため一エピソードというよりは 限りなく原作に近いインスパイア作品と考える方が妥当と思われる。

なお、 「幻選短編集 豪画沙 GO GA SHA」上巻(2017.11.20初版発行) にモノクロながら全話収録されている。

この作品の他、王欣太・福山庸治・ひろき真冬各先生など日本の作家だけでなく イタリア・フランス・韓国などの海外作家がフルカラーで競演する国際的マンガ誌だった。

「デビルマンサーガ」(小学館ビッグコミック) 2015年〜連載中
ビッグコミックの企画による「最終章」。時代を変え、キャラの年齢を上げるなど 基本設定から作り直したリメイク作品。

南極で発見された古代の鎧が、アメリカの軍事会社によって研究され、 やがて纏う者を取り込み、悪魔が生まれる…という展開。 そのモチーフやビジュアルは原作・『デビルマン』よりも上記『悪魔騎士』 に近い。だが、『悪魔騎士』では単なる鎧以上の描写がなかったものの、 この作品における「悪魔の鎧」には纏う者とは別の人格が棲んでいて、 主人公と鎧に宿る意思が会話するシーンも存在する。


●日本文芸社・ゴラク(ニチブン)コミックス「バイオレンスジャック」全31巻
●中央公論社・中公愛蔵版「完全版 バイオレンスジャック」全10巻
●中央公論社・中公文庫版「完全版 バイオレンスジャック」全18巻

(^^;)ま、31巻。中公愛蔵版なら10巻。中公文庫版なら18巻。知らない人は読んでみようね。
(週刊少年マガジン/月刊少年マガジン/週刊漫画ゴラク連載)


外国語版を除けば、純粋に永井豪による漫画版は以上。

他に、豪ちゃんの実兄・永井泰宇によるノベライズが3種。 (小説3)は(小説1)の加筆訂正版。ソノラマ版は表紙・挿し絵描き下ろし。電撃版は表紙一新されるも、 挿し絵はなく各章アタマに連載当時イラストが入る。

(小説1)ソノラマ文庫「真デビルマン」全4巻

(小説2)講談社X文庫 「新ビデオ小説 デビルマン誕生篇」全1巻

(小説3)電撃文庫「デビルマン THE NOVEL」全4巻

他に 講談社X文庫・ゲームブック版 があり、イラストは永井豪担当。


テレビアニメコミカライズ作品

■蛭田充版
「冒険王」(秋田書店)連載の「デビルマン」。 これはアニメ版に近い別内容。(秋田書店サンデーコミックス全2巻/ナガオカコミックス全 3巻/大都社スターコミックス全2巻/秋田書店ACTW全1巻 最初の秋田サンデー版のみ最終回未収録)

■五十子勝(風子 瞳)版
「テレビマガジン」(講談社)「たのしい幼稚園」(講談社)連載。 コレもアニメ版に準拠。単行本化はされていない。

他にコミカライズされたデビルマンとしては、 『マジンガーZ対デビルマン』がある。 桜多吾作が「冒険王」に『マジンガーZ』連載中に描いたモノで、単行本にも『マジンガーZ』の 一章として収録されている。はこの他、1972年アニメ放映当時の レコード・ソノシート・図鑑・カレンダー類のイラストは桜多の筆による。

また、『マジンガーZ対デビルマン』は「たのしい幼稚園別冊・流星人間ゾーン」(1973)にも 掲載されているが、こちらは「ダイナミックプロ」と著者名があるのみでどなたの筆によるのかは不詳。


テレビアニメ終了後の諸作品

■「ロマンアルバム デビルマン」(徳間書店)版
辻真先・脚本 白土武・作画によるアルマゲドンをテレビ版キャラで描くカラーページ。 また、テレビ版脚本のほとんどを担当した辻のデビルマン脚本集が「DEVILMAN Scripts」 (講談社)のタイトルで書籍化。

■『NEOデビルマン』『ネオデビルマン』
また、竹書房「コミックガンマ」の読み切り企画『NEOデビルマン』として 萩原玲二、岩明 均、石川 賢によるデビルマンが描かれている。雑誌休刊のため一旦終了するが、 講談社「モーニング・新マグナム増刊」にて「ネオデビルマン」として 江川達也、夢野一子、寺田克也、永野のりこ、高寺彰彦、本家・永井豪、ヒロモト森一、とり・みき、 黒田硫黄、三山のぼる、神崎将臣、安彦良和、風忍、田島昭宇によるバージョンが発表される (講談社モーニングKC全3巻、講談社漫画文庫全2巻、KCDX全2巻)。

なお、この永井豪版にて、初めて本編終盤にデビルマン不動明の肉体を破壊したのが、 サタン・飛鳥了自身の手になるコトが描かれた。一部は上記(16)『改訂版 デビルマン』に 組み込まれている。

■『デビルマンレディー』
講談社「モーニング」にて連載(1997年1月30日号〜2000年7月6日号)。 当初、女不動明・不動ジュンのデーモンハントストーリーとして開始されたが、 不動明が登場、劇中で正伝「デビルマン」とはパラレルワールドであるコトが語られる。 だが結果的には正伝における飛鳥了=サタンのモラトリアム的な内容にて終了している。

雑誌連載時、講談社モーニングKC全17巻、漫画文庫版全9巻といずれも別バージョンの最終回を迎えている。

さらに永井豪30周年記念企画の一連で、デビルマン限定ボックス「ARK」 が1998年に発売されている。デビルマンの特装本、ビデオ、フィギュアなどが入っていた。 ここで永井豪描き下ろし『デビルマン・ザ・ダーク』が発表された。『デビルマンレディー』の 外伝として地獄でデビルマンとシレーヌが戦うもので、後に単行本『ネオデビルマン』の1本と して収録されている。(実は「新マグナム増刊」誌上にて2週間早く発表されたが、恐らく 「ARK」の発売が遅れたためだろう)他に『ネオデビルマン』の江川達也、岩明均、夢野一子、 寺田克也のバージョンも特装版にて。

■『AMONデビルマン黙示録』
もう一つ、他作家による展開として衣谷遊による 『AMONデビルマン黙示録』 が講談社の「マガジンZ」にて連載。舞台は牧村家虐殺後、アーマゲドン前 ということのようだ。


キャラクター展開作品

■『デビルマン戦団(バトラー)』 1987〜8年
井上大助による講談社「スーパーボンボン」連載作品。全5回未単行本化。 宇宙の超生命体Dマンと地球人が融合して宇宙人と戦う。 予告時は永井豪によるデザイン画が使用されており、『デビルマン戦士団(バトラー)』との仮題だった。

■『CBキャラワールド オレは悪魔だ デビルマンくん』 1991年
ダイナミック組・槇村ただし(『ボスボロット』の真樹村正)による、 OVAシリーズのコミカライズ。内容はアニメとは別に学園モノとして描かれている。 「別冊コロコロコミック」No.42開始、引き続きコロコロコミック本誌にも掲載。 単行本『ジャンジャジャ〜ン ボスボロットだい』 (笠倉出版社カルトコミックス全1巻 2001.8.5発行)に収録されている。

■『闘神デビルマン』 1998年
岩本佳浩による1972年テレビアニメ版をベースとした作品。 講談社「コミックボンボン」連載。ボンボンKC単行本1巻は発売告知されたが、 未発売に終わっている。2017年に復刊ドットコムより全1巻で初単行本化。

■『デビルマン対ゲッターロボ』 2010年
永井豪自身の手によるゲッターロボとのコラボ作品。 「チャンピオンRED」(秋田書店)連載、単行本全1巻。

■『シレーヌちゃん』 2012年
永井豪自身の手によるデビルマンインスパイアの学園ギャグ。 「コミックヘヴン」(日本文芸社)連載、全4回。 「幻選短編集 豪画沙 GO GA SHA」上巻(2017.11.20初版発行) に収録。

■『デビルマンG(グリモワール)』 2012〜4年
高遠るいによる、オリジナルのマンガ版・テレビアニメ版を踏まえて再構成された作品。 魔法使いを夢見る牧村ミキを主人公に、永井豪他作品からの引用を巧みに交えながら オリジナルと同じ全5巻でまとめられた。飛鳥了とその正体をフィーチャーしない設定が特異。 「チャンピオンRED」連載。

■『デビルマン対闇の帝王』 2012〜4年
覆面作家集団TEAM MOONによる作品。「闇の帝王=ハデス」を敵に設定、 デビルマンとグレートマジンガーの世界を融合させている。 「月刊ヤングマガジン」連載で未完。単行本は全3巻。


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