縮刷版96年12月上旬号


【12月10日】 渋谷から歩いて青葉台に向かう。といえばアスキー脱藩者の一団が集うあの会社に行くんだとゆーことが、関係者ならすぐにわかるんだろーね。前回行った時は道玄坂をとことこと上っていったので、今回は井の頭線の南側をごちゃごちゃと抜けて、首都高速3号線の下の玉川通りを歩いて神泉町の交差点へと向かう。途中渋谷のあたりで伊藤整訳版の「ユリシーズ」を買った古本屋開いていたので立ち寄って、新しめの本をさがすとあったあった、2カ月前に出たばかりの栗本薫さんの「あなたとワルツを踊りたい」(早川書房、1500円)が3分の1の500円で出ていたのでさっそく購入する。ちょっとトクした気分。

 アクセラでは初のパソコン書籍を刊行するとゆー内容の発表があって、むかし初台の会社で見たとこのある面々がズラリ(といっても3人だけど)並んで出席して、やっぱりむかし初台の会社で出していたとゆーベクターデザイン編著のフリーウエア・シェアウエア集を、今度から青葉台のほうで出すことになったいきさつを聞く。CD−ROMが4枚挟み込まれた雑誌状の本は安定性が悪く、とても平台には積み上げられそーもないけれど、5800円もする本を平台に積み上げる本屋もあまりないから、まあいいのか。CD−ROMに入っているソフト類はウインドウズとMS−DOS用が大半だから、家では使い道がない。来月にはマック版のフリーウエア・シェアウエア集も同じベクターデザイン編著で出すそーだから、とりあえずはそっちの方を楽しみにして待つ。

 しかしアクセラ、競馬情報誌の「クリゲ」の方はまーなんとか第4号まで出すことが出来たよーで、いわゆる「3号雑誌」で終わらずに済んでよかったよかった。結局どのくらいの人間が初台から青葉台に山手通りを下って移ったのかは知らないけれど、今日発表になった書籍はある程度の売れ行きが見込めるから、あとは雑誌が軌道に乗って、それから自社編著の刊行物を出して、さらに本領発揮のデジタル系のエンターテインメント雑誌を出して、おまけに本業回帰のパソコン・インターネット誌を出すといった具合に進んで行けば、それなりにそれなりな会社になるんじゃなかろーか。それまでが大変ってのはどこも同じだけどね。

 しかし青葉台はやはり遠く、帰りは流石に近くからバスに載って渋谷へと戻る。会社に行って仕事を少々。あとは明後日付けのハコモノ(企画原稿)を出したらほら夜だ。弊社サッカー部「F・C・コラッチョ」の忘年会が銀座であるとゆーので、いそいそと出かけていく。女性のいない会社なので、お手伝いの人とかアルバイトの人が3人、ほかはぜーんぶ男性とゆー、年末でクリスマスも近いとゆーのに何とも情けない忘年会となった。MVPは高校時代に江戸川区で優勝したとか準優勝したとかゆーゴールキーパーが受賞。やっぱり経験者はうまいね。僕は最優秀ディフェンダー賞をもらった。突っ立ってればいーよーなポジションだから楽は楽、のはずなのに弱いチームほど守備陣が大変になるのはどこも同じで、試合の度にかけずり回っていたから、まあ慰労賞みたいなもんだと有り難く頂いておく。

 日経新聞に大塚寧々さんの胸おさえヌード写真が付いたホーキンスの広告が出ていたのには驚いたが、雑誌の「フラッシュ」だかに元アイドルのゲーム企画会社社長こと千葉麗子さんの半裸写真が出ていたのにはもっと驚いた。美人実業家がヌードになろーが、元東大生がポルノチックな小説を書こーが、世の中にはいろんな人がいるんだなー、くらいにしか思わないけど、せっかく人気絶頂の時に芸能界を止めてまで、面白いソフトを作って行こーって決めたんだから、できれば本業(つまりは会社の方)に集中して欲しい気がする。


【12月9日】 せっかく「びでおていぷれこーだー」を買ったのだから、何か見なくちゃいけないと思って、昔買った「ブレードランナー最終版」を明け方までかけて見返す。ビデオデッキを備えた実家に帰った時に、1日2回、3日で6回くらい見返したビデオだけど、あらためて自宅で見返して、シド・ミードやリドリー・スコットの世界に時間を忘れて浸っていた。レプリカントの数は相変わらず合っていないし、なにが「2つで充分」なのか未だに解らないままだけど。近いうちにまた見返そー。

 ソニー・ミュージックエンタテインメントがデジタル・アーティストの発掘・育成を目的に実施している「デジタル・エタンテインメント・プログラム」の今年度の授賞式があったので、銀座のソニービル内にあるSOMIDホールに行く。このオーディション、売れてるといいつつ実はそんなに売れてない「東脳」の佐藤理さんを第1回で送り出したくらいで、これまでたいして実績がなかったんだけど、今回はグランプリ作品に輝いた姉川たくさんの「インタラクティブ玩具店」がなかなかの出来で、これなら「東脳」に続いてすぐにでも商品化できそーなソフトだとの印象を持った。

 それ意外は審査員特別賞を受賞した川鍋正道さんの「想色」が、音楽と映像のシンクロ具合が気持ちよく、映像自体のクオリティーも高いなと思ったくらい。CGキャラクターコンテンストにしてお、JAVAプログラミングコンテストにしても、技術的には優れているんだけど、そこにストーリーがなく、だからどーしたって作品が多かった。講評で浜野保樹さんも「ハリウッドで当たるために必要なのは、ストーリー、ストーリー、ストーリーだ」とストーリーの重要性を強調していたほどで、技術的にすっげーCGを作るのは必要最小限として、その上にどんな物語世界を展開できるか、あるいはどんな思想性を盛り込めるかが本当の勝負になるんだと、各賞の受賞作品を見ながら、痛感させられた次第。

 帰りがけに、出るといわれてかれこれ2年、未だ発売されない「クーロンズゲート」のブックレットとデモ映像を収録したビデオ、パンフレットなどをもらう。グラフィック的、ビジュアル的には相当に高度な技術が使われたタイトルになるとは聞いているけれど、浜野先生の言う「ストーリー」がどこまで実現されているかは今のところは未知数。いよいよ日本にもインタラクティブ・ムービーが根付いてきたとはいえ、発売されるタイトルの数はまだまだ少ない。「クーロンズゲート」が果たしてどれだけのユーザーを獲得できるのかは解らないが、インタラクティブ・ムービーを一般にも認知させるきっかけとなり、新しいソフトの誕生へとつながることを期待する。

 東大卒とゆーだけで話題先行の佐藤亜有子さんの単行本「ボディ・レンタル」を途中まで読む。時折東大生だったんだよーんてなハイソな描写は見られるけれど、気にしなれば一風変わった恋愛小説として、普通くらいには楽しめる。ハーバード卒の姉ちゃんが書いたインターネットの本よりは、スキャンダラスでエロティックな記述が見られる分、注目の度合いはインターネット姉ちゃんの非ではないんだろー。でも積極的には勧めない。図書館で借りて読む本、ってとこかな。


【12月8日】 国営放送の朝10時からの番組に助教授が出ていると聞いていたので早起き(でもないが)して見る。将棋の田中寅彦9段と東大教授だったかの清家篤さんがメイン回答者なら、助教授はゲスト回答者の立場ってとこか。有識者として登場しては、大げさにうなづいたり相槌をうったりするアナウンサーの問いかけに、原稿を読み上げるような口調でとつとつと答えていたのが印象に残った。

 メーカー名の機種名も出さずに2年前に出たゲーム機群と最新鋭のゲーム機を取り混ぜて、新世代ゲーム機として紹介していかなくてはならない番組のすごさったらないね。喉まで出かかった任○堂とかバー○ァ・ファ○ターとかいった固有名詞を呑み込む度に、心拍数が30ばかりあがったことだろー。しかし助教授、収録日前日のタラカワ・アタック(隠語。目の当たりにした者のみその意味を知る)をよくぞかわして、宿酔い気味だけでテレビ収録に臨むことができたなー。初めてアタックを受けた人は、そのいとすさまじき経験に、たいてい2ー3日は死んでるのに。

 家のそばにある駅から京成電車に乗って佐倉市へ。駅を降りてもほとんどなにもない街で、そこのメインストリート(といってもやっぱりなにもない)を南へ上って(坂なんです)、佐倉市立美術館とゆー最近出来た美術館に向かい、「ポール・デルボー展」を見る。国書刊行会から最近出た「ラテン・アメリカ短編集 遠い女」(フリオ・コルサタルほか)の表紙にデルボーの絵が使われていたから、見た人も・・・少ないだろうね。白い肌の正面を向いた女性が鉄道のプラットフォームらしきところで燭台持って立ってる絵で、幻想的とゆーか不可思議とゆーか、ひと括りで言えばシュールレアリスムの絵なんだけど、描かれている女性のスタイルが抜群なので、ずっと気になっていた。

 表紙に使われている絵はなかったけど、同じよーに綺麗な女性がたくさん描かれている絵を、これもたくさん見ることができた。地方の公共美術館はとにかく人が少なくて、こんなんで経営成り立つんだろーかと心配になるけれど、でも地方の公共美術館くらいしか、ゆったりと落ちついて作品を見ることができないので、趣味に合った展覧会ならどんどんと開催して欲しい。しかしほんと、立派な建物だったなー。

 坂を下りて駅に向かう途中にあった古本屋に立ち寄って、大原まり子さんの昔の文庫本を3冊と、サンリオから大昔に出たブライアン・W・オールディスの「手で育てられた少年」(石原武訳)を購入する。サンリオのオールディスは、神田あたりで数千円(2000円だったか、4000円だったかの巫山戯た値段)で売られていたのを見たことがあったけど、この古本屋では800円と格安だった。ほかにもル・グインの「天のろくろ」とか、ブライアン・M・スティブルフォードの題名失念、グレンジャーシリーズじゃない本とか、マッキンタイアやヴォネガットやブラッドベリの本が、神田より随分と安い値段で並んでいた。デルボー好きでSFも好きな人は、是非寄って下さい、ってそんな人いるのか?

 買ったとゆー大原さんの本は、名作にして傑作と僕が任じる「薄幸の町で」が収録された「銀河ネットワークで歌を歌ったくじら」(早川書房)と、やはり短編集だけどストレートなSFからちょっとズレた作品を集めた「金色のミルクと白色い時計」(角川書店)と、こっちは割とSFな短編集「石の刻シティ」(徳間書店)の3冊。ぜんぶ読んだことはあるけれど、こっちの家に置いてないのでまた買ってしまった。まあ、よくやることですけどね。で、3冊とも大原さんの写真が載っているんだけど、いやホント、みいんなキレイ。特に「金色ミルク」の方はスタジオでポーズとった写真がグラビアっぽく載っていて、そうかSF作家がアイドル出来た時代が、かつてあったんだなーとゆーことを思い出して涙に暮れる。


【12月7日】 神田神保町をぶらぶら。新刊を探すがこれといってなく、買い残していた現代企画室のラテンアメリカ全集の1冊とか、国書刊行会の文学の冒険の新刊とかを買うにとどめる。新刊ではないが、かの馳星周さんの「不夜城」が、どーんと「著者サイン入り」のオレンジ色のコシマキが巻かれて、店頭やレジ前や平台に積み上げられていた。およそ皆に行き渡ってしまったこの時期に、もう1度ブームを呼びおこそーとゆー著者や出版社の戦略か。それとも売れ行きに気を良くした作者のファンサービスか。ちなみにサインは坂○○人ではなくちゃんと馳星周になっていた。新しい名前にも慣れたみたいで、割と達筆だったのが印象的。

 秋葉原まで徒歩でとことこ。前に社長さんにインタビューしたアルファ・オメガソフトのゲームソフト「英雄降臨」が昨日から発売になっていて、今日と明日の2日間、秋葉原の富士通プラザで記念イベントを開くとゆーことを聞いていたので、褒め称えた責任上、どんな売れ行きを見せているのかを観察する意味もこめて、キャンペーン現場をのぞく。噂には聞いていたが、秋葉原の辻々に「英雄降臨」のスタッフジャンパーを来たお姉さん、お嬢さん、お兄さん、一部おじさんが立って、大声を張り上げていた。「TEO」に登場するトリイルカの「フィンフィン」も応援にかり出されていて、子供らのキックとパンチを浴びていた。関係ないがフィンフィン、名古屋グランパスエイトの「グランパスくん」にちょっと似てる。「フィンフィン」は男の子だから「グランパコちゃん」ではない。

 イベントの方は今日だけで確か4回開かれることになっていて、富士通プラザに到着するとちょうど1回目が終わった頃だった。席に座って2回目が始まるのを待っていると、富士通の広報の人もコート姿で登場。結婚式かなにかに出席する途中だったのか、ネクタイが白かったが、ただの趣味かもしれない。さてイベントの方は、ゲームの紹介や、音楽を担当した人とグラフィック、シナリオを1人で仕上げた人気漫画家佐々木潤子が登場しての聞き所、見所紹介、声優さん3人によるお客さんを交えての出会いシーンの実演、イメージソングを歌っている女の子グループの歌に踊りと盛りだくさんの内容で、1時間があっとゆーまに過ぎてしまった。

 名前は失念したが声優さんの中には、なんとか言ったな「きゃんきゃんバニー」の声をアテている人とかがいたそーで、見た目はともかく喋ると確かに声優さんだった。最初のころは空席もあった会場だったけど、途中からどんどんと人が入って来て、気が付くと立ち見も出るほどの盛況。最後の抽選会では、佐々木潤子さんが目の前で色紙に女の子のイラストを描いてくれる賞品とかがあって、おじさんとかお兄さんが直筆イラスト&サイン入り色紙をもらって歓喜していた。ちょっとうらやましー。明日もイベントは富士通プラザで開かれる予定で、今日はいなかった声優のこおろぎさとみさんが、明日は駆けつけることになっているとか。ファンの人は冷やかしにいこー。

 それにしても秋葉原は人であふれかえっていて、まるで街全体が「アキハバラ・エキスポ」を開催している展示場のよーだった。エキスポにつきもののイベント・コンパニオンにもあちこちでお目にかかれる。まずは秋葉原駅前にコダックやら富士通やらNECやらソニーやら何やらかにやらのイベント・コンパニオンが所狭しと立ち並び、よそより目立とうと懸命に声をはりあげていた。街を歩けばやっぱりNECと富士通があちこちで大宣伝。これに他メーカーやパソコンショップのお姉さんやらが出張ってあちこちで看板かかげたりビラ配りをしていて、ちょっと歩けばそれこそ両手にいっぱいのチラシをもらうことができる。イベント・コンパニオンのお姉さんは何故かミニスカートが多く、この寒空で冷え症やら神経痛やらに苦しめられている人も少なくないだろー。ぼーこー炎に罹る人もいるはずで、ボーナスシーズンのかき入れ時が終わった後、今度は泌尿器科が美人で賑わうだろーと予言しておく。しまった、こんなことなら医学部を出て泌尿器科医になっとくんだった。

 なまじ金を持って秋葉原なんぞを歩いていたのが悪かったらしく、これまで厳として手を出すことを拒んで来た「びでおていぷれこーだー」なる魔機を、ついふらふらと買ってしまう。自分は「をたく」ではないと言って来た根拠の1つが、「をたく」の神器である「びでおていぷれこーだー」を持っていなかったことだった。しかし今日、家にこの魔機が降臨した以上は、「をたく」への道を進むべく、日々レンタルビデオショップに通っては見たくても見られなかったOVAを借りまくり、特撮映画を借りまくり、テレビ東京のアニメを録画しまくっては夜通し見通す日々に耽溺することになるだろー。あー本を読む時間がなくなる。


【12月6日】 今日から始まった「サンダンス・フィルム・フェスティバル・イン・トーキョー’96」の発表会に出るために、港区海岸にあるインターコンチネンタル東京ベイに行く。入り口のドア・ボーイならぬドア・ガールがサンタクロースの格好をしていたのがおかしかったけど、やってる方はマジ(内心どー思ってるかは別)だから、面前で吹き出すわけにもいかず、笑いをこらえながら開けてくれたドアを抜けて、4階にある会見場へを向かう。

 受付で登録をしていると、「K・A・P・S」の文字が書かれたスタッフジャンパーを来た一団が機材を持ってやって来た。インターネッ・ト向け番組制作会社として、映画業界や音楽業界のホームページなんかを作っている、神原アドプランニングシステムズとゆー会社のスタッフで、そういえば昔、社長の人からサンダンス映画祭のホームページを作っていると、聞いていたことを思い出す。会見場でもテレビカメラなんかに混じってビデオやデジタルカメラで撮影をしていたから、きっと近いうちにホームページ上で公開されるんだろーなー。

 インディペンデント系の作品を募る映画祭だけに、会見のために来日した映画人も、一般にはたぶんほとんど知られていない人ばかり。公開される作品も、ミニシアター系だけの上映になりそーだから、見られない人もきっとたくさんいるんだろー。来年1月にアミューズビデオがミニシアター系の作品ばかりを集めたビデオ・レーベル「アプローズ」を始めることになっているけど、ラインアップはラリー・クラークの「キッズ」とか、岩波ホールで絶賛上映された「フィオナの海」とかいった、まだ知られた作品が多かった。サンダンスのグランプリ作品とか推薦作品の中には、ひょっとしたら今回の映画祭で見逃すと、日本ではビデオですら、永遠に見られないことになるかもしれない。でもあんまり趣味じゃないので、明日からのテアトル西友には多分行かない。

 会見の途中で、東京湾にのぞんだ窓から外にふと目を転じると、はしけや水上バスなんかとは違った大きな舟が、窓の外をごーっと音は聞こえなかったけど通り過ぎよーとしていた。甲板の上がなにやら賑やかで、目を凝らすとウエディングドレスを着た女性の人やタキシード(昼間なのに)を来た男性の人やらが記念写真を撮っている姿が見えた。そーか水上結婚式ってなもんかと思ったけど、浜松町からホテルまで歩いてくる途中の寒さを考えると、甲板の上はきっと真冬の(真冬だ)寒さに違いない。案の定、記念撮影が終わるか終わらないかのうちに、甲板の人たちはキャビンの方に戻っていってしまった。このお話の教訓は、12月には北半球で水上結婚式をするのはやめよーとゆーこと。流氷の上でやるなら、まだ受けるかもしれないけどね。

 浜松町の駅に向かう途中で扶桑社の人とすれちがい、そのまま海岸のビルにある扶桑社へと「拉致」される。新しい企画商品がたくさん出ているとかで、発売になったばかりのCD−ROM付き雑誌とか、プレイステーションのソフトばかりを集めた「SPA!」の別冊とかを山ともらって帰途につく。扶桑社のオフィス内には相変わらず女性があふれていて、自分の職場との格差をあらためて痛感する。かといっていきなり移っても、女子校とかに赴任したウブな新任教師みたくおどおどしそーだから、できれば段階を踏んで、女性たっぷりの職場へと移行していって欲しい。ちょっと(とっても)贅沢な話。

 水沢龍樹さんの「神変武闘女賊伝」(KKベストセラーズ)の第2巻とクリストフ・ランスマイアーとゆー作家の「ラストワールド」(中央公論社、2200円)を購入。前者は男が女になってアレコレするとゆー、まあアレ話しだから、そこそこ楽しめるとは思うけど、後者の方は「現代ドイツ文学界の傑出した頭脳が生んだ滅亡と再生の神話世界」とゆーコシマキの煽りを読んで、そんなにすっげー本なら読んでやろーじゃねーのと思って手に取っただけだから、楽しんで読めるとは思っていない。もしも面白かっためっけもん。でも順番待ちが山とあるから、読めるのはきっと来年だろーね。


【12月5日】 新潮社から「インターネット・フォーカスCD−ROM」のサンプルが届いていたので会社のマックで中を見る。「インターネット・フォーカス」と同じインターフェースを実現するために、CD−ROMには「インターネット・エクスプローラー」がバンドルしてあって、CD−ROMを立ち上げると自動的に「エクスプローラー」も立ち上がるよーになっている。写真2000点、記事1200件も入って1800円とはとってもお値打ち。けど写真はモノクロだし小さいしで、データベース的な楽しみ方はあるけれど、グラビアを見ながら悪いことをしよーとゆー用途にはちょっと物足りない。まあ「フライデー」じゃなくって「フォーカス」だから、いけない用途用の写真はもともと少ないんだけどさ。

 赤坂見附のインターネットスポット「サーフスケープ東京」に行ってスキャンテクノロジーの発表会に出る。坂を上っていく途中で下校中の女子高生の集団とすれ違ったけど、なぜか全員がお下げ髪にしていて、増殖していくマネキン人形を見るよーな、あるいは海に向かって突き進むレミングの集団を見るよーな、とっても不思議な印象を受けた。清楚なニッポンの婦女子然とした細面の女の子なら似合うお下げも、アトム足のまるまるとした女の子がやると大変にすさまじいことになることが解った。発表会は半分寝ていてよく解らなかったけど、赤い制服を着ているインストラクターのお姉さんたちが、後ろのインターネットスポットの方にたくさんいたのはちゃんとチェック。けどお客さんがあんまりいなくて、手持ちぶさたにしていたのが気になった。案外チャンスかもしれない。何が?

 河出書房新社から刊行中の「澁澤龍彦翻訳全集」第2巻を丸善で購入。たいしてページ数もないのに、7004円(税込み)もしやがったのにちょっとキレそうになる。が今日はボーナス支給日。朝早く起きて言われた仕事に精出すサラリーマンに、年に2回だけ訪れるこの喜びは、学生と自由業の人には絶対に味わうことは出来ない。いーだろー。けど頂ける額がこれではなー。今年就職した人でも、マスコミあたりだったらもっともらっているかもしれず、そう思うといよいよ先日買った「前田・水野・鹿内とサンケイ」(東洋書院、2800円)という本に描かれた、過去にあったいろいとなことが悔やまれる。この本がサンケイビル内の流水書房から消えたのは売れたからか、それとも・・・・?

 吉野朔実さんが「本の雑誌」に連載している漫画コラム「お父さんは時代小説が大好き」(本の雑誌社、1200円)がいよいよ本になってまとまった。告知した本を発売日どおりに出さないことでは名高い「本の雑誌社」が、ちゃんと告知したとーり(ちょっと後れたかな)に本を出したことにとにかく驚く。中にゴンチチのチチ松村さんが書いた「私はクラゲになりたい」とゆー本が、本屋のどこにあるかを聞いた質問があって、答えはタレント本でもエッセイでも音楽でも河出書房新車の本棚でもなく、生物図鑑の棚にあったらしーけど、「お父さんは時代小説が大好き」だって、きっと時代小説のコーナーに置かれてしまうんだろーなと考えてしまう。漫画の棚だったらまだ正解、かな。


【12月4日】 知る人ぞ知るビルドアップとゆー会社に行って、知る人ぞ知る岡部暢哉社長に近況をうかがう。前夜飲み明かしてほとんど寝ていないとゆーだけあって、ちょっと眠たそうな顔をしてたけど、しゃべり出すと速射砲のようにアメリカや日本のエンターテインメント業界の表話ウラ話が飛び出して、ここまで喋っていーんだろーかとこっちが心配になって来る。10代の頃からガレージキット業界でぶいぶい言わせていただけのことがあって、同じ歳だとゆーのにはや重鎮の面もち。かといってエラぶってでいーんとオフィスに構えたり、アドバイザーとかコンサルタントとかパネリストとかコーディネーターとかの肩書きで喋くり倒すだけといった仕事は一切せずに、ひたすたモノ作りに打ち込み続けている姿勢には見習うことろが多い。1晩酒を飲み明かして翌日ピンシャンってとこだけは、さすがに体質もあって無理だろーけど。

 白黒はっきりしたモノ言いで、きっと業界に敵も多いんだろーけど、最後はモノがモノ言う業界だけに、ちゃんとモノだけ作っていれば、味方もどんどん出来るみたい。でなきゃ日本を飛び出して米国で仕事なんか出来やしないし、米国で成功なんか絶対に出来ない。もちろん10年後に、誰がどーなっているかなんて、今の激動の世の中、いっさい予想はつかないけど、ビルドアップあるいは岡部社長個人は、10年たってもやっぱり激しく厳しいモノ言いをしながら、しっかりとしたモノを作り続けているんじゃなかろーか。所詮は言葉使い師の新聞屋にとって、やっぱり見習うところ多し。まずはモノ作りの心を知るために、ガレキ作りでも始めてみるか。

 10年後にはどうなっているか解らないとゆー点では、CD−ROM販売の草分けだったハイパークラフトが破産したとの報からは、世の流行廃りの激しさを、あらためて思い知らされた。渋いタイトルから最新のタイトルまで、ずらり揃えて熱心に販売していた姿勢が良かったハイパークラフトだったけど、いつの頃からか品揃えがガタッと悪くなって、あまり出入りしなくなっていた。ちょっとした本屋とかでも、CD−ROMが買えちゃうよーになったこともあるし、それ以前に是非欲しいCD−ROMが、発売されなかったってこともある。

 CD−ROMショップでは、池袋の「メディアパレット」も10月だったかに店を閉めてしまい、いわゆるコンシューマー向けでないCD−ROMのマーケットの厳しさが、冬の訪れとともにひしひしと伝わり始めていた。買わないユーザーが悪いのか、ユーザーが見向きもしないタイトルした作れないデベロッパーが悪いのか。コンシューマー向けゲームが山のよーに出て、それを大人も子供もいっしょに楽しんでいる日本という国の国情では、やはりパソコン向けCD−ROMは厳しいとゆーことなのだろう。頑張って欲しいとしか、今は言えない。応援はしたいが・・・・。

 小学館の雑誌「DIME」が年に1回発表している「トレンド大賞」の発表会&授賞パーティーをのぞく。大賞は東芝の「リブレット」とシャープの「液晶カラーザウルス」が仲良く受賞。両社とも同じ部門の部門賞にノミネートされていたものだけど、同じ部門にはあとNECの「モバイルギア」も入っていて、1つだけ大賞を受賞できなかった。もっとも、大賞の受賞者を商品といっしょに撮影する場面となって、壇上に並べられた各商品の後ろに、両社の担当者が立った時、同じ部門賞だった「モバイルギア」も、しっかりと、それも真ん中に写り込んでいた。名を捨てて実を取った、ってことになるのかな、もしかして。

 ゲームだとかが受賞する部門賞では、任天堂の「NINTENDO64」とゲームテックの「テトリン55」がともに受賞。会場内にかたや世界の「NINTENDO64」、こなた女子中・高生に人気の「テトリン55」が並んで飾られている光景に、先端と原点の両極端が圧倒的な支持を受けた今年のゲーム市場の状況を見る思いがした。「テトリン」の名前を「ピコリン」に変えた時、「テトリン」のバッタもんじゃないかと思われて返品して来た販売店があったとゆーことを、会場にいたゲームテックの永山久代表取締役から聞いて爆笑。しかしゲームテックにとっては笑い事じゃないらしく、「ピコリンはテトリンです」とかいったシールを新たに作って、「ピコリン」に貼ることにしたとか。「さきとみきひさ」シールみたいだね、まるで。


【12月3日】 ニューヨークに出張中の同僚から電話。近くのNIKEタウンで「エア・ジョーダン」の最新作が山積みになっているから1つ買って帰ろうかとゆー話で、値段を聞くとそんなに高くはないとのこと。だったら1つ、26・5センチのを買って来て下さいとお願いして電話を切ったが、しばらくしてもう1度電話があり、値段はそんなに安くないとゆーことが解った。150ドルとか170ドルとかなんとか。だったら日本で定価で買うのとあんまり変わらないし、色も最初のバージョン(白地に黒い爪先部分のラバー)しかないよーだったので、買ってもらうのをあきらめる。雑誌に載ってたブルズカラー(黒地に赤い爪先部分のラバー)だったら欲しかったけどなー。

 瞬間だけ当てにしたバッシュが手に入らないことになったので、仕事にも履けそーな靴とゆーことで「ウルヴァリン」の茶色のワークブーツを買い求める。どこが仕事に履いていけるんじゃ。でも履いていけるんだな、怠惰で自堕落な仕事しかしていないから。1000マイルブーツの名称で知られている「ウルヴァリン」だけど、最近のワークブーツ・ブームはどーやら「レッド・ウイング」の方に絞られているよーで、日本のショップ・オリジナル品があちこちのシューズ・ショップの店頭で、3万なんぼで売られている。その点「ウルヴァリン」は店頭ではあまり見かけないけど、値段も手頃で形も悪くない。カタイのでしばらく馴らしをやろーと思っているので、用もないのに履いて回ることにするつもり。茶色いアタッシェに茶色いワークブーツのちょんまげ男を見かけたら、それが私です。

 マスコミに勤めながらマスコミ批判とかマスコミ内幕バラしとかいった本に目のない人間で、サンケイビル1階の流水書房に、菅本進さんとゆー産経新聞社の元副社長さんで元常勤監査役さんの「前田・水野・鹿内とサンケイ」(東洋書院、2800円)とゆー本が山積みになっていたので1冊買い求めてしまった。サンケイビルの中で山積みにして売るとは流水書房、なかなかいー度胸だと思うけど、買って帰る方も買って帰る方だと我ながら思うね。

 とかくマスコミ物の本とゆーと、編集サイドに内容が偏っていて、例えば朝日だと戦争中の翼賛報道だとか、戦後すぐの伊藤律架空会見、文化大革命中の偏向報道とそれに付随する林彪事件大誤報、さらにはサンゴ事件とまあ、とにかく暗の部分だけをことさらにピックアップして書き連ねているものが多い。産経新聞ではまったくの批判ではないけれど、「総合ジャーナリズム研究」に青木彰元編集局長の回想録が、編集サイドから見た産経史として連載されている。けれどもこの「前田・水野・鹿内とサンケイ」は、資金繰りに東奔西走したり銀行に日参したりする経営サイドにいた人間が書いたものらしく、中身も会社の経営内容が悪化して良化してまた悪化して云々とゆー繰り返しの歴史を、短い章を積み重ねて実に淡々と、しかし正確に書き記している。記録としてはなかなかのもの。でもドロドロとした内幕物好きにはちょっともの足りないなー。

 マスコミ物では新潮文庫から発売中のジェフリー・アーチャー作「メディア買収の野望」(上下各680円)を買ったばかりだけど、積み残しがたくさんあって、まだ読み始めることができない。怪死をとげたマックスウェルと、オーストリアのメディア王マードックのつばぜり合いをもとにしたフィクションだけど、マードックが孫正義といっしょにやったテレビ朝日株買収とかが話題になっていることもあって、なかなか好調な売り行きを見せているとか。マードックも近くまた来日するとゆーし、山田正紀さんの「デッド・ソルジャーズ・ライヴ」(早川書房、1800円)の次の次当たりに、暇が出来たら読もーかな。


【12月2日】 恵比寿のアミューズビデオに行って宮下昌幸社長に最近のことを聞く。先だって某産業新聞にアミューズビデオがDVDタイトルを来春中に50タイトルばかりぶちこむとかゆー記事が出ていたけれど、宮下社長によれば、すぐにでも50タイトルくらいは出せるよー版権は確保しているし、年末に出す「パピヨン」と「冒険者たち」に続いて、来春にも新しいタイトルを出す用意はあるとゆー話をしたら、それが合成されて「来春中に50作品」とゆー記事になったとか。とはいえ某工業新聞でも似たよーな手口で記事を書くことが全然まったくほとんどおそらくないかってゆーとそーでもなく、むしろ針小棒大を是としている所があるので、あまり大きなことは言えない。影響力は段違いだけどね。しくしく。

 発売中のビデオやこれから発売するビデオのチラシをたくさんもらった中に、来春スタート予定のOVAシリーズ「魔界転生」を見つけた。言わずと知れた山田風太郎さん原作の伝奇小説で、かつて沢田研二に千葉真一が出演する実写で映画化されたこともある。アニメ版では脚本を「うろつき童子」の伊達憲星さん、キャラクターデザインを「ジャイアント・ロボ」の佐藤敬一さん、監督を「蒼き狼たちの伝説」の浦田保則さんが担当していて、なるほどそーいえばチラシに登場している女性のしぐさが、「ジャイアントロボ」の銀鈴っぽなーと勝手に思う。銀鈴ファンの人、ごめんなさい。

 徳間系の大映作品にも関わらず、何故かビデオだはアミューズからの発売となった「ガメラ」。当然「2 レギオン来襲」の方もアミューズビデオから出ることになっていて、1月1日からレンタル向け発売されることになっている。「ガメラ」の話をしながら月中公開の「モスラ」について話題になって、毛糸の縫いぐるみが空を飛ぶよーな「モスラ」はいけませんねーと話を振ると、あれでも子供には受けるかもしれない、ガメラはリアルすぎて子供が恐がったからなー、とゆー答えが帰って来て、なるほどそーゆー見方もあるのかと考える。しかしテレビで放映している予告編のモスラのふわふわした足を見ると、これはやっぱりいけませんねーとしか言えないのだが。なにせ相手が今年最大の話題作にして日本特撮映画の集大成ともいえるアメリカ映画(何のこっちゃ)「インデペンデンス・デイ」だからなー。

 会社に帰って2時間で200行ばかり記事を書いてぶち込む。後になって新聞を見ると、取り置きになっていた分も合わせて、担当している面の実に5分の4を、自分1人で書いていた。某産業新聞だったらきっと、1面を6人とは8人とかで書いているんだろーなーとうらやましくなるが、あっちほど社内競争も足の引っ張り合いも激しくないので、仕方ないんだろーなーと思う。納得はしないけど。でも悲しい。めそめそ。

 原稿をぶち込んで富士通へ。6日に発売になるパソコン用ゲームソフト「英雄降臨」の話を聞く。作ったアルファ・オメガソフトとゆー会社は、前に取材したトリ・ワークスと同じ富士通系のベンチャー企業で、昭和39年生まれの佐々木隆仁さんとゆー人が社長を務めている。若いねえ。名称のとおりにこの「英雄降臨」とゆーソフト、古今東西7人の英雄が復活して群雄割拠している地球を、1人の英雄をプレーヤーにして統一していくとゆー内容で、漫画家の佐々木潤子さんが、シナリオからキャラクター設定、コンピューターを使っての作画とクリエイティブな部分を、全部1人で担当したそーな。

 よくあるセル画をスキャンした画像とは違って、初めからコンピューターで作った画像はグラデュエーエションが美しく、1枚1枚が高いクオリティーを誇っている。聞くと佐々木潤子さん、ほとんど1年の間、漫画を描かずにゲームにかかりっきりになっていたそーで、シナリオはレポート用紙に1000枚、画像も実に1000枚を1人で書いたとか。よほどお金をかけたんだろーなと佐々木社長に聞くと、それほどお金はかかっていないそーで、それも道理、佐々木潤子さんは佐々木隆仁さんのお姉さんなのだそーな。つまりは「英雄降臨」は、富士通をバックに佐々木姉弟ががっちりタッグを組んでで作ったソフトとゆーことになる。実はもう1枚、さらに強力なタッグ・パートナーが加わっているんだけど、差し障りがあるかもしれないので、とりあえずは秘密。詳しくは集英社にでも聞いてくれい。


【12月1日】 今年も余すところ1カ月を切って、いよいよ忙しさも佳境に入る時期となったが、怠惰な新聞記者は相変わらず自堕落な生活を続けているので、師走だからといってじたばたしたりどたばたするよーなことはない。泰然自若で茫然自失な毎日を、相も変わらず送っている。今日も起床は午前10時。テレビ朝日の「サンデープロジェクト」で、日銀キャップ時代の武勇伝を日銀に詰めていた時代に聞いていた、朝日新聞社の山田厚史編集員が吼える姿を見ながら、寝覚めのぼけた頭をだんだんと醒ませていく。

 本屋には行かずにキオスクで新聞、スーパーで食材だけ買って家に篭る。本を読む前にしなくてはならないのが洗濯で、たぶん3週間分は溜まっていた汚れ物を次々を洗濯機にたたき込んでは、洗濯とすすぎと脱水を繰り返していく。貧窮していた時期に買った洗濯機なので、当然のことながら全自動手はなく2槽式。すすぎおわった洗濯物を、もったいないので排水しないで脱水槽へと移す時の冷たさが、本当に師走なんだと感じさせる。いつか全自動が欲しいなー。乾燥機付きならなおオッケー。

 洗濯を終わって図書館へ。1カ月は借りっ放しだった本を返して、代わりに清水義範さんの「騙し絵日本国憲法」だとか大石圭さんの「履き忘れたもう片方の靴」だとか雨森零さんの「月の裏まで走っていけた」だとかを借りて来る。大石さんと雨森さんは、河出書房新社の文藝賞に応募した作品で、大石さんは佳作、雨森さんは文藝賞を受賞して、それぞれ作家デビューを果たした人。まだまだメジャーじゃないけれど、純文学の人って息が長いから、そのうち何かの表紙に芥川賞でも受賞して、一気にメジャーシーンに躍りでるかも知れない。もっとも芥川賞を受賞しても、その後なかず飛ばずの人って、結構な数いるけどね。

 新人賞と言えば笠井潔さんの「天啓の宴」(双葉社、1800円)には、なんと文芸書房新人賞とゆー賞が登場する。おまけに応募して受賞した作家が、受賞第1作を書けずに失踪したとゆーケースが2例も紹介されていて、作家とゆー仕事の苦しさ難しさを教えてくれる。そーいえば去年の江戸川乱歩賞を受賞した藤原伊織さんの受賞第1作はどーなったのだろーか。某電通筋によれば缶詰になって第2作を脱稿したとゆーことだが、12月には出ると聞いていたのに、日販の12月の新刊情報には載っていなかった。このまま消えちゃうには惜しい作家なので、どーかなんとか受賞第1作を刊行して、「テロパラ」に続くブームを巻き起こして欲しいなー。

 静かな生活を送っているところに思いがけない喧噪が。積み上げていた文庫本の山が崩れ落ち、あわや圧死の恐怖を味わった。サイドボードの上に50冊ばかり3列に積んだ文庫本と新書の山が崩れ落ちて来て、机を叩き割りパソコンのキーボードに破損の恐怖を与えた。もう1度積み上げようと整理しているうちに、これって読んだっけかってゆー文庫本が次々と出てきて、それらを読み返しているうちに時間がじくじくと過ぎていく。風呂から上がったばかりでそんなことをしてたので、すっかり湯冷めしてしまった。明日はきっと花風でしんどい一日だろー。


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