Last Updated 2022/8/14
日刊リウイチ
TUNAGATTEIRUNOYO
「1998-1999年lain日記」

リウイチとは誰だ?
リウイチとは奴だ!

薄い髪に伸びた髭
趣味はアニメと女子サッカー

日刊リウイチとは
そんな胡乱な野郎の日々を
無限に綴ったページなのだ

ワーニングワーニング

(ホントはただの日記です)

◎積み上げた本の数が這々の体で1800冊に達した『積ん読パラダイス』だけど記念事業もなく、これからも地味に静かに増量方針。ライブドアブログの方で『積ん読パラダイスinBlog』なんてのも作ってみたけど誰が見ているのやら。
落ち行く世界で孤独な少女がロボットと出逢い、つかの間の交流を経てそれぞれの道を選ぶ。切なくも哀しく、そして愛おしい狩野典洋の短編アニメーション『ノアのハコ庭』に全人類よ、涙せよ。
【8月14日】 「ハイキュー!!」の劇場版2部作の制作が発表されたと思ったら、「PYSCHO−PASS サイコパス」の劇場版新作の制作も発表になってこれから忙しくなりそうなプロダクション・アイジー。関連会社のシグナル・エムディでは押井守監督の脚本で西村純二監督による「火狩りの王」の制作が発表となっているし、WIT STUDIOでは「王様ランキング」だとか「SPY×FAMILY」といった人気作が続々作られていてIGポートグループは何か順風満帆に見えてきた。「銀河英雄伝説」のシリーズ最新3部作も来るしなあ。あとは映画で何かオリジナルのドカンとぶち上げてくれたら言うことないんだけれど。「サイダーのように言葉が湧き上がる」のような。

 しばらく前に通りがかって看板を見ていた上野のあんかけパスタの店が気になって、せっかくだからと出かけていって入って食べたら美味しかった。麺は本場の名古屋とは違って太麺ではなかったけれど細いなりにフライパンで炒めてあってそれに作り置きではないタマネギとピーマンとウインナーが混ざってしゃきしゃきとした良い味を出していた。とりわけタマネギの味が最高。新鮮じゃないとこの味はでない。肝心のソースはヨコイのようなスパイシーさはなかったけれど、近所のぱすたやが出していた水っぽいのとは違ってちゃんととろみがあってそして甘さも残った本格派。チャオかパスタ・デ・ココに近いマイルド系だった。目玉焼きも乗ってお得感もあるあんかけパスタ。これはまた食べに行こう。鉄板ナポリタンや味噌カツもあるけどそっちは味、どうなんだろう。気になります。

 もはや最後の悪あがきにすらなっていない月刊Hanadaの花田紀凱編集長による週刊誌ウォッチング。旧統一協会による大学における細胞めいたUNITEって組織があって環境だとかいろいろな活動を表立ってしつつ信者の獲得に邁進していたことが最近の一連の流れの中から改めて浮き彫りになっているけれど、ネットの中では以前から、主張する勝共活動をもって関係性が取りざたされていた。それを紹介する週刊文春の記事に対して花田さん、「が、ぼくの周辺の編集者やメディアの人間に聞いても、『UNITE』ののことは誰も知らなかった。』なんて書いて、そんな知られていない組織に影響力なんてないってことを訴えようとしている。

 それを言うなら統一協会だってこの30年ばかりのメディアにおける“不在”から、20代や30代には危険性すら知られていなかったりして、今回の事件でそんな組織があったんだと驚かれている。だからといって影響力がなかったかというと、むしろピンポイントで政治家を送り込み取り込んで主張を政策に乗っけることに成功していたりする。つまりは影響力大なんだけれど、それでもきっと知られてないから影響力はなかったなんて言うんだろうなあ。自分や周囲が知らないことは知られていないと思い込むのも歳をくった所作。そんなスタンスを見せる人を未だに尊び取り上げている新聞も新聞でやれやれだなあ。明日はどっちだ。

 平田広明さんがIMAXで見ろと行っていたのでイオンシネマ市川妙典にできたIMAXのGTレーザーで「ONE PIECE FILM RED」を見る。3回目。最前列の寝そべってみられるシートで見たけど床まで広がるIMAXの巨大なスクリーンに覆われるような感じでウタの巨大な顔とかを全身に浴びられて楽しかった。シャンクスに包まれるような気分も味わえたかな。もう10日となるのでネタバレを承知でいろいろ考えるならウタは自分がエレジアをトットムジカで滅ぼしたことを知っていて、そんな自分が許せずシャンクスに倒してもらおうと思ったけれど、自分の罪を被ったシャンクスがそんなことを聞き入れてくれるはずもないから嫌でもシャンクスが出てこざるを得ない状況を作り出そうと、ライブを行い「ウタウタの実」の力に巻き込み騒動を起こしてシャンクスを呼び寄せたんだと想像してる。

 ただやっぱり父親のシャンクスにはウタのとどめをさすことができなかったけれど、トットムジカが目覚めて暴れたことで自分の寿命が尽きて結果としてシャンクスに看取ってもらうことができた、といった感じ。決して大勢を巻き込んで自殺をしようとはしていなかったとだけは断じたい。あといったいどの時期なのかがやっぱり謎だけれど、百の介とかがもういないあたりはワの国の騒動を終えて最後の航海に出たあとのこと。だからトットムジカとの戦いでルフィがギア5のニカになる姿が一瞬とはいえ登場したと観るべきか、あれは夢の中だから潜在的なニカの力がその瞬間だけ溢れてしまっただけでまだワの国にはたどりついてないと見るべきか。それだとメンバーが違うからなあ。まあパラレルと思いつつ尾田栄一郎さんが総合プロデューサーを務めているならやっぱり“正史”だと思うことにしよう。いずれまたウタの存在も本編で仄めかされると信じて待とう。


【8月13日】 萩本欽一さんが新型コロナウイルス感染症に感染したとかで、年齢が年齢だけにいろいろと心配になってしまうけれども入院したといった話もないからとりあえずは状態は悪くないと思いたい。出始めのころに志村けんさんの命を奪って日本の喜劇界に衝撃が走ったけれど、これで欽ちゃんもとなったら日本の喜劇のものすごい柱が2本も奪われてしまうことになるから。有名な方に被害が出ると世間で緊張感が走るということはあるし、志村さんの衝撃が当時の安倍晋三総理に厳重な対応を決断させたのかもしれないけれど、今回は欽ちゃんとの引き替えでなく純粋に今の惨状を見て政府に何かしらの決断を求めたい。

 台風だから果たしてあるかと心配していたけれど、まだ来てないということで欠航された映画「ONE PIECE FILM RED」の舞台挨拶を見に新宿バルト9へと出かける。到着して外に出たら強風と豪雨で、これでお台場のコミックマーケット会場に並んでいる人は吹き飛ばされはしないかと心配になったけれど、それすらも耐えて並ぶのがコミケの参加者という奴だからきっと大丈夫だっただろう。台風すら祭りにしてしまうだけのバイタリティと砲丸力を持っっているのが日本のサブカル人間たちだから。

 さて舞台挨拶はジンベエ役の宝亀克寿さん、フランキー役の矢尾一樹さん、トニートニーチョッパー役の大谷育江さん、ウソップ役の山口勝平さん、ロロノア・ゾロ役の中井和哉さん、ウタ役の名塚佳織さん、モンキー・D・ルフィ役の田中真弓さん、ゴードン役の津田健次郎さん、ナミ役の岡村明美さん、サンジ役の平田広明さん、ニコ・ロビン役の山口由里子さん、そしてブルック役のチョーさんと麦わらの一味&映画ゲストの大集合でなかなに壮観。これだけの面々が集まる機会なんてそうはないから、一生の記念になった。おまけに写真撮影可。これは嬉しい。

 全員にいちいち聞いていたら時間がいくらあっても足りない中で山口勝平さんが麦わらの一味のお調子者らしく音頭を取ってしゃべり大谷育江さんが横で突っ込むいつもの感じを再現。大谷さんは56歳なのにナイスなバディを披露していて可愛い声も含めて目に結構なものがあった。そしてロビン役の山口由里子さんは変わらぬ声を聞かせてくれて冷静な上に愛らしいロビンといった雰囲気を感じさせてくた。田中真弓さんは船長で座長といった感じで喋り動いてみせてくれた。良い結束だなあ。

 そんな中に入った形の津田健次郎さん。周囲からはあのゴードンという顔立ちでツダケンが果たして合うのかといった不安もあった中で当人もいろいろ考えながらもっとおさえたトーンでいこうとして周囲にひっぱられ、芸術家としてでありウタの育ての親めいた立場としての激情を乗せた声になったって話をしてくれた。麦わらの一味がそれぞれに海賊っぽいコスチュームで登板していたのと比べると、ひとりスーツ姿だったけれどそれがまたゴードンらしいといえば言えるかな。いやいつものツダケンか。名塚佳織さんは「コードギアス 反逆のルルーシュ」でナナリーを演じて谷口悟朗作品にはおなじみだけれど、ウタという役はナナリーとは違うだけにどんな演技が求められたのか気になった。

 聞くと歌を担当したAdoさんと役を分け合っう中、名塚さんがセリフを言う時は語尾で音程をしっかりと整えて発するように言われたとか。田中真弓さんはいっしょに収録していて大変そうだったって話していたけど、それは確かに自分でなりきって自分で整え声を出すのが仕事の声優が、箸の上げ下ろしまでを決められるのは結構な苦痛。それでも受けたのはAdoさんの歌い出しにつなげる上で2人の間に違和感があってはいけないから。語尾から歌へとスムースに繋げるために必要なことだったそうで、それならばともう1回くらい映画を見て見たくなって来た。台風が過ぎたら明日にもまた行ってこよう。今度はIMAXで見たいなあ。

 寄託して市立船橋と敦賀気比との試合をネットで観戦。先制して2点リードしたものの追いつかれ引き離された市立船橋が、それでも最終回に得点を奪って追い上げを見せる中で鳴りひびく「市船soul」というシチュエーションを作り出し、全国的にその校名と楽曲名をとどろかせる試合になった感じ。残念ながら負けてしまってこの後に甲子園に「市船soul」が流れることはないけれど、音楽に死はないから次に甲子園に出れば、あるいは高校サッカー選手権大会の試合が行われればそこにブラスバンドがついていって、奏でる「市船soul」を耳にできることだろう。どうせだったら映画もリバイバル興行すれば入るのになあ。やってはいても一部では勿体ないなあ。


【8月12日】 気がつくと台風が発生して第100回目となる記念のコミックマーケットを直撃するみたい。これは大変だねえと他人事のように思っていたら、明日丸の内TOEIで「ONE PIECE FILM RED」の舞台挨拶を見ることになっていて、台風が直撃する中を出かけなくてはいけなかったことに気がついた。これは大変。というより本当に実施されるのか。観客はいけても声優さんは危なくて出歩けないんじゃないか、って考えると中止もあり得るかもしれないああ。とはいえ全国への中継も決まっているだけに中止にはできないか。ちょっと様子見。

 船橋市立船橋高等学校が夏の全国高校野球大会に出場して1回戦を劇的な逆転によって突破したこともあって、大きく注目された応援曲の「市船soul」。それが再び甲子園で奏でられる2回戦を前に市船で応援Tシャツの頒布があるというので朝から起きてとことことを歩いて出かけていく。東船橋から歩くのが近いみたいだったけれど、地図で見ると1駅分もないところにあったのでせっかくだからと徒歩でいく。たどりつくと結構な人数が並んでいて関心の高さを改めて感じ入る。

 とはえいコミケの壁サークルほどの行列もなかったので、販売開始から20分ほどで順番が来て2枚ほど確保。1枚1500円は格安で、それで市船の文字と地区予選優勝の印がプリントされたTシャツがもらえるならこんなに嬉しいことはない。本当だったら甲子園まで行ってアルプススタンドで応援したかったけれど、そんなお金はないのでここは船橋に引きこもって……いらなかった舞台挨拶があるんだった。あればあったでそこにTシャツを着て帰りがけにどこかでネット中継を見ながら応援しよう。中止なら家でTシャツを着てやっぱりネットで応援だ。敦賀気比が相手だけれど勝てるかなあ、ってそれは沖縄興南にも言えること。春夏連覇を果たした強豪に勝ったんだから次だって。期待大。

 台風前の温風が吹き込んで熱いのでそのまま戻らず大手町へと出て早い時間で空いていたリトル小岩井でジャポネのスパゲティを食べてから隣のスターバックスで原稿書き。お盆ということで人出も少ないかと思ったらまだ平日ということもあって結構な人数のサラリーマンが行き来していた。仕事熱心だなあ、とかいいつつフリーにお盆休みもないのでひたすら原稿を打つ自分もそれなりに仕事熱心なのかもしれない。2時間ほどで原型を整えてとりあえず退散。そのまま半蔵門線で錦糸町へと出てせっかくだからと1駅歩いて亀戸まで行きキッチンDIVEでベーコンエッグ弁当を買う。茶色くないのってこれくらいなんだよ。

 経済安保担当大臣に就任して中国相手に強権をふりかざせる立場となった高市早苗さんだったけれど、引き継ぎ式を行わず表舞台に出てこないことになったとか。就任会見では統一教会系の雑誌に出たことにそういうバックグラウンドがあるとは知らなかったなんて言ってたらしいけれど、知らないこと自体が安全保障から遠い所業であってそんな見極めもできない人に経済安保相が務まるのか、なんて突っ込みを受けるのがもしかしたらいやだったのかも知れない。それで逃れられる類のものでもないんだけれど、とことんまで追求しようとお知らぬ存ぜぬで逃げ切れる前例を安倍晋三元総理の時代に政権も議員も官僚も作ってしまった。なのできっとこのまま有耶無耶で進んでいくんだろう。やれやれ。


【8月11日】 何かを成し遂げたいけれども手元資金に乏しいとき、その成し遂げた何かで喜ばせるなり成し遂げる過程で生まれた何かを還元することを約束して、出資を募るのがクラウドファンディングというもので、それがインターネットの力によって広く募れるようになった。とはいえサイトを運営するにはコストもかかるからそうした運営費用や告知の費用をサイトの運営会社が抜くことは道義的に認められている。発起人が助かり支援者が喜び運営者が成り立つ仕組みこそがクラウドファンディングのあるべき姿と言えるだろう。

 そうした仕組みの上で安倍晋三元総理大臣への弔意を示す意見広告めいたものを新聞に掲載したいとするならば、発起人となる第三者のチームがあって新聞社にそういった広告を掲載したいと交渉し、OKをもらった上で費用の提示も受けてそれをまかなうためにクラウドファンディングのサイトを通して告知しつつ支援者を募るというのが真っ当な形。世にある意見広告というものはそういった形で作られ掲載されている。新聞社としては広告の掲載料をもらうだけだから媒体力に対する正当な対価といえる。

 ところがとある新聞がクラウドファンディングと称して始めた安倍晋三元総理大臣の国葬に会わせた弔意広告は、クラウドファンディングのサイトも自社で運営するものなら掲載する媒体も自分のところ。結果的には単なるお悔やみ広告を、企業などから集める代わりに個人から集めるものでつまりは純粋にビジネスに過ぎないんだけれど、そこにクラウドファンディングという言葉を介在させることで個々の弔意を束ねて世の中に示すボランティア的な活動ととられてしまう。だからこそ大勢が参加しているんだけれどこれって道義的にはどうなんだろうなあ。

 商売を商売といわない口幅ったさ。クラウドファンディングといっても実質は自前で手数料も懐にいえる奇妙さ。安倍晋三元総理が心を傾けていたらしい拉致問題への寄付も行うそうだけれど、その比率も明らかにになっていないにも関わらず、大勢の人が良いことのようにそこに名前を連ねて“広告費”を提供している。これが普通にお悔やみ広告を募る活動だったらここまで集まったかというと、たぶん集まったと思うけれどそれをクラウドファンディングと言った事でクラウドファンディングという仕組みが持つべきフラットで民主的な印象を収奪の装置と思わせてしまった。今後もクラウドファンディングを運営していく上でこれは是か非か、って言えるほど余裕がないのかもしれない。メディアって大変だ。

 一昨日におとついに来た依頼を茅場町まで出ていつものVELOCHEでしこしこと下書き。どうにか書き上がったのでそのまま地下鉄で六本木まで出て、CoCo壱番屋でカレーを食べてから国立新美術館で李禹煥展を見る。石が置いてあるだけだったり木ぎれが転がっているだけだったりする「もの派」の究極みたいな作品があったり、カンバスにハケでさっとなでたような線がいくつか描かれているだけの作品があったりしてシンプルだけれど寺社の枯山水のような奥深さを感じさせるのか、割と大勢の人が見に来ていた。自分にも出来そうだと思わせるけど、そのバランスをどうとるかということと、その行為をどれだけ極めるかといったことが必要なだけに一朝一夕にはいかない表現。それを50年にわたって続けてきた成果があの静謐さであり深遠さなんだろう。

 帰りは虎の門から千代田線で大手町へと戻り東西線で船橋へと戻ってやっぱりVELOCHEでフィニッシュ。時間があったのでいろいろと考えてひろしまアニメーションズに行こうと思ってとりあえず宿を予約し、それから行きと帰りの新幹線を予約する。まだキャンセルはきくけれど1回目ということでのぞいておくことで今後の生涯の話の種にはなるかもしれない。そう思える身心にようやくなってきたのでここはやっぱり行くのが正解かなあ。広島はまだ入ったことがないので原爆ドームとか観て来よう。時間があった呉までまで足を伸ばしたいところだけれど、それが無理ならすずさんが化物とすれ違った橋くらいは渡ってこよう。


【8月10日】 鈴木雅久さん死去。といってもそれほどメジャーではないけれど、イラストレーターとして笹本祐一さんお「AREAL」とかいろいろな作品の表紙絵を描き「機動戦艦ナデシコ」でもイメージボードを描いたりしてSF周りでは結構メジャーなイラストレーターだった。ツイッター上にも普通にいて所在は確認していたつもりだったけれど、ここしばらく更新がなかったと思ったら6月20日に亡くなって四十九日も終わってからの公表となったみたい。笹本さんら親しい方が告知されてて親しい方も最近知ったみたい。静かに送りたかったのか送られたかったのか。分からないけど残念。人が逝く夏。すぐにお盆だから帰ってくるかな。

 茅場町まで出てVELOCHEで原稿をぱちぱち。書くことになった映像についての指向も合わせて寝るけれど、そっちをまとめるのは明日にしよう。とりあえず泥棒猫の物語ではあった。2時間くらいたって煮詰まってきたので新宿に出ようと大手町まで行き、地下鉄丸ノ内線に乗り換える途中で席があいていたリトル小岩井に入っておすすめパスタを書き込む。トマトソースに魚介類が合わさったペスカトーレみたいだったけど、ゆるゆるに茹でられた太い麺で食べるとぱすたやのペスカトーレとはまた違った食べ物になっていた。やっぱりここん家は油が麺に染みたイタリアンが美味しいなあ。しかし30年近く大手町に通って1度しかいかなかったリトル小岩に今年になってもう3回も入ったぞ。何があった。

 新宿ではピカデリーで「劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えて」のスタッフトーク付上映会を観る。演出回ということで聞きに行ったら4についての話がメインでラ・グーがベルリやアイーダを美術館めいた場所から地下のオペレーションルームめいたところへと案内するシーンでずいぶんとコンテ上から切られたか所があると説明。途中まで作画も進みモニターグラフィックの作成も行われていたのに富野由悠季監督がばっさりいったとか。

 もっぱらエネルギー資源だの歴史だのについて喋り語るシーンでそれで何かベルリが得心を得るような流れだったけれどあれば説明にはなってもそれは説明であって映像だとテンポが悪くなって観る人が飽きると思ったのかもしれない。テレビシリーズにはなく映画で新しく付け足したからには必要だから付け足したにもかかわらず、観てテンポが悪ければ不要と削ってしまう富野由悠季監督の凄さを観たと演出の吉沢俊一さんが話してた。

 コンテやレイアウトや3D素材を貼り合わせたビデオを流して再現してそして実際の映像を流して差を見せてくれたけれどなるほどなくてもテンポ良く何かが伝わるようになっていた。だから削ったとも言えるけど敢えて付け加えて作画まで進めたのに削ってしまえる富野由悠季監督の凄みも感じられたトークだった。あとVでエンディングのスタッフロールに被って映し出されたゴッホの絵みたいなのも説明があって黒バックじゃ飽きるだろうということで工夫して油絵めいたものを描かせバックにおいたみたいだけれど、こちらとしちゃあ男たち女達のラインダンスに目がいってまるで気付いていないのだった。女性陣はご丁寧に2度も出るし。

 富野さんのスタッフロールへのこだわりも話があってビデオ編集の際に大抵は入れるんだけれどその現場でタイミングだとか文字の大きさだとかに机をバンバン叩いて怒って直させるとか。普通はよろしくで済ませるところをそうしないのも作った人たちの名前をしっかり見せたいという心遣いなんだろうなあ。制作にいわれて作って流したオペレーターも怒られて大変ではあるもののそれもやっぱり富野由悠季監督の心遣いという奴なんだろうなあ。


【8月9日】 小林清志さん死去。しばらく前に「ルパン三世」の次元大介役を大塚明夫さんに譲ったものの、その時に出したコメントではまだまだ現役でも行けそうな感じだったけれど、次元大介を演じていてもやっぱりお歳がといった感じではあったから仕方が無い。とはいえ、そこをうまく演出して決めるところだけ決めるとか、馴らしを経て発声させるとかすれば聞ける声になっていたから、まだまだ活躍はして欲しかった。

 とはいえ、89歳というお歳もお歳だったということで、そこは仕方が無い。お目にかかったことはなく、「次元大介の墓標」とかの舞台挨拶でお見かけしたこともなかったので遂にその生声を聞かずに終わった方だった聞けば確実に耳に残って他の方では真似すらできない雰囲気を持った声はやっぱり唯一無二。だからこそ半世紀を超えて次元大介を演じ、そして「妖怪人間ベム」のベムや「クラッシャー・ジョウ」のタロス、「スペースコブラ」のクリスタルボーイといった役がその姿とともにしっかりと脳裏に残っている。本当にありがとうございました。

 大竹宏さん死去。「もーれつア太郎」のニャロメとか「マジンガーZ」のボスとか「Dr.スランプ アラレちゃん」のニコチャン大王といった声が今も大勢の耳に残っている声優さんだった。2011年に赤塚不二夫さんの作品を集めたDVDが出るということで、アッコちゃんの太田淑子さん、ブタ松でバカボンのパパの富田耕生さん、イヤミの肝付兼太さん、そして大竹さんのレジェンド声優4人にそろってインタビューする機会を得て、そこでニャロメの奔放さが権力に対するカウンターとして取り上げられていったんじゃないかなって話してくれていた。当時も混乱していた世相に「ニャロメっていってやりたいと」とも。

 肝付さんが亡くなられ富田さんが逝かれ、去年は太田さんも軌跡にはいられながら大竹さんはまだまだご存命だったからいつまでもお元気でいて欲しいと思っていたけど、そこはやっぱり90歳というご高齢、直前まで本当にいろいろなところで活躍していたのは小林さんとはまた違った意味で唯一無二の声をお持ちだったからだろう。決して声色を作るなんてことはせず、内面でもって感じたままに出したその声が役にハマる。富田さんも肝付さんも太田さんもそうだった。声で役柄をねじ伏せる。そんな声優さんの声優さんらしさを感じさせてくれる人、今はどれだけいるだろう。その言葉をもっと聞いておきたかった。合掌。

 オリビア・ニュートン=ジョンさん死去。「そよ風の誘惑」が有名だけれどMTVな世代になってくると「ザナドゥ」とか「フィジカル」といったポップでライトでテクノでキッチュな楽曲を歌うお姉さまといった雰囲気でシティポップからちょっと離れたアメリカンポップスの代表格みたいなポジションだった。その後でシーナ・イーストンとか出てきてゴーゴーズみたいなガールズロックも出てきて賑わっていく中でオリビアさんの名前は聞くことがなくなっていたけれど、環境運動とかで活躍していたようで実業家でもあったらしい。1948年は都はるみさんと同じ歳なんだよなあ。そう考えると都さん凄いかも。

 三宅一生さん死去。いわゆる黒の衝撃として山本耀司さんと川久保玲さんがパリコレクションで大いに話題になる中で、日本からいったデザイナーでも三宅さんはちょっと違ったモダンで先鋭的なイメージがあってDCブランド全盛の時でもY’sやコムデギャルソンよりもさらに違ったポジションにあったような印象。Y’Sやコムデギャルソンは買えてもイッセイミヤケはちょっと買えなかったから。Y’sが経営に行き詰まり高田健三さんもブランドを譲り亡くなる中で川久保玲さんと三宅一生さんはブランドをしっかり維持してた。そこが服と向き合い服とだけ対話し続けたデザイナーの強さなのかもしれない。合掌。


【8月8日】 何しろ1時間はかかる大分空港まで行くバスが1時間に1本では、乗り逃すと飛行機に乗り遅れてしまうので早い時間に移動しようと午前7時には起きてバス停に行き、空港行きのバスに乗って午前9時には空港にちてチェックイン。2時間くらい時間はあったけど何があるでもない大分空港で買い物も遊びもできないので、カフェで居眠りをしてから始まった搭乗に従ってジェットスター航空の成田行きに乗る。

 来るときは羽田からJALだったけど帰りをジェットスターで成田にしたのは料金が安いから。それこそ半額くらいでちょっぴり遠い成田に行ってくれるならこれはお得な上に機材もA320でJALとアメリカン航空の共同運用なら心配することもない。乗ってる時間も1時間ならサービスがあってもなくても変わらないならこっちを最初から利用しておけば良かったかもと思ったけれど、成田に到着して第3ターミナルで降ろされて、そこから電車に乗ろうとしたらそれこそ1キロくらい歩かされることが判明。帰りがこうなら行きも似たようなものだとすると、大荷物を抱えての利用はちょっと大変かもしれない。

 幸いにしてろくに荷物もなかったので、1キロくらい歩いて第2ターミナルへと行ってそのすみっこにつくられたアニメ関連のショップを見物。なかなかものはそろっていたけれど、こんな隅っこではインバウンドで来日した外国人に利用してもらうとしたってちょっと無理だろう。パイロット服をきたキャラクターのグッズが抱負だからむしろ国内のファンがチェックしに行っているんじゃないだろうか。ガンプラもあったけど今人気のがあるかどうかは不明。個人的には「鉄血のオルフェンズ」のバルバドスがあったのでちょっと欲しかった。カッコ良いんだこれ、ゴティックメードみたいで。

 「ONE PIECE FILM RED」が週末の興行で22億5000万円を稼いだとのこと。土曜日からのスタートで2日間だけでこれはなかなかの数字。上にあるのは「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」だからそれに追いつくか迫るくらいの興行収入を得るかもしれない。100億円は硬いかな。そうなったらちょっと凄いかも、過去にもいっぱい作られた「ONE PIECE」の映画だけれどそこまで行った作品は確かなかったから。谷口悟朗監督の名前も広まれば、現在手掛けている劇場版「エスタブライフ」にも弾みがつくかも。でもって繰り出されるのがノーパンだったら笑うけど。それは橋本裕之監督のテイストだから劇場版にはそうはならないかな。

 そんな「ONE PIECE FILM RED」がトップに来たことで下は順繰りに下がって「今夜、世界からこの恋が消えても」は5位から6位に。その意味では勢いは維持したってことで口コミが聞き始めて夏休みということで若い人たちが続々と劇場にかけつけては、ハンカチを涙で濡らしているのだろう。不思議なのは「モエカレはオレンジ色」が圏外から9位に浮上したこと。何かあったんだろうか。青春系が2作並ぶランキングはそれはそれで日本的。逆に「ソー ラブ&サンダー」が圏外に消えてしまうところは、マーベルが強いアメリカと大きな違いがあるって言えそう。「Gのレコンギスタ5 死線を超えて」は映画には入らないのかな。

 夕方からVELOCHEにこもって暑さを凌ぎつつネットで夏の甲子園野球大会を観戦。沖縄の強豪・興南高等学校と地元・船橋から15年ぶりに出場となった船橋市立船橋高等学校の試合はしょっぱなの市船の攻撃となった1回裏からあの「市船soul」が演奏されて何が何でもまずは「市船soul」を甲子園で響かせるんだという吹奏楽部とそして市船の意気込みを感じる。その回に3塁までランナーが進んで期待したものの無得点に終わり、そして3回に沖縄興南に5点を奪われ万事休すかと思ったら、2点を奪いそれから本塁打で1点を返してさらに8回、「市船soul」をバックに奮起した市船の選手が2点を入れて同点に。

 そして迎えた9回裏も「市船soul」が鳴りひびく中、満塁となって代打に出た選手に相手投手がボールをぶつけて押し出しからのサヨナラ勝ちして2回戦に駒を進めて「市船soul」が甲子園に流れる機会を先につなげた。ニュースなんかでもさっそく報じられていたりしてちょっとしたブームになりそう。このビッグウェーブに乗ろうと「20歳のソウル」を紹介する原稿を書いてぶっこんだけれど次の試合までに掲載されるかな。そこで負けても記憶に残れば良いのでとりあえず頑張ってとエールを贈ろう。


【8月7日】 大分へ。たぶん初上陸。宮崎には行ったことがあるし鹿児島にも鉄道で行ったことがあるけど大分は通過したことすらなかったんじゃないかなあ。佐賀は通過だけはしているだろうからこれで九州全県制覇。でもまだ四国には入ったことがないのだった。還暦の厄払いにお遍路でもするかなあ。ってことで朝の8時過ぎくらいの飛行機に乗って1時間くらいで大分空港にはついたものの、そこから大分駅前まで1時間くらいかかるというこの戦闘力の差に飛行機という文明の利器の偉大さを強く覚える。リリエンタールとライト兄弟は偉かった。

 夕方までやることがないのでとりあえず昼食でもとネットで調べて大分名物と分かった「琉球丼」を食べに二代目与一へ。海の男のまかない飯だったとかでご飯の上に皮をはがれて千切りめいて細く切られた関アジをタレ漬けしてびっしりと乗せてゴマとか大葉とかを散りばめた海鮮丼のシンプルな奴といったところだけれど、食べるとこれがアジだけなのに甘みがあって深みもあって美味しくてついつい箸が進んでしまった。こんなの食べていれば海の上だってずっといたいと思えるよなあ。店はカウンターだけで「琉球丼」も1日にそれほど数が出る訳ではなかったみたいで食べられてラッキー。次来ることはないけれど、東京でも丼選手権みたいなのがあれば食べてみたいかも。

 その後、近くにある大分県立美術館に行って現代美術の展覧会を見物。ウォーホルがいたりカンディンスキーがいたりジャコメッティがいたりとモダンアートもあればフルクサスとか中西夏之とか荒川修作とか河原温とか今となっては懐かしさが漂う現代美術もあってそっち系が好きな人には楽しい内容。あと森村泰昌とか奈良美智とか。でも村上隆を始めとしたカイカイキキギャラリー系はいなかったのはどこかやっぱり美術の筋から外れたところで活躍しているって認識なんだろうか。

 ホテルにチェックインするまでまだ時間があったので、ホテルそばにあるモスバーガーでアイスコーヒーを飲みながら時間を潰していたらものすごい雨と雷でリアル「スプリンクラー」といった感じ。これを聞いていたら達郎さんも話題にするかと思ったけれど、リハーサルでホールにこもっていたんだろうか、雨については喋らなかった。地方をまわって名物を食べて温泉につかって音楽を奏でてなんて無頼な暮らしは出来ないし、飽きるんだろう。講演だけして旅行をしていてそれが楽しいと言ったら永久に東京に帰れなくなったってSFが筒井康隆さんにあって、憧れつつも怖かった記憶。時々来るから良いんだよ。

 さても今のところ山下達郎さんのライブ「PERFORMANCE 2022」で唯一当たった大分県大分市にあるiichikoグランシアタでの公演を観る。新アルバム「SOFTRY」から「LOVE’S ON FIRE」を達郎さんがバックダンサーを従え踊りながら唄う姿が最高だった。そんな藤井風な訳がない。ほぼほぼいつものライブといった感じ。メンバーも同じなんで安定感抜群。とりわけ今回は僕が大好きな「MUSIC BOOK」を聴かせてくれて良かった。

 iichikoグランシアタは車いす席の16席を含んでも1966席とこじんまりとしていながら幅広でゆったりとした空間を味わえるホール。それだけ前後は長くなくて達郎さんを間近に手に取るように見えた。ちょっと幅広な感じだった。よたよたと歩いていたのはいつものこと。ストラトキャスターを手に取れば抜群のカッティングを聴かせてくれるし「RIDE ON TIME」ではいつもの生声を限界に挑戦するかのようにステージ奥から響かせてくれた。

 この声が良かった。新型コロナウイルス感染症に感染して4公演ばかり延期にした関係で喉に影響が出ていないか心配だったけれど、軽症だったらしく喉に影響はまるでなくむしろ休んでそして熊本で久々に声を張りだして整った感じにヌケの良い声だった感じ。とても69歳とは思えないんだけれど「MUSIC BOOK」をかも含めてアルバムを出していた30代の頃を思わせる声を聴かせてくれた。凄かった。

 詳細はこれからの人もいるから置くとして、バンドメンバーのつばぜり合いが演じられる場面があったり宮里陽太さんが昔の僧形めいた雰囲気からちょっとモダンになっていたりと人的にも見どころはいろいろ。そして難波弘之さんは達郎さんと同じ年なのにいつまでもSF少年でキーボード少年な感じがこれまた凄かった。しばらくまえに病気もされた気がしたけれどそんなことは感じさせない演奏ぶり。ツアー最後までこれなら全員で突っ走っていけるだろう。もう1回くらいどこか当たらないかなあ。


【8月6日】 「月刊潮」を刊行している潮出版社が創価学会系というのは知られた話で、そして創価学会は公明党と関係があっていわゆる政治と宗教の問題に触れていることも承知しているだけに、統一協会を信じてお金を注ぎ込んで一家を不幸のどん底に叩き込んだ母親を怨んだ挙げ句に、統一教会系の団体に総理大臣でありながらメッセージを送ったりしていた安倍晋三元総理を射殺した事件が、政治と宗教の関係をあぶり出している状況で、その問題に触れずに安倍晋三元総理について語ることは不可能と考えたからかもしれなあいと、事件について特集も組んでいなければ記事も載せていない月刊潮の2022年9月号の「月刊潮」の割り切りぶりについて思った。

 どこかのライティなオピニオン誌がそろって安倍晋三元総理の功績ばかりを挙げて持ち上げているのと比べると、潔いというか正直というか毀誉褒貶の誉褒ばかりを取り上げるみっともなさを自覚していたのかもしれないけれど、そうした中にあって国際政治学者の人だけが、コラムで安倍晋三元総理の暗殺事件について触れていたものの、内容が相変わらずというか安倍晋三元総理と統一協会との間に深い関係があるといった認識から、犯人が銃撃を行ったことを指摘すること、が犯人のテロを肯定することになるといった謎理論を繰り出して、安倍晋三元総理と統一協会の関係から目をそらさせようとしていた感じ。その死を悼みつつテロを憎みつつ原因について語ることをそれぞれに独立して行えばいいだけなのに、そうせず原因のとりわけ関係面だけをオミットするその言説はいったい何によるものなのだろう。ずっと気になっている。

 初日から売り切れ続出の「ONE PIECE FILM RED」を見にイオンシネマ幕張新都心へ。最寄りのJR幕張本郷駅に着いたら改札内にある自販機で売っているヤクルト1000が売り切れではなくなっていたので、1本買って飲んでみたけど味は普通にヤクルトだった。何が違うんだろう。夜になるとぐっすりと眠れるんだろうか。っていうか今も普通に眠れているからなあ。夜に期待だ。でもってイオンシネマ幕張新都心へとバスでたどり着いて「ONE PIECE FILM RED」。いやあ、谷口悟朗監督は凄いというか、あの予告編から想像できる展開をそうもひねってくるというか、驚きの連続でラストまで引っ張り回された。

 何を語ってもネタバレになるだけに何も言えないけれどもとりあえず見終わってからもう1度見ると、それぞれの描写に違う意味が感じられる作品であることは確か。それは「今夜、世界からこの恋が消えても」と同じで個々の場面の心理状態を知って改めて見直してそこではそうだったのかと感じたいのでまた行こう。というか来週の舞台挨拶のチケットが当たっているので行く予定ではあるんだけれど、その前に今度はIMAXで見たいかも。いやイオンシネマ幕張新都心のULTIRA&ドルビーATMOSも最強だったんだけれど、IMAXはIMAXで画面のクリアさがどれくらい映像を引き締めているかを知りたいのだった。

 あと言えることはメインキャラクターとなっているUTAもいろいろと考えていたんだなあということ。それは特典としてもらえた第40億巻を読んでも感じ取れることで、単にすべてをキャッチアップしようとしただけでなく、それをしっかりと支えてくれる人を想定して信じていたということ。それでもやっぱりいろいろとしでかしてしまったことにたいする決着を、整えてきたところに谷口悟朗監督ならではの筋の通し方を見てしまった感じ。そこはだから「コードギアス 反逆のルルーシュ」でルルーシュに安易な幸せを与えなかったことからも感じ取れる。そういえばUTAの普通の喋りはナナリーだったなあ。あんな奥ゆかしかった子がこんなに自己主張の激しい娘に育ったんだなあ、ってそれは違うけど。歌で進める映画という意味では「マクロスΔ」の2本の方が好みだけれど、見込めばまた違ってくるかも。その意味でまた行かないと。


【8月5日】 無事に熊本が開催されるようなので、大分も開かれるだろうとここは腹をくくって大分のホテルを予約。ついでに帰りの飛行機も予約しようとスタージェットの便を見つけて予約をしたら、1日間違えていたのが判明して慌てて日程を切り替えたらそれだけでちょっと割増になってしまった。そこが安価なLLCだけれどもそれでもJALなんかに比べれば安いから仕方が無いのだった。ちなみに往きはJALで羽田から。帰りはスタージェットで成田まで。考えて観れば成田の方が家からだと近いんだけれどちょっとそこまで頭が回らなかった。両方試せて良いって思うことにしよう。あとは天候だな。

 そして気がつくと松本直也さんの漫画「怪獣8号」がアニメ化されるって発表されていた。それはそれで目出度いんだけれどすでに結構動いているあの絵がアニメになって感じられる驚きがどれだけかって考えた時、やっぱり実写映画化して欲しかったという思いが強く浮かんで仕方が無い。なるほど日本の漫画の実写化がいろいろと言われているのは知っている。最近も「鋼の錬金術師」にいろいろと異論もあったけれどもそれは役者のセレクトとシナリオのさばきかたの問題であってVFXは結構力が入っていた。そして「シン・ウルトラマン」のように特撮でありながらもリアリティを持った映像が作られると分かってきた。

 だったらという思いもあるし、これが海外だったらマーベルのコミックスが普通に実写映画になってとてつもない世界をさらに凄いものにして見せてくれるのを目にしていると、同じような技術でもって「怪獣8号」も実写映画にして欲しいという気がしてしまうのだった。まあ予算が文字通りにケタ違いだから迫るのは無理でも頑張れる範囲で頑張っていかなければ未来はない。だからいつか実写映画化にも挑んで欲しい。無理なら海外での実写映画化なんてこともあって良いんじゃないかなあ。ところでアニメはいったいどこが制作するんだろう。MAPPAがあれもこれも手掛ける中で挑んで同じクオリティをたたき出せるアニメスタジオが出てきて欲しいのだけれど。WIT STUDIOが「SPY×FAMILY」に続いて取ってくるかな。

 三鷹でちょっとばかり仕事をしてからバスで調布へと向かいシアタス調布で「GのレコンギスタV 死線を超えて」を見ることにしてついでに富野由悠季監督に迫る映像が収録されたブルーレイを確保。丸の内ピカデリーだとすでに品切れになっていたりするそうで、誰もが気になる監督として未だトップにあり続けているのは宮崎駿監督ではなく富野由悠季監督なんだってことを改めて満天下に示した格好。上映まで時間があったので劇場を出て調布駅の北口にある「かれんど」という店でキーマカレーオムライスを食べる。前に来たときはちょっと行列で入れなかったのでリベンジ。ご飯の上に丸く卵焼きが被せられ、その上からキーマカレーがかけられてもう美味しくないはずが内というビジュアルだったけど、味もそのとおりにキーマの辛味と卵焼きの甘み、そしてライスのうま味が混じり合ってとても美味しかった。また行こう。

 さて「GのレコンギスタV 死線を超えて」は誰がどうだかさっぱり分からないけれどもとりあえず、戦いに血道をあげる人たちの動機に多分に彼氏彼女の恋情があったりすることも見えてきた。少し前まで宇宙の果てまでベルリと一緒に旅したのにマニィが地球のそばまで戻ってマスクことルイン・リーと合流すると、マスクのベルリへの嫉妬と逆恨みが爆発したような感情をそのまま受け取って、本気でぶち殺しに行くんだから恋の力は凄まじい。
 ベルリも戦いはダメだとかいって飛び込んでいっては相手を平気でぶち殺すから言行不一致も甚だしいけれど、殺したくないと言っても殺さざるを得ない状況に入ってそして殺さなくちゃいけないという思いにとらわれるのが戦争だってことを言いたいのかもしれない。最後はそれでもノーサイドから憎しみをすっと消してみせるあたり、人はわかり合えるんだっていうかつての思想を明るく描いたものとも言えそう。難しくして悩ませるよりあっけらかんと見せてすっと落としてのけた2020年代のガンダムであり富野由悠季監督ならではの作品。やっぱり遡って1と2と3も見なくっちゃ。マニィは髪をまた伸ばせば良いのに。


【8月4日】 1997年といえばケ小平こそ死去したものの江沢民国家主席の下でケ小平が夢見た香港返還が行われた年。それを3か月後に控えてアメリカから下院議長のニュート・ギングリッチが台湾を電撃訪問して李登輝総統と会談したのは、香港返還からの台湾侵攻があり得るかもしれないと言われ始めた時期にアメリカの姿勢を改めて示すことで、中国を牽制するという意味があったと言われている。中国を一応は立てながらも決して甘やかさない態度を示したとも言えるけれど、そうした忖度のない態度を見せるのが世界の警察官、アメリカ合衆国だけのことはある。ここで日本は台湾訪問なんて誰もできなかった訳だから。

 それもまた中国への経済依存度が高い日本にとっての処世術でもあるんだけれど、口だけの人は態度で示せと今回のペロシ下院議長の台湾訪問に関連していろいろと言い出すんだろうなあ。とはいえ25年ぶりとなる訪台が前回のような意味を持っているとしたら、香港の民主化を完全に押さえ込んで中国化を一気に進める動きの中でまたぞろ台湾侵攻なり台湾有事が言われ始めているのをちょっと、牽制しておく必要があるんじゃないかといったものなんだろう。

 とはいえ国力を高め軍事力も教戒している中国もやれやれと良いながらとりあえずおとなしくするかというと、江沢民政権下で中国サイコーな教育を受けてきた人たちが四半世紀経って要職についている今、かつての周恩来だとかケ小平のような思慮深さよりも内政の歪みを外交で解消しようとして暴れ出さないとも限らない。それは中曽根康弘元総理だとか野中広務元自民党幹事長だとかいった戦争を経験した世代が引退なりして政界から去った自民党で、内政の不満を外にぶつけてそらそうとする動きが妙な宗教とも結託して濃縮されているのと同様で、そうした夜郎自大の輩がいつ激突しないとも限らないのがちょっと怖い。哲学を持って歴史に学び聡明さにあふれた為政者ってなかなか出ないものだなあ。

 食べたくなったので有楽町まで行ってスパゲティのジャポネでインディアンスパを頂戴する。茹で置きしてある太めのスパゲティをフライパンでいためて具を混ぜて出すロメスパの老舗で、ジャポネだとかいろいろなメニューがある中でカレーがかかったインディアンはシンプルで食べやすかった。ジャンボでもあんまり量が変わらないのはあるいは昨今の諸物価高騰で容量が抑え気味なのかそれともさらに上の横綱に全振りしているからあまり盛ってないのか。まあ食べきれないほど出ても困るのでお昼にはちょうど良かった。

 食べ終えて隣のマクドナルドでしばらく原稿打ち。適当に時間もたったので丸の内TOEIで「ハケンアニメ!」でも見ようかと思ったものの、渋谷TOEIではまだしばらくやっていそうだったので今日は休もうと有楽町からJRに乗って亀戸まで出てそこでキッチンDAIVEのベーコンエッグ弁当を購入。卵が5つは使われたゴージャスな弁当で黄色いフライがいっぱい盛られたものと比べると量はありながら食べやすいのだった。次もあったら食べたいな。ちょっとだけ横になったら夢に角川歴彦会長が出てきて記者会見をするというので300円はらって参加。なんで会見にお金を払うんだってそれは夢だからそういうことも起こりえる。なんで歴彦さんかといえばそれは話題になっているから。北野武監督のせいって奴で。どこに落ち着くかなあ。


【8月3日】 東劇ビルの1階にあった本屋さんが消えてしまったことから浮かぶ寂しさは、あの界隈の街全体がどこか沈み込んでいるように思えることからも強く感じる。同じ通りを皇居まで戻った日比谷がミッドタウンで一気に再開発されたのと比べると、有楽町から銀座を越えたあたりはシネパトスが消え歌舞伎座は屹立するも興業はコロナで襲名披露とかタイミングじゃなく、電通は移転しアサツー・ディケイもとうに虎ノ門へと逃げ華僑ビルはなくなり築地市場が移転して勝鬨橋あたりまで何もない感じになってしまった。

 かちどき橋を渡ればそこは月島で江戸の雰囲気が未だに味わえる伝統ある街なのに、築地市場もなくなった今は訪れる人も流れでは減ってしまってどこか静かだなあという気がして鳴らない。それもまた風情、下町風情が維持されると言えばいいのだけれど、再開発が入って建つのはタワマンばかりとなるのも勿体無いので、ここは毎日1回、勝鬨橋を上げればいいかなと思ったり。あるいはARゴジラを立たせてスマホ越しに見られるようにしたら良いかと考えたり。日本橋が三井不動産の手で再生したように、そして丸の内が三菱地所の手でモダンになったように月島築地東銀座にもどこかの手は入らないのかなあ。住友不動産では灰色のオフィスビルが建つばかりだもんなあ。

 撮られた映画のフィルムの権利はハリウッドだったらプロデューサーにあるってことが明々白々で、監督が自分でやるなり指示してやらせるなりして編集をして期限までに納品をしなかったとしたらプロデューサー権限で取り上げて新たに編集を指名して仕上げて公開へと持って行くことになるだろう。日本でだって前に松竹の奥山和由プロデューサーがNHKのディレクターかだれかが撮った映画の編集を疑問視し、そちらとは別に自分の編集したバージョンを公開して真っ向勝負をしたことがあった。プロデューサーはそれだけ偉い。だってお金を出すんだから。

 北野武監督による映画「首」が途中で止まっているというのもだからプロデュースしているKADOKAWAがそれこそ素材を全部引き上げて自分たちで編集をして公開することだって契約的にはできるような気がするけれど、その契約がまだ締結されていないらしいというところがなあなあの口約束で動く日本のエンターテインメント業界らしい。ハリウッドだったら契約がなければ撮らないし撮らせないだろうから。それがない以上はだったら商習慣なりから判断するならやっぱりお金を出したKADOKAWAなりが1番偉いってことで、どうにだってできる気がするんだけどなあ。

 それが北野武監督映画と呼べるかが難しいならアラン・スミシーとして公開しちゃうのも手かもしれない。話題になれば奥山プロデュイーサーだったら何でもやったけれどKADOKAWAではそれはちょっと難しいかな。角川春樹さんならやったかも。週刊新潮だと北野武監督の求めに応じようとした角川歴彦会長を周囲が止めたようだけれど、映画なんて文化事業なんだからゲームで儲かっている分をいくらか注いでそちらで損をしたって栄誉が得られるなら良いって判断をして、言うなりにしてしまえば良いんじゃないかと思うのだった。昔の歴彦さんならそれをやったし、逆に言うなら昔の北野武監督ならゴネたりなんかしなかっただろう。時代は流れ人は年齢を重ねそして世界は窮屈になる。見習おう反面教師として。

 池袋へと回ってTOHOシネマズ池袋で2回目となる「今夜、世界からこの恋が消えても」を見る。夏休み中だからか午後1時40分からの回で8割埋まってそのうちの99%が女子で男子がいてもほぼカップルの映画に男子がひとりで入るのはなかなかはばかられるけれど、後半から周囲がハンカチモードに入るのを感じつつ自分も落涙モードに入る楽しみを味わいたいから仕方が無い。同じ空間で同じ思いを味わう映画館ならではの楽しみを体験できる映画ってそうはない。これは貴重な1作。同じ気分を味わいたいと大勢が詰めかけているようで、原作から好きだった身にはなかなかうれしい。頑張れメディアワークス文庫。


  【8月2日】 朝から暑いので家を出て茅場町まで行ってVELOCHEでしばらく原稿書き。適当な時間になったので歩いて八丁堀から築地を抜けて東銀座まで行く。これくらの暑さの中をこれくらいの距離歩けるなら気分はわりとポジティブといったところ。しばらく前はそういった“無駄足”を踏む以前に出かけることすら困難だったから割と回復しているといえばいえるけれど、それは今がまあ稼げているからでこれで稼げなくなってくるとやっぱり引きこもってしまう可能性もあるので今のうちにガンガン仕事をしておこう。達郎にも行かなきゃいけないし。

 とは言いつつ札幌のライブに続いて東北でのライブも中止となった山下達郎さん。週末に熊本があってそれから大分でのライブとなってそれに乗り込む予定で飛行機まで確保してあるんだけれど、帰りの飛行機を予約しようとしてちょっと迷ってる。今のところ回復したともライブを再開するとも発表がないことを考えるとちょっとやっぱり新型コロナウイルス感染症の影響で喉が痛んで声が出ないのかもしれない。あるいは周囲に似た症状の感染者が出てライブが回らないとか。それで予約をするとキャンセルもきかないんで今はちょっと様子見。確報が出たら改めて動こう。大分なんて滅多に行けるところじゃないんで行きたかったなあ。再公演になるとは思えないから今回のツアーで見えることは断念かなあ。

 歩く途中で築地にある天やに入って天丼を戴く。築地だったら美味しい天ぷら屋さんだっていっぱいありそうだけれど探して食べていると高いんでこれは仕方が無い。あるいは築地だから食材もちょっと違うなんてことはきっとないけどそこは気分ってことで。でもって東銀座にある松竹の本社が入った東劇ビルに入ったら1階にずっとあった本屋さんがなくなっていた。近所に電通の本社があった関係で広告関係の本とそれからやっぱり松竹ってことで映画と演劇関係の本が妙に充実していて、小さいけれども使い勝手の良い本屋さんだっただけに残念。電通も移転して関係会社もいなくなって本なんて読む人が近所にいなくなったのかなあ。築地市場もそういえば遠くへいってしまった。そうやって街は死んでいくんだ。変わっただけかもしれないけれど、どこか息をしていないようにも思えるのだった。残念。

 そして試写で八目迷のライトノベル「夏へのトンネル、さよならの出口」が原作の映画「夏へのトンネル、さよならの出口」を見たらちゃんと「夏へのトンネル、さよならの出口」だった。原作が未読で映画をいきなり見る人もいるから詳細には触れないけれども過去に縋りつつ縛られるだけではなくてちゃんと進もうとする人をちゃんと見守っていこうと思えてくる物語だった。小林星蘭が出演していることもあって「若おかみは小学生」のおっこが経験してそして進み始めた姿が少し重なって見えた。11月に化け物級の作画を持ったアニメがやって来るからそれに比べるとってなるけれど、これはこれでシンプルで見やすさを覚えるアニメだった。

 ガガガ文庫だと前に「とある飛空士の追憶」が映画になってそれから「AURA〜魔竜院光牙最後の戦い〜」が映画になってと単発で良い映画を出していて、その系譜に連なるものには仕上がっていた。ポニーキャニオンがメインってことで音楽を売りたいのかもしれないってことで、eillってアーティストが挿入歌とかエンディングを唄っていてこれがとても良かった。主役を演じた鈴鹿央士は淡々として淡泊な声だけれど棒ではないニュアンスを込めた声を聞かせてくれた。ヒロインを演じた飯豊まりえもツンとしつつほろりとさせてくれた。演じた花城あんずが足をジタバタさせてる姿が可愛かった。見終わって外に出たら83分経っていた。普通の時間が過ぎていく嬉しさと寂しさを覚えた。そういう映画だった。次は2作目の「きのうの春で、君を待つ」を映画化しないかなあ。時空SFでサスペンスできっと面白くなると思うんだ。


【8月1日】 研究室で生み出されたバッタの遺伝子を持った怪人と、研究室で生み出されたトカゲの遺伝子を持った怪人がバトルするという意味で「仮面ライダーVS仮面ライダーアマゾン」だったと言えるかというと、それほど単純でもなかったジュラシック・ワールド 新たなる支配者」。前の「ジュラシック・ワールド 炎の王国」を見た記憶がないのでメイジーちゃんの存在が飛んでいるけど色々あって恐竜使いのアルバイトもしているスター・ロードが恐竜大好きお姉さんのクレアといっしょに山奥に引き取って育てていてもそこは気になるお年頃。橋を越えて集落に出たところをキャッチされその内に眠る秘密を狙う悪い組織にさらわれてしまう。

 これはダメだとそこはアベンジャーズだけあって助けに向かうスター・ロードじゃなかったオーウェンと、そしてクレアのカップルとは別にアメリカ初で世界中で猛威を奮って穀物を位始めた仮面ライダーならぬバッタのお化けを退治するべく悪い組織に乗り込んでいくといったストーリー。山有り谷有りの起伏に富んだストーリーをこなしながらもしっかり着地させるアメリカはハリウッドの大作映画ならではの楽しさで2時間ちょっとを引っ張っていってくれる。

 その身にハエの遺伝子を持っているようにすら見えるジェフ・ゴールドブラム演じるマルコム博士もやっぱり登場して火で恐竜を引きつけたりするいつもどおりの活躍ぶりを見せてくれたりして「ジュラシック・パーク」の頃から見ていた人には楽しいところもいっぱい。こだわる人には例のスプレー缶の秘密も解けるらしいけど「ジュラシック・パーク」を見ていながらそれにはまるで気付かなかったあたりに作品への話が愛の足り無さが感じられる。やっぱりバッタの怪人とトカゲの怪人のバトルが見たかったなあ。

 白眉はディワンダ・ワイズ演じる飛行機乗りのケイラ。金さえもらえばどこにだって連れて行くぜ的な運び屋家業は良いキャラクターなので作品を超えて他の映画にも出て欲しいけどそれはないなら同じような雰囲気で何かの映画に出て欲しい。それか「ジュラシック・ワールド」シリーズ完結を受けてたぶんぜったい作られる新ジュラシックシリーズに中心的な役割で登場しては悪の女幹部のソヨナ・サントスとガチバトルとか繰り広げて欲しいもの。期待してます。世界に恐竜があふれかえった描写をCGIで見事に表現してみせるところは2022年の技術か。ダイクストラ亡き今であっても恐竜たちのモーションにはきっとその感性は息づいていると思うのでその意味では特撮映画だとも思いたい。「シン・ウルトラマン」がCGIの塊であっても特撮映画であるように。

 さて「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」は興行通信社の週末映画ランキングで堂々の1位。そして2位には前週と変わらず「ミニオンズ・フィーバー」が入って前週1位だった「キングダム2 遙かなる大地へ」は3位に下がってしまった。それでもベスト3を維持するなら結構なもの。それを言うなら「トップガン マーヴェリック」なんて公開から10週目なのにまだ4位に入っている。それ以上にいったん圏外に落ちた「映画 五等分の花嫁」が8位に復活しているから凄い凄い。4週目なのに9位に下がってしまった「ソー ラブ&サンダー」はまあプログラムピクチャーズ的な漫遊記だからワッと盛り上がってすっと落ちるのもありか。

 そうした中で初登場5位に入った「今夜、世界からこの恋が消えても」が来週どうなるかが気になるところ。口コミは割と聞いてはいる気がするんだけれどドライブがかかるほどじゃないからなあ。ジャニーズの人が主演だと褒めてもそのファンが多いと思われがちなところがちょっと寂しい。いやいやこれは古川琴音さんの映画であって古川さんがきりっとしていてうるっとさせられるところもあって見ていて飽きない良い役だってことを強く訴えたい。ちゃきちゃきとして福本莉子さんも道枝駿佑さんもぐいぐいと引っ張っていくその活躍を、見るだけでも十分なので言って欲しいな劇場へ。お願いします。


【7月31日】 読者層とか関係のない共同通信の世論調査で安倍晋三元総理の国葬に反対する人の割合が53.3%で賛成する人の45.1%を大きく上回った。他では直後あたりの調査で賛成する人の方が多かったけれど、それでも拮抗していると欠かざるを得ないくらいにほぼ並んでいたりして、その後に安倍元総理が旧統一協会との付き合いを経っていなかったことが分かったり、自民党の政治家がたくさん旧統一協会のお世話になっていたことが明らかになったりして、印象が悪くなったのが反対の増えた理由なのかもしれない。

 いやいや日本のために貢献をしたならそれはそれで評価して相応しいなら国葬をすべきじゃないのかって意見も分からないでもないけれど、それを声高に主張して自分を納得させられるだけの印象を安倍元総理に抱けなくなっているのかもしれない。それでもやっぱり安倍元総理の凄さを語り継ぎたいのか、国際政治学者が朝のワイドショーに出演して天皇陛下が国葬となるなら総理大臣だってといった意見を言ったとか。いやいや国民の象徴である上に皇室典範にそう定められている天皇と、その天皇に信任を受ける総理大臣を並立で語るのは、国民主権だと言っても無理があるんじゃないかなあ。

 それが分からない国際政治学者でもないんだろうけれど、国葬に賛成する論旨を展開しなくちゃ行けないポジションであれやこれや並べ立てているうちに、残り少なくなってきたカードから無理筋でもえいやっと通そうとしたのかもしれない。ついでに「大喪の礼」を「たいものれい」と言ってしまったのはこの案件を語る上でちょっと不味かったけれど。いくら昭和天皇の大喪の礼が10歳に達して折らず耳に届いていなかったとしても、話題に出す以上は調べて法律上の位置づけも確認した上で喋らなくちゃ学者とは言えないんじゃないのかなあ。ただのコメンテーターなら別にいいけど。そんな扱いなのかも。
 暑さの中で寝ていると茹だるので家を出て電車で本を読みながら中野へ。新馬場新さんの「サマータイム・アイスバーグ」は三浦半島沖に突然氷山が現れて、それが地球の未来を変えかねない秘密を持っていて政府とかが大慌てする一方で、三浦半島に暮らす少年少女は氷山のそばで拾ったひとるの少女を交えてひと夏の思いで作りに邁進するといったSFと青春小説が入り交じった話になっていた。SF的な大仕掛けはあまりないけれど、少年少女がそれぞれに事情を抱えていて事態を挟んでそれと向き合うことになるという、青春小説的な設定が読んで心に響いた。多感な頃を潰すと未来も変わってしまうならやりたいことをやり、なりたい自分になれば良い。そんなことを思った。

 到着した中野でせっかくだからとハンバーグのお店に行ったら準備中のままで開かず。仕方が無いので中野ブロードウェイを回ったら3階のほとんどが高級腕時計の店になっていた。確かにしばらく前からロレックスとか値上がりが激しく新品で変えればあとは上がる一方の状態になっているけれど、こうまで店が増えるとまさに騰貴的な状況に入っているのかもしれない。なので今買うのはちょっと避けたい気持ちだけれど、さらに上がるかもと思うと心も揺れる。そういうところに儲けばなしはつけ込んだ得来るんだろうなあ。まあロレックスで1000万円とかオーディマ・ピゲで3000万円とかパテック・フィリップで4000万円では最初から手も出ないんだけれど。

 帰りの電車でメソポ・たみあ「刻をこえる怪獣」も読んで怪獣に食べられ力を受け継ぐあたりは「怪獣8号」で、その力を使って防衛隊に入って幼馴染みに近づこうとするのもやっぱり「怪獣8号」なんだけれど、そこで行き詰まって「破壊の怪獣」に倒されては時間を遡ってやりなおす繰り返しをするところはちょっと違ってた。同じ事を繰り返した挙げ句にようやく変化を試すところが愚直すぎるけれど、公言できる秘密ではないから仕方が無いのかも。それでお襲ってくる運命にあるいは何か別の意図でもあったりするのかも。それを描き怪獣を身に取り込んだ主人公が堕ちずに生き延びていけるかも含めて描く続きが読みたい。

 電源を探してVELOCHE周りをしてたどりついた地元のVELOCHEで原稿をどうにか仕上げたあたりで、入って来たおばあさまの集団が車座になってマスクもなしに喋り始めたので退散。年齢的なリスクも高いのにどうしてこの大流行している中でそんなことができるのかなあ。ワクチンは打っていたって罹ることは分かっているし重症化だってする訳で、罹らないためにできることをするのが最大の予防なのにそれをしないで罹って騒いで貴重な医療リソースを削るのは誰かに対する罪でもあるって気がしてきた。自分だけは頑張りたい、とか言いつつヘラヘラと出かけていくからそこは一緒か。喋る相手がいないだけでも良しとするか。それは寂しい話だけれど。はあ。


【7月30日】 昨日はそういえば東京ミッドタウン・ホールに行って「グランブルーファンタジー」をネタにしたアート展の内覧を取材したんだった。記事が掲載されて取材には初めて持ち出したPENTAXのS2が案外に綺麗に取れていることが判明。記者発表とかならこれで十分に間に合いそうな気がしてきた。ずっとQ10は使っていたけどシャッターが落ちるのがだんだんと遅くなってピントもずれてそして画質も荒かったのでお蔵入りにしたんだけれど、それで持ち出していたK−7はデカくて取り回しが悪い上にレンズが片ピンになって使えず、K−3を導入したもののやっぱり重くて取り回しが面倒だったのだった。

 企業の代表に会う取材にはさすがにS2では小さすぎておもちゃ扱いされてしまうんで、やっぱりK−3を担いでいかなきゃいけなさそうだけれど記者発表とか展示会とかならS2で間に合うことが分かったので、これでしばらくは乗り切ろう。実際はイPhoneとかのカメラの方が解像度では高くなっていたりするんだけれど、望遠となるとやっぱりまだまだ光学レンズに一日の長がある。その点でちゃんと06ズームも買ってあるので交換しながら使っていけばそれなりの画質の写真はとれるだろう。そういう仕事があればの話だけれど。

 それにしても「グランブルーミュージアム」は普段はセミナーとかカンファレンスをやってる東京ミッドタウン・ホールの部屋をつなげていろいろとセットを組んだりフィギュアをおいたりして「グラブル」の世界に見事に仕立て上げられていた。3.5メートルもある機神とかどうやって運び入れたんだろう。夜寝られなくなっちゃう……っていうのは冗談でバラして運び入れて組んだんだろうけれどもそんな大きなものを入れても圧迫感があまりないのは天井の高さが効いたのかもしれない。

 凄いのは4DXのアトラクションにドームスクリーンをセットにして持ち込んだことで、まるで知らない「グラブル」のそれなりに興味深いバトルを見せてくれた。遡ってストーリーとか追ってみるか、ってそれが簡単にいかないのがソーシャルゲーム。「FGO」とかさっぱりだもんなあ。でも映画は見て分かるからそこはそれ、オタクならではの空想力で隙間を埋めていけば良いのだ。

 明けて土曜日。家に居たら蒸し焼きになるので午前9時過ぎに家を出て、茅場町まで行ってVELOCHEでカタカタと原稿打ち。とりあえず昨日見た「今夜、世界からこの恋が消えても」の感想を書いてそれから8月に出るライトノベルの新刊なんかをチェック。そうか「ツルネ」の最新刊が出るのか。あと「夏へのトンネル、さよならの出口」の八目迷さんによる最新刊も登場。SFっぽい話なんでちょっと期待。新馬場新さんによる「サマータイム・アイスバーグ」も時間SFだったしガガガ文庫、数あるレーベルがラブコメに走る中でしっかりとSF魂を受け継いでいるなあ。「夏へのトンネル、さよならの出口」のアニメ映画がヒットしてさらにSFが集まるとちょっと嬉しいかも。

 茅場町から日本橋を経て池袋までVELOCHEを3軒回って原稿を仕上げてから新・文芸坐へと言って篠崎誠監督の「SHARING」を見る。大昔に八王子で見てそのあとにユーロスペースでも見たけれど劇場で観るのはそれ以来? 東日本大震災で受けた心恩ダメージをさぐるようなストーリーに後天的な記憶が先天的なものへとすり替わって予言めいた話になったりする可能性についても考えさせてくれるストーリー。それだけ大きなトラウマを日本に刻んだとも言える。今はそれにも似た新型コロナウイルス感染症という事態が世界中をギュッと不安にしている。そこからどんな心理的な影響が生まれどんな現象をもたらすか。それを映画人はどう描くか。興味が湧いてきた。

 上映後は篠崎監督に加えて山田キヌヲさんとそれから樋井明日香さんが登壇してトークショー。山田さんと樋井さんが向かい合って語り合う場面は向かい合ってはなくてもお互いに顔が確認できる角度で座ってそれぞれにカメラが向かい、キャッチボールするような感じで撮ったらしくそれだけにかみ合って緊張感を持った画面に仕上がったみたい。横に並んで録音するアニメではできない作り方だけれど表情まで映る映画はやっぱりお互いを意識することが画面にもくっきりと現れるものなんだろう。樋井さんは5年半前にも舞台挨拶を見ていたけれど未だに美しいなあ。山田さんは映画だと知的で淡々とした大学教員なのにオフでは気っ風の良いお姉さん。だから役者って怖い。


【7月29日】 電通の元専務で東京2020オリンピックの組織委員会の元理事でライセンス業務なんかに関わっていた人が、紳士服のAOKIとの間で贈収賄を起こしていたんじゃないかということで捜査を受けている件。どういったパーソナリティなのかは東京2020オリンピックでオフィシャルパートナーになった朝日新聞と読売新聞と毎日新聞と日本経済新聞、そしてオフィシャルサポーターになった産経新聞なんかは付き合いの中から感じ取っていなかったのかがちょっと気になる。

 何かをすれば打ち返しがある人だったのか。スポンサーになるにあたって差配はなかったのか。等々について書くだけでも抜きんでられるのにそうはしないのは契約上の秘密だから? それとも違う理由? そういうところから新聞って揺らいでいっているんだよなあ。それはそれとしてAOKIが出していた東京2020オリンピック関連の商品って何だったんだろう。そもそもがアパレルでそうしたものが出回ったとしても、Tシャツとかポロシャツくらいしか知らないんだよなあ。スーツとかあったっけ。売れそうもなかっただけに大変だっただろうな。そうした不満が今噴出しているとか。捜査を待ちたい。

 いよいよもって政治家も底が抜けてきた感じで、自民党の総務会長をしている福田達夫議員が統一協会との件について「何が問題か分からない」と言ったとか。問題の所在が分からないのか、問題であるということが分からないのかニュアンスがつかめないんだけれど、いずれにしても統一協会という霊感商法の問題が取りざたされ続けている集団との関わりがあったことを問題視できないのなら問題だし、そうした問題を知らないのだったら政治家として問題だ。

 つまりは問題だらけなのに進退を決するとか考えるとかせず知らん顔して通り過ぎようとしているからたまらない。お父上の福田康夫さんはそうした部分でクールだっただけに何か言わないのか。言ったからこそ夕方になって撤回めいた発言をしたのか。おじいさんが発足に関わっていただけに言いづらくても言わないと、未来はないはずなのにありそうな政治。やれやれだ。

 一条岬がメディアワークス文庫から出した原作を僕は読んでいるから設定も展開もだいたい分かっていたけれど、それでも見ていて涙が出て仕方が無かった「今夜、世界からこの恋が消えても」。その泣き所を説明すると内容に大きく踏み込んでしまうから触れられないけれど、言えるとしたら記録されたものであっても自分と関わりのあることに人は想像力が働いて感情を大きく刺激されてしまうのだということ。そうした感情を心の中に押し込めようとして押し込められず溢れ出る様を目の当たりにして、人は忘れることの難しさであり忘れられないことの苦しさを知るのだった。

 「なにわ男子」の道枝駿佑が演じる神谷透のいい人ぶりは我こそがといったキャラが目立つジャニーズの中にあって貴重なナチュラルさ。透のある種の覚悟に誰であっても優しくしたいと改めて思う。TOHOシネマズで映画を見る人には幕間に登場する人としてよく知る福本莉子が演じる日野真織の、特異なキャラクター性をどう演じたら良いか考え抜いて見せてくれた、苦しみを飲み込んで笑う真っ直ぐさも良かった。

 けれどもやっぱり白眉は真織の友達の綿矢泉を演じた古川琴音さん。「メタモルフォーゼの縁側」でBL漫画家を演じていた時とはまた違って、高校生から始まる真織とそして透との出会いからの日々を少し離れつつ寄り添って見守る女子高生といった感じで演じていた。真織の心を思う泉のその決断は逆に自分自身を苦しめているに等しい所業。消えない気持ちをそれでも埋める強さを見せてくれた。

 もうひとり、松本穂香が演じた女性もその行為が自分の心を削り埋めるものだと分かっていて、唇を噛み締めつつなお進み続ける悲壮感が漂っていて頑張ったねと言ってあげたくなった。「今夜、世界からこの恋が消えても」というタイトルのだったら主語は誰かを考えて特殊な状況にある真織に向ける透の恋情かもと思わせつつ、そんな透に向ける幾人かの人たちのものでもあったことを知り、そしして「私たちの世界から気持ちは消せないのだ」と強く叫んで前を向き、歩み始める強さに微笑むことができる。そんな映画だった。


【7月28日】 安倍政権下で統一協会による霊感商法の被害がぐがっと減っているので安倍晋三元総理が統一協会とズブズブの関係だったのはでっち上げだと言っている人たちが指し示すグラフが、2009年から右肩下がりになっている様を見ていやいやこれは2009年に民主党政権が誕生したからなんじゃないのと思えない人たちの視力がとても気になる。あるいは脳の情報処理能力が。

 リーマンショックで経済活動が停滞したこともあったかもしれないし、2011年に東日本大震災があったことも影響しているかもしれないけれど、それでも2009年から2011年までグングンと下がったのが、自民党に政権交代をした2012年にはグガッと上がっているのを見れば一目瞭然、やっぱりズブズブなんだと思うのが普通だろう。その後はなるほど低位安定はしているけれど、時々上がったりしているから締め付けはうまくいってない。最近の停滞は新型コロナウイルス感染症で人の動きが制限されているためで、やっぱり政権の効果とはちょっと言えない。

 でも、安倍晋三元総理が統一協会とズブズブだったと認めたくない脳は視力にも左右して、2009年から2012年までの期間に民主党政権があったことをすっかりと失念させている。普段は「悪夢の民主党政権」だとかいってその時期に起こった東日本大震災の被害もその後の原発停止がもたらしたソーラーパネルの普及による地滑りの発生も、全部民主党のせいにしているのになぜか統一協会による霊感商法の被害現象は自民党の、というより安倍元総理のおかげだってして平然としていられるのは何なんだろうなあ。何かがやっぱりズレている。

 ズレているのは今の政府も同様なようで、統一協会系のイベントなんかに出て講演なんかもしている大学教授をわざわざ招いて家族のことについて喋らせているんだから反省も自省もないみたい。流石にメディアは見逃せないのか来たところをつかまえてあれやこれや突っ込んでいるけど、関係ないと言って逃げてしまったらもう追いかけようがない。あとは自分が親しいメディアでやっぱり同じ事を言い続けるだけ。政治家の方も関わりがあったけどそれが何かと言った風体をとってやっぱり反省もしない。それを突っ込み政権から引きずり下ろす機会なんてしばらくない中、話は風化してそして問題は解消されないまま蜜月が続いていくんだろう。一般にとって悪夢でしかない毒の蜜月が。

 そして気がついたら「佐々木とピーちゃん」のアニメ化が決定していた。文鳥のすがたになった大魔法使いを手に入れたことで中年男に舞い込む異世界での活躍やら現世での異能ばとるやら。ライトノベルの面白い要素をこれでもかと詰め込んでパワープレイを見せる作品だけに面白くないはずがないんだけれど、それを演じる声が杉田智和さんと悠木碧というからもうスペシャル過ぎる。というか異世界転生の作品でターニャやら蜘蛛やらを演じまくっている悠木さんが、こちらでは逆に異世界から来る文鳥を演じていたりする点もちょっと変化球。今から楽しみで仕方が無い。

 放送前から話題沸騰だけれど、一方で「シャングリラ・フロンティア」のアニメ化も発表になっていたりして期待は大。そこに来る「呪術廻戦」の第2期やら「SPY×FAMILY」の第2期やらが待っているからなあ。どれを見れば良いのやら。とはいえ個人的には今の「リコリス・リコイル」が楽しくて仕方が無いようにオリジナルにも期待していたりする。「シドニアの騎士」の二瓶勉さんを招いてポリゴン・ピクチュアズが手掛ける「大雪海のカイナ」は来年の1月からだけれどこれも「空挺ドラゴンズ」から更に進んだ2Dライクな3DCGアニメーションを見せてくれそう。世間ではもはや30分アニメは長大すぎて数分のTikTokじゃないとバズらないなんて意見も出ているけれど、それがどうしたアニメはまだまだ戦えるぞって言わせてくるんじゃないのかな。


【7月27日】 あれやこれやと申し込んだ山下達郎さんのライブは全滅で今のところは大分しかとれていない。コロナで北海道が中止になった後の情報は入ってないから多分開催されるとは思うけれど、もしも中止になったらどこかに行きたいので残るチャンスを頑張って申し込んでいこう。もうちょっと近いところでとれればいいんだけれどなあ。せめて高崎とか新幹線でいける大阪とか。大分はやっぱりちょっと遠すぎる。それだけに行くのは楽しみだけれど。名物って何だろう。

 「二十歳のソウル」は観てないけれどもいろいろ話題になってる「市船ソウル」が流れる場面を確認しようとネットで夏の甲子園大会に出場する学校を決める千葉県大会の決勝を見る。市立船橋高等学校と木更津総合学園との戦いは木更津が先行していたけれども市船が追い上げ追加点。その場面で流れたのがどうやら「市船ソウル」らしいんだけれどジングル程度の短いフレーズが延々と繰り返されるだけでそれがどうして感動を呼ぶのかちょっと分からない。すごい楽曲とも思えないんだけれど、それが流れて市船が得点をしたからそういう意味での奇跡の楽曲ということなのかもしれない。13年ぶりに甲子園でも「市船ソウル」が流れることになった訳でこれは映画にも良い宣伝になりそう。見てくるかなあ。まだ上映しているかなあ。

 県大会をみながら茅場町のVELOCHEでだいたい原稿を打ったので、副島しのぶさんが個展を行っている京橋のギャラリーへと歩いて行って見物。フィギュアを使ってのストップモーションアニメーションだから撮影に使ったフィギュアが展示してあるかと思ったら、映像を大きくして等身大くらいで見せるような感じで流す上映とあとは場面スチルといった感じで製作の裏側に迫るというよりは、作品そのものを拡張して見せるアーティスティックなインスタレーション展示になっていた。

 砂がまかれてバケツが突っ込んであったり井戸から水をくみ上げる釣瓶が下がっていたりと映像から世界が飛び出してきたようにしてあったのも、そうした作品世界の立体的な拡張を目指してのこと。そして見る世界は内面の葛藤が現れたものなのか、それとも迫る外部からの脅威が変じていたものか、どちらとも言えそうな蝶を修行中の少年が潰したことで始まる悔恨と慚愧と恐怖がないまぜになった心情が、ソリッドなフィギュアの上にしかりと再現されていて撮影の妙、そしてフィギュア作成の巧みさが見て取れた。目の中の光とかを入れて取るとああも生々しくなるんだなあ。人形は生きている。そんな気にさせられる作品だった。今は何を作っているんだろう。

 そこから有楽町まで歩いてドトールで原稿を完成させてから、TOHOシネマズ日比谷で「ソー:ラブ&サンダー」を見る。過去の「ソー」のシリーズはまるで見てないんだけれど「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」とそして「アベンジャーズ/エンドゲーム」に出ていたやさぐれた長髪のおっさんが、一応は神様として崇められている世界線の上で繰り広げられる「マーベル新喜劇」めいたコミカルなやりとりのその奥で、娘を亡くして世界を怨む男と余命わずかの中で懸命に生きようとする女とそして自分の価値をまだ気付いていない男のそれぞれの目標に向かって進み戦う様が描かれた作品だった。

 ジョディではなくジェーン・フォスターという女性を演じているのがナタリー・ポートマンだと言われて気がつくくらいに「ソー」とは縁がなかったんだけれど、軽口を叩いて奇妙な出来事が起こって腰が砕けそうになる面白さで引っ張っていかれるから、見ていて飽きることはなかった。あのゼウスがぐうたらで俗物なのはそれとして、敵が持っている神様を殺す剣が相手だとゼウスと言えども殺されてしまうという設定が、いったい誰が世界最強なのかといった疑問をかきたてる。だいたいがゼウスだってその場でやられてしまう訳だしなあ。かといってサノスだって倒されてしまう世界で最強は……やっぱりラブちゃんかなあ。可愛いは正義を地で行くから。次はヘラクレスが相手の戦いが繰り広げられるのかな。そんな有り体の戦いにはしないと期待して次を待とう。行く気満々じゃん。


【7月26日】 原稿を書くためのテープ起こしが終わったので新宿バルト9で「Re:cycle of the PENGUINDRUM[後編]僕は君を愛してる」を視る。やっぱりあの真四角な口では「生存戦略〜」とは言えないなあと思ったけれど、それがクライマックスに1度だけだというのが今回の見どころというか見せないどころというか。ある意味で象徴的なシーンを抑えて全体は、仮の家族となった3人が本当の家族のようになって11人の妹を助けようとする話をいろいろな象徴だとか暗喩だとかを並べて描いていた感じ。

 テーマはシンプルだけれど絡む人を増やし思惑を並べ力学を複雑にして個々のドラマも見せつつ解消しつつラストへと収斂させていったお手並みは見事。そして悲しみを忘却の彼方へと押しやるかと思いきや、それなりの結末を整えて未来を作り出した。全部消してしまうより全部残してしまう方が良いに決まっている。そのために何かが犠牲になるのはとても寂しいのだから。あとやっぱりARBはカッコ良いなあ。

 ピンドラを見て大阪王将でお昼ご飯を食べてマルイが入っている建物の地下にあるVELOCHEにこもって原稿にとりかかってどうにか仕上がったので劇場版「Gのレコンギスタ 4」の「激闘に叫ぶ愛」を見た。さっぱり分からないけれども面白かったというか、ここから遡って調べていく楽しみがいろいろとできた。思えば「ガールズ&パンツァー」も最初に見たのは「OVA ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦」からだった訳だしそれが面白ければ途中からでもアニメには入っていけるものなのだ。

 「Gのレコンギスタ」についていえばTVシリーズが始まる前の劇場で何話か流した時のを実は見ていて雰囲気は掴んでいたものの、半ば総集編的な劇場版も4作目となるとその時のうっすらとした印象が通じるものでもない。石井マークが演じるベルリが嶋村侑さん演じるアイーダと何かあるとかどうとかいったイントロから遠く離れて月ほどもある球形に小さい球体が配置された場所まで行く巨大な船にランデブーした赤い船にバラバラなメンバーが乗っては仲間めいたことをしていて、そして到着したところで襲われ戦いになったものの相手が誰なのかが分からない。

 そこはまあ敵だということは分かったけれども中に水がある建物の下で遠くから来たベルリならともかくそちらの住人がバンバンと武器を使っては大穴を空けて水を外に漏れ出させるとかありえないし、その仲間の女性パイロットがドームの中でミサイルを撃って天井に穴を開けて空気を漏れ出させるとかもちょっとあり得ない。どうしてそんなにポン酢揃いなのか分からないまま自分が空けた大穴にモビルアーマーがさらにデカくなったものごと突っ込んで穴をふさぐのも、それでぶち抜いてさらに大穴があいたらどうするんだと不安なって知性の度合いが危ぶまれる。

 まあそうした無鉄砲な戦いだからこそ直情径行のベルリの振る舞いも全体との親和性がとれるんだろう。これがバナージやアムロやカミーユみたいに知性が高くて冷静沈着なパイロットだったらもっと陰惨な雰囲気になっただろうから。とはいえ地球圏に戻ってきたベルリが放った武器の凄まじさは当人も驚かせるほど。そこでTVシリーズだったら何話をつかって立ち直らせたか分からないけれど、映画の終わりにはすっかり元通りになってアイーダと姉弟関係を取り戻していたからやっぱり脳天気は強いってことで。

 そんなベルリのとんでもない攻撃に怒り心頭のマスクとGセルフとの戦いは迫力あったなあ。おっかけあって打ち合って殴り合って蹴り合ったりとかがスピード感たっぷりに描かれていた。「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」では見られなかったモビルスーツ戦がこちらにあったといった感じ。ほかにもあちらこちらで繰り広げられる戦いのそれぞれに見どころがあったりして、それを全体の中で見せつつ戦況を感じさせるのは巧いなあと思った。

 結局のところ敵と味方が何者なのかが第三勢力も含めて未だによく分かっていないけれど、ベルリとアイーダを軸にしつつマスクを対抗として意識しながら見ていけば、「機動戦士Zガンダム」のエウーゴとティターンズとネオジオンがごちゃごちゃしながら進んでいった展開を思い出しつつ最後までついて行けると思いたい。第5章も公開が近いのでここまでの劇場版を見返して一応の理解に努めよう。どうせ最後は皆殺し? 違うの? それも含めて楽しみだったら楽しみだ.。

 安倍晋三元総理を唯一にして絶対の神と崇めたてている人たちにとって立ちふさがる統一協会との関係を、言いつくろうためにいろいろな見解が出てきていて例えば茂木健一郎さんは安倍元総理の山ほどのある仕事の中で統一教会系の団体にコメントを出すなんて脳のどれだけも使ってないとか言い訳をしていたりしたけれど、強大な権力とご威光を保った人がちょっとだけでもお墨付きを出せばそれが現場でどのように用いられるかを理解できない脳でもないのだったらやってはいけないことだった。それとも安倍元総理はそこまで考えを巡らせて李下に冠を正すような無様を平気で繰り出す人だってこと? 崇め奉ろうとしてボロが出た。

 いやいや実は安倍元総理は統一協会の天敵だったんですよだなんて言い出したのが福島原発に絡んだノンフィクションを売ったジャーナリスト。その根拠に霊感商法を取り締まろうとしたとか、有田芳生さんに統一協会とは一線を引いているんですよと話した2006年の談話を持ち出したりしているんだけれどその時から下野を経て自民党は統一協会との関係を一気に深めて支援を得たりコメントを送ったりするようになった。それは拙いと弁護士が警告書を送っても知らん顔。それで敵対していただなんて言える口がどうして綴じたり溶けたりしないのかが分からない。

 ほかにも統一協会がそれほどヤバいとは知らなかったといった言い訳も出ているけれど、いい年をしたおじさんたちが知らないだなんてあり得ない訳でそれを理由にするのは世間が見えてなかったとバラすようなもの。そうした言説を出して平気な空気が世の中にあるとしたら、変えていかなくちゃいけないんだけれどそれをすべきメディアが及び腰なのはなんだろう。やっぱり未だに虚ろな神をどこかに戴いてそれに従っているふりをしていれば丸く収まると考えているんだろうか。生きていたって亡くなっていたって担いで便利な神輿扱い。可愛そうな安倍元総理に花束を。


【7月25日】 群馬県の桐生に行って帰ってくる。以上。それでは話が終わってしまうので説明するなら桐生の相老というところに取材に行ったもので東京からいったいどうやっていけば良いのかと、乗換案内のページで打ち込むと船橋からだと総武線を錦糸町で乗り換えて半蔵門線から東武スカイツリーラインへと入って北千住まで行って、そこから東武特急で赤城というところに向かえば良いと判明。だったらと総武線から半蔵門線から東武スカイツリーラインから伊勢佐木線からずんずんと乗っていったら2時間ちょっとで付いてしまって現地で時間が余ってしまった。

 降りても何もない場所だったのでちょうど来ていたわたらせ鉄道で桐生まで向かってさあ駅前でお昼ご飯にしようと見渡しても市街地らしい市街地がない。調べるとどうやら桐生市の街並みはちょっと離れたところにあるみたいで、そこまで歩いて行く気力もなかったので駅でしばらく休憩をして、そして同じわたらせ鉄道を相老まで戻ってそこでしばらく時間を潰し、歩いて取材地まで行って1時間半くらい話を聞いて戻って特急に乗ろうとしたら、結構待たなくちゃいけなかったので来た普通に飛び乗ってまずは太田市へと行き、そして館林へと向かい久喜まで行ってといった具合に列車を乗り継ぎしながら特急を使わず船橋まで戻ったら4時間経っていた。そういうものだよなあ。

 わたらせ鉄道は初めて乗ったけれど1両編成で1時間に1本あるかないか。それでも利用者がいたのは沿線にも人が住んでいるからなんだろう。ずっと乗っていくと風光明媚な場所にも行くみたいだけれど、紅葉の季節ならまだしも夏の始まりではただただ暑いだけなので、今回は観光は遠慮してすぐさま折り返してきた。暑いことは暑かったけれど前に梅雨が明けた日に前橋市に降り立った時よりは風が吹いていた分涼しかったかな。でも歩けばやっぱり出てくる汗にはまいった。ユニクロのエアリズムの肌着を着ていたので吸い取ってくれた感じ。テクノロジーに感謝。もうしばらくは行きたくないいけれど、どうやら太田市へと行かなくちゃいけなさそうな用事もあるんで涼しくなりそうなタイミングを見計らおう。といっても8月中は無理かなあ。

 ふと気がついたらRun Girls, Run!が来年の3月末をもって解散することを発表していた。i☆Risの後継的なユニットでは前にWake Up, Girls!というのもあってアニメまで作られながら長くは続けられず解散の運びとなって残念だっただけに、RunGirls, Run!には頑張って欲しかったけれども坂道&48グループにアップフロント勢が幅をきかせる少女ユニットの世界で生き延びるのは難しいのかもしれない。それぞれに未来もあるメンバーだからここからソロで活躍していって欲しもの。そういえば「プリチャン」を見なくなって新しい番組とかも追ってないんで今、どんな活動をしていたのかも知らなかったのだった。ラストに向けていろいろやってくるだろうから、ちょっと追いかけてみるか。

 なにやら知らない間に行われている日本代表戦でスタメンが香港戦からガラリと入れ替わったと中国代表が怒っているらしいけれど、そもそもが日本代表とは良いながらも海外で活動してる主力のメンバーなんてまるでいないインチキな代表。それがさらにサブだけで構成されている訳で、怒る以前に呆れてしまうんじゃないのかなあ。そんな代表を相手にスコアレスドローで終わったのだから中国代表もちょっと肩すかし。一方で中国代表相手にサブのサブでも勝って叱るべきかもしれない状況で、スコアレスに終わってしまう日本代表の層の薄さも気になった。そんな代表じゃあパリサンジェルマンの試合に行くよたとえ高くても。日本代表の魅力を毀損して貶めて平気な日本サッカー協会の姿勢こを問われるべきなんじゃないかなあ。あと1試合、韓国戦だけは決死の覚悟で臨んでそして勝つのだ。そうでないと日本代表の価値はマイナスになってしまうぞ。


【7月24日】 お仕事になりそうだったので「ユーレイデコ」をネットで第3話まで見る。なるほど「電脳コイル」的な拡張現実空間に「フラクタル」の仮想通貨によるベーシックインカムを重ねたような世界観でさらに「PSYCHO−PASS サイコパス」の犯罪係数抽出システムまで関わってきそうなんだけれどもそこまでの入り組んだ感じは今はまだないかな。絵柄が湯浅政明監督のいたサイエンスSARUだけあって平面的でカートゥーン的。でも湯浅監督のようにはメタモルフォーゼとか揺れ動くアクションとかは少なく基礎的な動きをしっかりと見せている感じ。単純だけれど面白い。

 デコにひっかからずカスタマーセンターの登録外にいる人たちがどうやって生まれたのか、単純に「らぶ」が尽きただけならその時点でカスタマーセンターに回収されるだろうから別の移民とかそれともアンタッチャブルの生き残りなのかといった想像も浮かぶけれど、はっきりしたところはこれから明らかになっていくんだろう。ついでだからと「フラクタル」も見たけれどしっかりと楽しくて面白く、そして謎めく世界観がちゃんとあった。「魔法少女まどか☆マギカ」が同時期になかったら大いに話題になっていただろうなあ。クレインの女装とか可愛かったけど、「まどか☆マギカ」の衝撃には全部吹き飛ばされたよ2011年の1月−3月期は。

 原稿を書こうかと思ったけれども構想を固めるためには歩かなくっちゃということでワンダーフェスティバル2022[夏]へと出かけてカマティムーンさんとか挨拶しつつあちらこちらをぶらぶら。前回は新型コロナウイルス感染症の影響で出展を取りやめたところが結構出てガラガラな印象だったけれど、今回は企業ブースもそれなり埋まり会場の方もぎっしりとテーブルが並んでなかなかに盛況だった。これで世界で1番新しい感染者を出している国なんだから何かちぐはぐと言えば言えるけれど、固めるところを固めていれば罹らないものだということも確かなんでそこは油断しないで行こう。まあ会社員じゃないから通勤電車に乗らないしオフィスで密閉もされない分、大丈夫なのかもしれないけれど。

 会場では出渕裕さんと田島照久さんとそして宮脇専務が登壇しての「機動警察パトレイバー」関連トークイベントを見物。目下制作中らしい「機動警察パトレイバーEZY(イジー)」は出渕さんによれば速くて再来年の2024年からスタート。第1話の絵コンテがどうとか言ってたような気もしたのでもしかしたらテレビかあるいはネット向けのシリーズかもしれない。パイロットフィルムではなくその切出しを3枚だけ見せてくれたけれど登場するのはAV−98イングラムがメインで昔と変わらず。描画はCGだそうでそれがなにやら黄色いレイバーをあいてに戦っていた。雰囲気としては吉浦康裕さんが「日本アニメ(ー)ター見本市」で作った奴に似ている気も。ってことは監督も? それはまだまだ秘密みたい。

 宮脇専務によれば海洋堂がパトレイバー関係のガレージキットを出した時に初めて田島さんと組んだそうで、その時からデザインというもので統一されたイメージを考え実行していたらしい。海洋堂のアルファベットのロゴもその際に田島さんがデザインしたもので、それを会社全体で今も使っているというからよほどのお気に入りだったんだろう。最初のキットでイングラムの後ろ姿を描いたあたりからしてひとつのこだわり。写真家としてポーズ写真をいっぱい撮って来た中で、模型であってもカッコ良いポーズを探してそうなったって田島さんは話してた。音楽系では普通の完成を模型に持ち込みアニメに持ち込んだことが今に至るまでパトレイバーの陳腐化を防いでいるのかもしれない。

 会場を出てプレナ幕張まで歩いてベローチェで原稿をどうにか書き上げ、三井アウトレットパークのグラニフで「クレヨンしんちゃん」柄のTシャツを2枚ほど買ってストレスも解消して帰宅。このところの食べ過ぎでちょっと太ったのかお尻がジーンズにすれて痛いので痩せないとけないかもしれない。でもウエスト自体は逆に減っているようにも思うし。痩せてかえって隙間が出来てこすれるようになったなんて、都合の良い話はないよなあ。7月も残り少なくなって来たので宿題を一気に片付け8月7日の山下達郎さんのライブに備えよう。そろそろ帰りの航空券と現地での宿も予約しないといけないかなあ。


【7月23日】 それを教養と行って良いほど一般的ではないにしても、騒ぐのだったらある程度は調べるなり理解するなりしてからにすれば良いのにどこかの誰かが言い出すと、そうだそうだと騒ぎ立てる人のあまりの多さに大正時代の関東大震災で起こった悲劇がやっぱり繰り返されかねない恐れを激しく抱く。統一協会と統一教会のどちらが正しいかと言えば案外に統一教会が一般には使われているけれど、もとの団体名から略せば統一協会だし批判する人たちも統一協会といった字をつかって長く批判を繰り広げてきた。

 だから共産党とか立憲民主党が対策チームを立ち上げた時に「統一協会」と書くのはまったく正しいのだけれど、それをあげつらって誤字だなにだと騒ぎ立てる人たちはいったい誰の味方なのか。別に共産党とか立憲民主党とかの敵であっても構わないけれど、それで統一協会の見方をする必要はまったくないし、ある意味で自分たちが敬愛する安倍晋三元総理の命が奪われる原因にもなった集団なんだから憎んで叩いて誹って当然なのにどうもその存在を薄めようとする言動に走ってしまう。

 安倍晋三元総理を叩く立憲民主党なり共産党なり朝日新聞なりメディアなりを叩いて安倍晋三元総理をひたすら持ち上げる言語的な関係性の中で息を吸ってきたからその一方が消えてしまっても叩く相手は変わらないならそこから叩かれる集団は持ち上げなくては気が済まないのか。だとしたらいろいろ心理的にヤバいところに来ている気がする。最近も国際政治学者だとか元財務相の国際弁護士だとかが妙に統一協会について騒ぐ人たちを牽制して来ている。叩く一方になりがちな言論空間を諫めているといえば言えるけれど、代わって自分が一定の知見に立って批判するのではなく相対化して希薄化させているだけだったりするのがやはり気になる。そういう役割を言論空間の中で求められてきたからやっぱり飼われないのかなあ。やれやれ。

 朝になってメールが入っててmiwaさんが新型コロナウイルス感染症に罹って国立競技場での東京2020オリンピック/パラリンピック1周年記念イベントに出られないと分かってちょっとガッカリ。何を歌うかは分からなかったけれど「シャラララ」とか歌ってくれたら拍手が出来たなあと思っていたから肩すかしを食らった気分だったけれど、代わりに出演がきまったSennaRinさんが実は「銀河英雄伝説」の新しいシリーズの主題歌だとかテーマ曲だとかを歌っている人と分かって、別の期待がふくらみ国立競技場へと行く気がぐっと湧いてくる。

 外に出ると久しぶりの暑さと湿度で歩くだけで息ができなくなりそうだったけれど、そこを頑張ってとりあえず国立新美術館経由で近くで開催中だった副島しのぶさんがら展示されている展覧会をKUMAギャラリーというところで見物。MOYANという人が描いた絵も良かったのでこれからの活動を気にしていこう。副島さんは東京藝大院の卒業制作より前のフィギュアを使ったストップモーションアニメーションを見せてくれていた。この頃から凄かったんだなあ。今は何を作っているんだろう。矢野ほなみさんとか幸洋子さんが卒業制作を終えてなお活動を続けているところを見るに付け、副島さんにも頑張って欲しいのだった。

 都営地下鉄大江戸線で国立競技場へ。1年ちょっと前に女子サッカーの試合を見に行って以来の会場は整備もされて中も綺麗でそして広くて座りやすくて見やすい良いスタジアム。サッカーのピッチが遠いといっても陸上競技が可能なナショナルスタジアムってだいたいこんな感じだから別に良いのだ。だったら余計にサブトラックを備えた国際的なスタジアムにするべきだったんだけれど、それは開発に任せて2025年の世界陸上の時は渋谷のグラウンドをサブトラックと言い張ることにしているんだろう。それまでに神宮の森は開発されちゃう訳だから。そういうところが日本の行政の一貫性がないところ。それとも何か別の力学が働いているんだろうか。

 イベントはアスリートがいっぱい登場してなかなかに盛況。競技によっては国立競技場に入れなかった人もいただろうから改めて晴天の中で入れて嬉しかったんじゃ無かろうか。安倍晋三元総理への黙祷とか小池百合子東京都知事の挨拶とかIOCのバッハ会長のやっぱり長いビデオメッセージとかがあってゲームがあってリレーもあってそしてSennnaRinさんのライブ。静かな歌もポップな歌も両方こなせる人だと分かってとても良かった。ちゃんとしたホールで聴きたい歌声。澤野弘之さんのプロデュースということは荘厳で壮大な歌を唄わせたら一級なんだろうなあ。追いかけて行こう。


【7月22日】 3か月ぶりに歯医者にいって歯肉が痛んでいないか、プラークがついていないかを検査してもらう。少し痛みは出ていたけれどもだいたい大丈夫なようでこのまま3か月後まで引っ張って歯の健康を守っていこう。油断をすると残る歯を抜いていかなくちゃならずそれは残る人生のクオリティを下げることになるだけでなく、健康にも影響を与えてしまいかねないから。それで食べなくなって痩せるならちょっと考えてしまうけど。食べ過ぎな気がするんだよなあ、最近また。

 終わったのでフレッシュネスバーガーからヴェローチェを回って原稿書き。とりあえずどうにか書き上げたと思ったら何かリマインドが来ていて見たら今日が東京アニメアワードフェスティバルで優秀賞を受賞したヘルマン・アクーニャ監督の長編アニメション「ナウエルと魔法の本」の上映がある日だったことを忘れてた。これは行かねばと支度をして池袋へと向かう途中に大手町で降りたらリトル小岩井が空いていたのでスパゲティを1杯。この数ヶ月で3回も行っている。30年で1度だったのがどういうことだ。コロナで入る人数を制限している分、ゆったりと食べられるのが良いと思ってしまったのかもしれない。

 池袋でも珈琲屋で時間を潰してそして昔のシネマサンシャインが形態を変えてライブシアターとかを中に備えたMIXAとかいう建物の地下で「ナウエルと魔法の本」をタダで見てお土産にチリワインとポスターをもらって超ラッキー。さらにはアクーニャ監督もチリから駆けつけティーチインとかしてくれた。なんてゴージャスな。そのアクーニャ監督、前日に宮崎駿監督を訪ねたそうで竹内孝次さんが言うには「大変な時だけれど作り続けることが大切だ」といった言葉をもらったとか。アクーニャ監督は作り続けているからその言葉は宮崎駿監督自身にも向けられているのかもしれない。作り続けてくれているかな。

 さて「ナウエルと魔法の本」は欧州でジブリ的と言われた感じに日本のアニメーション的な効率的に動かす手法が採られていて、とても見ていて親和性が高かった。別に日本に似せたという訳ではなく予算の関係もあってディズニー的なフルアニメーションでは作れなかったという技術的な理由が大きいんだけれどそこではやっぱりジブリのような見せ方が参考になったんだろう。あとは自然とかを出すのもジブリ的だとアクーニャ監督。それだけに宮崎駿監督に会って何を思ったかをご本人から聞きたかった。

 母親が船で出産したものの母親はたぶん死んでしまって息子と父親が残されたナウエルの家で、漁師をしている父親に対して息子のナウエルは海が怖くてはいれず船にも乗れない。説明はまるでないけれども海の上で母親の命を奪って生まれて来たナウエルには海が怖いものだという意識が知らず染みついていたのかもしれない。それが原因でいじめられていて、父親からも見捨てられようとしていたナウエルだったけど、猫に鍵を奪われ森の奥にある屋敷に入ってそこで魔法の本を見つけて持ち帰る。

 なぜ猫はナウエルを誘ったのか。そして魔法の本はどうしてナウエルに持ち出されたのか。そこもたぶん悪い魔法使いがそろそろ酷いことをやりすぎたのでナウエルに成敗してもらうためだったといった解釈も成り立つけれどもやっぱり説明はないのでそこは少年がヒーローになって頑張って挫折もしつつ成長をしていくドラマの定番なんだと理解するのが良いのかも。

 そしてナウエルは父親といっしょに海に出て本を付け狙う魔法使いによって沈められてどこかの島へと流れ着く。そこにはシャーマンのおばさんと弟子の少女がいて介抱されたものの魔法使いの追っ手が来てナウエルは少女とともに闘争。このあとで繰り広げられるおばさんと敵の魔法使いの手下でカラスに化ける少女とのバトルがプロレス的に格好良かった。

 そんなこんなで逃げ出したナウエルと少女が試練を経て本を奪われる困難も乗り越え悪い魔法使いを討ち果たせるかと行った展開は、ナウエルの弱いくせに身の程知らずで自分勝手な性格にちょっと辟易させられるところもあるけれど、のび太だって手前勝手な点では似たようなもの。そういうキャラになれている日本人は酷い目にあってどん底からどう這い上がるのかを楽しむことがD家居るのではないだろうか。キャラではやっぱりナウエルといっしょに旅をして魔法使いと戦う女の子が可愛くて強くて素晴らしい。あと敵で魔法使いによって絡め取られてカラスに変じてナウエルたちをおす女子とかクールで強くて格好良かった。また見たいなあ。

 次回作について触れるならタイトルは「悪魔の鉱脈」というものらしい。内容はアクーニャ監督によれば「ラテンアメリカのファンタジーウエスタンでアタカマ砂漠のとある炭鉱業が盛んな街に暮らしている健気で働き者のメルセデスという少女と、その兄のホセを描いていて舞台は1920年代」とのこと。「ミステリアスな金塊を盗もうとする計画があって、その持ち主は松の権力者のミスター・フラメンコ。兄のホセはそれによってトラブルに陥りメルセデスが助けようとする。金塊の本当の持ち主がいて、それは砂漠の下に住んでいる悪魔だ」。見せてもらったイメージボードには地下に暮らしている悪魔が描かれていたけれど、どうしてそこで暮らしているのかはちょっと分からない。

 「この地域には、悪魔が時々炭鉱府の命を奪うという言い伝えがある。悪魔は地中に埋まっている冨や財宝が自分の物だと見せつけている」。そうした伝承を取り入れ1920年代のチリの炭鉱の街を調べ上げてリアルに絵として描いた作品になりそう。「これでナウエルで達成したものよりもさらに上を目指し、スタジオとして成長していきたい」とアクーニャ監督は話してた。。完成は2025年の予定。ちょっと楽しみ。


【7月21日】 山下達郎さんが新型コロナウイルス感染症で札幌でのライブを中止したとの報。年も年なので養生して欲しいと思う一方で、当たっている大分のライブまでに直ってくれるかといったところが割と大きな問題で、行きの航空機は予約してあとは宿屋という段階で、中止になってしまうと航空券がパーになってしまう恐れがあるのだった。帰りは予約していないからそれだけキャンセルで全部とられてもまだ仕方が無いけれど、帰りの予約もして中止になってキャンセルがきかないとなると行って何をするのか困ってしまう。別府温泉で1泊してくるかなあ。国東半島で磨崖仏を見てくるというのもありかなあ。

 見て思ったのは、右と左とで大きさが違うのだなということだ。お椀の形を保っていた右と比べて左ややや下がり気味でこれを同じサイズに収めてよいものなのかと疑問に思った。それでも横たわれば左でも湧きへとは垂れずしっかりと上向きのまま、相手の手の平におさまっていたのはあれでなかなにしっかりと中身が詰まっているものなのかもしれない。山本直樹さんの漫画を原作に下城定秀夫監督の「ビリーバーズ」とはそんな映画だ。

 山本直樹が漫画で描けば絶対に左右のバランスをとって綺麗な対称性を持たせただろう。それがひとつの理想を描いて見る人を虚構の世界へと引きずり込んで、漫画がテーマとする俗世から乖離した人格が漂う虚無の世界を感じさせただろう。けれども現実の肉体は左右の形に明確な違いが存在してそこに明確なる肉の存在を示していた。れることは出来なかったとも言えるが、それでも城定監督は淡々とした演技による単調な日々の繰り返しから少しずつズレていく島でのプログラムを、抑えたトーンの中に描いて漫画が持っていた非現実性を感じさせようとしていた。見ているうちにだんだんと山本直樹ならではの作法がそこに感じされるようになって来た。

 カルトな宗教に溺れた信者達の我欲を捨てて教義に浸ろうとして身を研ぎ澄ませれば研ぎ澄ませるほど浮かぶ衝動から逃れられず迷い崩れていく様を、描いてのけた「ビリーバーズ」という漫画の世界がしっかりと実写によってスクリーンに再現されていた。しっかりと寝て見た夢を語り合うだけの日々であるにも関わらず、それが教義なら従いつづける主体性を奪われた信者たち。自分のためでも誰かのためでもなくみんなのためにという意識の中で関係性が消滅して集団ですらなくなった空気のような存在へと昇華して、現実を破壊していくカルトの恐ろしさ。具体的な教義を示さず社会的な弾圧を見せないでも現実からか遊離して後戻りができないところに来てしまっている状況を捉えて見せてくれていた。

 何かとカルトについて騒がしい現状下で、これほどカルトの本質を感じさせてくれる映画もないだろう。暴走するカルトがどうなるかということも合わせ感じさせてくれる。とうより過去に日本は学生運動が行き過ぎた挙げ句にカルト化して起こった集団リンチ殺人事件を経験している。していながらもそうした記憶が薄れてカルトへの関心が薄れかけていたところに大変な事件が起こって、カルトとは何だったんだろうと誰もが思い情報を求めているタイミングでこの映画が上映されている意義はとてつもなく大きい。その意義を世間は感じて映画を紹介するなり、どんなものかを確認しに鑑賞に行くなりして欲しい。そして確かめて欲しい。右と左で大きさは違うものなのだということを。

 竹町さんの「スパイ教室8 《草原》のサラ」を読み終える。いやあ凄い。クラウスをはじめとした「灯」の面々が「蛇」というスパイ集団によって壊滅させられそうになっているところからの反攻撃から浮かび上がってきたのは「蛇」という組織が目指していたある意味でとても真っ当な目的。それを知るにつけて正義というものをいったいどこに置けば良いのかを酷く迷う。命令されたことが正義なのかそれともその外側に正義は存在しているのか。世界にとっての正義は人類にとっての正義なのか。広がる枠組みの中で自分の立つべき場所を見失いそうになった時、拠り所にするのはたぶ信じた誰かの幸せなのかもしれないなあ。一件落着の果てに始まる後半戦が描く世界はどんなだろう。期待。


【7月20日】 戸締まり用心火の用心といえば「一休さん」の合間に流れていたCMで、そこに登場するお婆さんを背負ったお爺さんの人の良さそうな雰囲気に馴染んでいたら後になって日本船舶振興会の笹川良一会長で、そして日本の右翼の大立て者だと知ってそういう人がメディアに出てCMで良い印象を世間に広めているのを見た人が、成長したら日本もライティになるだろうかと当時は余り思わなかったけど、笹川良一会長なんてもはや誰も覚えてない時代になって右傾化が進んだのは、その上の世代で地均しが行われていたからかもしれない。その意味で「一休さん」はエポックメイキングなアニメだったと言えるかも。

 そんな日本船舶振興会が名前を変えた日本財団が今や日本でも有数の財団法人で、競艇からの収益で数々の事業や研究を助成していることはよく知られた話で、ライティではあっても決して蔑ろにはできない公的セクターだと言うことはもっと知られているかと思ったら、なぜか笹川良一会長が日本勝共連合の創設に携わったという話から、それは統一協会と同じじゃ無いかという流れになってそんな笹川良一会長が創設した日本財団でオブザーバーを務めている報道ステーションの大越キャスターが、さも統一協会から支援を受けているかのような流言が飛び交って物事を考えず調べようともしない人たちが、煽られればたちどころに情報を拡散してしまう今のネット状況のヤバさって奴を改めて思い知る。やれやれ。

 安倍元総理の国葬が9月27日あたりに決まった感じで、日本武道館を会場に行われるとしたらどれくらいの人が弔問に来てくれるんだろうかがと気になりつつ、近くにある靖国神社との連係なんてことをしでかさないかといった不安もあって、もうひと波乱ふた波乱がありそう。さすがに自民党も内閣も阿呆ではないから、弔問客を靖国神社に案内して中国韓国から東南アジアなり欧米の批判を食らうような真似はしないと思うけれど、安倍元総理を讃えるためには何でもやらかすメディアあたりがせっかくだから靖国詣でようなどとキャンペーンを張るかもしれない。

 でもってそれに同調する安倍元総理派の残党が、政府を揺さぶって実現させかねない。それに従う政府ではないとは思うけど、現に国葬は実施の方向へ舵を切ってしまった訳で、あの佐藤栄作元総理の時ですら法の根拠がないと見送られたものを、ここに来て法律なんてしったことかと恐々してしまう政府があと一押しをしないとも限らない。どうなることか。

 そんな国葬を全面的に推す新聞は新聞で、朝日新聞が載せた川柳を論っては批判をするコラムを1面に乗せているんだけれど、そのつかみに紹介したエピソードがトランプ前大統領が予想を覆して当選した時、安倍元総理がいの一番に会いに行って朝日に批判されたが当選したといった話で笑いをとったこと。でもこの時、ヒラリー・クリントンが当選すると信じて準備をしてなかった安倍内閣が、トランプ元大統領を会うために使った伝手が統一協会だったと噂されている。そういう事情があるエピソードを持ち出して知らん顔できるコラムニストと新聞の胆力に、ただただ頭が下がるのだった。これならあと1年は保つかな。

 ネットにふらりと流れてきた、1964年放送の「ウルトラマン」で使われたベーターカプセルをバンダイ・スピリッツがモデルとして売り出すという広告を見逃さず販売開始の午後4時にアクセスをして1本を確保。以前にもモデル化されているけれど、その時よりもいろいろとバージョンアップが図られているそうでちょっと楽しみ。「シン・ウルトラマン」に登場したベーターカプセルも売り出されてはいるけれど、ソリッドな感じがちょっと趣味ではなかった中で、4K版「ウルトラマン」の上映を見た際にこれに出てくるベーターカプセルが今また売り出されたらなあと思っていただけにジャストなタイミングをつかれた感じ。そう思っていた人も多かったのか20分後にはすでに売り切れに。発売される12月頃にはこれを構えて変身する人が街にあふれかえることだろう。シュワッチ。


【7月19日】 「幽☆遊☆白書」の実写版キャストが順繰りに発表になって浦飯幽介は北村匠海さんで突っ張ってはいても子供っぽいところがあるはずのキャラにどこか影があるなあと不安がらせた次の日に、待望の蔵馬が発表になって志尊淳はまあキラキラしているからこれはこれでと一安心。飛影は評価はあれこれかったけれども「鋼の錬金術師」で見事にエンヴィーを演じきった本郷奏多さんならきっと大丈夫だ、あとは桑原和真だから誰でも細身のイケメンをリーゼントにさせておけばそれっぽく見えると油断していたらとんもない風体の桑原が来た。

 リーゼントじゃない。ツーブロック。どこのワルだ。演じる上杉柊平さんに罪はないけれどもリーゼントスタイルは古典的不良の矜持を見せるスタイルとして、シティボーイが全盛の時代にあってダサ格好良さを示すものだったからこそ桑原の決して曲げず逃げない強さが光った。でもこれでは見てくれだけが大事で裏切りだって平気でしそうなワルにしか見えない。幽介とタイマンはって殴り合っても退かず媚びない男を見せてこその桑原と、こうしてしまうドラマに果たして「幽☆遊☆白書」の神髄が描かれているか、って思った時にとりたてて「幽☆遊☆白書」に神髄なんてあったかな、って思い返したのでまあこれはこれで良いのかも。戸愚呂兄弟が中川家だったら流石に怒るけど。いや吹き出すか。

 そこに居続けるためには常にコメントを良くも悪くも目立つものにしなくちゃいけないっていう思いでも働くんだろうか。八代英輝弁護士がコメンテーターとして出演しているワイドショーの「ひるおび」で、安倍晋三元総理殺害事件の容疑者が残したツイートをとらえてマザコンだのといったコメントを発して案の定の反応が巻き起こっている。大きいのはやっぱり親という親族の下で強制的かつ情愛的な結びつきの下で宗教を押しつけられて苦しみながらも親を切れない懊悩に悶えている宗教二世がいるにも関わらず、そうした境遇への配慮をしないでマザコンと切って捨ててはあらゆる宗教二世が救われない。

 救う気なんてないんだろうけれど、それにしても酷い言葉なのでこれはすぐさまツッコミが入るだろう。あとはそうした考えに容疑者が理路整然と心境の変遷を外部の状況も踏まえて綴ったあのツイートを読んでそう思ったという部分。どう読んでも誰もそうは思わなかった「非常に幼稚なまま、大人になった人間と逆に感じました」というコメントを、その前の段階で統一協会への義憤から批判をする上でより高い効果を狙って支援者と目された安倍元総理に向かったといった割と一般的な解釈をしていたにも関わらず、してしまったのはそう言わなければ立場を失うとでも叶えたんだろうか。それは自発的なのか外圧的なものなのか。気になる変節。いずれにしても世間はだいたい気付いてて、その方向へと流れないとヤバいことになるだろう。それもまた厄介な話ではあるのだけれど。

 フィギュアスケートの羽生結弦選手がアマチュアとしての競技者を引退すると発表。振り返ればまだジュニアの頃から凄い選手がいると聞かされ活動を目にしていたらあれよあれよという間にオリンピックで金メダルを取り、そしてもう1回とってしまう史上希なる選手になってしまった。その見た目の美しさが実力と合わさって発揮される威力はテラトン級。過去のあらゆるフィギュアスケート選手を吹き飛ばしてトップに君臨する存在になっていたけれど、それでもやっぱりいつか限界というものがくる。北京冬季五輪で好成績を残せなかったことがやっぱり引っかかっていたんだろう。まだまだやれるとは思うしそれこそアイスダンスに行っても活躍できそうな気がするけれど、それよりも今はプロとしてアイスショーの一線でその美しいスケーティングを見せてくれる方が、世界に新しいフィギュアスケートのファンを生み出す原動力になるのかもしれない。ありがとう。そしてこれからもよろしく。


【7月18日】 仄めかされると勝手に妄想をふくらませてはストーリーにあてはめ糾弾を始めるネットの悪い傾向が出たといった感じ。国際政治評論家の三浦瑠理さんが以前に書いた記事に掲載された画像に対して、例の安倍晋三総理襲撃事件の容疑者がちょっとした反応を示していたことが分かったけれど、それをもって三浦さんが統一協会と安倍晋三元総理とのつながりを紹介していて、だから容疑者は襲撃に至ったんだといった明らかなミスリードがネットでザワザワと盛り上がっていた。

 有名な映画評論家もそんなほのめかしをしていたりして反応も結構大きくて、これは厄介なのでちょっと調べてみようと三浦瑠麗さんが寄稿したiRONNAという今はもうない産経新聞社がちょっと前までやってたオピニオンサイトをウェブアーカイブから発掘。それらしい画像は外れていたけれどキャプションから2015年11月に開催された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」に、安倍元総理がビデオメッセージを寄せていたことを紹介する画像だと分かった。

 それはそれで日本会議系のイベントで、櫻井よしこさんとか田久保忠衛さんといったお歴々がずらりと並んで壮観ではあったものの決して統一協会系のイベントではない。容疑者がそれを見て統一協会を思い浮かべたのは従前から似たような集会の映像なり画像を見ていて共通性を覚えたからで、その点で感性自体にズレはあまりないものの明確に違う団体であることは確か。調べれば分かる其れをしないで仄めかしから三浦さんと統一協会を結びつけて騒いで、後で訴訟を起こされるんじゃないかと思わないネットの人たちの、防衛意識の足りて無さには相変わらずもやもやとする。

 それを率先して映画評論家がやっているのもなあ。三浦さん本人も画像が何かを説明をして収まりはしたけれど、それはそれとして統一協会への見解を未だ言わないのはちょっとなあ。自信が信者か否かは信教の自由だから言う必要はないけれど、一方で世間を騒がせている集団に一国の総理大臣が肩入れをしてお墨付きを与えてしまった問題は、ずっとつきまとい事件の端緒にもなっていることだけに、やはり仕切って置いた方が良いんじゃ無いかなあ。それができない理由があるなら別だけど。

 2014年だからもう8年も前になる「アニメミライ2014」で見て以来となる吉浦康裕監督の「アルモニ」を「水のコトバ」「ペイル・コクーン」と一緒に見る。「水のコトバ」はたぶんもしかしたら初見かもしれないけれど3Dで作った空間の奥と手前と間にキャラクターを配置しカメラを移動させてそれぞれの会話を見せて聴かせるあたりの巧さがこの頃から出来上がっていることが分かった。「ペイル・コクーン」は記録をめぐる物語。そこから浮かび上がる想像の過去って奴は後に作られる「ヒストリー機関」と重なるところがある。なかなかに面白かったけれど途中で意識が途絶えたのはベースに「イノセンス」があるからに違いない。

 そしてアルモニ。相変わらずドキドキとさせるストーリーというかオタクが勝利をしたと思ったらもっとドリーミーな期待にのしかかられて焦ってしまうといった展開。ちょっとこれ拙いんじゃないのといった居心地の悪さに苛まれてしまうというか。あの後彼女はちゃんと高校生活を送れたんだろうかというか。トークがあって「アルモニ」では教室でわちゃわちゃとする生徒たちを描きたかったということで、授業が終わって解放された生徒達が机のそちらこちらでそれぜに集まり会話をしている教室ならではの光景がちゃんと描かれていたのが凄かった。

 これが「アイノ歌声を聴かせて」の教室描写につながるのかってことも分かった。続きがあっても少女が真っ当さの中に回帰するか幻想の中に浸るかどちらかでやっぱり尻が落ち着かなさそう。そこを綺麗に落としてオタクもリア充も立派に楽しませた「アイの歌声を聴かせて」がストーリーとして考え抜かれたひとつの形なんだということも。だからこそ共感を誘い忌避感を抱かせないでそれなりのヒット作となったのだろうから。次になにに挑んでいるかは明らかにされていなかったけれど、きっと面白いものを見せてくれるんだろう。以外と「機動警察パトレイバー」の新作だったりして。ワンフェスの発表がちょっと楽しみ。


【7月17日】 安倍晋三元総理を銃撃して死亡させた容疑者が統一協会について言及していたブログの主に対して手紙を送って統一協会への想いを書き連ねつつそうした統一協会と関わりを感じたから安倍元総理を標的にしたことを吐露していたらいし。「苦々しいが本来の敵ではない」といった言い回しは本来の的が統一協会のそのものにあることを改めて強く訴えつつ、そうした団体にメッセージをおくり黙認どころか公認してしまっている安倍元総理の言動が、及ぼす影響を苦々しく思っていたことも同時にうかがえる。

 どこかの偉い脳科学者がそうした関係について総理大臣としていっぱいある仕事のそれこそ数パーセントくらいしか振り向けていない相手との関係を濃いものと見るのは無理だとかいった形で関係の薄さを強調し、それゆえに安倍元総理を狙った行動は筋違いの逆恨みだといった雰囲気を醸し出そうとしていたけれど、統一協会によってオルグされた人たちの中には安倍元総理という国家の最高権力者が与えているお墨付きを信じたかもしれないし、そうしたお墨付きでもって勧誘なんかを行い大勢の人たちを困らせているかもしれない。そちら側から見たら関係していること自体が重大事。脳科学者が言うように程度問題では決してないのだ。

 これがもっと別の歴史的にシンパシーを表明することが政治生命に関わる相手だったら、程度問題なんて口にできないにも関わらず、この一件で脳科学者といい国際政治学者といい哲学者といい元朝日といいなぜか程度問題に押し込めて安倍元総理の関与を希薄化し透明化しようとしている節がある。広告塔になること、それもヤバい組織の広告塔になることの拙さを訴えても総理の側から見た場合の関与度の薄さに理解を示すのはなぜなのか。そこがどうにも分からないけれど、こうして容疑者の口からゼロではないなら関与はあって総理という立場ならそれは苦々しく見えることが表明されて、関与そのものが問題視されるようになって来た。果たして次はどんなアクロバティックな擁護が飛び出すか。その擁護によってどんなメリットがうまれるか。見ていきたい。

 それにしてもこの件で読売新聞が抜きん出て情報を獲得しているところが見事。奈良県警に強い記者がいるのか警視庁なり警察庁からとって来ているのか。支局も縮小して本庁にもろくに配置してない自称全国紙は共同通信の頑張りにおんぶにだっこ。それでも体裁はとれているけど後追いの発表ものばかりだと気付かれた時、だったらもう良いと捨てられることになるんだろう。あと読売がネットに流す記事の分量が多くなって来た印象。朝日なんてほとんどの記事が見出しにとってる核心を語らないリード部分で終わらせて会員じゃないと読めなくしてそして無料会員を取りやめるとも発表してて閉鎖感を出してきたのと対照的。ここでネット上に存在感を出してブランドの周知を図りにきたのかな?

 家に居たら暑そうなので本を探しに東京駅まで丸善で購入したあと、東京駅へと回って原敬と濱口雄幸の両総理大臣が銃撃を受けた場所を回ってプレートを確認する。原敬は丸の内南口に小さいプレートが埋め込まれていて説明書きもあってそこで撃たれたとすぐ分かった。濱口雄幸は駅の中に入らなければならなかっったので改札を抜けて9番10番ホームの下あたりを探したら、柱に看板はあったけど真下にプレートはなくちょっと退いたら新幹線へとちょっとだけあがる階段の下にプレートが作ってあった。歴史のある駅でも2人の総理大臣が撃たれた駅は世界でもそうはないよなあ。そういう国だったのが戦後ずっと大丈夫だったのにここに来て。だからこそ今が大変な時期で有り、そんな時代にしてしまったのが誰かをちゃんと考えないといけないんじゃないのかなあ。

 駅に入ったのでJRで池袋まで出てそこからあるいてぱすたやで大盛スパゲティを食べてから、外に出たら大勢の人が立教大学に向かって歩いて行くのでナニゴトかとついていったら小学校か何かの教員の主任昇任試験か何かがあるみたいだった。日曜日にご苦労さまなこと。でもそうやって試験に受かって出世できる仕組みがあるのが良いところ。企業って知らず誰かの思惑で決まってしまうから。それにのっからないとずっと上がらない。難しかったねえ、そのパズル。結局解けなかったからなあ。そのまま要町まで歩いて有楽町線で永田町まで来て駅構内にあるカフェでしばらくお仕事し、1本の原稿を仕上げて本日は打ち止め。とりあえず毎日何か書く仕事があるのは良いことなのかなあ。3年前に京都アニメーションのへのHKアジ研を聞きながら、絶望した時からどうにか回復したけれど、これからの3年がどうなるかなんて分からない。ただ頑張るのみ。働こう。ちょっと寝てから。


【7月16日】 よく分からない夢を見ていたのでメモ。どこかの書店めいたところで何かしゃべることになって、自分なんかでいいのかと思いながら、どうにかこなしてそしてもう1本、今度はロフトみたいなところでしゃべることになって時間まで、ウロウロとしていたら前の職場の同期がプラモデルを作っていた。その書店には専用ブースがあってプラモデルを持ち込み、作ることができるらしい。

 ちょっとしゃべっていたと話して、そういえば別の同期もスケールモデルをよく作っていたねと会話をし、もうすぐしゃべるからと誘って別れる。現実にはその同期も別の同期もプラモデルなんて趣味ではないのに、夢の中ではそういうことになっていた。別の同僚がガンプラを作って机に置いていたので、混同が起こったのかもしれない。今もまだ会社に残っているのかなあ。ちょっと気になった。

 そして次のしゃべる場所へと向かい楽屋に入ったら、いっしょに出演する人たちがいて、初対面なので何か会話をしようとして、そこにいた女性に東京ビッグサイトを繋ぐコンコースでは男性のビジネスマンが派手な柄のシャツを着て座っているんですよと豆知識みたいなことを言ったら、相手も実は知っていてこれはやってしまったと焦っていたら、出発の時間になったので全員でバスに乗って移動を始めた。楽屋から舞台に上がるという設定はもはや吹き飛び渋滞の中をバスは進む。座席の隣にはさっき会話をした女性が座っていて、しきりに身を寄せてくるので、正座をしていたのを解いて椅子に座り直したあたりで目が覚めた。

 夢なのに感触があるのは体の際まで本が迫って寝返りも打てない状態を反映しているのかもしれない。現実には硬い本が夢だと軟らかい女性の体に思えるのだから効率の良い娯楽とは言えるけれど、どんな夢を見るか分からないし見るのが楽しいものとも限らないからそれだけにかけるのはちょっと危険。でもこうして面白い夢もあるのででやっぱり夢見はやめられないので、また寝ることにしたら続きを見たんだけれど、こんどはメモをする前に忘れてしまった。ちょっともったいなかったかなあ。
 そんなこんなで起き出して、荷物が来るまで玄関先でかちゃかちゃと仕事。自分を作った児童文学5冊なんてものを考えて、やっぱり「27世紀の発明王」とか「灰色熊ワーブの一生」とか「バスカビル家の犬」とか「地球さいごの日」とか「三丁目が戦争です」なんかを挙げてみる。SF好きでミステリファンになるしかないラインアップ。あと「ゴールデンカムイ」好きとか。そうじゃないケストナーとかエンデとかサン・テグジュペリとかモンゴメリとかボームなんてのも挙げても良かったんだけれど、楽しかったことは楽しかったけど作ったかというとそうでもないのが難しい。どっちいんしたって幻想で冒険ばかりだし。つまりは今こうなっているのは正しいってことなのだ。

 1本原稿を仕上げて幕張メッセで開かれているセールをのぞいて何も買わずそのまま幕張で原稿をもう1本ほど仕上げてから、三石琴乃さんの吹き替えが聞きたくて吹き替え版の「キャメラを止めるな!」を見たらセーラームーンでも葛城ミサトでもない三石琴乃さんで良かった。ただオリジナル版「カメラを止めるな!」では日暮監督が女優男優相手に怒鳴るのがちゃんとマジ切れに聞こえるのと比べると、吹き替え版はそれ自体が吹き替えという演技だからなのかマジ切れに聞こえなくてフランス語版を見てレミー監督の日頃とあの場面の違いぶりを確認したくなった。ポンはないけどアカデミー助演女優用ノミネート女優のハイキックが見られたのでそれは良かった。ラストはやっぱり感動した。


【7月15日】 「くまのがっこう」が映画化されたタイミングであいはらひろゆきさんにインタビューしたことがあって、バンダイでキャラクター開発をして生み出されたものだけれども大きく広げるために独立をして自分が受け持ち物語を紡いで展開していったものだってことを話してくれた。バンダイといえば「プリキュア」だとか「仮面ライダー」だとか「機動戦士ガンダム」といった有りもののキャラクターを大きく展開するマーチャンダイジングには長けているけれど、自分たちで新しいキャラターを生み出し玩具として展開していくことがどうにも苦手な会社って雰囲気があったりする。

 タカラトミーがトミカやプラレールやリカちゃんといった半世紀以上も続く一種のブランドを持って展開しているのとは対照的。だからこそ「たまごっち」が大ヒットした後でそれを盛り立てる一方で、同じような自社発のキャラクターを作ろうとしてキャラクター研究所を立ち上げ「くまのがっこう」を生み出したんだけれど、サンリオとかサンエックスみたいに生み出し続けるのはあまり巧くなったってことなのかも。10億円とかいった単位でしか評価されない弊害って奴なんだろうなあ。

 だからこそあいはらひろゆきさんが独立をして面倒をみていく規模にして、引っ張っていったのはある意味で正解。それで200万部に達する人気作になった訳だけれど、そんなあいはらひろゆきさんが亡くなっていたことが分かって愛読していたファンから追悼の声が上がっていた。まだ20年という歴史しかないけれど、若い世代にはクリティカルに影響を与えた絵本でもあったりする訳で、そうした人たちにとって寂しさもひとしおだろう。ただすでに生み出された絵本はいっぱいあるし、システムとして続いていくのが絵本の世界でもあるからキャラクターとともに長く続いていって欲しいもの。それをバンダイは支え続けてくれるかな。

 はらなのか。はらなのだ。って受け答えで盛り上がりそうな予感が今からちょっとする新海誠監督の最新アニメーション映画「すずめの戸締まり」の主演声優決定のニュース。「はらはらなのか。」という映画に前に出ていた子役出身の原菜乃華さんが18歳になっていよいよ本格的に女優として活動していく第1歩になりそうな大役。前に「君の名は。」で主役を演じた上白石萌音さんも、「天気の子」でヒロインを演じた森七菜さんもどちらもその後にちゃんと活躍しているところを見ると、新海誠映画はそうしたスタアへの登竜門として高いバリューを持っていそう。予告編に出てくるロン毛を誰が演じるのかは分からないのが気にかかるけど、声に関しては間違いがない新海誠映画。期待して続報を待とう。

 トップブランドとして「レクサス」があってLS、ES、ISといったセダンをラインアップに持って展開している以上、もはやトヨタ自動車にあってクラウンは「いつかはクラウン」と憧れられるセダン・オブ・セダンではなくなってしまっている。そうしたクラスの車にとってセダンである必要すらもはやなかったりするから日本ではSUVばかりが売れて車種もそちらに傾いていたりする中で、敢えてセダンも含むラインアップで臨んだクラウンにいったい勝ち目はあるんだろうか。そのスタイルもプリウスが鈍重になった感じを大きく脱していないとなると、敢えて選ぶ必然性って奴がどうにも湧いてこないんだよなあ。スポーツとかSUVとかいらないから箱形セダンで決めて欲しかった16代目クラウン。これで最後のクラウンかなあ。


【7月14日】 あの「PUI PUI モルカー」の新シリーズが10月から放送スタートと発表。タイトルが「PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL」とどうやら自動車教習所が舞台になることは良いとして、監督が見里朝希さんではなく1期でも絵コンテなんかで参加していた小野ハナさんということでいったいどういう反応が出るかちょっと気になってネットの反応を眺めたら、1期でいろいろと絵コンテを手掛けた人だということが知れ渡っていてだったら安心といった反応がほとんど。みなさんそこまで1期を見込んでいたのかと驚いた。

 監督が替わるとテイストも変わってしまうと心配するのが普通の反応なんだけれど、そうはならないくらいに皆さん「PUI PUI モルカー」という作品を深く知り尽くしているってことなんだろう。その小野ハナさんは「澱みの騒ぎ」が毎日映画コンクールの大藤信郎賞を受賞したくらいのアニメーション監督で、その面では見里監督よりもキャリアも実績もあったりするって言える。でもって当真一茂さんと組んで展開しているUchuPeopleでは「ポプテピピック」の中で「PUI PUI モルカー」と同じフエルトを使ったストップモーションアニメーションを提供していたりするから素材もお手の物。アニメーターとして当真さんも関わるみたいだから、体制は万全以上と言えるだろう。

 あとはタイトルに「DRIVING SCHOOL」とあるように部隊が自動車教習所に限定されること。道路から喫茶店からゾンビからスパイから場所もテーマも何でもありの破天荒さがひとつの面白さにもなっていた1期と違って場所が決まってしまうとシチュエーションコメディとして面白さのバリエーションが限られてしまうかもしれない。そこはそれ、原作者でありスーパーバイザーとして見里さんがしっかりと監修してくれるだろうから大丈夫と信じたい。そして見里さんにはご自分がWIT STUDIOで始めている新しいストップモーションアニメーションの新作を万全の体制で作り上げてもらいたい。小野ハナさんもこれで一気に名前を売って次は誰が出てくるかなあ。

 渋谷で「エヴァンゲリオン大博覧会」のプレスプレビューが開かれるので家を出て途中で週刊文春を買って読んだら濃かった。例の事件で犯行に及んだ人の過去があますところなく書かれてあって、自衛隊にいたけど除隊した理由とかちょっと驚きでその頃からやっぱりいろいろと抱えていたものがあったんだろうと思わせた。どこかのUFOとか河童が大好きなスポーツ新聞が調べもしないで反アベ団体に入っていたとか飛ばしていたけど、そうした活動なんてしている余裕もないくらいに、必死で社会にしがみつこうとして果たせず滑り落ちようとして足掻いていた様が浮かび上がってきた。

 だからといって犯罪に及んで良い訳では絶対にないとは言え、ああいった凶行に及ぶにいたった数々の不幸を見るに付け、どこかでちゃんと対策がとられていたら曲がらなくても済んだのかもしれないと思えて仕方が無い。それは団体への摘発なり団体への賛意の抑制なりで、それが行われなかったことから積み重なってクロスして爆発してしまった感じで残念無念。こうした状況が明らかになって謀略めいた話は引っ込むとは思うけれどそれで治めたくない勢力が犯人側にすべての事情を乗せて語らせてヤバい部分を覆い隠そうとするかもしれない。そのための物語が捏造されて流布しないように状況を見守っていきたい。

 「エヴァンゲリオン大博覧会」には12年くらい前に買ったMEGっていうアーティストがアルバムのジャケットでとったポーズをアスカが模したプリントがしてあるTシャツを着ていったら、神村靖宏さんが見てこれはレアだと驚いていたのでちょっと勝った気分。あとGAINAXが開いたサバイバーショットの大会で作られたエヴァンゲリオンバージョンのサバイバーショットがないかと尋ねたら、出していたけど引っ込めたかもしれないと言っていたので現存はしているみたい。会期中のバージョンアップに期待しよう。見どころはあとはエヴァンゲリオン仕様のオロチとかCOCOMIだっけかが作った制服といったあたりか。4000点くらいあって目移りするけれど、それでも倉庫の山が動いたような感じがしないくらいアイテムはあるみたい。いつかそれらの全てが並ぶ展覧会が開かれると良いなあ。幕張メッセを全部使っても入りきらなかったりして。


【7月13日】 例の安倍晋三元総理射殺犯が実は反アベ団体に入っていたとかいう飛ばし記事をスポーツ新聞でも主にUFOが得意な方が記事にしていて苦笑する。だってそんな団体があったんだったらとっくに公安なり公安調査庁なりが把握して潜入もして尻尾を掴んで何かしでかそうとしたら摘発してたはず。オウム真理教の事件のあとで警察庁長官を銃撃されるなんて失態も犯しているのだからなおのこと極右極左以外の団体も中止していて当然なはずなのに、あっさりと日本でも今もっとも権力のトップに近い政治家を殺害されるはずがない。

 だからもしもそうした団体があって、そして密かに反アベ活動を進めてヒットマンも養成をして射殺に成功したのだとしたら、そうした団体を見過ごした警視庁の公安部門も警視総監も警察庁の長官も公安調査庁の長官も、まとめて腹を切らなくちゃいけないくらいのレベルの失態。それはさすがにしないだろうと考えるなら、そうした網の目にもあっからない意外なところから、親族への怨みをこじらせて影響力を持っていると思われたトップのところへおしかけたとしか考えられないんだけれど、世間にはそうしたリニアなエスカレーションを断絶なり飛躍ととらえて接続させないようにする動きがあるみたい。

 今日も今日とて一応は全国紙が精神科医の人なんかを擁して「『(家庭連合と安倍氏が)つながりがあると考えた』(山上容疑者)。片田氏はここで『怒りの置き換え』が生じたとみている」といった感じに超絶的な飛躍があってそれは反抗を犯した人の資質によるものみたいな感じで原因となった関係性から目を背けさせようとしている。でもこれは決して置き換えなんかじゃなく過剰気味なエスカレーションであって「不可解とも思える恨み」なんかではない。もちろん自制のタガが外れてるのはダメでそれで殺人なんてもっての他だけれど、だからといって原因をぼかしたいあまりになかったようなことにししたって世間はちゃんと分かっている。

 今も1億円を寄付したなんて篦棒な話も出てきたりして恨み骨髄だったことが分かってきた。一方で関係性も。そうした蓋然性の接続が招いた状況の何かを画そうとする動きが、テレビなんかで活躍しているコメンテーターに割と多くあるのがどうにも謎めく。国際政治学者とか社会学者とか哲学者とかジャーナリストとか政治評論家とか諸々。程度問題にしようとする節もあるけれどそこをぼかせないようになって来た今、架空でもいいから反アベ団体を作ってそこで訓練された兵士だったという話にしないと収まらないってことなのかもしれないなあ。木崎ちあきさんの「博多豚骨ラーメンズ」の即編にあたる「百合の華には棘がある」でも読んだような話がまあか実際に。怖いなあ現実。

 せっかくだからと千葉まで出かけて千葉劇場で「神々の山嶺」を見る。その前に近所のドトールで本を読んだり千葉市美術館の1階に置かれていたイームズチェアに座って原稿を書いたりして時間を潰し、そろそろと立ち上がって裏手に回ったら看板の出ていないラーメン屋があって何だと調べたら本当に「」という感じに名前のないラーメン屋さんだった。でも評判らしいので入って頼んだら出てきたのが二郎系ともいえる太くて硬い麺にたっぷりの野菜とあと大きな肉塊のラーメン。船橋だと無限大で出しているようなラーメンでそこも二郎系だからやっぱりそれで正しいのかかもしれない。

 本当は煮干しがきいたサッパリしたスープのラーメンを出すところらしいけど、曜日によって違っているそうで今日はたまたま二郎系の日だった感じ。朝ご飯を食べていなかったのでお腹にちょうど良い分量をもりもりと食べられて良かった。次は煮干し系が出る曜日を調べて行ってみよう。30分ほどで出てから千葉劇場で映画。試写では見ていたけれど改めて見てやっぱり山って大変だなあと思わされる。あの雪や氷の壁にピッケルをうちこみつま先を蹴り込んでひかっけよじ登っていくなんて普通はできないけどクライマーたちはやってしまう。そして落ちてケガをしたり亡くなったりもする。

 そうした大変さをアニメーションなのにしっかりを描いているのはアニメーションだからこそ描けているのかもしれない。ラストは漫画のようにくっきりあざやかではなくぼかしてそこから感じ取る感じ。でもそうした謎解きが本筋ではなく羽生が、そして深町がなぜ山に登るのかを探求するドラマだとするならそれで正解なんだろう。小説として分厚く漫画でも5巻あるストーリーを圧縮して選び抜いてそして異論を起こさせない脚本術は、日本の原作物も学ぶべきだろうなあ。名場面ダイジェストで筋は分からなくても嬉しい作品もあるにはあるけど、それだと10年は残らないから。


【7月12日】 カレーが評判な社長で知られるホテルは創業者の思想はともかくホテルとしては広めで過ごしやすいので割と使うのだった。ベッドも広々として普段は本が山積みとなって肩身を狭めて寝ているところから解放されてかえって寝づらさはあったものの、どうにか寝入ってそれから起きて支度をして高岡へと向かう途中、ホテルで配っていた読売新聞をもらって開くと佐藤憲一記者が映画「神々の山嶺」について書いていた。

 フランスで谷口ジローが有名だからこそ成立した企画だけれど、それだけに日本で企画されたかどうかといった指摘は確かに。こういう作品とか「FREE」のような作品が生まれてくる気配のないところがある意味でアニメーションの商業とインディペンデントの深い壁みたいなものを表していると言えそう。映画については原作を読んで谷口ジローさんの漫画も読んだ人が見てストーリーが短縮はされているけれど納得できる切られ方だちう声が多数で、パトリック・インバート監督の羽生と羽化待ちの関係に集中させたいという意図が成功した感し゛。試写で観ただけでまだ映画館で見てないので近く行ってあの高さと寒さを体験してこよう。

 しかしカレーが美味しい社長がいるホテルは産経新聞が創業者の人を応援もしていたりするのに新聞を置いてもらえないのは寂しい限り。読売新聞が無償で配布しているのかもしれないけれどそれでも宣伝の機会になるなら提供すれば良いのに。とはいえ残念なことに北陸で産経新聞はまるで存在感がないので置いてもニュースがきっと乏しくて誰ももらってくれない可能性があるから最初から除外された可能性が大きそう。コンビニで見ても富山新聞はあって北日本新聞もあるのに産経新聞は並んでなかったから。まあ県紙で北日本新聞と富山新聞があって正力松太郎さんの出身でもある読売新聞が力を入れている地域に産経新聞では出る幕もなかっただろうから撤退は正解か。北陸中日新聞もあるしなあ。世知辛い。

 高岡についてさてもこちらは藤子・F・不二雄さんの生誕の地ということで藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーを見物に行く。ローカルの氷見線に乗り換えそこから1駅で投薬。歩いてすぐの場所にある美術館の2階が展示会場で入ると「天使の玉ちゃん」の使われなかった原稿だとか、「ベン・ハー」を漫画にしたものの断片だとかが並んでた。「ベン・ハー」は描いたものの1ページしか残ってたりしないという作品だとか。手塚治虫さんの影響が色濃い絵柄ではあるけれどそれでもやっぱりとてつもなく巧い。

 見て手塚治虫さんがうなったのもよく分かる。他には「ドラえもん」があって学年誌とか「コロコロコミック」に掲載される際に漢字とかルビとかがどう違うかが比べられていた。元の原稿の吹き出しに入れられた写植は漢字が使われていたけれど、学年誌だと平仮名に直されていて、そして電子書籍だと元通りになっていたとか。写植入り原稿の複製で本とか作ってくれたらよりその創作に迫れるんだけれどなあ。高岡は藤子不二雄Aさんも住んでたことはあるんだけれど、記念碑みたいなモノは氷見にあるみたい。さすがに足を伸ばせなかったのでそちらはいつか。

 帰りは路面電車で高岡駅まで戻って来たもののブラックラーメンで有名な店は休業で入れず。ならばと歩いて高岡大仏を見に行って、日本三大大仏というのはここと鎌倉と奈良なんだろうかと思いつつ戻る途中にあるらしいラーメン屋を見たら正午からだったのでパスして駅まで戻り、そこで蕎麦を食べてから仕事先へと向かう。なるほど金型ってそうやって作るのか。終えて富山へと戻り名物の鱒の寿しを買って新幹線に乗ったらも東京だ。速いなあ。これなら富山の会社が東京に出先の事務所を置く意味がない訳だ。藤子不二雄の2人が10時間かけて出た東京もこんなに近いと、今もし藤子不二雄がいたら高岡で描いていたのかな。そんなことを思った1日。


【7月11日】 そして参院選の票がだいたい開いて東京都では生稲晃子候補が当選をしたり山添拓候補が当選したりした中に山本太郎候補も当選。あっちから出て落ちたものの党勢は広げてこっちから出て辞めて代わりを挙げてといった具合に、比例区ならではのハッキングをしかけて存在感を維持して来たけれど、今回は選挙区からの出馬だから辞めたら議席もはいそれまでよとなるので、辞めず6年間を活動し続けることになるんだろう。

 言ってることには大げさなこともあれば耳を傾けたくなることもあってとユニークだけれど、身体障害者の方々を国政に送り込んで改革に努めているところは本気なのでN党ほどには政治をハッキングして政党助成金をもらいつつ意見表明をし続けるような野暮はしないと思いたい。N党は暴露系ユーチューバーが当選してしまってこれから多額の政党助成金とそして国政でモノを言う場が与えられる。それをちゃんと生かして政治を良くするなら認められるけれど、批判のための批判でしかなかったりするところもあってそれが日本の何かを良くするとは思えないところが痛い。タレント議員のハプニング的意見にも傾聴するところがあったけれどここだけは……。それが当選してしまう今の空気がヤバい。

 ヤバいのはそうした空気をヤバいと思わず危険視も敵視もしないメディア状況でもあって、今日も今日とて旧統一協会が会見をしたのにテレビのバラエティでコメンテーターの芸能人たちが平和を歌っている団体なんだから安倍晋三元総理だって他の政治家だって賛意を示しただけなんだよとかヌかしていたりした。他にも脳科学者とか自称社会学者がいっぱい求めて来るのにちょっとだけ対応しただけで本気で応援なんてしてないよと安倍元総理とか政治家が旧統一協会に良い顔をしたことを擁護していたりしたけれどもちょっと待て。それを例えば戦前にドイツで蔓延った政党に対して言えるのか。1995年に事件を起こした集団に言えるのか。

 相手は今でこそメディアがあんまり取り上げなくなっているけれど、1970年代から学生の間に蔓延っては原理運動だ何だと呼ばれ一般層にも蔓延って霊感商法だ何だと言われ合同結婚式だ何だとメディアを騒がした集団だ。そして今も合同結婚式のようなことはしているし商法による被害を訴える人だっている。そうした側面を持つ集団に対して一瞬でも擁護をしたら相手はそれをお墨付きにして勢力拡大につなげる。だからこそ取捨選択が必要で絶対にいい顔をしてはいけないのだということを、分かって言っているのか分かってないのか。程度問題じゃないんだよ。でもきっとそうソフトに言うことがキイキイと騒ぐ奴らよりカッコ良いなんて思っちゃったりしているんだろうなあ、脳科学者とか社会学者とか。相対化して希薄化して透明化していった裏側にどっぷりと残り蔓延る影。世界のこの二重構造が割れて吹き上がったのがあの事件だったのかもしれないなあ。

 富山に行く用事があって新幹線に乗ったら2時間ちょっとでついてしまった。昔だったら名古屋から東京へと行く時間だしその前だと家から大学のある豊橋まで通っていた時間。それで東京から富山に移動できてしまうのだから便利な時代になっていたのだなあ。昔だったら北陸なんて米原経由で関西からとか名古屋から行くのがやっと。あるいは富山なら高山本線という手もあったけれどそれは結構な距離をぐらぐら電車にゆられる必要があった。新幹線だと大宮を出たら次は長野でそして富山と向こう三軒両隣。その距離感でたどり着けるのだからもっと早く来れば良かった。とはいえ見るものがあるかというと仕事なのでとりあえずブラックラーメンを食べて富山気分を味わうのだった。白エビ丼には手が出ない。寿司もやっぱり。お金持ちになりたい。


【7月10日】 原理運動であり勝共連合であり合同結婚式であるところの統一協会がどんなところかなんて昭和に生まれた人間だったらたいてい知っていて、そこと関わりを持つことがどれだけなのかもちゃんと理解していたはずなのに、どこかのいちおうは全国紙らしい新聞で論説委員と政治部編集委員を張っている記者が、議員会館の議員事務所を回れば普通に機関誌がおいてあって誰もが関わりを持っていたんだといったようなことを堂々と書いては、そんな団体と安倍晋三元総理が付き合っていたことなんて大したことではないといった雰囲気をまき散らそうとしていて、この国の将来をいよいよもって悲観しなくちゃいけなくなってきた。

 統一協会がどういう団体でそこに安倍元総理が祝辞まで贈る関係だってことがどれだけのことなのか。昭和に生まれた人間だったら知っていて当然なのに触れないのは本気で知らないのか、それとも安倍晋三元総理大臣は正しいのだと心から信じてその言動に間違いはないのだから統一協会も正しいのだと思い込んでいるのか、本当は知っているけれども安倍元総理を悪くはいいたくないから黙っているのか。いずれにしたってジャーナリストとしてはとんでもないことなんだけれど、それをとんでもないと思わないからこそ長くその新聞で第一線を張っていられるんだろうなあ。進む道がどれだけ滅びへと向かっていても。やれやれだ。本当にやれやれだ。

 第28回電撃小説大賞銀賞のひたきさん作であさなやさんイラストの「ミミクリー・ガールズ」はつまり特殊部隊版「Mr.Clice」なんだけれどそれを最先端テクノロジーでやりつつ少女化した特殊部隊員たちが大統領の娘を狙うテロと戦う展開を楽しめる。マーリンという名の小柄で緑色の紙をしたのじゃロリ少女の最強ぶりがとにかく凄い。よくそこまでマッチできるものだ。主役のクリスが悩んだことも平気で受け入れてしまったんだろうなあ。部隊は存続して大統領の娘の正体も明らかになってそしてストーリーは続くみたいだけれど新入りとか加わるんだろうか。続くんだろうなあ。どんな新入りが欲しいかな。そしてその中身は。いろいろと楽しそう。

 すでに投票は終えているのでフレッシュネスバーガーへと出向いて昨日整形したインタビュー記事を構成し直す作業をカチャカチャ。1万1000字くらいあるのを前後に分けて並べ直して質問を添えて削って1回5000字くらいで上下にまとめなおす。適当に時間が来たので亀戸まで出てVELOCHEで電源をとりながら再構成してどうにかこうにか仕上げてそれから店を出て、近所にあるキッチンDAIVEで茶色が目立つ弁当を購入。コロッケにハンバーグに魚フライに唐揚げにハンバーグにソーセージが載っているゴージャスきわまりない仕様だけれど食べたら結構体重に来そう。まあ明日あさってと出張で結構歩きそうなのでそちらでカバーしよう。

 戻って船橋のVELOCHEで総仕上げをしてから草稿。締切は守った。戻って午後8時からの「Dr,STONE 龍水」を視ながらネットで参議院銀選挙の開票をチェック。千葉は小西ひろゆき議員が当選をしていてあとは自民党が2議席。強いなあ。全国比例では自民党から立候補の赤松健候補が当選した模様。ヤバいとか煽った割には早々の投票はなんだかなあ。まあでも漫画家として何かしてくれるならそれはそれで。これでインボイスは止められず表現規制に何の力も発揮できなかった時がちょっと大変。議員になったからといってすべてかなう訳ではないことくらい分かっているけれど、止めてくれてこその応援な訳だからそこは責任と表裏一体ってことで。ともあれ今は先行き注目。「ラブひな!」の素子に八紘一宇とか言わせて改憲のイメージキャラクターにしたらその時はその時だ。


【7月9日】 やれやれ。とあるライティーな新聞で安倍元総理と仲が良いことを売りにしてきた論説委員兼政治部編集委員の記者が追悼記事を書いていて、そこで「左派文化人や一部マスコミは、安倍氏に対しては、何を書いても言ってもいいとばかりに、罵詈雑言を浴びせてきた」と書いて安倍元総理に対するそうした悪意をもっての言葉が今回の不幸を招いたかのような言説を並べている。なるほど悪意をむき出しにした罵詈雑言は決して気持ちが良い物ではなく、それがまきおこす憎悪の連鎖をヒトは常に気にしないと行けないことは分かっている。

 一方で言論の自由は保障されるべきであってそうした言説を取り締まるのは理性と知性でもって行わなくてはいけない。だとするならばその論説委員兼政治部編集員が散々っぱら菅直人元総理に対して悪意むき出しの罵詈雑言を投げつけて続けることもまた認めるべきだって話になってしまうし、辻元清美元衆議院議員に対する捏造に近い虚報を繰り出し裁判で敗れたことについてもそれはそれで捌かれるとして言説自体は自由だということも認めるべきってことになる。

 そうした“自由”が自分には認められているのなら安倍元総理に対する罵詈雑言も認めなくちゃいけないにも関わらず、それについては徹底的に反発をして批判し誹るというこの非対称ぶりを満天下に見せつけて新聞記者としてどうなんだろう。きっと気にしないんだろうなあ。だからこそやり続けられるのだ。そういう取り巻きしかいなかったことが安倍元総理の不幸かもしれない。それは元TBSのワシントン支局長だとか放送作家出身の作家についても言えることだったりする。どこからか伝わってきた安倍元総理が既になくなっているといった話をそのまま先にネットにアップして、自分はこれほど親しいんだということを世に示そうとしていたりする。

 正式発表前だからダメという訳ではない。病院がその思慕を確認した時間より前に死亡したことを示したことが蓋然性は沿っていても正確性では間違っている。それを悪いと謝る放送作家出身の作家には可愛らしさがあるけれど、ジャーアリストだからと誇り続ける元ワシントン支局長はもはやそこにしかしがみつくところがないんだってうかがえる。作家は作品で勝負できるけど元ワシントン支局長は周辺でしか息が出来なさそうだから。そういう人たちを侍らせ持ち上げさせたという意味でやっぱり弱い人だったのかもしれない。最高のブレーンが最高にしようと持ち上げ続けるには神輿として軽すぎたのかなあ。やれやれ。

 テレビがなくてもおっくうになるので外に出て今日からアーツ千代田3331で始まった「萩尾望都SF原画展」を見る。前に吉祥寺で見てそれから高崎まで見に行った展覧会がぐるっと回って6年ぶりに東京入り。とりあえず「百億の昼と千億の夜」と「スターレッド」の原画が見られるので行ってしばらく張り付く。やっぱりいいなあ阿修羅王。あの小ささが良いんだ。どこがとか聞かない。ショップでは既に「百億の昼と千億の夜 完全版」が出ていたので購入。あと阿修羅王が描かれた厄除けのお札も。これは聞きそうだ。安倍晴明の晴明神社で買った物と並べて壁に貼っておこう。

 それからTOHOシネマズ上野へと出て映画「ゆるキャン△」を見る。名古屋映画なのですこぶる正しい。同時に山梨映画でもあって山梨で見る富士山の正しさを描いて静岡県民を刺激しているのではないかとも想像するけれどもどうなんだろう。原作は数巻を読んだくらいでアニメもほとんど見ておらず「ヤマノススメ」と混同してしまいそうなところもあったりするものの映画は映画として高校時代のキャンプ仲間が卒業をしてそれぞれの道を歩み始めてバラバラになってしまうかもしれないところを、キャンプ場作りという共同作業を与えて永遠に続くかもしれない関係へと"再生"する物語として普遍性を持って語りかけてくるところがあった。だから知らなくてもだいたいの流れを知っていれば楽しめる作品だと思った。

 名古屋には「CHEEK」とか「Kelly」といったタウン誌と呼ぶにはもう少し豪華な雑誌が幾つかあってそこでお仕事して食べてける状況があることは理解できる。そうした名古屋の出版者に志摩りんを入れてしまったところがひとつユニーク。東京の人気出版者だととてもじゃないけど忙しくて忙しくて同級生達の週末キャンプ場再生計画につきあうことなんてできないだろう。他のメンバーもそれぞれに仕事を頑張りながらも趣味に生きる余裕を持って暮らしている。車を持っていたりバイクを転がしていたりするそのゆったりとした暮らしぶりを見るに付け、東京の大きな会社で仕事に邁進して数十年を経って振り返ってなあんにも残っていない空虚感に囚われることなんてないんだろうと感じさせられた。

 あるいは山梨という東京からまあ近く名古屋からだって行ける場所の自然がたっぷりとあってのんびりと暮らせそうな雰囲気こそが今、求められているライフスタイルなのかもと思わせてくれる。これが長野だともうちょっと過酷になりそうだし群馬だとグンマーになってしまうから。「スーパーカブ」のあのゆったり感も山梨だからこそのリズムとテンポのような気がするなあ。途中まで順調にいってそこにおこったちょっとの壁が結構なダメージとなっていたりする雰囲気もよく出ていた。でもだからこそそこで諦めないで突破していく道を考え出して自分たちでやり遂げたところに嬉しさを覚えた。ああいった風にあるのは現代だと大変だけれどそういった風にあれば現代だからこそ大切なのかもしれない。


【7月8日】 今日こそ「映画ゆるキャン△」を見ようと池袋まで出かけつつ、さてリトル小岩と乗換の大手町でのぞいたら行列ができていたので諦めて、池袋まで言って滝野川大勝軒でもりそばを食べて近所のVELOCHEに入っていつもどおりに原稿書きをしようと思ったら、安倍晋三元総理が撃たれたといったニュースが飛び込んできてネットに目が行き原稿がまるで進まない。奈良の西大寺駅で演説していた安倍元総理の背後から白い煙があがってそして、撃った容疑者が取り押さえられる画像なんが飛び交っていてどういう背後関係なのか、まるで分からないまま情報を見ていたら原稿がまるで進まず、そうこうしているうちに上映開始時間が来てしまったので映画を見るのは諦める。

 散弾銃のようなもので撃たれたといった話が流れて、あんな大きなものをどうやって持ち運ぶんだろうか、それならたぶん銃床を切り詰め銃身も短くカットしたものを使うんだろうかと思ったもののそんなものを発射された日には周囲に散弾が飛び散ってとんでもない数の被害者が出る。それなのに他に撃たれた人はなく、安倍元総理だけが倒れて病院に運ばれたというから何だろうと思っていたら拳銃らしいといった情報が飛び込んできた。なんだ拳銃かと納得したかというとそれにしてはやたらと大きい銃が画像なんかに写っている。よくよく見ていくとどうやら手製の銃らしいと分かってそんなものが元総理の暗殺に使われる時代が来たのかと驚く。

 というかいったいどういう知識で作ったのか。増えて来た情報によればパイプを並べてその中に火薬を詰めて弾丸を発射するタイプらしいけれど、撃針がある訳でもないから電気で火薬を発火させて弾を飛ばした模様。ということは先込の銃なのか違うのか。いずれにしても半端な式では作れないものを自作して、そしてしっかりと対象に命中させてしまえる腕前をどうして育んだのかといった背後関係がこれから探られていくことになりそう。元海上自衛官だとか、安倍総理がつながりのある宗教団体を狙っていたとか錯綜する情報もあるけれど、それだとしたら急に決まった奈良での演説にどうやってピンポイントで駆けつけられたのか。いつか来る日のために準備をしていたなら相当に周到。そうした点でもいろいろと謎が多い事件のような気がする。

 それはそれとして日本の現職政治家が狙われたのは総理大臣クラスだと細川護煕さんが現役の総理時代に銃撃を受けたことがあるし、金丸信副総理も演説中に銃撃を受けてケガを下。石井紘基議員のように右翼団体に暗殺された例もあるから戦後まったく初めてという訳ではないけれど、影響力を未だに遺した現役の国会議員にして派閥のトップでもあってなおかつ元総理という存在が、テロによって命を奪われたというのは本当に久しぶりのことになる。過去にそうしたことが起こって日本はどうなったかを考えた時、これから起こる事態への不安も募る。その一方で、安倍元総理の在任中に起こった数々の事態が今の日本の政治にたいする不安と不信を読んでいたりすることもあって、その不在がどのような影響をもたらすかを測りきれないところがある。

 政治は正常なものとなって進んでいくのか、それとも極端な方向へと触れるのか。とかく扇情的な事態のあとで身心もぶれやすいだけにひとつ、冷静になってその政治結果を振り返りつつ何を遺すべきなのか、何を断罪すべきなのかを改めて考える必要があるかもしれない。ただそれはすべてが明らかになってから。今はただお悔やみを申し上げるとともに、卵であっても放り込まれた辻元清美候補者を自作自演と嘲笑するような態度もまた、テロの容認なのだということをここではっきりと自覚した方が良いとも言っておきたい。すべてはひとつの事象で一続きなのだから。

 先だってSCANDALを見てやっぱり近くて見やすいホールだと思った中野サンプラザの閉館が来年7月と決定。山下達郎さんが愛してやまないホールだけに今回のツアーで行っておきたいところだけれど当たる気がまったくしないのでせめて来年のツアーに組み込んで、見ておきたいものだけれどやっぱり当たらないんだろうなあ。10日間連続とかやってくれたら良いんだけれど70歳の人にそんなことはちょっと頼めないのだった。とりあえず今後のライブで見たいアーティストが中野サンプラザでやるようなら行ってみよう。サンプラザ中野くん。さんとかがやればそれはそれで面白いんだけれど。


【7月7日】 七夕だけれど笹は食べない。とりあえず家を出て茅場町まで出てから小諸そばで1.5盛りの月見きつねそばを食べてそしていつものVELOCHEで原稿書き。少し前からVELOCHEの全店がコンセントを各席に備えるようになったのでどこでも見かけたら入ることにしている。タリーズやスターバックスも備えてはいるけれど全席ではないから。ドトールも同様。その意味ではVELOCHE偉い。あれでコーヒーがもうちょっと美味ければ。それは贅沢ってものか。サンドイッチは好きだけれど。

 原稿は見てなかったアニメのテレビスペシャルが近く放送されるのでそのアニメについて感想を書いてといったもの。昨日飛び込んできた依頼に頑張って答えようと夜を徹してアニメを見込んで原作漫画の方にも目を通してどうにかこうにか仕上げる。とりあえず1期の第24話がどうにも心に響いて仕方がなかった。詳細は原稿で。3時間ほどで仕上がったので送ってそれから夜の映画に備えて渋谷へと移動しこっちではモディにあるスターバックスに入って前に取材した仕事のテープを聴いてメモを取る。見渡すと女子高生がいっぱい。そんな中で仕事をしていると何かノマダーになったような気がしてきた。でもマックじゃない。そこがすこし方手落ち。

 テープを起こしつつネットを見ていたら「遊戯王」の作者の高橋和希さんが死去したとの報。沖縄でスキンダイビングをしていたらしくシュノーケルとフィンをつけた状態で浮かんでいたとか。行方不明になってからしばらく経っていたそうで、体に傷もあったそうだけれどそれが亡くなられてからのものか、亡くなられた原因なのかは現時点では不明。ただ60歳でこの季節にスキンダイビングをしていて何かアクシデントがあったんだろうと想像する。溺れてしまったのかなあ。それとも。いずれにしても急な話。荒船山で転落しした「クレヨンしんちゃん」の臼井儀人さんをちょっと思い出した。臼井さんも現役バリバリだったから。

 橋さんの方は「遊戯王」の漫画こそ自分では連載をしていなかったけれど、原案とかはまだやっていたりしたし時々短編とか読み切りなんかも連載はしていた。そして何より、世界で240億枚は売って最も売れたトレーディングカードゲームとしてギネス世界記録にも認定された「遊戯王デュエルマスターズ」の生みの親として世界に知られている存在。ウィザーズオブコースとのような企業ではなくポケットモンスターというゲームの派生でもなく漫画の中に登場したゲームのある意味スピンオフ的な存在として、ひとりの漫画家から生み出されたゲームが世界で愛され厖大なファンを獲得し莫大な市場を得ていたのは、他にあまり例がないんじゃなかろうか。

 その意味で偉大な先人であり偉人の訃報だけに世界も打電を始めている。ル・モンドなんか早速大きな記事を掲載していたけれど、日本はせいぜいが漫画家がなくなったといった程度で数行の記事を掲載するくらい。そこに彼我の文化に対する認識の差が見て取れる。これは漫画家が参議院議員になったところで変わることはないんだろうなあ。ちょっと前に調べた谷口ジローさんの訃報もル・モンドは大々的に掲載していたけれど日本はそんなことはなかったから。勲章を贈ったフランスとメディア芸術祭で表彰した程度の彼我の差。だからこそフランスで「神々の山嶺」が映画化されても日本ではそういう企画は上がらないんだろう。寂しいなあ。

 それでも少しはアニメも世間に理解はされているのかな、って思いたいけどヒットの度合いからまだちょっと遠いアニメの状況を感じさせる映画「ハケンアニメ!」の3度目のティーチインが渋谷TOEIであったので見物。今回は劇中アニメ「サウンドバック奏の石」を実際に監督した谷東監督が登壇し、原作者の辻村深月さんとそして監督の吉野耕平さん、群野葵役の高野麻里佳さんが並んで登壇してトークをしたり、イラストコンテストの発表に望んでいた。高野さんはコロナ禍で声優の仕事がないなかで顔出しの仕事をしていてアイドルに寄っていると言われ心が沈んだって話をしていた。だからこそ作中の群野葵の心情にシンクロするところがあったみたい。心ない人はどこにでもいるけれど、負けずに挑み続ければ絶対に未来は来る。信じて歩め。見守り続けるから。


【7月6日】 谷口ジローさんについてあれやこれや書くために資料を探そうと池袋のジュンク堂へと向かう途中、乗り換えた大手町で「リトル小岩井」に立ち寄ってイタリアンを食べる。30年くらい大手町に通いながら1回くらいしか行かなかったのに、今年に入って2回も行っているのは時間が自由になって空いている時間に行けるようになったからかな。なるほどやっぱり良い味を出しているけれど、新型コロナウイルスの感染防止で席を互い違いに間引いているためあまり人が入れなくなっていて、昼時とか混んで無理だからなかなか行けないのだった。今日は10時半くらいだったけどさすがにいないなあと思ったら続々と入って来たからやっぱり人気店なんだ。また行こう。

 池袋でちゃかちゃかと原稿書き。とりあえず「K」を改めて読み返して「神々の山嶺」より前からずっと山に関して描いてきたことを知る。どんなに難しい山でも登って遭難した人を助けてくるケイというクライマーについての話。石塚眞一さんの「岳 みんなの山」の岳みたいだし登山家版ブラックジャックみたいでもあるけれど、もっとストイックで金ではなく1%の可能性で動くあたりがカッコ良い。そして難所でビバークして凍傷になりかかっている人でもゆっくりと温め血行を取り戻させて切断を防ぐあたりもクールだけれど心根はホット。そんな人間がどうしてあの地に流れ着いたのかを読む前に物語は終わっている感じなのが残念。続いて欲しかったけれども谷口ジローさんは存命ではないから無理か。石塚眞一さんが描いてくれないかなあ。

 TOHOシネマズ池袋で「映画ゆるキャン△」でも見ようかと思ったけれど、アニメシリーズを見なくてはいけなさそうになったのでiPadでそれを見ながら移動して越谷レイクタウンへと行ってワイシャツを2枚3300円で買う。銀座山形屋のアウトレットみたいなところでセール中なので4400円から25%引きになっていた。夏は本当に1瞬でシャツが汗まみれになるから大変だ。サラリーマンはよくそんなものを来て仕事なんてしているなあと、サラリーマンではあったけれど自由業みたいだった人間としては今さらながらに思うのだった。おかげで今になって苦労しているのだけれど。定年まで勤めたかったらしっかりとサラリーマンをしておこう。大人からの忠告。

 でもって移動しながら「Dr.STONE」のアニメを順繰りに見る。何が起こったか分からないまま世界中の人間が石化してしまって3700年。石化がとけた千花という科学好きの少年がどうにか生活を立て直し始めたところに友人で体力莫迦だった大木大樹が彼女に告白したいという思いをかかえながら石化を耐え抜き復活。2人で石化を解く薬を作ったもののライオンに襲われたところで史上最強の高校生という獅子王司を復活させたらこいつが大人なんて大嫌いで復活なんかさせないでぶちこわし始めた。

 脳筋の野獣というより冷静な獣といった雰囲気の司を相手に死地をくぐりぬけて千花は科学の国を作ろう年、そして司の国と対決していくといったストーリー。復活して何もない状態から火をおこし道具を作り料理をして薬品まで作り出す千花の知識とバイタリティには学ぶところが多く、そしてどうやったらサバイバルできるかを楽しく見せてくれるところに少年漫画的な面白さがある。さいとうたかおさん「サバイバル」とか宮崎駿監督の「未来少年コナン」とかを足していろいろかけあわせたような好印象。どうして石化が起こったのかが謎だけれどそれも見ていけば明らかにされるんだろう。というか連載は終わっているからみんな知っているってことか。アニメの第3期も始まるみたいだし今からでも追いかけよう。とりあえず2期まで追いつかないと。

 ジョージ・ナカシマというデザイナーの机と椅子なら200万円だってするだろうから、それを選んだセンスは褒めてもいいけれども少なくとも市長の部屋で執務に使うのは向いていないインテリア系。それを持ち込んで堂々としていたところに落選する理由もあったんだろうなあ。ってことで市川市がそんな前市長のピンぼけな施策で購入したジョージ・ナカシマの椅子とテーブルをオークションにかけたら購入した時の約200万円から300万円に値上がりして落札された。入札していたところがプレミアムをつけたのか何か宣伝意図もあったのか。分からないけれどもデザイナーのインテリアなら価値は下がらず時代が経てば上がることもあるからこれは妥当。でもやっぱり似合わないところには使って欲しくないなあ。どうなることやら。


【7月5日】 南野拓実選手がリヴァプールからASモナコに移籍したと思ったら、今度は吉田麻也選手がサンプドリアからシャルケへと移籍するとかしないとか。プレミアリーグはまだアーセナルに冨安健二選手が残ってはいるけれど、日本人選手が他にほとんどいなかったりする状況に加えてセリエAからもいなくなってしまうのは、決してブンデスリーガが最高峰だとかリーグ・アンの人気が増しているとかいった理由ではなくて、そこでしか活躍できない選手の小粒感が進んでいる表れのような気がしないでもない。

 奥寺尾崎の時代とは違って今はちょっとJリーグで活躍するとすぐさまドイツに移籍したりデンマークベルギーに移籍だものなあ。スコットランドもなるほどセルティックはトップチームではあるけれど、リーグでほかにかなうのがレンジャーズしかいない2強の状況ではいくら活躍したってその実力は測れない。かといってヨーロッパリーグに出てトップまで出ていくチームでもないから比べられないまま井の中の蛙を演じ続けるのだった。勿体ない。これでトップリーグのトップチームに所属しているのは冨安選手のほかだと一応はレアル・マドリード所属の久保健英選手くらい? その久保選手もレンタルか移籍の話が来ている。ユヴェントスとかチェルシーとかバイエルンとかバルセロナで日本人選手がレギュラーをとる日はいつ来るか?

 横浜ワールドポーターズで仕事があるので早くに家を出て桜木町でお昼ご飯。餃子の美味しいお店でチャーハンと餃子のセットを食べたら安かった。これくらいのボリュームと値段の店が船橋にもあったら毎日だって行くのになあ。チャーハンの量がちょっと中途半端だったりするのだ。あとはバルボアとかぱすたやみたいなロメ系スパゲティの店があれば嬉しいんだけれど海浜幕張にパンチョがあるくらいだからちょっと遠いのだった。ぱすたやと言えば今月はあんかけスパがご当地スパのメニューとしてかえってきたけど、前回たべなかったので今回食べたらこれがあんかけならではのスパイシーさがまるでなく別ものだったので今月はもう行かない。来月は新潟名物のイタリアンがかえってくるのでまた行こう。

 横浜ワールドポーターズまで桜木町から例のゴンドラにでも乗るかと思ったものの、転記も良かったし腹ごなしの意味もあってそのまま徒歩で到着。タリーズでしばらく仕事をしてから、バンダイナムコグループがオフィシャルショップをかき集めた上に「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」の4作品をコラボさせた「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」の世界観を体験できる「シン・ジャパン・ヒーローズ・アミューズメント」が7日にオープンするってんでその内覧会に参加する。グッズがあってアトラクションもあってと楽しめそうだけれど、個人的にはベーターカプセルのスイッチを押すと変身サウンドに乗ってルーレットが回る一種のくじ引きを、いくらでもやってしまいそうな予感がした。

 店内はほかに魂ネイションズとかソフビ人形とかちょっとカッコ良いファッションとかバンプレストのフィギュアとか一番くじとかを取り扱うショップが並んで名かなかに壮観。わけてもガシャポンが2000台ほど並んだコーナーはあらゆるアイテムが揃っているんじゃないかと思えるくらいで探すのが大変な上に補充も結構大変かもしれないと思った。なくなったらどうするんだろう。切り替えるんだろうか。「ナムコ堂」というコーナーは「アイドルマスター」に「アイカツ!」に「ラブライブ!」といったバンダイナムコが誇るアイドル作品からアイドル達がブロマイドになって登場。これは集めたい。とりあえずえりちが欲しかったけどあったかなあ。よく見られなかったのでもうちょっと経ったらのぞいて来よう。

 横浜ワールドポーターズを出たら雨が降っていたので、例のゴンドラに乗って桜木町まで出ようかと思ったものの料金を見たら1000円もしたので怖じ気づいて尻込みし、そのままみなとみらい線の馬車道駅まで歩く。よみうりランドのゴンドラだったら乗らないと大変だけれどこちらは乗らずとも近隣の駅まで歩けないこともない距離。それを1000円はやっぱり高すぎる。それとも形が「機動戦士ガンダム」のボールみたいだったら乗ってみたいかもしれなかった。横浜にガンダムが立っている間は色だけでもそんな風にすれば良いのに。すれ違う時に打ち合って負けたら落ちるとかだったらちょっと楽しい(楽しくない)。


【7月4日】 auの通信障害はワイモバイル使いの自分にはまるで関係なくWi−fiが使える喫茶店を巡っていたこともあってまったく影響がなかったけれど、世間ではいろいろと大変だったみたい。他のサービスを使うために認証をしようにもSMSをスマートフォン向けに送ってくるから繋がらないと届かないという壁を乗り越えられなかった人たちが、大量に発生したみたい。街に出ればWi−Fiが捕まえられるもののそれができないと緊急通報すらできない状況は困っただろうなあ。固定電話がある家もずいぶんと少なくなった。やっぱり町内に1個は固定電話を置くようにしなければ。町内会長さんとか庄屋さんとかの家に。そして必要な時には借りに行く。昭和みたい。

 本格ミステリ大賞を受賞した人らしいからガチガチのトリックでも仕掛けてくるかと思ったものの、そこは星海社FICTIONSから久賀フーナさんのイラストで出るんだから中身は伝奇バトルの学園もの。退魔の手法を学び鍛える陰陽師の学校に通いながら、時々は仕事で退魔なんかもするあたりは昨今流行の「呪術廻戦争」を思い出させてファンの気持ちを掴みそう。まあ「呪術廻戦」事態が学園退魔ライトノベルの系譜をコミックにしたところがあるからお互い様なんだけれど。

 そんな伊吹亜門さんによる「京都陰陽寮謎解き滅妖帖」は京都を舞台に名家の御曹司らしい式神使いの九条孔雀に陰陽術を目視できる天眼を持った白峯明日可をクラスメートにした、笠に仕込んだ刀を使う狩埜師実あたりが主人公。とある峠道で大学生の4人組の3人が死んでそのうちの1人は内蔵を抜かれる奇妙な死に方をした事件で、何が原因かを確かめに行って現れた化物を退治したり、彼女を振った男に降りかかる呪いを撃退するために警護についたりする。

 そんな活動の最中に起こる密室での殺人事件や、公衆の面前で毒を盛られる事件にかんして原因は怨みだったり憤りだったりするものの、事件そのものがどのように行われたかに関しては超常現象だとか異能だとかから離れ、ロジックでもって犯人の可能性があるのは誰かを推理し、どうすればそうした行為が可能になったかを推察して指摘するあたりが本格ミステリ。そうやって露わになった真犯人の背後に陰陽師の集団を狙う闇の集団があるようで、狩埜の家族が惨殺された事件とも関係していそうで壮大な伝奇退魔バトルを楽しめそう。本格にして伝奇にして学園もの。貴重なだけに続いて欲しいね。

 日本も軍備を整えようと言いたいんだろうと思うけれど、そのためにロシアがウクライナに攻め込んだ事態をとりあげて、弱いからいじめられるんだからいじめられないように強くならないとと元副総理で元財務大臣の失言爺さんが言ったとか。それってつまりはウクライナは弱いからロシアに攻められたんだと言ってるも同然の暴言だし、クウェートだって弱かったからイラクに攻められたんだとか、ウイグルやチベットは弱いから中国に飲み込まれてしまうんだと言っているのに等しい。

 いやいや超大国が相手で強い弱いと言い出したらきりがない。そういう相手でも攻めないように世界が監視し当事国も攻めないように律するのが21世紀の人類ってもの。それから外れて人道にもとる行為に強いとか弱いとか関係ないんだと言わないと、結局はアメリカとロシアと中国が偉いって話になりかねない。そんな規模まで国を挙げるなんてどこだって無理なんだから。でも言いたいことのためにはそうした常識だとか良識なんて知らん顔して強くなるために軍備を整えるんだと訴え続けるんだろうなあ。最後はお互いに最終兵器を持ってそして人類のどうしようもなさにマーズはガイアと叫ぶのだ。やれやれ。


【7月3日】 鈴木慶一さんが自分は賛同なんかしてないと、例の音楽4団体が生稲晃子候補と今井絵理子候補への支持を団体トップが出張って団体として表明したことに関して言及。鈴木さんだってミュージシャンとして原盤を作り出版権をどこかの音楽出版社に任せているからには、日本音楽出版協会の傘下企業と関わっているだろうしコンサートをすればプロモーターの団体とも関わっているだろう。音事協や音制連の加盟企業に所属しているかは分からないけれど、知り合いだって多くいる音楽業界が雁首揃えて特定候補者を応援することに違和感を覚えるのが普通だろう。

 他のミュージシャンやジャーナリストもこれは黙っていられないと、ASIAN KUNG−FU GENERATIONの後藤正文さんも名前を連ねた抗議声明を出したものの、そうした声がどれだけあちらこちあから上がっても、4団体からは何ら音沙汰がないのがさすがはザ・芸能界といったところか。そうした声が上がっても4団体からは何ら音沙汰がないのがさすがはザ・芸能界といったところか。 これで加盟を取りやめる音楽事務所が出てきたり、アーティストが出てきたりしたら多少は大事だと腰を上げるのかな。

 なるほど新型コロナウイルスでライブができなくなった時に政府はいろいろと支援策を講じてくれた。でもそれは政府であって自民党という党ではない。野党も含めた国会が決めて国民のために政府が執行したに過ぎないことを、自民党のみの手柄と認め応援する姿勢は利益誘導とそのお礼という結託の連鎖に過ぎない。そうではないどの党もどの勢力もあまねく国民のために政治をしてくれるようになるためには、甘い顔なんて見せてはいけないのに飼い慣らされてしまったかのように雁首をそろえて候補者を詣でるのだから音楽業界もチョロい団体と思われてしまっただろうなあ。忌野清志郎が存命だったら何か歌ったかな。泉谷しげるやPANTAは何かを歌うかな。

 選挙といえば漫画ファンの期待を背負って立候補した赤松健さんだけれど、選挙戦が進むにつれてなりふり構ってられない感じが漂ってきて、ついに「ラブひな」だとか「魔法先生ネギま!」といった自分の作品からキャラクターを引っ張り出しては投票を呼びかける画像を作ってばらまき始めた。自分への投票を呼びかける以上はそれは自民党の政策に対しての支持を求めるに等しい行為で、それを自分が生み出したとはいえ漫画となって広くファンを得た作品でもってやってしまうのは正しいのか。どうにもそこが気になってしまう。

 漫画として送り出された作品は、読んだりアニメ化されたものを見たりしたファンも含めてひとつの世界を共有するようになったはずの舞台でありキャラクター。それが、現実の世界に引っ張り出されて選挙のコマにされるのをファンは喜ぶのか。これが野党の候補者で自分のキャラに反自民を言わせたら袋だたきになるものが、自民党で赤松健さんだとどうしてスルーされるのか。納得がいかない。これから「ラブひな」なり「ネギま!」が再放送されるたび、あれは自民党の候補者を応援したキャラクターなんだと思わされてしまうのは正直たまらない。なんてことを考えたらできないことでも、平気でやってしまえるくらいに周囲が見えなくなっているんだろうなあ。そんな人が当選をしたらさらに周りが見えなくなってしまわないか。でも当選してくれたらやってくれそうなこともある。不安と期待がないまぜになったまま残る1週間をどう戦う? 戦況を見守りたい。

 「犬王」の無発声“狂騒”応援上映が立川のシネマシティであるのではるばる立川まで遠征。時間が合ったのでWINSに入っているPIAPIAってパスタ屋でミートソースのベーコン載せを平らげそれから立川立飛にあるららぽーとへと出向いてスターバックスで原稿のためのテープ起こしをしばらく。外に出ると海蔵亮太さんが良い声で歌っていてしばらく聞いてから戻ってヤマダ電機に入っているカフェで続きをやって、それかHMVで「とある科学の超電磁砲(レールガン)」が描かれているジュースを飲んでから劇場で3度目の応援上映を楽しむ。最前列で巨大なスクリーンを見上げるように見たのは初めて。細かいところまで見られて良かった。あと業子さまはいつも元気だなあ。あの推しがあったから生き残れたんだろうなあ。でも600年彷徨うだけの心残りもあったんだろう。巡り会えて良かった。あと1度くらい、今度はコメンタリーを聞きながら見たいなあ。


【7月2日】 うひゃあ。例え元歌手でアイドルだったとしても今は自由民主党という政党の推薦を受けた参議院議員選挙の立候補者。それを応援するということは自民党を応援することに他ならないのだとしたら、日本音楽事業者協会も日本音楽制作者連盟もコンサートプロモーターズ協会も日本音楽出版社協会も、団体として自民党を応援していることになるということは、そこに加盟している会社と所属しているタレントやミュージシャンも自民党を指示したということになりかねない。

 だとするなら音制連の理事長が代表を務めているヒップランドミュージックコーポレーションに所属するサカナクションの山口一郎さんも、音事協の理事に入っているホリプロがマネジメントを担当している鴻上尚史さんも、音制連の会員になっているスマイルカンパニーに所属している山下達郎さんも、そうした業界団体が一体となっての自民党候補支持に間接的に乗っかっているとは思いたくないけれど、そうした声がまるで上には届いていない状況には、絶望感を覚えたりしないのかが今は気になる。

 さらに拙いのは、音事協の賛助会員にはフジテレビジョンだのTBSだの日本テレビ放送網だのテレビ東京だのといったテレビ局からニッポン放送やエフエム東京といったラジオ局、すなわちマスコミも張っていたりする。放送法的に中立でなくてはいけないそうしたマスコミが賛助でも会員となっている団体のトップが自民党の候補者を推しているのに、結果として荷担してしまっているこの状況に、何かしらの声を上げないとしたらそれは中立なんて空論だとうい現れ。実際にそうなんだとしても、表向きはそうではないことを取り繕うことすらしなくなったのが今なんだろうなあ。みんな諦めているんだよ。

 家に居たら暑さでゆであがるので早くに出かけてオンワードのセールを見物。Jプレスでは良いのが見つからなかったので五大陸を眺めたらエルメネジルド・ゼニアの生地を使ったスーツが7割引で出ていたので購入する。6ABに相当する38Lといったサイズでちょっとウエストが伸びた感じになっていたので広げてもらうよう依頼。5万円以下でゼニアが手に入るならたしょうの手間も仕方がない。前にそうえいばスキャバルの生地のスーツを銀座山形屋のアウトレットで買ったっけ。高級スーツなんて似合う仕事でもないけれど、身を引き締めるのにあって悪くはないと最近思うようになったので、半期に1着くらいのペースでこれからも揃えていこう。着られるように体型だけは維持しないと。

 今や戦国武将というよりメイド喫茶の人として有名な柴田勝家さんが、秋葉原のメイド喫茶を舞台にしたミステリ「メイド喫茶探偵黒苺フガシの事件簿」を出したので買って読む。くわているのがチョコバットではなく麩菓子だと遠目に区別がつくものかがちょっと気になったけれども、ともあれ麩菓子を加えた美女がメイド服を着て秋葉原の界隈を闊歩しては起こる事件に挑んでいくストーリーがまず面白い。そしてメイドさんを“推す”ことの愛とか恋とはちょっと違った信仰にちょっと近い思いとか、メイド喫茶のメイドであることの矜持なんかが描かれていてさすがは通いまくって近づいた人だけのことはある感心。そうやって描かれる事件も入り組んでいるのを推理が鮮やかに解決する本格派。メイドファンと新本格ファンなら存分に楽しめるだろう。麩菓子が流行るかは知らない。


【7月1日】 何もやってないのに1年のうちの半分が過ぎてしまった。あと半年で何ができるかを考えても思い浮かばないので目の前に来ている仕事を順繰りにこなしていくしかないんだろう。とか言っていたら8月に大分で開かれる山下達郎さんのライブが当選してしまって、行かなくてはいけなくなって航空機代とかホテル代とかで結構な金額がとんでいきそう。とはいえここを逃すと他で当たるとは思えないから行くしかないんだろうなあ。何で行こう。どこに泊まろう。

 せっかく九州まで行くんだから国東半島あたりを見て回りたい気もするし、福岡まで行ってガンダムの等身大立像を見たい気もしている。海を渡れば四国ならそっちも見てみたい気が満々だけれどそれを全部やっていたら1泊2日ではちょっと収まらない。いっそ1週間くらいかけて四国九州中国を回ってくるってのもありだけれど、それまで懐に余裕がある感じでもないからなあ。ぐっと絞って大分と福岡にしておくかなあ。ちょっと考えよう。そもそも航空機のチケットがとれるかどうか。安く行く方法を探さないと。

 外に出ると歩いているだけで背中に汗が溜まる暑さに辟易としながらも、清澄あたりへと出て仕事をしてから新宿バルト9で開かれた庵野秀明さん監督による自主製作映画「ウルトラマン」とそしてダイコンフィルム謹製「帰ってきたウルトラマン」を大きなスクリーンで見るイベントに出る。何でも7倍の応募があったそうで勝ち抜いて見られた人はウルトラ7なくらいの幸運。それで山下達郎さんのライブも当たったんだから今日はよほどの幸運日だったんだろう。

 さて「ウルトラマン」。前に見た記憶があるかとうと実はないのはダイコンフィルムだからではないからだろう。庵野秀明あんがウルトラマンに変身してもウインドブレイカーだけなのは「帰ってきたウルトラマン」といっしょだけれど、特撮とかは意識しておらず動きだけ真似た2人が怪獣対ウルトラマンごっこをしている程度。サウンドはしっかりと付けられていてそこはちゃんと考えたみたい。でもやっぱり自主製作に過ぎない映像が、「帰ってきたウルトラマン」では本気になるからその間の進化が凄まじい。それは「ダイコン4」のオープニングアニメを見せる前に、TOCONという日本SF大会で関西のSFは凄いところを見せようとして作ったからで、けれども間に合わずそこでは「愛国戦隊大日本」と「快傑のうてんき」を見せたそう。

 それでも得た好評をバックに年末にかけて作った「帰ってきたウルトラマン」を見たのはもしかしたら1983年くらいに名古屋の植田に回って着たダイコンフィルムの上映会以来かもしれない。長く並んで入って見たよなあ。印象は当時と変わらず特撮はよくできていてミニチュアは素人とは思えずそして庵野秀明さんはウインドブレイカーだった。もっとむさ苦しいかと思ったら顔立ちはわりとわかめですべすべとしていてウインドブレイカーも綺麗に塗装されていた。そのウインドブレイカーがコスパから発売だそうで迷うけれども着ていくところもないのでパス。大分にも行かなくちゃならないので仕方ない。

 上映後には赤井孝美さんと神村靖宏さんが登壇して当時の思い出をあれやこれや。「ウルトラマン」は大阪芸大の映像学科に入った生徒たちがグループになってそれぞれが作品を作ることになって、赤井さんのチームでは1本を作ったものの庵野さんや山賀博之さんがいたグループはばらばらでまとまらず、あるテレビ局のプログラムということで個々に作品を作ってつないだとか。「ウルトラマン」はその中の1本で赤井さんも撮影を手伝ったという。

 「帰ってきたウルトラマン」はそんな芸大チームを取り込みつつ他の大学の面々も集まり大阪で開催のSF大会向けに映像を提供するダイコンフィルムとして作ったから、庵野さんも武田康広さんも参加している。当初はもっと笑える感じで真剣風にやって最後に庵野さんがあの格好で出たら爆笑といった展開を考えていたけれど、庵野さんが描いた絵コンテがきっちりしていたので、とことんやることになったという。特撮好きが多かったから見て研究したことをいろいろと試したそうだけれど、爆発なんかは黒色火薬をパトローネ入れのケースに詰めて爆発させ、そして火焔はビニール袋にガソリンを入れて爆発させ火を着けたとか。危ないなあ。でもそれをやりきってしまうところが今に通じるこだわりのクリエイターたち。後に続く自主製作も本気で挑めば40年後に庵野秀明になれる、かもしれない。 【6月30日】 何か書くことになって「小説版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を読んでなるほどだからドアンはサザンクロス隊を抜けて子供たちを助けて島で農耕生活を始めたのかとようやく分かった。冒頭からドアンが後にサザンクロス隊を作る男といっしょにあるミッションに挑む。それがめぐりめぐってドアンの周辺に影を落とすことになってある意味絶望した時に、心残りだったことが代わりに叶えられると思って身を退いたとでも言うべきか。そういう気持ちってやっぱりあるよね、人間なら。

 サザンクロス隊にいた女性隊員がドアンをやたらと慕っていながら、本番ではあっけなく退場させられる思わせぶりの肩すかしも、もうちょっと背景に説明があって流れも作られていたから納得。というかそんな場面は映画にはなかったじゃんってものもあって、これが描かれていたらもうちょっとキャラクターに感情移入が出来て、その生き様に涙できたのにとも思った。そういう意味でキャラクターの整理ができてない映画版だった。あとはシャア・アズナブルがアムロの回想だけじゃなく、本人として登場していてマ・クベと会話をしていた。サザンクロス隊ともすれ違っていた。描かれて欲しかったなあ。あれじゃあ出る出る詐欺だもんなあ。ともあれ小説版はちゃんとしていた。セイラさんは金髪さんとは呼ばれていなかった。そりゃそうか。

 とある就活生向けの情報サイトが清掃業とか建設業とか倉庫業とか警備業を底辺呼ばわりして大騒ぎとなりコラムを消したとか。けれどもそのサイトを見ると未だに「Fラン大学」という形で大学の固有名詞を挙げて並べ立てたりしていて、当該の大学から文句が出ても不思議はない状況を平気で維持しているから反省なんてしてなさそう。まあ偏差値と倍率といった客観的な数値を元にランク分けをしただけと言えば言えないこともないけれど、同じ記事にFラン大学の女子学生に関する誹謗中傷に近い文言を平気で書き連ねているから、これは露見すればジェンダー平等な人たちが黙ってなさそう。というか未だ気付いていないのが不思議でならない。

 だってFラン大学の女子大生あるあるとして並べているのが「高級ブランド好きの人が多い」「水商売をしがち」「年上の男の人と付き合いがち」「単位はギリギリor単位不足」「授業は真面目に聞かない」だから誹謗中傷も甚だしい。そういう人はSランク大学にだっているだろうし、いたって莫迦にあれるようなことではない。それを明らかに侮蔑の意味で使って女子学生全般を貶めているのだから炎上したって当然なのに、未だ残しているのは個人の偏見ですといって逃れられると思っているからなのか。スポンサーだったらそういう侮蔑を平気で乗せるサイトに広告なんて出さないだろう。いずれ露見して騒ぎになるのかどうなのか。関心を向けていこう。

 宮益坂にあった元ファーストキッチンで今は知らないハンバーガー屋さんで原稿を書いたあと、渋谷TOEIで「ハケンアニメ!」のティーチイン付き上映を見る。「映画大好きポンポさん」の平尾隆之監督が登壇して「映画大好きポンポさん」の映画内映画の映画っぽさについて解説。実写に近いカメラで光源も計算して嘘っぽさを少なくしサイズも全体がビスタの中に映画内映画はシネスコにして区別したと話してた。そしてニャリウッド部分はキラキラ感を出して差を際立たせたとのこと。そう聞くと改めて見直したくなって来た。

 そんな平尾隆之監督に「ハケンアニメ!」の中のような間際にラストを変えるなんてことがあるかととの問い。答えて描き直しはまずないとのこと。ただし「ハケンアニメ!」のリデルは組み替えと撮影で伸ばしラストカットを追加したくらいだからOKが出たんじゃないかと吉野耕平監督は話していた。確か本編もそんな感じ。徳井優さんが演じる脚本家が組み替えを提案して作画監督もコンテを見ながら案を出し、並べ替え切り貼りをし追加のセリフを考えてどうにか仕上げた。だからアフレコの追加も少しで済んだんだろう。一方で実写が追加撮影をするかどうかで、自身はないと言ってた吉野監督だけれど業界には伝説としてあるそう。条件と監督次第ではあるのかも。次は辻村深月さんも登壇してのティーチインがあるそうでまた行こう。


【6月29日】 夢枕獏さんの原作を谷口ジローさんが漫画に描いたものをパトリック・インバート監督がアニメーション映画にした「神々の山嶺」の公開が近づいて来たので、谷口ジローさんについて考えるために2016年7月21日に開かれた展覧会「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」に登壇した谷口ジローさんの言葉をメモから引っ張り出す。これから8か月後の2017年2月11日に谷口ジローさんは亡くなられたので、多分最後に近い登壇だったのかもしれない。

 曰く「ファブリスさんから話があったのは、10年以上前のことでした。こういう形になるとは想像もしていませんでした。感激しています。この企画に選ばれたのも、本当に幸運に思っている。古くからバンドデシネ(BD)の魅力に取り憑かれています。BDが大好きで、影響も科なり受けてきました。沢山のBDの作家達と手にされることは本当に嬉しく思います」。確かにソリッドな描線で瞬間を切り取り描く谷口ジローさんの手法はBDに近いところがある。刺激されたんだろう。

 あるいはBDの大御所、メビウスの本名がジャン・ジローというのもあるいは何か因縁があったのかなあ。「パリに取材してルーヴルを描くということになって、1カ月ほど滞在してルーヴルに通いました。厖大な作品を見て頭が混乱してしまいましたが、だんだんと自分の気持ちが解放されていくような気がしました。物語を思いつくきっかけがあると、ルーヴルには何が不思議なものが済んでいるのでは無いかと感じました。そして私の作品ができました。日本ではオールカラーとうのは珍しいですから、それを描けたのは私にとって収穫でした」。そんな本はまとまって1冊になって出ている。ファンなら揃えておきたい。

 「私は漫画というのは表現の媒体として優れていて、どんなものでも表現できないものはないのではないかと覆っています。16ある作品のひとつひとつを見ても、どのさくひんも個性が違います。これから本当に多くの作品が生まれてくるのではないかということを感じています。みなさんに本当にぜひ見て戴きたいです」。発表会ではずいぶんと痩せた姿を見せておられた谷口ジローさん。それでもご本人を見られたのは貴重な機会だった。フランスからシュバリエ文化勲章まで贈られたのに日本は何か報いたか。って考えるとやっぱり日本は漫画やアニメといった文化が下に見られているのかもしれないなあ。渡辺宙明さんにも叙位叙勲はなかったし。あの漫画家の人の当選で変わってくれれば良いけれど……。

 でも見ていると、海外ではそれが当然のレギュレーションを伝えただけで「外圧」と叫び国内にだっていろいろな見方があることを指摘すると「行き過ぎた」といった表現で反発しては内輪の論理で凝り固まってお仲間ばかりにいい顔をしようとするのがどうにも引っかかる。政治家なんだから世の中のあらゆる表現に対する見解に沿いつつそれでも自分はこうあるべきといった主張をすべきなのに、他は排除では反発し合うだけだから。同人出身だなんてここに来て訴えるのも何だかなあ。ちょっと前は持ち込みで新人賞だから漫画誌純正品だんあって言ってたんだから。時々によって顔をすげかえるマスクマン。信頼すべき? まずは当選してからのその言動を見ていこう。

 暑い最中に新横浜まで。一昨日の前橋に比べれば暑くはないとはいってもやっぱり暑いことには変わりがなく、へたれそうになる体を支えてどうにか駅から降りてさてご飯でもと見渡して、新しくできたスパゲティのお店があったんでそこに入って鉄板スパゲティとやらをいただく。ゆでたてパスタを鉄板に載せる意味があまりない気もするけれど、そこはまあ熱々がずっと食べられるという意味合いなのかもしれない。バジリコって店名なのにバジリコスパが発見できなかったので上に牛肉とバターが載ったのをいただく。夏バテにはやっぱり肉だから。ロメスパと違ってパスタもちゃんと芯があって適度な固さがあって美味しかった。また行くかというと新横浜では遠いので近くに行ったら寄ってみよう。


【6月28日】 将棋の里見香奈女流四冠が日本将棋連盟のプロ棋士になれる編入試験を受ける決意を固めたとの報。プロ棋士を相手に優秀な成績を収めている人に受験資格が与えられて5戦して3勝すれば四段になれるという仕組みで、過去にも男性棋士が受けては合格をしてフリークラスではあるもののプロ棋士になっていった。だから最近の好成績から見れば決して無理ではない数字ではあるものの、そこは史上初というプレッシャーの中で差す手に迷いが出ないかといったところが気にかかる。

 里見香奈女流四冠は以前も奨励会の3段リーグを戦って勝ち抜けばプロ棋士四段になれる機会はあったものの、そこでは上がれず大会をして女流に専念することんなった。ほとんどが男性の中に混じって女性が指すことはプレッシャーだけでなく様々な影響もあるだろうから難しかったと言え、その後に西山朋佳女流二冠が次点を1回とってもう1回次点でもフリークラスで四段になれたものの成績がふるわず退会へ。男子ばかりの中で戦い続けるのはやっぱりキツいってことを伺わせた。

 相手も負ければ昇段の目が無くなるといった厳しさを抱えての将棋だから気力もハンパではない。それに対して編入試験は負けても相手が強かったといった感じに気持ちをそらせる。今時は女性に負けたからといったことを恥じるプロ棋士もそれほどいない中で落ち着いた将棋が指されれば、きっと上がって史上初の女性プロ棋士が誕生することになるだろう。それをバイパスだ何だというなら瀬川晶司六段だって奨励会からの昇段ではないからやっぱりバイパス。でもその後の成績で六段まで上がっているのを見れば晩成の実力はあったのだからそうした才能を見出す意味でもあって当然の編入試験からの昇段も、立派にプロ棋士だと言って良いだろう。だから頑張れ里見香奈女流四段。相手は誰になるのかな。

 作業をしながらNHKのFMで放送された「山下達郎三昧」をつらつらと聞く。各アルバムから1曲くらいをピックアップして流していく展開で「FOR YOU」から「MUSIC BOOK」を選んだ人のセンスの良さに脱帽する。「SPARKLE」とか「Loveland, Island」といった代表曲もいっぱいある中であまり目立たずライブでもやってくれない楽曲だけれど、そのメロディも歌詞も大好きで達郎さんから1曲を選ぶとなると「RIDE ON TIME」と並ぶくらいの楽曲なのだった。それだでも番組への信頼がグッと高まる。

 いろいろな人が出てきて達郎さんについて喋る中ではハマオカモトさんの足に包丁を落として気絶してしまった時、達郎さんから何かのお礼のメールが来てその連絡で目が覚めたから本当の意味で命の恩人だといっていたのが面白かった。あの浜ちゃんの息子さんでも包丁で足を切ると気絶するのかとか思った。達郎さん本人も出てあれやこれや喋っていて話が聞きづらいのか楽しいのか分からないあしらいかたが達郎さんだった。インタビュアーも人によっては苦労しそうだなあ。

 音楽プロデューサーの松尾潔さんが登場して、父親が「ON THE STREET CORNER」のカセットかなにかを持ち帰ってずっと聞いていた時に生まれたブルーノ・マーズが、そのグルーブ感に達郎さん味を残しているといった話から、そうした縁もあってブルーノ・マーズが達郎さんと会いたいと話したけれど、それを聞いても達郎さんは「フン」といって相手にしなかったといった“伝説”もそれっぽいと思わせた。会ってどうなる訳ではないけど来たら会ってあげるくらいはするかなあ。でも来られないかブルーノ・マーズ。

 夜になって庵野秀明さんが出演した「帰ってきたウルトラマン」の上映チケットが当選していたことが判明。結構な競争率だったみたいで知り合いは軒並み敗戦していたからあるいはぴあカードでの予約が奏功したのかもしれない。その代わりじゃないけど達郎さんのライブは外れっぱなしだしPerfumeも外れたし舞台「呪術廻戦」も全滅状況。こういうところで運を使うと以後の達郎さんも当たる気がしないなあ。もはや全国どこでも行く気で予約をしているけれどどうなるか。福岡は当たったら生きたいな、ガンダムも立ったことだし。


【6月27日】 用事で前橋へ。暑い暑いとは聞いていたけど折田途端にむわっと浴びせられる空気は暑いというより熱くて厚い感じ。この空気の下で生きている人はやっぱり凄い。とはいいつつ見渡すと駅前なのにほとんど人が歩いていないのは暑さを避けて引っ込んでいるからなんだろうなあ。そういう処世術が身についている。とはいえ尋ねるとこの6月でこれほどの暑さは希見るそう。何しろ今日で梅雨が明けてしまったというのだからやっぱり異常。ここからさらに暑くなっていったら10月にはいったいどれだけの暑さになってしまんだろう……というのは漫才のネタではあるものの、7月8月は群馬でなくても千葉でも相当な暑さになりそう。クーラーがある実家に引っ込むか?

 前橋まで来たのだからと名物を探そうにも駅前には店は見えず、しかたがないので駅横のビルに入っている綺麗なプロントでパスタを食べつつしばらく仕事。1階がおしゃれな本屋になっていてたいていの本が揃っていてこれが自分だったら入り浸るよなあと思ったけれどやっぱり人出はそれほどなし。中高生の姿が見えないのは昼間で授業中だったから? 授業が終わってからだといっぱいの人がやってくる? それはちょっと不明。でもアルバイトがしたくなる綺麗な店舗だった。横にはなぜか配膳ロボットとかが並んだロボットのショウスペースがあったけど、誰が見に来るんだろう。謎の前橋駅。

 せっかく群馬まで来たので高崎で本場のベスビオでも食べて帰るかと思ったものの、むわっと来る暑さにこれは歩いて店までいく余裕はないと諦め新幹線に乗って東京へ。早く帰り着いたので新宿バルト9で開催された2回目の「犬王」の無発声応援上映を見物する。前回みたいにハリセンは配られなかったけれども全開よりキンブレの持ち込みが多く、呪いの面では紫、平家の亡霊は赤といった具合に場面に応じた色を出しつつ友成の前説や犬王の舞に合わせて振りつつ手拍子も鳴らしていた。

 変化した友有から始まる音楽続きのラスト近くまでの感がそのままでは長いと思っていた人もこうやって応援できるとなるとあっという間に感じるみたい。誰も彼もが楽しかったと喜びながら劇場を出て行く。「『鯨』は歌いたかった」といった声もあって次は発声有りの屋外上映をやってくれとの声も。これは本当にやって欲しい。屋外だったら声を出しても良いのかはまだ分からないけれど。今回は字幕も出たので何を歌っているかが聞きながら見られてぐっと分かった。

 あの内容の歌詞をあの節回しでよく歌うものだよアヴちゃん。自分で作ったといってもそれは原典を知ってこそ書ける詞でそれを曲に乗せてしまえてなおかつ歌えてしまう。その凄さも応援しながらだと一体感の中に見に入ってくる感じがあるから面白い。これを経験してしまうともう応援じゃない普通の上映が見られなくなるからちょっと困った。オーディオコメンタリーをまだ見てないから。でも次もまた無発声応援上映があったら行くかなあ。とか思っていたら7月に入って我等が立川シネマシティで極音での無発声“狂騒”応援上映が開かれることが決定。他の劇場でも順次行われているけれど、場の空気も大事とするなら“特別”なシネマシティだと良い感じになってくれおすな気がする。行くか。

 「ゴーゴー・キカイダー」「進め!ゴレンジャー」「マジンガーZ」「宇宙刑事ギャバン」といった人気特撮ヒーロー作品やアニメ作品の主題歌を作曲して音楽も手がけた渡辺宙明さんが死去。あれここれもそれもどれもという感じではなく特撮とメタルヒーローが多くあった感じで「ゲッターロボ」や「宇宙鉄人キョーダイン」の菊池俊輔さんと双璧といった印象ではあったけれど、それでも今でも口ずさめる多くの楽曲を手がけた凄い作曲家であったことは間違いない。アニメと特撮の音楽を長く手がけてくれたこともありがたい限り。そんな方に政治は褒賞や叙勲や文化功労などで報いたかというとそのあたりから外れているのがどうにも寂しい。叙勲褒賞をともに得たすぎやまこういちさんとの違いは何だったんだろうなあ。それも含めて疑問を抱きつつ僕らはその楽曲を永遠に覚え口ずさむことで讃えよう。お疲れ様でした。


【6月26日】 さて始まった平尾隆之監督による新・文芸坐でのトークではやっぱり「ギョ」から「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」を経て「映画大好きポンポさん」へと至る過程での作風の変化について言及。とりわけグロテスクな度合いが高い「ギョ」についてはずっとホラーがやりたくて最初は諸星大二郎さんの作品を希望したものの通らず、それならと伊藤潤二さんへと行って作ったとか。本人はもうノリノリだったけれどもあつ日、原画の人が自分は可愛い女の子を描きたいからアニメーターになったのにこんなの描かされてつらいですと話を聞かされ、ハッと思ったという。

 アニメーションは集団作業で自分が作りたいと思っても描いてくれるアニメーターがいなければできないし、見てくれる観客がいなければ成立しない。そうしたものを無視して自分の願望だけを映像にしたところで見てもらえるものになるかといった反省もあって、「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」ではもうちょっとルックも愛らしいものにしてストーリーも大人が見ても子供が見ても楽しめるものにしたのだとか。なるほど上映された「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」を改めて見たら自分の世界での常識しか知らないヨヨが、復活の魔法が使えない世界に来ていろいろと発見をして理解していく過程が描かれていて、それを通じて自分だけで生きているのではなく、無く大勢の中に生きていることを知ることが出来る作品だとあらためて分かった。

 「ギョ」についてはスクリーンで久々に見たけれども恋人に会いたいからとひとり沖縄から危険を顧みず東京へと戻るヒロインのサイコな感じがいたたまれなかったけれど、結果として沖縄で巻き込まれずに生き残ったのだから良かったのかもしれない。でも化物に引っかかれてもウイルスが伝染せず発症もしなかったから単なるヒロイン補正だったのかもしれない。残る人たちは醜くふくれあがっては体中から異臭を発するようになって生きているのか死んでいるのか分からない状態へと陥る。そうなってしまて以後、どうやって栄養を維持してあの肉体を保っているかが気になるところ。魚だってサメから動物へと乗り換えられるなら人間が全部のっとられた先、どうなってしまうのか。そこは宇宙に出て行くのかもしれないなあ。

 そして35ミリフィルムで観た「映画大好きポンポさん」はリールを取り替える時に右上にぐるぐるっとマークが出るのが懐かしかった。わざと入れているんじゃないよねあれ。色味もおちついた感じでノスタルジックではなく東映された色はやっぱり目に優しいような気がしている。人間の目って反射はとらえても発光はとらえてこなかった訳だから。スクリーンが介在してもそこへのステップが従来に近いフィルムの方が馴染むのかもしれない。いや勝手な思い込みだけれど。そんな3本をしっかりと見て、前の押井守ナイトの時と違ってまるで寝なかったのは事前に寝ていたからってこともあるけれど、作品にちゃんと引き込むところがあったから。それだけの作品を作った平尾隆之監督が、次にいったい何を作るのかが興味津々。やっぱり映画かなあ。マイノリティがマジョリティに一矢報いる作品を、ってテーマを形にするとしたら、やっぱり前に発表していた小説「『のけもの王子とバケモノ姫」の映画かなあ。

 「RWBY 氷雪帝国」の先行配信が始まっていたので観る。なるほど「RWBY」のある意味でリメイク的な内容で、ヤンが向かったビーコン・アカデミーのルビー・ローズも招かれることになってそこで出会うワイス・シュニーやブレイク・ベラドンナがそれぞれに何をしてきたかがはっきりと描かれていたのがウエブアニメのオリジナル版とは違うところ。ワイスについては目に傷が出来るところが描かれて、ヒロインで今回はタイトルから相当に中心になりそうなキャラクターであるのにどうして傷があるのかがちゃんと空かされていた。あるいは逃げずオリジナルを尊重するといった意思が示されたとも。以下のストーリーはウエブアニメ版に準拠していて、鳥形のグリムと戦うシーンも戦い方を踏襲していたけれど、そのスピード感と迫力はやっぱりオリジナルの方が激しくて格好良くって手に汗握った。その意味でモンティ・オウムのアクション監督としての凄さが改めて分かった。返す返すも惜しい。本編はずっと先まで行っているけど「氷雪帝国」はどこまで描くんだろう。やがて訪れるビーコン崩壊の前あたりかな。観ていこう。


【6月25日】 夜に平尾孝之さんが監督した「ギョ」「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」「映画大好きポンポさん」の連続上映があるので昼近くまでぐっすり寝てから起き出して、陽が高く昇って灼熱と化した東京都内へと出て秋葉原でしばらくぼんやり。すっかりと人が戻ってきたようでどの見せに入っても行列が出来ている中、割と有名らいし中華料理屋で生姜焼きがのったチャーハンをいただく。まずまずなボリューム。牛すじや牛タンが乗ったチャーハンもあったけれど、夏バテ防止に豚肉のビタミンBが良いと聞いているので夏場は豚肉を食べることが多いのだった。

 外に出て歩いても倒れそうになるので末広町の先にある「VELOCHE」で原稿を打ちながら昼涼み。近所のお婆さんたちが連れ立ってきて喫茶店とは違い小さな席しかないなかを並ぶように座っていろいろと会話をしているのを横で聞く。公園などがないから集まって昼涼みをしながらお喋りをするようなことが千代田区ではできないんだとか。神田明神とかアーツ千代田3331とか木々が植わってそうなところはあっても大勢が集まるには不便。そういう意味で大都会に暮らす大変さというものが漂っていた一方で、集まれるお仲間がいるだけまだましとも。独居の孤独な老人はそれすらしないまま灼熱の部屋で熱中症に倒れていくのだから。

 夕方になったのでオールナイトを見に池袋へと向かう前に、TOHOシネマズ上野に寄って河瀬直美総監督による話題の映画「東京2020オリンピック SIDE:B」を見る。印象はといえば、A面が選手ならB面は裏方なんだろうという普通一般の考え方だとをあっさりとひっくり返し、とてつもないところへと着地させるた快作。そこのB面として描かれていたのは、何と東京オリンピックというもの全体を客観的に俯瞰する視線とは正反対の、東京オリンピックというものを記録する映画監督として撮影し、インタビューし、編集して音もつけて作品として世に送り出した河瀬直美総監督、その人だった。

 なるほど東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が、舌禍を理由に退任へと追い込まれた件を追った映像も、国際オリンピック委員会のバッハ会長が東京都庁を訪れた際、拡声器で叫ぶ反対派の1人に叫ばないで言いたいことを言ってくれと語りかけ、反対派がそれに応じず叫び続ける場面を追いかけた映像もあるにはあったけれど、それは「東京2020オリンピック SIDE:A」にもなんとなく含まれていたこと。違っていたのはそうした俯瞰的な視線を細かく切り取って、そこに河瀬直美総監督ならではの“ストーリー”を作ろうとしているように見えたところだ。

 渡橋オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長も、武藤敏郎事務総長も、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長も、開会式と閉会式の総合統括を任された狂言師の野村萬斎も、後を引き継ぐことになってそして途中で降板したCMディレクターの佐々木宏も、開会式で演技を見せた歌舞伎役者の市川海老蔵も、歴史学者のエマニュエル・トッドも、あの天才的IT大臣として知られるオードリー・タンですらも発言は細かく切り刻まれて一部だけが抜き取られ、全体の流れを構成するパーツとして使われている。

 そうやって構成された映像は、例えば野村萬斎と佐々木宏が並んで会見した場面では、クリエイターが並んでいた演出家たちの個性をあからさまに非難し、CMは文化や芸術に劣らないといった具合にCM界出身であることを誇らしげに語る佐々木宏の言葉に、実に癒やそうな表情を見せる野村萬斎の映像を重ねてみせた。実際にそういった非難の心情が野村萬斎にあったのだとしても、言葉を選び映像を並べることによって河瀬直美総監督があるいは抱いている心情を、そこに乗せたのだとも見て取れる。

 自分が撮影に携わって自分が話しを引きだし自分が構成して自分が流れを作ったのだという主張。ラストに国立競技場内にあったように映されていたデジタル時計を一気に100年分進め、未来の子供たちに東京オリンピックの思い出を聞いたという体でソフトボールが金をとった、女子バスケットボールが銀をとったといった記録を語らせ、それくらいしか伝えられていないような雰囲気を醸し出そうとした作為。すべてが河瀬直美総監督の色に染められていた。

 極めつけが、エンディングに流れた河瀬直美監督による作詞と作曲がなされた「Whispers of time」という楽曲だ。その歌が河瀬直美総監督による歌唱といった可能性も浮上する中、当初は藤井風による楽曲が使われる予定だったものを取りやめて、違う楽曲を使ったところに何か作為があった結果と見ると、作為のベクトルも見えてくる。河瀬直美総監督。それがB面のすべて。オリンピックを取材する河瀬直美総監督。オリンピックを考える河瀬直美総監督。オリンピックを伝える河瀬直美総監督。そしてオリンピックを歌う河瀬直美総監督をとらえ、映し出した映画として「東京2020オリンピック  SIDE:A」は存在した。

 それを国際オリンピック委員会からの依頼を受け、堂々と作り出してしまえる凄みはレニ・リーフェンシュタールも市川崑も持ち得なかったものだろう。そこに対する嫌悪はない。あるとしたら、東京オリンピックの開会式に演出家として招かれ、そして降ろされた振り付け家のMIKIKO先生が映画の中で語っていた、何もないという言葉そのままの虚無感か。どれほどの時間と資金をかけ、それほどの虚無感を作り出した映像作家の未来に、贈る言葉も無言、それだけだ。


【6月24日】 クリス松村さんがパーソナリティを務めた「9の音粋」に収録でインタビューに答えた山下達郎さんが、「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」について触れていて、別にウクライナの情勢を受けて作ったものではなくてそれ以前のたとえばアフガニスタンであったり、ISであったりミャンマーであったり香港であったりといった各地で起こっていた紛争で、自由が抑圧され人々が弾圧されている情勢を訴える意味合いで作ったものだと話していた。

 それが今という時期にウクライナ情勢と重なるように世の中に登場したことを先見性と見るべきかは迷うところ。それより過去の出来事が現在も進行している上に新たな悲劇が加わっていることを嘆くべきなのかもしれない。歌って何かが変わるとは思えないけれど、感じることで変えられることはあるかもしれないと思うしかない。だから歌い続けたいのだけれど「WAR SONG」と違って楽曲的にあまり格好良くないんだよなあ。そこがちょっと残念かも。

 続く番組でShusuiさんって音楽プロデューサーの番組にも達郎さんがコメントを寄せていたのがちょっと意外で、クリス松村さんなら昔から付き合いがあるから出ても分かるけれどもそうではないShusuiさんがなぜと思って聞いていたら、どうも父親が達郎さんと深い関係を持つ人で、息子のShusuiさんも子供の頃からいろいろと音楽面でのアドバイスを受けていたとか。いったい誰が親なんだと調べてShusuiさんの本名が小杉周水と分かって納得。小杉理宇造さんでありました。

 書記のRCAの頃からアルファレコードに移籍しアルファムーンを立ち上げムーンレコードとなってそしてスマイルカンパニーといった具合に、達郎さんとずっと併走してきたプロデューサーで事務所の社長も務めた間柄。それなら出ても不思議はないか。そういう音楽的なつながりが今に生きるのを七光りと見ることは簡単だけれど、演技とかとは違って音楽はそれでは生き残れない世界でもあるし、おおっぴらにしている訳でもないのでShusuiさんの実力なんだろう。認めるしかないなあ。

 三鷹でいろいろと仕事をしてから家へと戻る途中のイオンシネマ市川妙典で「映画 鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」を見る。栗山千明さんが素晴らしすぎた。髪型といいスタイルといいまさしくヴィクトリア・アームストロングそのもの。割と厚めの唇が大きなスクリーンにしっかりと映し出されるのを目の当たりにできるだけでも意義のあった配役であり実写映画化だったと讃えたい。それ以外だと前編にも登場していた弟のアレックス・アームストロングを演じた山本耕史さんの似せっぷりも良かったけれど、あのボディは本当に鍛えたものかそれともCGIで足しているものかがちょっと分からなかった。やっぱり足しているのかなあ。

 映画自体は原作漫画の名場面を実写で再現してみました的な感じで筋はあっても物語はないといった感じ。ある意味で飛び出す絵本に近いところがあった。その飛び出しぶりが素晴らしいから原作ファンもアニメファンも納得して見ていられるといったところだろう。シンの王子のリンのそっくりぶりは前編から変わらず、そこに加わったエドやアルの格闘技の支障、イズミ・カーティスの似せっぷりが完璧で前屈みになった際の谷間のなまめかしさともども栗山千明さんおヴィクトリアと双璧を張っていた。ほかヴィクトリア配下のブリッグス兵も良いでき。あとは寺田心さん演じたセリムの芸達者さが醸し出す憎々しさも良かった。殺されず延命されたのも良い配慮。そうした役者を見る価値はあるというだけでも、作られた意味はあったかな。

 コラムニストの小田嶋隆さんが死去したということで、雑誌時代からネットへうつっても切れあず鋭く舌鋒も盛んなコラムを結構書いて読まれてた。最近は政治だとか社会に関する発言で諧謔もない生身がむき出しな感じもあって敬遠され気味ではあったものの、届くそうにはしっかりと刺さっていた感じでそうした人たちが悼んでいた。安倍総理とかを讃えるばかりの言論界にあってからかいつつ批判できる不壊では案配の絶妙者も含めてお手本だった。真似する間も開くコラムニストという職種が遠からずなくなるんだろうなあ。残るのはオフィシャル引き打つしの宣材転載半くらい。喪われていく多様性にしんみりと残念会をしていこう。1人で。

【6月23日】 「エスタブライフ グレイトエスケープ」が最終回を迎えて「逃げれば良い、逃げれば分かるさ」というアントニオな明言も飛び出してザ・マネージャーことMのとんずらを逃がし屋たちが手助けし、消滅したサンドリヨンの似姿を持ったMをどこかへと連れ出してまずは一件落着。指名手配になっていたのもリセットと同時に解除されたのか気になるし、エクアのフェイタルラックがMの演算の賜だったとして、それも維持されているのか気になるところではあるけれど、その後に秋葉原クラスタへと現れ、前に逃げなかった男子をどこかへと逃がしたところを見ると普通に逃がし屋家業に復帰したって言えそう。

 そのまま話しは続けられそうだけれどとりあえず一件落着として次は発表となった谷口悟朗監督による劇場版「エスタブライフ」の2023年公開を待つことになりそう。それまで話題が持つかが心配かといえばTOKYO MXで7月から放送をスタートさせるそうで、ほかにも配信プラットフォームに提供を行いこれから3カ月間はしっかりと話題をつなぐみたい。3月からFODで先行配信を行ってこれで7カ月間は何かと取りざたされる環境を作ったところがなかなか上手い。一挙配信で2週間しか話題がもたないアニメも多く3か月放送されても3か月後には誰も覚えてないような状況も問題視されている中で、こうやって地道に繋げる努力がちゃんと効果を発揮するか。気にしていきたい。

 午後のオンライン会議とオンラインインタビューに供えて家で待機している間、AbemaTVで大谷翔平選手が登板したカリフォルニア・エンゼルスとカンザスシティ・ロイヤルズの試合を見る。投げては次々と三振を重ねて最終的には13奪三振と個人として過去最高の数を誇ったとか。前日に個人として1試合最多の8得点を刻んでおいて次の日に投手として自信最高を成し遂げるなんてもはや漫画を超えた奇跡の領域に達してたりする。MLBのサイトもそんな大谷選手の“偉業”をサイトのトップ記事で伝えてたりするからやっぱりアメリカ人にとっても漫画を超えた何かなんだろう。そんな試合を間近に見られるアメリカ人がやっぱり羨ましいなあ。これで大谷選手は6勝目。オールスター前でこれならきっと後半もしっかりと投げて10勝を超えてくれるだろう。それで本塁打も30本とか達していたら改めて奇跡の選手として刻まれそう。見守りたい。

 bayfmに山下達郎さんが出演して「SOFTLY」のジャケットについて話してくれた。なぜ肖像画みたいな絵にしたのとクリス松村さんが聞いたらずっと肖像画を描いて欲しかったと思っていたところに、アルバムの話があってそこでヤマザキマリさんにお願いしたとのこと。原画は2周りくらい大きいそうで見ればきっと緻密に描かれているんだろうなあ。そう思うとCDだけではなくアナログ版も欲しくなって来た。新宿のタワーレコードに行けばまだ置いてあるかな。明日公開の映画を朝一で見てついでに拾っていくなんてこと、できるかな。

 ラジオでは今の時代にアルバムなんてものはなくコンセプトなんてない時代だからそんなものはないとのこと。以前はこだわりはあったけれど、今はCDは直線距離だとかで、そういう時代にアルバムを出す意味を考えていて、パッケージなんてないとも思っていた中で出すことになったからなるほど人気曲の寄せ集め感が強くなったんだろうなあ。それでも冒頭に「フェニックス」が置かれたことでイントロ感が出てまとまりが出たような気もする。どこに奥か考えたそうだけれど結果として最初に置いたのはやっぱりアルバムというパッケージの形を意識したんだろう。そこはやっぱりアルバムミュージシャン。良かった良かった。  「LOVE’S ON FIRE」についても喋っていて、今の空気感を入れた楽曲を作ってみたかったということらしく聞くとなるほどキャッチーなメロディがあるもののその繰り返し感があって、大サビからの盛り上がり感にちょい書けるあたりが切り取られてジングル的に流れてもちゃんと伝わる今時の楽曲に重なるといった印象。BTSとか。その上で10年後に聞いてもちゃんと古びていないようにしたというからそこが何かを確かめる意味でも、10年後に聞いてみたいもの。その時に達郎さんはだいたい80歳。その時はどんな音楽を作り出すかも含めて追いかけて行こう。


【6月22日】 ポータブルCDプレイヤーを6000円で買ってようやくやっと山下達郎さんの新譜「SOFTLY」を聞く。2曲目に入っている「LOVE’S ON FIRE」のPVが公開されていて踊っているショートカットの人がなかなかに淫靡だなあと思って出演者を見たら河合優実さんで驚いた。「サマーフィルムにのって」のビート板であり「愛なのに」の矢野岬といったどちらかといえばエキセントリックな雰囲気を漂わせたオタクっぽい女子を演じていた女優さんが、お洒落なクラブでお洒落な男性とお洒落なダンスを踊っているなんて天と地ほどの差がある。それをやれてしまうからこその凄い女優なんだろうなあ。

 シティポップブームが世界的に盛り上がる中でのキング・オブ・シティポップとも言える山下達郎さんの新譜だからよほどシティポップが響いているかというともうちょっとデジタルなビートが多く被ってシティからサイバーへと浮かび上がっている感じ。雰囲気は「僕の中の少年」に近いかなあ、ってそれ以降の達郎さんのアルバムはだいたいそんなデジタルのビートが響くような雰囲気の曲が多くて、ある意味に通っていたりするからなかなか記憶に残らないのだった。そんな中でも「未来のミライ」の楽曲はちゃんと覚えているところはタイアップならではの影響力か。

 そんな中にあってシュガーベイブっぽい楽曲があって「人力飛行機」というタイトルでメンバーを見たらドラムが上原”ユカリ”裕さんでベースが伊藤広規さんでアコースティックピアノが難波弘之さんという昔ながらのメンバーだった。だから昔っぽい音がなっているんだなあ。愁眉は「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」と名付けられた1曲。かつての「WAR SONG」に匹敵する反戦と反抑圧への意思にあふれた楽曲も同じメンバーで作られていてクレジットには2022年の作品とされているからあるいは2月以降の世界情勢を折り込んで、急ぎ作って収録したのかもしれない。こういうアドリブからの発進ができるのも音楽の良さ。だからこそ配信で世界に聞いて欲しいのだけれど……。サブスクリプションではなくても提供があれば。あったっけ?

 水道橋まで出向いて気になっていた街中華で希望通りにたっぷりのチャーハンをかき込んでから「ゴールデンカムイ展」に並ぶ行列が見えるタリーズでしばらく原稿を打って、どうにか出来上がったので池袋まで行ってジュンク堂池袋本店で資料となりそうな本探し。それからイケパークへと出向いて坂本真綾さんが推奨していたHIGUMAドーナツを試そうとしたら休みだった。残念。しばらく休んで赤い10輪のイケバスに乗ってTOHOシネマズ池袋まで行きそこで「劇場版 からかい上手の高木さん」を見る。突き抜けるように明確な意思を込めて「うん」となんども繰り返すその声を聞いているだけで、肯定されているような気になって心が元気になってくる。そんな映画だった。

 原作もそれほど読んでおらずTVシリーズも熱心に見ている訳ではないので普段がどれだけ「からかい」に重点がおかれ、西片が高木さんにはぐらかされるつときおりのぞかせる本気にドキドキとさせられているかはよく知らない。映画でもそうした押されては退かれて蹴躓きそうになってぐいっと寄られてあたふたする状況が幾つもあって心を掬われそうになったけれど、そうしたシチュエーションから漂う「からかい」のコミカルさは劇場版では主従では従となって、中学3年生になってお互いを将来も含めて意識しはじめた2人が「からかい」の向こう側にある思いを汲み取って確かめ合うような展開が多くあって、より強く心を掴まれたような気になった。

 虫送りの前、真野ちゃんと中井くんとが一緒にホタルを見に行って、そして幸せな時間が訪れたことを気にかけて夜、勉強机に向かう高木さんは学校で微笑みを絶やさずに西片をからかいつづける高木さんとは違って心をしっかりと見せていた。そのシーンを受けて誘い誘われる虫送りからのホタル探しは2人がよりもっと親密になろうとして探り合っている状況が認識されていたこともあって、ひとつひとつの反応に見入ってしまった。

 夏休みに2人が会う理由を探して話し合っている場面に、どうして2人が理由を探してまで会わなくてはならないのかといった前提はもはや必要がなく、会うことのために理由を探すような関係になっていることがうかがえて嬉しくなった。その時あらわれた白い子猫の世話が2人をぐっと近づけていったけれど、迎えたある種の終焉が悲しさを誘いつつ次への力を2人に与えたのだとしたら、ハナはやはり良いことをしたと言えそうだ。


【6月21日】 電車に乗ったらアップルウォッチをしている人がいて、それも2人いて流行っていることを実感したもののその2人が揃いも揃って腕時計なのに右腕にしていてどうしてだろうと考えて、中にsuicaを入れて改札を通るときにそれをタッチするとなると左腕では手を前に交差しなくちゃいけないから不便だと、右手にはめているのかと理解する。でもそれだとリューズが手首ではなく腕の側にきて左手では操作しづらそう。そういうところも含めて考えてくれるかというと海外で自動改札で右手でタッチしなきゃいけない環境なんてまずないから、アップルも対応なんかしないだろうなあ。便利で不便ならどっちが良い? 迷う判断。使う気がないから自分がその不便をジャッジすることはないだろうけれど。

 アンナミラーズが最後に残された品川店も閉めるそうで漫画なんかに描かれた可愛い可愛いウエイトレスさんの服を直接見ないでこのまま終わりになってしまいそう。ある種、昭和の可愛いのアイコンでもあっただけに1度くらいは見ておくべきかはちょっと迷うものの、朝1番でいっても行列が出来ているらしいからもはや無理だろう。ここはだから心の中で想像した可愛らしさを永遠の中に封印することにしておこう。そういえばある意味でアイコンとなったフーターズも東京都内にあちこちあったのが今はおしなべて閉店とか。銀座にはまだあるそうだけれどこちらも行かずに終わりそう。アメリカンダイニングのアイコンでメジャーリーグにいったルーキーがその格好をさせられることでお有名だった店が日本に来た時はあれだけ騒がれたのに、濃すぎるとやっぱり遠慮されてしまうのかなあ。かといってアンナミラーズも閉店な訳で結局は衣装だけで保つ世界はないってことになるのかな。

 白金高輪で取材があったのでちょっと早めに到着して、スターバックスで時間を潰そうと思って確かめたら時間を2時間間違えていた。午後3時からなのに13時にいってしまっていて大いに時間があまったので、これならアンナミラーズものぞけたかもしれないけれど行っても行列だから入るのは無理だからと気を取り直してスターバックスでちゃかちゃかと原稿を打つ。白金高輪のスターバックスだからさぞや意識の固いシロガネーゼがノマドをしていたり昼下がりのお茶をしていたりして一般人では息が詰まるかと心配だったけれど、こちらも一応は取材ということでびっちりとしたスーツで身を固めていたのでどうにかハイソな空気に溶け込めた。でも注文でフラペチーノだどうだというのはできなかったなあ。クリームマシマシマシとか言ってしまいそうで喋らぬが吉とブレンドショートで抑えておく。

 白金高輪にはほかにタリーズもあるようだけれど、ドトールとかヴェローチェとかプロントといったちょっぴりローコストなカフェはなく、マクドナルドやロッテリアといったファストフードもなくて時間を潰すのが日や時間によってはちょっと大変かもだった。フレッシュネスバーガーもないし。あとは松屋とか吉野家といったチェーン店もなかったなあ。何か建てられない条例でもあるんだろうか。あれだけタワーマンションも建ってくると人も大勢住むようになって休日とか近隣に溢れそう。でもゆったり座ってお茶する場所もないといったいどこへ行くんだろう。有栖川宮公園まで歩いて行くのかな。それもちょっと遠いよなあ。謎めく。

 取材を終えて地下鉄を乗り継ぎ新宿まで出てタワーレコードで山下達郎さんの新譜「ソフトリー」の2枚組初回限定版を手に入れる。見るとアナログレコードもでていてヤマザキマリさんが描いた肖像画のような達郎さんのジャケットがCDとは比べものにならない大きさで陳列されていて、これを部屋に飾ったらいろいろと御利益がありそうだと思ったものの買っても聴く機会もなさそうなんで遠慮する。ずいぶんと前にアナログレコードをいろいろ買いあさった際にプレイヤーも買ったんだけれど使える状態に今はないのだった。アンプが本に埋もれて届かないしスピーカーから音も出せないし。でもせっかくのアイテムなんで次に見かけたら買って保存しておくか。どうせだったら「FOR YOU」のヘビーウエイトなアナログ版が欲しいなあ。


【6月20日】 日本は出られなかったAFCのU23アジアカップ決勝でサウジアラビアがウズベキスタンに勝利。試合前のセレモニーで地元開催ってことで自分たちの国歌は歌手に歌わせてサウジアラビアはテープか何かで済ませる格差をつけてはやっぱりスポーツマンシップの神様に罰せられて当然じゃないかなあ。日本だって国歌斉唱で自分たちが歌手を出すなら相手も歌手に歌わせる場合が割とあるような気がするし。それとも少なかったっけ。だから日本代表にのろいがかかっているんだと言っておこう。どっちにしてもサウジアラビアは強かった。そんなサウジアラビアに予選リーグで引き分けているんだから日本の強いと思って良いよ。あとはシュートの正確性。せめて枠内に持っていけ。

 週が明けて週末の映画興行ランキングが興行通信社から出てきて「トップガン マーヴェリック」が1位となって相変わらずの強さを見せた。2位は「映画ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」で3位は「映画 五等分の花嫁」、4位は「シン・ウルトラマン」と公開から何週も経った映画が上位を締めて動かない。とりわけ「五等分の花嫁」は4位から上に上がってたりして公開館数も少ないのにこの興行成績はいったいどれだけの観客が詰めかけているのかとのぞいてみたくなる。実はまだ見ていないのだった。5位にようやく「バスカビル家の犬 シャーロック劇場版」、6位に「峠 最後のサムライ」と新作2本が並んだけれど、上の強さに割り込む勢いはないよなあ。

 それでもベスト10に入るならまだ良い方で、公開間もないはずの「メタモルフォーゼの縁側」は10位以内に見えず、宮本信子さんと芦田愛菜さんというスタアを要してもなお上に行けない興行の厳しさって奴を目の当たりにする。見れば絶対に感動するんだけれど、入り口としてお婆さんば「BL」にハマるという設定の「BL」が何かまるで分からない高齢者層では宮本信子を目当てにはいけず、興味のない男子は芦田愛菜さんを目当てにはいかない陥穽にすっぽりとハマってしまった気がしないでもない。勿体ないなあ。ここはだからおばあちゃんと女子高生が同じ趣味を持ってコミュニケーションをとるようになる、高齢化社会に生き甲斐を見出す物語だとアピールする方がいいのかも。どうだろう。

 こちらも入ってなかった「怪盗クイーンはサーカスがお好き」だったけど、夕方の新宿バルト9に入ったら満席に近くてそれもほとんどが女性でちょっとびっくり。声優が元宝塚宙組トップスターの大河悠河さんだからタカラジェンヌのファンが大挙して押し寄せたかそれともはやみねかおるさんの原作が刊行されて20年、長い歴史の中でファンとなってそのまま成長していったお姉さまたちが、少女時代の憧れを目にしようとおしかけているのか。ちょっと分からないけれどもプロデュースしたポニーキャニオンの人たちが、まさしくそうやって少女時代に呼んだ世代だってことで自分たちの憧れを動かしたことで同じ思いの女性が観客として集まったってことなのかもしれない。

 冒頭から狭い飛行船のゴンドラにいっぱい猫を飼っていてちょっと多頭飼育が過ぎていて、世話も大変だろうと思ったらちゃんと飼い主を探して送り届けてはいたけれど、その後にまた猫を引っ張り犬も引っ張っていたりして、ちょっとジョーカーはクイーンをたしなめないといつか崩壊するんじゃないかと心配になった。お金持ちだろうから虐待はしないだろうけれど、いっぱいいると猫だってストレスもたまるだろうし。

 お話は今のこの世界が紛争を嘆く時代にあってまさに紛争に巻き込まれて娯楽から隔絶されてしまった地域に娯楽を届けたいと願うサーカス団のお話しだった。そこを発端にクイーンとの勝負が繰り広げられるけれど、ルパン三世みたいに緻密な頭脳がひらめく感じではなく、なんとなく進んでいつの間にかそうなっているといった展開。分かりやすくて楽しくて、そしてしんみりさせられるストーリーは忙しい日々に終われてクシャッとなっている女性の心も卑しそう。だからいっぱいきていたのかな。応援上映があれば内輪に「盗んでクイーン」と書いて持ち込む女性もいっぱいいそう。やればいいのに応援上映。


【6月19日】 サッカーのU23アジアカップで3位決定戦に臨んだ日本代表が、オーストラリア代表を下して3対0で勝利。ゴール前での躍動感とかシュートの積極性&正確性とか負けたウズベキスタン戦とはまるで違っていて、たしかメンバーも替わっていたからそっちの方が調子が良かったんじゃないかとも思ったけれども本番とではやっぱりオーストラリアも含めてスタンスが違ってくるから、比べてどっちが上とは言えないのかもしれない。ともあれこれでパリ五輪の予選に向けたシード権とやらが得られてらしく、1996年のアトランタから続いている五輪の出場を途絶えさせないために得たチャンスを存分に生かして欲しいもの。誰がエースになるんだろう。

 前の劇場版「スプリガン」を劇場で見た記憶はあるけれどもストーリーと構った覚えていないのでNetflixで配信が始まった「スプリガン」が妙に新鮮。ルックが何か1990年代のアニメといった形でそれもOVAテイストが滲むキャラクター描写だったりするものの、それが崩れずずっと描かれていく上にメカとか背景とかが現代だったりするところに四半世紀近く明いた時間の流れといったものを感じる。第1話は富士山を噴火させるのどうのといった大がかりなネタで、実際に噴火しているのに終わった後で世間が火山灰が積もっただけとか言っていてオーパーツは記憶までも操作するのかと思った次第。麓が溶岩まみれになっても不思議ないじゃん、あれ。

 昨日に続いてフレッシュネスバーガーで今度は野菜が多いガーデンサラダバーガーを食べながらぱちぱちと原稿打ち。「ドラゴンマガジン」で新刊の紹介ページをもらっていて内容だとかあらすじだとかキャラクターを書く必要があるのだけれど、いつも書いてる原稿に比べて分量が少ないのでどこをどう絞って圧縮するのかに色々と工夫がいる。まあそれでもどうにか3時間弱で全体を仕上げて後は夜に清書でもしようと店を出て、ご飯は食べずに日本橋へと出てTOHOシネマズ日本橋で「メタモルフォーゼの縁側」を見ることにする。完成披露試写に応募していたけれども当たらなかったのだった。生芦田愛菜ちゃん、見たかったなあ。

 そんな「メタモルフォーゼの縁側」は原作のストーリーをうまく摘まんで繋げて1本のストーリーにまとめ上げていた。さすがは岡田恵和さん。巧いねえ。原作だと女子高生ではっても目つきの悪い主人公が芦田愛菜さんだけあって割とパッチリとした目の女の子になってはいたものの、ちっこい動物のような感じでちょこちょことしてじたばたとしている感じは良く出ていて見ていて飽きなかった。同級生で幼馴染みの男子と付き合っている女子がスレンダーでロングヘアーの美女といった感じで、同じ学年なのかと見比べてしまった。どっちもいるのが高校時代ってことなんだろう。いや芦田愛菜さんがあと10年経ってもああなるとは思えないけれど。なって欲しくないという方が正解か.

 ちょこまかとしてどたばかとして可愛い芦田愛菜さんが演じる女子高生が、書店でバイト中に飛び込んできてBLを買ったらハマってしまって続きを求めるお婆さんと知り合って、お互いに情報を交換していくようになるといったストーリー。お婆さんはBLでも偏見を持たず迷わず好きなら好きだといってどんどんとハマって広げていくのに、女子高生はBLが好きだと公言できず好きな子から尋ねられても詳しくないからと逃げてしまう。そう言うことに何か気兼ねしてしまうんだろうなあ。自分なんかがそんなことを言う資格がないとかどうとか。せっかく薦められて同人誌を作っても、コミティアの会場まで行ってテーブルに並べられず逃げてしまうところも、場違いを超えて自分は自分を貫けなかった弱さ故。それを自覚して飛び越えられない自分の不甲斐なさに泣く気持ち、とても分かった。

 原作だとちゃんと出展しては大好きな漫画家さんの手に本が渡る展開になっていたけれど、そこは別のルートで工夫してしっかり拾ってあったのが巧かった。そんな日々から自分のやりたいことがすぐに見つかるということはないけれど、やってみたいことをやらずに過ぎることはなくなったのならこれからの人生、きっとどこかでグッと前に出る時が来るだろう。そんなきっかけを与えてくれた出会いのドラマを通して僕たちも、やってみたいことはやってみた方が良いと思うようになるのだった。それいしても芦田愛菜さん、いったい何枚Tシャツを持っているんだろう。常に違ってた。次に見る時があったら数えてみるか。


【6月18日】 5月13日に公開されて4日の5月16日に丸の内TOEIの予約がゼロだった「ハケンアニメ!」。どうして誰も見てくれないんだろうと絶望したけれど、山崎貴監督が激賞したり末次由紀さんが長文の感想をnoteに挙げたりしてクリエイターの中に口コミが広がりはじめたこともあって、だんだんと客足も伸びてきている模様。一方で公開している劇場の数が減って、行き場に困る人もいて集中も始まっているのだろうか、6月19日の昼の予約がすでに結構な入りになっていて、じわじわと“刺さり”はじめていることがうかがえる。

 願うならスタートダッシュの段階で、こうした口コミが効いて大勢が劇場に行って欲しかったけれどそれを目指してアニメーション業界関係者向けの試写なんかもやっていたはずなのに、それほど広がっていたとは思えないのはあまりに身近な話過ぎて語るにはばかられてしまったのかどうなのか。映画メディア向けの試写だってガンガンとやっていたにも関わらず、激賞が聞こえてこなかったのはこうした大作感がなくネット的にバズるキャストがおらず報じてもアクセスが稼げないとオミットしたなんてこともあるんだろうか。だとしたらアクセス至上主義のネットメディアの弊害。自分たちが盛り上げそれがアクセスに返ってくるなんてサイクルを想像できないんだろう。あるいは想像している暇がないというか。ヤバいねえ。

 それを言うなら「犬王」だってカンヌだアヌシーだと盛り上がりはあっても劇場に足を運ぶ人がどれだけいるかというと、興行成績のベスト10に入らないままだんだんと上映回数が減ってきている。いろいろとグッズも出しているし応援上映だとかコメンタリー上映だとかも行って観客を引きつけようとはしているけれど、元よりコナンだのポケモンだのドラえもんといった“定番”で見に行くことが行事になっているアニメーション映画ではない作品。そこに足を向けさせることの困難さが、ここでも出てしまったと言えるだろう。細田守監督と新海誠監督はそこを踏み越え行くのが行事化した。そこに湯浅政明監督や原恵一監督はどうしてたどり着けないんだろう。真面目すぎるのかなあ。あるいはピーキーすぎるとか。考えなくちゃ。

 少し前から手伝っている「ドラゴンマガジン」向けの原稿をいじりに近所のフレッシュネスバーガーへ。最近改装した船橋駅前のドトールがいつも混んでいるのと比べると、駅からちょっとあることもあってか日曜日でも空いていて使いやすいのだった。それでも座っているとひっきりなしにウーバーイーツや出前館が取りに来るから、食べに行くより取り寄せたい人御用達のハンバーガーチェーンになっているのかもしれない。実際それなりに美味しいし。

 3時間ほどでとりあず形を整え、可視を変えてヴェローチェでフィニッシュまで持っていてまず1本。今月はもう1本あるから対象の本を読んで明日にでも仕上げよう。映画も「メタモルフォーゼの縁側」とか「劇場版 からかい上手の高木さん」とか見たい作品があるんだけれど週中まで我慢だ。とか言ってると「ハケンアニメ!」を見に行ったりして。満席で見たいかって言われれば舞台挨拶が満席だったからそれは良いんだけれど、今見るひとたちの反応もやっぱり気になるのだった。


【6月17日】 朝からなにやら「トライガン」方面が騒がしい。見るとどうやらアニメが再び作られるとか。1998年くらいだかに1度、テレビアニメになっていてその後に劇場版も作られてはいたけれど、「月刊少年キャプテン」に連載の「トライガン」から「ヤングキングアワーズ」連載の「トライガン・マキシマム」へと流れていったストーリーと最初は同じでもだんだんと違っていっただけに、改めて原作どおりの展開でアニメ化されたら嬉しいという人も大勢居そう。一報でアニメとしての出来が素晴らしくって吉松孝博さんのキャラクターデザイン、神宮司訓ノさんのメカデザイン、そして今堀恒雄さんによるギターだけのオープニング「H.T」のマッチングの素晴らしさは他の誰にも代えがたく、それを超えていけるのかといった不安も浮かんでしまう。

 声についても小野坂昌也さんのヴァッシュ・ザ・スタンピードに速水奨さんのニコラス・D・ウルフウッドのハマり具合は完璧だったしメリル・ストライフの鶴ひろみさん、ミリィ・トンプソンのゆきのさつき(当時は雪乃五月)もピッタリだった。けれども鶴さんが泣くなりゆきのさつきさんはミリィというよりメリルの役が似合う感じになっていたりする中で、四半世紀を経て同じ役者を使うと全体に年代がかさ上げされてしまうことになる。速水奨さんの美声には貫禄が備わってねっとりと艶やかな兄さんといった感じではなくなった。小野坂さんは変わらないけれども周囲を若返らせるなら代わりが抜擢されるってのも手だろうなあ。って言ってて櫻井孝宏さんと宮野真守さんに収まったらそれも普通だし。どうなるんだろう。ストーリーがオリジナルに沿うかそれとも独自になるかも含めて楽しみ。待とう登場の日を。

 何か書くことになったのでユナイテッドシネマ幕張へと出向いて朝1番で「映画 異世界かるてっと 〜あなざーわーるど〜」を見る。とりあえずめぐみんはあの世界でずっと履いてなかったんだろうかということが気になった。ヴェラはすぐに取り返していたけれど、めぐみんは大事なものをずっとカズマに持たれていたから履く時間もなかっただろう。すーすーしただろうなあ。そんな感じに「この素晴らしい世界に祝福を!」チームのギャグ要員としての冴えが光った劇場版。巻き込まれて他の面々もギャグにコメディに大活躍してくれたけれど、そんな「いせかる」ならではのシチュエーションがだんだんとシリアスでしんみりとしたストーリーに引っ張られていってクライマックス、涙してしまうくらいに感動を引き出された。「いせかる」で泣かされるなんて! って驚いた。

 バトルシーンにもそれぞれに見せ場があって各作品のファンも楽しかったんじゃなかろうか。エミリアたんがやたらと強くなっていたけど今ってそんな感じなのか。ラストに登場した新キャラも「Re:ゼロからはじめる異世界生活」からだったみたいだし、呼んでないうちに原作もずいぶんと進んだ感じ。読み込んで見るかなあ。あとはクライマックスを超えたエンディングで見せてくれた心ほだされる展開。さすが我等のクズマだけのことはある、ってクズいの? それは見てのお楽しみ。面々が目指す建物がどんな形をしているのかも含めて。まさか中がそんなことになっていたとは! ってちょっと前に入ったじゃん、いやいや昼間は普通だけれど夜な夜な何かが画策されているに違いない。出版の覇権を握るための謀略が。いつか忍び込んでやろう。

 映画を見終わってプレナ幕張にあるパンチョでカレーナポリタン。ちょっと前からの限定メニューだけれどカレー粉がスパイシーに混ぜられていて結構に濃厚なカレー味のパスタとそして良い感じにゴロゴロとしたチキンを味わえる。カレーライスより好きかも。茹でられて柔らかいけどテラテラではない麺もわりと好き。ぱすたやの細身でゆでたてのスパゲティも悪くないし、バルボアのいかにもロメスパといった感じも悪くない。ジャポネやリトル小岩井は行く暇がないから仕方が無いとして、そいったイタリアンから離れたパスタをいろいろローテションしてるのだった。これにあとあんかけパスタがあれば最高なんだけどなあ。明日はどこのパスタ屋に行くかなあ。


【6月16日】 山田尚子監督はもう京都アニメーションでは仕事をしてくれないんだろうか。そしてサイエンスSARUの人になってしまうんだろうか。アヌシー国際アニメーション映画祭で山田尚子監督がサイエンスSARUで新作を作るとの方。水沢悦子さんがキャラクターデザインに入ったそうだけれどいたちどんな映像になってそしてどんな作品になるのか皆目検討が就かないのだった。「花のズボラ飯」しか知らないんだよなあ、水沢さん。

 山田監督は湯浅政明監督が抜けてしまったのを埋めるに足りる人材ではあるけれど、その演出力をシンプルな方向で発揮してもらうだけでなくキャピキャピとした女子たちの騒ぎ戯れる姿を描く中でも発揮して欲しかった。つまりは「響け!ユーフォニアム」の新シリーズ。監督は石原立也さんだろうけれども演出に入って欲しいんだよなあ。どうなるんだろう。湯浅さんはそしてサイエンスSARUを山田尚子さんに譲って放浪の旅にでるのだろうか。しばらく休息されるそうだけれど、次の現場は違うスタジオになったりして。プロダクション・アイジーでなにかやってくれないかなあ、最近尖った企画が足りないんだよ。

 誘われてアニメーション「映画 ざんねんないきもの辞典」を昔の徳間書店があったビルのホールで。ベストセラーの書籍があるけれども実は読んだことがなくて果たしてストーリーものなのか絵図鑑なのかすら知らなかったけど、映画はコアラが出てくるオーストラリアをペンギンばかりの南極とそしてニホンウサギやツキノワグマやオコジョやアナグマやタヌキやトラクターが出てくる日本が舞台の3本がそれぞれにストーリーを持った30分くらいのアニメーションになっていて、それをブリッジでつなぐオムニバスになっていた。

  まずオーストラリア編ともいえる「リロイのホームツリー」はキューブ型のネズミが出てくる「グレゴリーホラーショー」とか四角いペンギンが出てくる「ペコラ」なんかを手がけていたイワタナオミさんが監督。とはいえ独特なデザインワークは使われてなくって割と可愛いルックの3DCGによるコアラやウォンバットが登場してはユーカリの木を捜して旅をする子供が好みそうなルック&フィールの作品に仕上がっていた。声も花江夏樹さんや玄田哲章さんや小松未可子さんや日高のり子さんら人気者がズラリ。そこに混じってトレンディエンジェルの斎藤司さんもいたりするあたりも子供を狙った作品って言えそう。
 そして南極編の「ペンたび」は監督がウチヤマユウジさんということでだいたい「紙兎ロペ」。ジェンツーペンギンにアデリーペンギンにヒゲペンギンが暮らしている南極に道に迷ったコウテイペンギンの姉さんが登場しては基の営巣地に戻るために旅をするという展開が例の脱力させられる会話劇で進む。あり得ないシチュエーションだけれどこいつらならあり得ると思わせるスクリプトの巧さに脱帽。激笑える。そしてしっかりペンギンについて学べる。いつもだいたい中腰だとか。

 凄かったのが日本編の「はちあわせの森」で、監督が由水圭さんと聞けばなるほどやっぱり「リッジレーサー」のオープニングだとか「リョーマ!新生劇場版テニスの王子様」みたいなグリグリの3DCGによるアニメーションが繰り出されるかと思うと、これが実に絵本的というか、切り絵的にフラットな塗りでもってニホンウサギだとかツキノワグマといった動物が切り出されるんだけれど、それがちゃんと動物のように動く。輪郭線だけで描かれていながら立体的に見えるというのはおそらく3DCGのモデリングにフラットなテクスチャを貼り描いたものだと思うけど、そこで動物のフォルムが崩れないということはしっかりと動物らしいモデリングが出来ているってことなんだろう。

 そんな生き生きとした動物たちが跳ね回る自然は美術監督の日野香諸里さんによるもので色彩といい奥行きといい実に日本の自然であり、かつ侘び寂びとはちょっと違ったアニメーションとしての自然の雰囲気を感じさせてくれる。安曇野あたりにロケハンをして描いたっぽく盆地に広がる町があって遠くに雪を被った山の稜線が見える風景が実に綺麗。それもまた絵本のような背景を絵本のような動物たちがアニメーションならの躍動感を持って動き回る力業を目の当たりにせよ! あとウサギもツキノワグマもうんこを食べたり溜めたりするんだなあ。それを言う声優さんもなかなかになかなかな。内田真礼さんや沢城なつきさん。頑張りました。


【6月15日】 ヒットは2本出たけど本塁打は出なかったメジャーリーグの大谷翔平選手。まだ13本で今年はなかなか打てないなあと他の選手の成績を見たら、1人24本でニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が抜け出しているものの2位はミネソタ・ツインズのバイロン・バクストン選手で18本と1位から6本差があり、また大谷選手と5本しか差がなかったりする。大谷選手も全体で同本数の9位とベスト10に入る成績。ってことは大リーグ全体で本塁打が減っているってことになる。

 どうやらボールに理由があるらしく、日刊スポーツが特集をしていて昨年から少しずつ導入されていた低反発ボールが、今年は全球場で使われることになって湿度管理も行われて飛んだり飛ばなかったりすることがなくなったらしい。ピッチャーもしている大谷選手はよくボールも持つから柔らかくなった気がするとコメント。ピッチャーとしては嬉しいけれどもバッターとなると大変な中でヒットを打ち本塁打もしっかり打っているのだからやっぱり凄い選手なんだなあ。夏場になって気温も上がれば多少は反発係数も増すんだろうか、それとも湿って係数は下がるんだろうか。オールスターを超えてからを見ていこう。

 「とある科学の超電磁砲」を原作者の鎌池和馬さんが小説として執筆した本が出たのと同時に、「魔法科高校の劣等生」の佐島勤さんがBDとDVDのおまけに書いた小説をまとめた「魔法科高校の劣等生 Appendix1」も登場。いわゆる番外編だけあってはっちゃけたキャラクターたちの言動をどちらも楽しめるけれど、ある意味でSSに近い「とある科学の超電磁砲」と比べると「魔法科高校の劣等生」の方は別の意味で異世界転生といった趣で、ひろゆきだって太宰治だって異世界転生する昨今の情勢を反映したかのようなキャラクターの異世界ならではのはっちゃけぶりを堪能できる。

 特に七草真由美は18歳にして魔法少女のような格好をさせられてなかなか大変。司波深雪も含めてほとんどのキャラクターが転移した世界で現実の記憶を持っていないのに対して、司波達也と真由美はしっかりと記憶を維持しているだけに余計に恥ずかしさも募ったもよう。その恥じらいがまた良いのだけれど、残念なことにイラストが入っていないのでどういう格好なのか分からないのだった。残念。面白いのは現実世界では自制も働く兄の達也との関係を心のままに突き詰めようとする深雪の態度に、達也がギリギリと歯噛みしながら押し止めようとしているところ。どこまでストイックなんだと思うけれどもそれが達也ってところなんだろう。1ということは続きもあるのだとしたらどんな番外編になるんだろう。パッケージ買ってないから知らないので楽しみ。

 原稿を書くため日本を読もうと家を出て、総武線から地下鉄東西線経由で阿佐ヶ谷まで行く間にどうにか本を読み終えたので、降りてぱすたやで函館名物のイカスミナポリタンをいただく。まっくろけのけ。食べるとイカスミのせいかかなり濃厚な食感なんだけれども味はナポリタンといった味わいで、どこにどうケチャップが混ざっているのか知りたくなった。イカスミで黒く染めているんだろうか。先月の群馬名物ベスビオが見た目はペスカトーレなのに食べると激辛なのとは反対に、見た目は意外でも味は見知った感じというパスタ。函館の本場ものをいつか食べてみたいな。

 駅の側のサンマルクカフェで原稿を書いてから池袋へと回ってWIT STUDIOの10周年記念展覧会を見物。作品ごとにしっかりとブースが作り込まれていて、そこに原画があって絵コンテがあって実際の映像から抜いたスチールも並んでいてといった具合に同じ場面を違う素材で見せてアニメがこうやって作られているんだと言うことが分かるようになっていた。練られた展示。最後の部屋には見里朝希さんの新作や、久保雄太郎さんと米谷聡美さんによる「とつくにの少女」の展示もあって、そして映像で代表の和田丈嗣ぎさんが山田プロデューサーと見里さんによるストップモーションスタジオが持つ可能性を喋っていて、WITにとって大きなプロジェクトであることを明かしていた。早く目を付け実験であっても取り組み成果に結びつける先見性。それが親会社のIGポートを通してグループ全体に行き渡ったら前みたく、斬新で画期的な作品がもっともっと生まれてくることになるかなあ。期待大。


【6月14日】 「ワンパンマン」がアメリカで実写映画化されるそうで、気になるのは主人公のサイタマがアメリカだとどんな名前になるってこと。日本だと冴えないイメージがどこかつきまとう「埼玉」という言葉をアメリカに置き換えたとしたらやっぱり「サウスダコタ」だろうか、それとも「ノースダコタ」だろうか。「ノースダコタ」は千葉だという声もあるからそこはアメリカの中でもいろいろと議論があるんだろう。ネバダあたりは自分たちとは違うと思っているに違いない。そりゃあまあ、ラスベガスが州内にあるから冴えてないってことはないよなあ。

 冴えないヒーローというとアメリカには「アメリカン・ヒーロー」という偉大なオリジンがあるのでその延長として人気があるのかも。冴えない男だけれどワンパンチでもって強大な敵を蹴散らしてしまう爽快感。それをまったく鼻にかけていない潔さ。あるいは認識とのズレが楽しい作品だけにそうした隙間を突っつくようなニュアンスを、ヒーロー全盛のアメリカでどこまで出していけるのか。そしてどれだけ受け入れられるのか。気になるなあ。流石にタツマキはあのキャラでは出ないだろうけどフブキはいろいろ演じられる役者がいそう。最大の注目はキング。坊主でなければドゥエイン・ジョンソンが演じられるんだけれどなあ。気にしていこう。

 「スレイヤーズ!」とか「灼眼のシャナ」とかを監督しているアニメーション演出家の渡辺高志さんがツイッターで63歳くらいの時にアニメーション業界から脚を洗おうとして転職サイトに登録したらまったく応募に引っかからず、シルバー人材センター行きを進められて夜警とか軽作業くらいしか紹介されずこれはもうどうしようもないと絶望したってことを書いていた。63歳に行かずとも54歳くらいですでにどこにも転職は不可能なことを身をもって体験しているから大いに分かるし、あれだけの傑作を送り出している渡辺監督でも足を洗いたいと思うくらいにアニメーション業界は厳しい世界なんだってことがうかがえる。

 なるほど2015年に「ヘヴィーオブジェクト」を監督してから2021年に「現実主義者の王国再建期」を監督するまで監督作品がぽかっと開いているから大変だったってことはうかがえる。その間に絵コンテとか演出の仕事をしてはいてもそれで何百万は稼げない。あるいは1本はシリーズ監督をしていても、それで悠々とはいかないんだろう。これがアニメーターなら腕と鉛筆と机があれば巧ければ仕事は多分ありそう。とはいえ演出がいなければアニメは作れないとなるとそこをどう配分するかが重要になって来るんだろう。過去の作品がどれだけサブスクリプションで流れても、脚本や声優さんには還元されても監督には1銭も入らないとなると監督なんてやる人がいなくなってしまうかもしれない。それは困るので何か良い方法をサブスク会社には考えて欲しいなあ。サブスク批判に反論する意味でも。

 「皆様方、今に見ておれで御座いますよ」という奇妙な言い回しばかりがクローズアップされ、そもそもの題材が津山30人殺しという実際にあった猟奇な大量殺戮だったこともあって古尾谷雅人さんが主演した映画「丑三つの村」も猟奇と狂気に溢れたスプラッタかもといった印象が、頭に根強く残っていたんだけれども劇場で初めて見た「丑三つの村」は村でも1番の秀才で明るくて社交的で女性からも持ててた青年が、結核にかかって徴兵検査に甲種合格できなかった途端に村人たちから忌避あれ女性たちからも嫌われていくプロセスに、どうして都会の病院に入って療養するとかしなかったんだ、そして健康になって戻って来るなり教員になって社会から認められよとしなかったんだと不思議に思ってしまった。

 それが戦争とういシチュエーションで、お国のために戦える頑健な肉体を持った男子こそが絶対といった思想の中に日本人たちが囚われていた現れなんだろう。そこにハマて自分は弾かれたと思った青年が、憤った挙げ句にたまった鬱憤をライフルと日本刀と短刀でもって晴らそうとしたのが津山30人殺しだったってこともうかがえた。その周到さとその疾走感は決して猟奇な狂気に溺れた人間の暴走なんかじゃない。確信犯として挑んだからこそ成し遂げたひとつの結果をその結果から非現実の出来事と棚上げするのではなく、起こりえる事態として飲み込んだ上で起こさないための手立てが必要なんだと思わされた。

 そんな映画がどうして上映されたかといえば、笹路正徳さんが作曲した、猟奇で狂気な映画にしては土俗的でもなければ伝統的でもないシンセサイザーを使ったどこかポップでモダンな楽曲が、映画とともに大いに気に入った北村龍平監督が働きかけて始めてパッケージソフト化したから。過去に出るという話があったものの立ち消えになってしまっていたそうで、そんな楽曲を松竹音楽の倉庫から見つけCDにした上に未使用良くまで付けたというから大盤振る舞い。聞けばあの不思議な世界に引きずり込まれること請け負いだ。細かい字で書かれたライナーも読みたいけれどちょっと字が小さすぎ。ルーペを買ってこなくっちゃで御座いますよ。


【6月13日】 SCANDALのライブでメンバーが弾いているギターが気になって調べたらフェンダーからシグネチャーモデルを出してもらっていて驚いた。もはやそこまでの存在になっているのか。ガールズロックでもちゃんと楽器を鳴らして歌うバンドって多いようで今あんまりいなくなっている中で10年以上のキャリアをもってファンも多いSCANDALなら看板になると考えたんだろう。そりゃあ「けいおん!」の放課後ティータイムだって悪くはないけど主人公の平沢唯が弾いているのがギブソンではフェンダーとは組めないよなあ。

 シグネチャーモデルではHARUNAがテレキャスターでMAMIがストラトキャスターでTOMOMIがプレシジョンベース。RINAはドラムでフェンダーでは作ってないからシグネチャーが出ないのはちょっと可愛そうなので時々弾くギターでも良いから作って上げてとちょっと思った。個人的にはテレキャスターが好きなんだけれど白いボディに金の縁取りはちょっと王子様過ぎるから遠慮。赤いMAMIのストラトキャスターはメチャクチャ格好いいけど2人が出演しているフェンダーのギターPR映像を見るとやっぱり地に足がついた音が出るのはテレキャスターなんでそっちが良いかなあ、って弾けないのにそういうところにこだわるのがオタクだねえ。しゃあない。

 20年ぶりの円安水準だそうでちょっと前まで1ドル120円くらいかと思っていたらもはや135円だなんてところまで来ていてここから円高に向かう要素が皆無なだけにもっともっと円安に振れていく可能性が高そう。かといって日本が金利を引き上げると途端に金の流れが途絶えて経済が死に、それで円安が進むだけという八方ふさがりの状況をいったいどうすれば脱することができるのか。公共投資で内需を拡大して景気を浮揚させるしかないんだろうなあ。それでインフレになるかっていうと今の細りきった需要では回復したって元の水準居すら戻りそうもないから大丈夫なんじゃないかなあ。って素人考えの経済政策ではとてもじゃないけど立ち浮き出来ない。プロよ頼む。本当のプロよぜひ頼む。

 東崎惟子さんの電撃小説大賞銀賞受賞作「竜殺しのブリュンヒルド」(電撃文庫)を読む。竜が暮らす楽園のような島があってそこにある智恵のみを狙って人間が押し寄せては竜に撃退され続けていたけれど、そんな最中に押さない少女が置き去りにされ竜の血を浴びて瀕死の状態。竜も見捨てようとしていたら生き延びてそのまま竜の下で智恵のみを食べたりして成長していく。いつか人間の世界に戻ることもあるかと人間に化けた竜としばらく人間の世界を旅してみたもののあまり好まず、そして戻った島で竜が殺され少女は人間の世界に連れ帰られる。そこで出会った父こそが竜を殺した准将だった。

 懐かしさより憎しみが募る少女が虎視眈々と知識を学び人に頼って従順な様を見せていった果てに起こす大騒動。それはいたずらの欲望を振りまく人間への継承でもあるけれど、竜自体はそうした運命を受けているのに人間の少女が憤るところが親の心子知らずというか、やっぱり人間こそが諸悪の根源なような気にさせられた。アバンとそしてラストに現れるシーンが現実離れしたものだとしたら続かずひとつの寓話としてこれだ終わってしまうんだろうなあ。紅玉いづきさんよりは童話っぽさよりファンタジーっぽさが立ち上がった寓話的作品として見るべきなのかな。

 やっぱりやりたくなる「ドンドンパン」をおおっぴらにやれる上映がついに行われるとあってパソコンにはりついてチケットを確保した「犬王」の”狂騒”応援上映に行く。大友良英さん演じる平家の亡霊の声も聴けてなかなかに良かったトークショーのあと、始まった上映ではもらった紙扇子あるいは小型ハリセンを手に膝にぶつけて音をだして手拍子では手の平が赤くなるのをどうにか避ける。前半こそ叩く場面が少なかったものの友有が犬王と知り合って彼のデビューを宣伝し始めるあたりから音楽音楽音楽の連続。そこでハリセンを叩きっぱなしでいたら時間がとても早く過ぎ去った。手拍子してるとライブシーンが自分と一体化してあっという間に過ぎるのかも。聞き込まなくても体で受け流すといった感じ。またやって欲しいなあ。やってくれると信じたい。


【6月12日】 CCCDを音が悪くなるからと一刀両断した山下達郎さんは実にクリティカルで、現実にCCCDは滅び去って先頭を切っていたエイベックスの音楽も下火になっていった感じがあったけれど、アーティストとしての音感とそれを形にする技術の知識が物を言ったCCCD批判とは違って、サブスクリプションへの批判は個人のポリシーに過ぎないところがあるにも関わらず、御大ムーブで周囲が乗っかり何かをスポイルしかねない懸念があったりする。

 それはNetflixだとかAmazonPrimeビデオといった映像のサブスクリプションへと波及し、映像を買いまくっては流すだけの猟師のような存在と見なされ唾棄されたりしかねないところを映像は、かろうじて自ら出資し映画会社やテレビ局の代わりに映像を作って配信しているところがあって面目を保っている。SpotifyだとかAppleMusicにそうした音楽のディベロップメント機能が見えないところがあるいは、達郎さんのサブスク批判に繋がっている可能性もあるけれど、それはラジオ局でも一緒だからやっぱりひとつのツールとしてとらえ、巧く使う方を考えた方がいい気がしてならない。

 僕自身、達郎さんのファンだしあまりサブスクを利用していない身であるにも関わらず、反応してしまうのはアジテーションによって世代間闘争が起こって分裂が起こりかねないから。湯川れい子さんのAKB商法批判も同様で、言いたいことは分かるけれども言っても詮無いことであって、だからこそ自らが世界に通じる音楽を発見してプッシュし続ければ良いじゃんと思うのだけれど、何かに奪われている感覚は歳を経るとやっぱり募るもの。そこを振り切れないからこそ時代は来る返すのでありましょう。日本からBTSみたいな存在感を持ったサウンドが生まれるには、それこそパリピ孔明が必要なのかもしれない。いやいやそれって中国の智恵じゃんとか言わない。

 パンって孫悟飯の子供らしいけどいったい梧飯と誰の子供かとちょっと考え、どうやらミスター・サタンの娘のビーデルとの子供らしいと分かってきた。梧飯とビーデルがどこで知り合ったのかについてはまるで思い出せないけれど、そもそも漫画版「ドラゴンボール」で描かれていたのかどうなのか。長く続いた連載の最後の方が分からない現象がここでも起こっている。ちなみにトランクスがブルマとベジータの子らしいということは分かっていたけれど、悟天とフュージョンをしたのと最初に出てきたのが同じなのか違うのかといったことまで思いよらなかった。クリリンと人造人間18号が結婚していたことくらいは知っている。僕の18号をよくも取ったなクリリンの癖にと思ったから。とはいえクリリン、あれで人類最強なんだよなあ。

 そんな曖昧な関係性で見た映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」。予告編では神谷浩史さんの声が勝っていたけれど、映画では正義の味方はウルトラマンゼロみたいにアイスラッガーめいた突起が2本ある2号が宮野真守さんの声で登場して、これで相手が神谷さんでなく小野賢章だったらタイバニと被ったところだったと胸をなで下ろす。人気声優ばかりキャスティングしていると起こりがちな現象。逆にピッコロの古河登志夫さんと悟空に梧飯の野沢雅子さんはほぼほぼ衰えなしに昔どおりの雰囲気を聴かせてくれたのでまだしばらくは同じ演技を期待できそう。

 映画はそんな新しい人造人間が、生みの親のドクター・ヘドともどもレッドリボン軍の残党に騙されブルマたちを悪だと思わされて挑むといったストーリー。そこで悟空やベジータやブロリーがいれば小指で蹴散らせただろうところを修行中な上に連絡が取れず地球には悟飯とピッコロくらいしか残っていない。それで立ち向かうためにあれやこれや工夫をこらし、残っていた悟天やトランクスや18号や17号やクリリンも結集しての総力戦。18号は髪が短かったけれども相変わらずのクールさでゾクッとさせられた。17号は目立たなかった。ってか生きてたんだまだ。

 「くまのがっこう」の映画版を監督した児玉徹郎さんが監督をしていて3DCGだけれど2Dライクなルックでちゃんと格闘シーンも見せてくれて東映アニメーションの次代の可能性って奴をさらに見せてくれた印象。作画で描いても大変だけれど3DCGでも大変なバトルを迫力も重量感も衝撃もちゃんと描ききっていた。日常芝居はちょっとCGっぽかったかなあ。あと巨大なTCXで見たのでところどころシャギーが出ていたような感じ。気のせいか? 思ったのはピッコロ直々に訓練を受けているパンは、サイヤ人と牛魔王とミスター・サタンの血を引くだけあってクリリンより強いんじゃないかということ。純ではないから人類最強とは言いがたいけどいずれサイヤ人化してクリリンを追い越していった時、自分は人間で良かったと思うのだろうかそれともヤムチャにならないよう頑張ろうと決意するのだろうか。気になった。


【6月11日】 サブスクリプションはマーケティングというよりもプラットフォームで、その上に音楽を置くことで誰でもいつでも繋がれる環境が出来てそこから好みの音楽を探したり知ったりしてアクセスして音楽への造詣を深めていくためのツールであって、昔だったらラジオが行っていたことをより機能を高めつつ代行しているに過ぎないとしたら、それを否定するのはラジオで音楽をかけることも否定するのかて話になりかねない。何がどこで流れるかがFM雑誌に出ていてそれを呼んで聴きたい曲が流れる時間にラジカセの前に立って録音ボタンを押していた人間にとって、サブスクリプションはそこから時間の概念を取り払っただけに過ぎないのだから。

 リコメンドのような機能だってラジオが以前からパワープレイとかヘビーローテーションといった形で繰り広げていたことであって、それが一時に数曲に留まっていたのが今はより細分化されあらゆるジャンルであらゆるチャネルからあらゆる時間に行っているとも言える。それだけ薄く個々に狭くなったとも言え広く濃く突っ込んでいくマーケティングとは対極にあるサブスクリプションを、マーケティングだからと切って捨てる山下達郎さんの意見にそのまま賛同するのはかつて、テレビCMで「RIDE ON TIME」に出会いラジオの特集で「FOR YOU」を聞き込んでファンになっていった身からすると、ちょっと寂しくそして矛盾しているような気もしてしまう。

 「だって、表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに」とYahoo!ニュースのオリジナル特集に掲載されたインタビューで達郎さんは応えているけれど、それを言うなら今のレコード会社だってアーティストが作った原盤を預かりプレスし宣伝を行い流通網へと流して儲けを取っているだけのディストリビューターに過ぎない。その機能をネットワークというツールで代替している人たちを「表現に携わっていない」というならレコード会社だってどうなのって話になる。でもそう言わないのは音楽を共に届けたいという意識を持った仲間だからで、それをサブスクリプションの会社に言わないのはちょっと違う気がする。

 以前に配信は音楽のクオリティが落ちるからと言っていてそれには帯域の問題もあって納得できたけれど、今やハイレゾ音源のサブスクリプションだって可能な時代にレコード会社と同じプラットフォーム機能としてのサブスクリプションをマーケティングと言って非難するのは何かひっかかるけれどもそこはまあ達郎さんだし、音楽のクオリティをとことん突き詰め作りアルバムという形に落とし込んで世に問い少数であっても最高の音楽を聴かせられる会場でしかライブをやらないスタンスには共感できるので、これからも聞き続けるしCDだって買うし当たらないけどライブには応募し続けるのだった。でもヤマザキマリさんのジャケットはちょっとなあ。ひっくり返すととり・みきさんだったら流石と思うんだけどなあ。

 ユニクロのブラトップのCMみたいなのを期待すると肩すかしを食らうとは言っておきたい「はい、泳げません」をTOHOシネマズ六本木で舞台挨拶付きで見る。だったら「Shall we ダンス?」かというとまるで違って予告編から感じられる泳げない男が美貌のインストラクターと出会い泳げるようになるまでを描いたコメディ映画ではなく、泳ぐことによって止まっていた、あるいは心が止めてしまっていた時間を動かし前へと泳ぎ出すまでを描いたシリアスでナイーブな映画だった。

 もちろん綾瀬はるかさんの水着での登場はあるけれど、ボディラインをなめらかにする競泳用水着なので凸凹はまるで目立たず、むしろほとんどパンツ一丁で出演している長谷川博己さんの分厚いとは言えない胸板となだらかな肩線とそして長い手足を見守る映画だった。見ていた思ったのはその体型、「シン・ウルトラマン」のウルトラマンにそっくりということでもし次に「シン・ウルトラマン」がCGではなく着ぐるみで作られることがあったら、中に長谷川博己さんが入ればぴったりなんじゃないかと思った。というか着ぐるみだと体型が薄れてしまうからここはボディペインティングで。せめてウインドブレーカーで。ちょうど発売されるみたいだし。

 東京都現代美術館での井上泰幸展関連シンポジウムを見物。膨大な資料をどう分類し、どうスキャンしファイルの名前をつけて保存しつつリスト化して行ったかが、手がけた人たちの解説によって聞けた。ある程度は姪の方の分類もあったけどそれを開け、アーカイブ化のためにデジタライズする作業は大変だった様子。そのワークフローが聞けて、興味深かったです。思ったのは、仕組みは作れても、タイトルでの分類から物品名のジャッジで知見が必要なこと。これは一体何の何なのかを即断してリストに書き込んでいかないと行けないから。そのためにノウハウを持っている人からの知見を集め、これからの世代に継承していくことが大切と感じた。会場には著名な方々が多数。参加された方はお疲れ様でした。


【6月10日】 それは漫画かそれとも少年野球か。大リーグのロサンゼルス・エンゼルスに所属している大谷翔平選手がボストン・レッドソックス相手の試合に投手として登板し、7回を1失点で切り抜け13連敗からの勝利に道筋を着け、そしてその大谷選手が今度は打者として逆転の2ランホームランを放ってチームを勝利へと導いた。もちろん自分も勝利投手に。大リーグのサイトは「ワンマンショウ」といった大見出してその活躍をトップで伝え、そしてレッドソックスのお膝元の新聞、ボストン・グローブも大谷選手の写真をサイトに掲載してその偉業を伝えている。

 少年野球なら投手で4番は当たり前だし高校野球でも桑田真澄選手をはじめ投手で強打者というのはザラにいるけど、分業が進んだ現代野球のそれもプロの最高峰たる大リーグで、二刀流がまかり通っているだけでも不思議なのにその最高峰たる先発からの勝利投手&打者としての逆転ホームランを同時に成し遂げるなんて普通はあり得ないし普通でなくてもあったらおかしい。そのおかしいことを期待どおりにやってしまうから大谷選手は何があっても大リーグの選手たちから敬意をもって讃えられている。いくら審判が判定を渋くしたって気にせず臨んで結果を出すんだからもはや審判団も認めるしかないだろう。あとは大谷選手を大リーグの顔として売り出しファンを獲得してNFLとかNBAの後塵を拝し気味の人気を再燃させるしかない。

 中野方面に出かけるついでに阿佐ヶ谷まで脚を伸ばして「ぱすた屋」でペスカトーレ。函館名物のイカスミナポリタンも考えたけれども真っ黒のをそれから出かける前に食べる気力は流石に起こらなかった。食べれば美味しいことは分かっているので提供されている月内に再挑戦しよう。ペスカトーレは見た目は先月に食べた群馬名物の激辛ベスビオにそっくりなんだけれど、黒く焦げた唐辛子が乗ってないだけで味がまるで変わってしまうところが面白い。唐辛子も食べている時は大変だったけれどすぐにスッと引いたから悪くなかった。でも普通に食べられるペスカトーレの方が嬉しいかなあ、とか言いつつ普段はかけないタバスコをかけたのだった。やっぱりベスビオ、癖になる。

 阿佐ヶ谷のスターバックスでちょっとだけ仕事をしてから中野へと出て中野サンプラザで開かれるSCANDALのツアーグッズからTシャツを購入。大昔に千葉市文化会館だかどこかで開かれたライブでTシャツを買った記憶があるけれど、SCANDAL自体を見るのもそれ以来な感じでいったいどんなバンドになっているのか皆目見当が付かないのだった。Tシャツはデザインもおしゃれで最近はロックでもなくアイドルでもない路線に行っているのかと想像。まあそりゃあ全員が30歳を超えて来ているからいつまでもギャルな路線はとれないだろう。

 とかいいつつライブが始まっているとそれこそ昔の制服風のコスチュームでも勤まるくらいに全員が若々しくて声も若々しくてそれでいて演奏のレベルが上がってとても良い感じに仕上がっていた。新譜「MIRROR」をひっさげてのライブということでアルバムをまだ聴いてなかった身にはどれが新曲か分からなかったけれど、印象からそれまでのビートに乗ってギターサウンドが響くハードロックとはちょっと違った、メロウでナロウな印象の楽曲が最近の曲だとしたら音楽性にも広がりと奥行きが出てきた感じ。HARUNAの声は相変わらず元気でそれでいてバラードもこなすところに重ねた年月も見えた。

 MAMIのギターも相変わらずに鳴りひびく。そしてTOMOMIのベースの巧さよ。重低音がぐんぐんと響いて会場内を煽るのに、当人はふらふらとしたりくるくると回ったりしながら弦も見ずフレットも見ないで平気で弾いている。昔から巧かったけどどんどんと巧くなっているなあ。海外ツアーで見初められてどこかのハードロックバンドに引き抜かれて世界デビューしたって不思議はないけど、それをやられてしまうとSCANDALの癒やしが減じてしまうので今すぐにはあげないよ。ドラムのRINAもずっと叩き続けてそして歌まで唄ってと大変。外さないビートでなおかつ突き抜ける音をあの体型でやってしまうんだから凄い。やっぱりSCANDALは一流だ。

 総じて演奏し続けていたけれど、アンコール前のシングル曲「one more time」ではHARUNAがギターを下げてマイクだけ持って踊りながら歌ってた。かつてダンスと楽器のアイドル的なユニットとして慣らしただけあってダンスはお手の物。それは今も変わらないところを見せてくれた。全員が踊る曲も見たかったなあ。「瞬間センチメンタル」とか「太陽と君が描くSTORY」とか「HARUKAZE」とか懐かしいヒット曲もやってくれたので昔を思い出せた。観客席はそんな昔から来ている人もいれば若い人もいて女性も多かった。さらに若い人にも広がって欲しいけれど入ってくる入り口はあるんだろうか。音楽番組がなくなりPVと配信がメインの中でガールズロックがファンを獲得するチャネルが何か気になる。こちらとしてもその一助になるよう口コミに努力だ。次もまた行こう。


【6月9日】 日付が分かると同時に「犬王」の手拍子サイリウムOKな上に大友良英さんと後藤幸浩さんが音楽談義をしてくれる“狂騒”上映のチケットを確保。アヴちゃんと森山未來さんと脚本の野木亜希子さんが登壇した舞台挨拶付きの上映を見たばかりだけれど、そこで登壇者がお進めしていたまだ脚が生える前の犬王の愛らしい動きだとか、顔を取り戻したのに能面みたいな犬王が無音の中を舞うシーンを確かめつつ、手拍子でもってスクリーンの中のフェスを外に引っ張り出した空間に身を置いて、いっしょに楽しみたかったのだった。どんなフェスになるかなあ。歌えたらもっと最高なのに。

 博多の人口のほとんどが殺し屋だというとんでもない設定の「博多豚骨ラーメンズ」(メディアワークス文庫)とキャラクターを少し引き継いだ木崎ちあきさんの「百合の華には棘がある」(メディアワークス文庫)。ハッカー青年が実は国会議員の御曹司だとう設定を生かして野党の新鋭国会議員として政界へ送り込みつつ、起こる事件を探偵女子を動かし探らせ弱みを握ったり悪を懲らしめたりしていた。

 そんな中に加わったのが刑務所から出たばかりの元格闘家女子。昏睡させられ襲われ書けたところを抵抗したら相手が転んで打ち所が悪く死んでしまったという業務上過失致死で3年を食らって出所したら働く場所もなく食べ物にも困っていたところを探偵女子に助けられ、そのまま居着いて政治家の関わる事件に首を突っ込んでいく。その先に格闘家女子を過去に襲った不幸な事態の原因も発見。さらに宗教団体のテロの裏にあった謀略までもが浮かび上がってちょっとしたスパイ大戦へと発展していく。博多でにわか侍の活躍が見られた前のシリーズとは違ったサスペンス。これは続きが楽しみだ。

 「ハケンアニメ!」の舞台となった大泉学園にある日本最大のアニメーション会社の前に立ってる映画館で、「ハケンアニメ!」が上映最終日を迎えてしまうのでこれは聖地でやっぱり見たいとはるばる遠征。たぶん前の東映アニメミュージアムが閉館になった日に行って大塚康生さんをみかけて以来となる大泉学園でさて昼食でもとろうと見渡して、チェーン店ではつまらないと通りがかった中華料理屋「祥龍房」に入ったらこれがなかなかにボリューミーな豚キムチチャーハンを食べさせてくれた。これはなかなかリーズナブル。また生きたいけど遠くて行けそうもないものの、同じ名前の店が各所にあって同様にボリューミーな街中華を食べさせてくれるそうで、今度近場に行ってみよう。水道橋かなやっぱり。

 タリーズとロッテリアで時間を潰してから「ハケンアニメ!」。個人的には4回目。決して大きなシアターではなかったけれど、それでも半分くらい埋まっていたのはなかなかで、これで上映を終えてしまうのはお膝元でもあるだけに勿体ない気がしてならなかった。幸いにして本家のお膝元となる丸の内TOEIではまだしばらく続くみたいなんで、そっちであと1回くらいは見てみたい。上映最終日が決まればそれも行って拍手喝采したいなあ。あと4回目にしてやっと気づいたトウケイアニメーションにあった箱に書かれてあった「スイキュー!」の文字。どんなアニメだ。


【6月8日】 リストラを喰らってメンタルが粉砕されていた時期だったこともあって2019年から行かなくなって3年目。久々に秋葉原へと出向いて交差点で手を合わせてくる。4年ぶりで供えてあった花とかは少なくなっていたけれど、それでもちゃんと思って訪れて手を合わせていく人もいたいするところに、自分たちの街の秋葉原で起こった、自分が巻き込まれたかもしれない事態で亡くなられた、自分の分身のような方々を悼む気持ちは減じていないことがよく見えた。あるいは自分が起こしたかもしれない事件への複雑な思いを抱えた人のきっといただろうことも。きっと来年も行くだろう。その次の年も。可能な限りそこで自分だったかもしれない被害者と加害者を思うのだ。

 取り囲むメディアは前に比べて減ったとは言え、やっぱりそれなりに来ていて交差点の献花に手を合わせる人を狙おうと待ち構えていた。自分はすっと行ってさっと手を合わせてそのまま通り過ぎたから反応は見えなかったけど、朝とか大変だっただろうなあ。それはお仕事だから良いとして、いわゆる霊前とも言える場所でしゃがみこんで退屈そうにしていたり、立ってはいても熱心にスマートフォンを見ているのは弔意としてどうなんだろう。誰かのお葬式に取材に行ってスマホを見てたりしゃがみ込んで写真をとってたら蹴飛ばされるか祟られるだろう。そうした“常識”から治外法権にいると思っているところに、メディアの人々からの乖離があったりするのだろう。もうどうしようもないのかなあ、この惨状。

 これは面白い。「薬屋のひとりごと」の日向夏さんによる新作「聖女に嘘は通じない」(フロンティアワークス)は国の外交の顔を鳴る神子(聖女)を選ぶ試験が行われ、そこに教会で孤児達の面倒を見ながら街に出てはギャンブルに精を出して金を稼いでる神官のクロエに、なぜか白羽の矢があたって候補者として成金侯爵の息子だけれど結構やり手のの騎士に連れて行かれる。そこではすでにお嬢様的な態度の候補者は、圧倒的な美少女の候補者や、ぼわんとして動物好きの候補者や、女の子が可愛い服を着るのを見るのが大好きな候補者がいてそこにクロエは新たに加わることになった。

 他の候補者は実は2年前にも同じように集められていたけれど、その時にいた候補者の1人がボウガンで撃たれ死んでしまったことから延期となっていた。クロエはいわば欠員補充の形で参加したことになってそして、本当の目的としての犯人捜しを始めることになる。聖女は異能があるか得意なことがあるかするらしく、クロエはそれがギャンブルで慣らした嘘を見抜く力。そして聖女候補の中にいるかもしれない犯人を、その能力で以て探し始めるという展開は一種のミステリーとなって誰が嘘をついているか、そしてどうして候補者を殺したのかといった真相へと迫っていく。

 その構成も面白ければキャラクターも個性的。おつきの騎士は剣の腕より金の力で解決を図り、侍女は可愛い物が大好きで見ると鼻血を出すと行った具合。それでもコメディには走らずしっかりと政情から心情から条件として考慮された展開となっているから、推理しつつ明かされる真相に驚ける。その結果はなかなかにシビアあけれど、良い人が悪い場合もあれば悪い人が良い場合もあってバランスはとれているからちょっと安心。続きは描かれそうにもないけれど、楽しいキャラクターたちをこれで終わらせるのは勿体ないから、修行に入ったクロエたちが巻き込まれる事件に候補者たちが再結集なんて展開を呼んでみたいかも。待ってます。

 「犬王」の舞台挨拶付きイベントがあるので新宿へと向かおうとして途中で思い立って新宿御苑に寄ったら、新海誠監督の「言の葉の庭」に登場した東屋が柱の傾きが発生した関係で工事予定とあって立ち入り禁止になっていた。座ってビール……はだめだからノンアルコールとチョコで時間を潰したかったのに。傾いているから柱あけ直して元通りにしてくれるとは思うけど、これを機会とこぎれいな建物に変えてしまったら映画の聖地が消えてしまうことになる。ただでさえ映画のようなトークンではなくバーコードによる改札になってしまった新宿御苑が、これ以上変わってしまうのは寂しいので元通りの再建を願いたい。

 「犬王」のイベントではアヴちゃんが自分は平家の末裔だってことを教えられたと話して場内大湧き。好きな踊りでは1番最後の、無音で顔を取り戻した犬王がけれども無表情で待っている姿に切なさを感じたと話してた。人間なのに能面みたいなその表情から、一変して元の顔に戻るラストがだから余計に嬉しくなるのだ。そんな「犬王」では脚本の野木亜希子さんが書き下ろしたショートストーリーが収録された小冊子が11日から配られるとか。ほかに字幕入りの上映とか、オーディオコメンタリー付き上映もあるそうで、行って歌詞を感じながら見たいし、コメントを聞きながら見たいし、二次創作めいたお話しに想像を膨らませながら見たい。あと数回は行かざるを得ないなあ。


【6月7日】 朝からアップル界隈が騒がしかったのは新型のMac Book Airが発表になったからみたいで、自社製チップのM2を搭載したマシンは薄くて軽くて速いといった三拍子が揃ったものになっているようで、値段も20万円とかしないならちょっと使ってみたい気も生まれて来た。一時期シャープのメビウスとかを使った後、もう20年くらいはThink PadのXシリーズを使っていいて、今もX280を使いながらちょっと前に買って置いたX390にいつ乗り換えようかと思いながら、データ移行の面倒くささとソフトのインストールの手間を考え、逡巡していたりする。

 そうこうしているうちにThink PadのXシリーズは3ケタシリーズが消えてX13とかいったネーミングになっていたりして、こだわりも薄れていた今のこの機会にMacに切り替えてみても悪い話ではないけれど、やっぱり気になるのがキーボードのタッチ。字を書く人間にとって大事なそれを切り替えるのって結構勇気がいるのだった。とはえい最初はマックだった訳で、LC575と買って28年くらいになるんだろうか。ノートブックの性能の悪さからモバイル以降時にウィンドウズに乗り換えたけれど、そろそろ宗旨を変えてもというか戻しても悪くないかなあ。ほら、基本なんでも経費に出来る訳だし。あっと10万円超えれば減価償却対象か。ちょっと考えよう。

 見かけたのはたぶん、2代目の「AIBO」が発表になった会見の時と、それから秋葉原でスタートアップ企業が集まった時に「ガッチャマン クラウズ」に登場するトミーカイラを作っていた会社を支援する人として登場した時。今をときめくソニーのトップだという時代と、ソニーを去って悠々自適におさまらずいろいろと新しいことを探している時代の両方ともスタイリッシュでエネルギッシュなビジネスパーソンといった雰囲気を感じさせてくれた。<

 あとは茶目っ気。これがたぶん重要で、ただカチカチに固まって戦略を立てて正しい方向に行くだけじゃなく、先は見えないけれどもたどり着ければ凄いことが待っていそうな分野へと道を切り開く時に、深刻そうな顔をするより明るくて楽しげな表情でいた方が、周りもついていくし失敗しても次があるさと割り切れる。だからこそ取締役から社長になって撃ち出したインターネットの事業で今のネットワークで大きな利益を稼ぎ出すソニーの今を作ったとも言えるし、ゲーム事業を後押しして今のソニーの屋台骨を支える存在へと押し上げることができたとも言える。

 金融だってインターネットがあっての物だね。違うとすればコニカミノルタから買収したカメラ事業くらいだけれどこれだって1990年代のイメージセンシングへの投資があったから保っているところもある。AIBOだとかクオリアといった方面は成功したとは言いがたいけれど、ソニーというブランドに先進のイメージを持たせる役には立った。これがあったからこそ安い家電のイメージがまとわりついたサンヨーのように消えず、何をやっているか今ひとつ煮え切らないパナソニックのように安閑としないでソニーを日本でも屈指の優良企業のままでいさせたんだろう。

 出井伸之さん。若くはないとはいえ亡くなる歳でもなかった。こうして平成の経営者が去って行き、残るのはネットで一山当てた、新しいプロダクツもサービスも生み出さないフリーライダー経営者ばかりで日本の未来やいかに。まあソニーだってプロダクツに関してはテレビはじり貧でイヤホンも高級化に走る一方。ライフスタイルそのものを作るプロダクツは生み出せていないものなあ。プレイステーション5が未だ先進を走る状況から、次の時代に覇権をとれるプロダクツは生まれようとしているのか。それは何なのか。気になって眠れないかもしれないなあ。

 強い強い井上尚弥選手がボクシングの試合に出ていたのをAmazonPrimeビデオで観ていたら、過去に最強と言われていたWBCの世界バンタム級チャンピオンを倒してWBA世界バンタム級スーパー王座とIBF世界バンタム級王座を守って3団体の統一王者に輝いた。日本では初とか。これにあとWBOを加えれば4団体統一となるんだけれどそれに相手が応じてくれないとなるともはや防衛戦だけになってしまうから、階級をスーパーバンタム級に上げて新しく挑戦を始めるんだろう。パンチにスピードがあって破壊力もありそう。とにかく迫力の試合を今は地上波じゃなくネットが配信する時代なんだなあ。その方が世界で観られてチャンピオンとしても嬉しいんだろう。ボクシングは強く経済はヘタる日本の今を観た気分。AmazonPrimeビデオは次、どんなスポーツを提供してくれるんだろう。


【6月6日】 「湯川専務」としてセガ・エンタープライゼスの家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」のCMに出演していた湯川英一さんが亡くなっていたとの報。自虐的な内容とともに大うけしたけれどもスタートダッシュで台数が揃えられず出遅れたことの責任をとらされ常務に降格された時、それが人事として正式に発令されたものだったことがどうしても引っかかって、プロモーションを手がけていたあろう秋元康さんとそれを諾々と受け入れたセガが一変にきらいになった。

 ソフト担当でハードは管掌していなかった湯川さんが目立っているからと責任を取らせて笑うのは、働いている人たちにとって絶対に良くないと思ったから。そんなガバナンスを平気でやらかす会社が後にどうなったか、って考えるとやっぱりという気がしてしまう。プロモーションは巫山戯ても経営で巫山戯てはいけないという例。でも今は巫山戯た経営が持てはやされる時代だからなあ。やれやれ。

 湯浅政明監督を迎えて阿佐ヶ谷ロフトAで行われた「犬王」の作画を語るイベントで、犬王が足利義満の別荘で演じた際に竜が動き回る部分で竜の影が伸びたり縮んだりする映像を作る際、「10番目の感傷(点・線・面)」という作品を使ったってことにちょっとだけ触れていた。タイトルからはピンと来なかったけれど、光が動いてそれが鉛筆とかの影を壁面に映し出す作品と聞いて、アーツ千代田3331で見かけたあれかと思い出したけど、作者の名前までは調べなかったら今日になって新潟県にある美術館で、クワクボリョウタさんが手がけた「LOST#6」という作品が壊されたといったニュースが出てきて、その作品が光でもって影を映し出す作品だった。

 そしてクワクボリョウタさんこそが「10番目の感傷(点・線・面)」の作者だと分かってなるほどここに繋がるかと思ったのはさておいて、たぶん部屋にごそっと置かれた品々を間違えて蹴飛ばしてしまった程度かとニュースを見たら、踏み荒らしたとあってこれは意図的な破壊だと気がついた。修学旅行で出かけた中学生のやんちゃな奴らが部屋に転がるおもちゃのような物をみて、蹴飛ばしていてエスカレートでもしたんだろうか。でもそれは作品であって先日ルーブル美術館で行われた「モナ・リザ」にケーキをぶつけるのと同じ所業。「モナ・リザ」はガラスに守られて無事だったけどこちらはむき出しの作品が破壊されてしまった。

 そこにある品では再現は不可能らしいけれども偶然に頼るインスタレーションではなく光と影を計算して作り出す作品だから、設計図通りに部品が揃えば再現は出来ると思うもののその手間とコストが大変。コストについてはどうにかするとして手間については踏み荒らした中学生を呼びだして展示室に入れてアーティストといっしょに作品の再現に取り組ませれば、どれだけの労力で作られた作品かが分かって教育にもなるんじゃないかなあ。明和電機の土佐正道社長は自分の作品が壊されたらそうするってツイートしてた。応じるかは別だしクワクボリョウタさんの腹の虫がそれで治まるかも分からないけれど、いたずらに罰するだけではない道を見つけて欲しいもの。気にしていこう。

 仕事から戻ってTverでサッカー日本代表とブラジル代表の親善試合。シュートを放った瞬間に停まるとかTver回戦が弱すぎだろう。それとも自分のモバイル環境が細いのか。それでもだいた観られて日本代表が相手ゴールの近くまで攻め込めてもそこでボールを持ちすぎて奪われ良いところを作れない一方、ブラジル代表はワンタッチで繋ぎドリブルでも突破してどんどんと攻め込んでいくところに大きな違いがあると分かった。

 スコアは0対1でそれもネイマール選手によるPKではあっても、枠内シュートがブラジルの22に対して日本は5、そして枠内シュートが日本は0というところに歴然とした力の差がある。それで喜んでいるようでは本番で引き分けても勝ち上がれ歯しないだろうなあ。冨安選手と前田大然選手と三笘選手と南野選手といった持てて切り込めて受け渡しができる選手をちゃんと揃えよう。久保健英選手は……申し訳ないけどいらないなあ。


【6月5日】 映画「響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜」が公開された3か月後に起こった事態で多くのものを失って、もう立ち上がれないのと大勢の人を心配させて、それも仕方がないと諦めさせた京都アニメーションは、その後もちゃんと立ち上がって数々の作品を世に送り出し、大丈夫だっていうことを見せてくれている。そして3年生編がアナウンスされていた「響け!ユーフォニアム」シリーズも、3年を経てようやく立ち上がることができた模様。アンサンブルコンテスト編とそして久美子の3年生編が、相次いでアニメーション化されることが発表された。

 アンサンブルコンサートは2年生になった久美子たちが関西大会から先に進めなかったことを踏まえつつ、部長となった久美子が滝先生と相談して、少人数の編成で演奏する大会に出場することを決めてその代表を選ぶ演奏会を部内で開くことを描いたもの。それまで目立たなかったマリンバとか他の楽器の面々が名前を出して登場して、3年生になってから起こるいろいろな事態に備えさせてくれる意味合いもあって短いながらも厚みがあった。それを映像でみられるのはちょっと嬉しい。ジョイナス先輩無きあとの貴重なメガネ枠で、妹が癖のある釜谷つばめの正確無比なマリンバの演奏とか、ここでお披露目されるわけだし。ワクワクしかない。

 そして3年生編は、部長になった久美子がユーフォニアムのリーダーとしての地位も安泰かというとそこにとてつもないライバルが登場。さらには癖のある1年生がどっさりと入り面倒臭い2年生も含めてしっちゃかめっちゃかの中、久美子にとっては最後の全国大会に向けた1年が始まるというこれもドラマティックなストーリーが待っている。最後の最後まで気が抜けない展開をどう描くのか。久美子ら4人の結束は少し前の北宇治高校吹奏楽部の定期演奏会で確かめた。ならばあとはその結束を描く人たちの頑張りに期待するしかない。キャラクターも楽器も思いを受け継ぎ素晴らしいものを描いて魅せてくれるに違いない。期待して待とう。

 せっかくだからと渋谷にいって「攻殻機動隊SAC_2045」の展覧会をちょっとだけ見物。絵がある訳ではなくってイリヤ・クブシノブさんがデジタルで描いた絵をいろいろと投射する窓みたいなものが並んで、固定させず移動しながら絵が移り変わっていく空間になっていた。そこにARらしきものが展開されてスマホ越しに見ると何か見えたけれども光の粒子が飛んでいたくらいで面白みにはちょっと欠けた。それとも操作が悪かったんだろうか。VRでは電脳世界に入り込んだような気分が少し味わえたけど、これも以前に試した攻殻VRほどの迫力はなかったかなあ。素子出ないし。まあご祝儀。ニューバランスを頭に乗せた素子のTシャツもあったけど高いからパスだ。

 あの夏、かたわらを通り過ぎていった、なにか大きなものが何だったのかが分かった。それは、ひとつひとつが自分はどこに向かっているのかを思って、歩き続けてきた道の集まりだった。いろいろと話題の河瀬直美監督による映画「東京2020オリンピック SIDE A」。集まった道のそれぞれが、どこかへと向かって歩いていったそのく先を見せてくれた。観たTOHOシネマズ渋谷でそこそこ入ってた。半分位高齢者。その人たちの期待をはぐらかして、映画は個に目を向けて何かに沿わせず、何にも阿らないそれぞれのオリンピックを淡々と描き出した。勝利も敗北も棄権も参加もその人のものとして映し、良かったねと思わせた。

 柔道。女子バスケットボール。ソフトボール。スケートボード。サーフィン。陸上女子200メートル。陸上女子マラソン。空手型。日本が金に輝いたソフトボールや銀を獲得した女子バスケットボールはなるほど華々しさを伝えていたけど、そこからむやみに感動を抉りだそうとはしていなかった。女子バスケットボールはむしろ、カナダから参加した選手が生まれたばかりの子供も連れて来日し、母乳を与えながらプレイに臨んだ姿を見せる一方で、出産後に復帰したものの開催延期で再び引退した日本の元選手を対比させ、自分がそうありたいと思ったからそう生きることの強さ、そういうものだからと認め身をなぞらえさせた優しさのどちらが正しいのではなく、そこに人それぞれの行き方があるのだと教えてくれた。静謐な中に蠢動する表現への思いを感じられる映画。悪くない。


【6月4日】 庵野秀明セレクション「ウルトラマン」4K上映を前にTOHOシネマズ池袋で見た「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島は、前半の苛立つブライトとか相手の士官の浮つく声音に、安彦良和さんの描く漫画的な口の形や表情が重なって感情移入を妨げ、そして半ば遭難で半ば虜囚の身なのに問わず手前勝手に振る舞うアムロの態度が共感を阻害して、見ていてどうにも居たたまれなくなった。「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」でも感じた部分ではあったけれど、より激しくなったのは最後だからと安彦良和監督のやりたいようにやらせたからかなあ。

 好きならハマれたかというとそこはやっぱり漫画とアニメーションという表現の差もあり、乗っていない音声の替わりを絵で描いた表情で行う漫画になおかつ音声まで乗せたらクドくなって当然といったところで、過剰な波動に圧倒されて入り込もうとする気持ちが妨げられる。それでも、後半の三つ巴なモビルスーツ戦になってからは状況が進んだこと、表情や声になれたこともあって観られるようになった。

 モビルスーツ戦に関しては、CGI演出を頑張ったYAMATO WORKSの森田修平さんがアカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされるくらいの世界的な腕前でもって、スリリングな映像を作り出してくれたからなのか引きつけられた。ストーリーに関してもあの島にククルス・ドアンが残り続けた理由がしっかりと描かれていて、単なる脱走兵による贖罪の日々とは違った意味性を感じられた。サザンクロス隊の当て馬ぶりは可愛そうだったけれど、生き残らせて本編に絡ませるにもいかない存在ならああいった結末もしかたがない。だったらコアブースターは何なんだ。いやGファイターじゃないなら劇場版準拠といえるけど、だったらあの描写はなになんだ。1.5倍のゲインがあったのか。気になった。トニーたけざきさんも驚きだっただろう。良かったねえ、セイラさん。

 阿佐ヶ谷ロフトAで「アニメスタイル」のイベントとして「『犬王』の作画を語ろう」が開かれたので見物に行って最前列で聞く。湯浅政明監督を脇に置いて亀田祥倫さんと中野悟史の両総作画監督が主にどんな仕事をしたかを話す内容から、なかなかに厳しいスケジュール感で進んだ制作の状況が垣間見え、そうした結果として作り出された映像の素晴らしさに改めて頭が向かう。最初は原画として呼ばれながら作画監督を任され総作画監督にまでなってしまった亀田さんはヒップホップみたいな犬王のダンスを描いたみたい。いろいろな映像をミックスしてロトスコープ気味に作ったみたいだけれどそこにアニメーターならではの手癖も乗ってヌメヌメではないイキイキとした生命感が表れている気がした。

 そんな亀田さんが描く友有の並びの悪い歯を見せ歌う場面がさらに「ポリゴン数が多い」感じに描かれたという原画があって、まだ若い人がスケボーで通い帰りながら作ったそうでクールでスタイリッシュでそれでいて泥臭いアニメーターが生まれて来ていることを知る。若い人では女性で犬王が池の上を優美に舞うシーンとかを描いたアニメーターがいて、湯浅さんに自分のポートフォリオを見せて加わりサイエンスSARUの作品に関わり上で前を上げて「犬王」で湯浅さんが褒めるアニメーターに成長したとか。そういう人がぐんぐんと現れているんだなあ。同じことが老舗でもちゃんと起こっているんだろうか。気になった。

 演出の人の突拍子もないキャラクター性も愉快だった。傍若無人だけれどマッチョではなくナードな感じ。きっと庵野秀明監督もこんな執着だったんだろう。将来が楽しみ。逆にベテランも凄い人たちが松本憲生さんも含め関わっているんだけれど、自分に納得ができないのかそれとお生来の性格なのかクレジットに名前を載せることを嫌がる人もいたとか。結果としてクレジットを見てもその人が参加していたと分からない作品が増えていく。そして口頭では参加したことが語られていく。アニメスタッフのデータベースに端っこで関わっている身として、どちらを“正史”とすべきか迷う。せめてパッケージには名前を入れておいて欲しいなあ。順番も謙遜で位置を迷いながらもがっつり関わっているというから、クレジットの順番が軽重にもならない問題への対応も考えないといけないなあ。


【6月3日】 シュワ!とばかりに古谷敏さんいよる生スペシウム光線ポーズを目の当たりに出来て嬉しかった、庵野秀明セレクション「ウルトラマン」4K特別上映 in TOHOシネマズ池袋。ゲストにウルトラマンの中に入って演技をしていた古谷敏さんを招き、清水崇さんがいろいろと訪ねていくトークショーが行われて、古谷さんからまずは「シン・ウルトラマン」について自分への愛を感じてくれている描き方だと喜んでいた。

 モデルになっただけでなく、モーションアクターも務めたことが「シン・ウルトラマン」のクレジットに書かれてあって御年78歳にしていったいどれだけの演技をしたのか、気になったけれどもそこはまだオフレコらしく多くは話してくれなかった。ただ、披露してくれたスペシウム光線のポーズを見るにつけ、そのやや前屈みになった角度だとか指先まで神経が通った腕の組み方が、まさに「シン・ウルトラマン」で見たまま。ウルトラマンのウルトラマンたる部分において、そのモーションをキャプチャしたんじゃないかととりあえずは確信している。いつか詳細が明らかになる時を期待しよう。

 上映される「ウルトラマン」の4作品についても解説があって、最初の第18話「遊星から来た兄弟」についてはザラブ星人が返信した偽ウルトラマンの頭が重いのほか固く、相手が普段いっしょに組んでスタントをしていた人でなかったこともあって距離感がつかめずチョップがあたってしまって、つい痛がってしまったという。本当は没なのに使われたことが今でも意外なよう。醜態は見せたくないというプロのスーツアクターを感じさせた。

 第26話「怪獣殿下(前編)」については庵野秀明さんが「ウルトラマンが美しくやられていく様」を讃えて選んだそうだけれど、それについてゴジラのスーツアクターとして有名な中島春雄さんから、美しく戦い美しくやられるようにと言われたことを実践したのだとか。なるほど上映された対ゴモラ戦でウルトラマンは暴れず悲壮さともちょっと違った名流れるようなやられっぷりだった。しかし前編だけしか上映しないのは殺生だよなあ。どうやってゴモラを倒したんだっけ。気になって夜寝られない。

 第28話「人間標本5・6」のダダ戦については、相手が人間型ということもあってプロレス技を意識したとか。なるほどいきなりレッグシザースで倒し、途中でネックシザースで転がしといった具合にプロレスで見られる技を繰り出していた。でもその細身で長い手足から繰り出される技は、パワフルなプロレスとは違った優雅さを感じさせる。そこが単なる怪獣プロレスを超えた美を見る人に感じさせたんだろうなあ。

 古谷さんだからこそのウルトラマンという訳。それについては成田亨さんからも「ウルトラQ」から続いてのスーツアクターとしての付き合いもあって、ウルトラマンを表現する上で古谷さんだからこそ作れるんだと言うことを訴えてくれていたとか。そんなウルトラマン役を途中で降りることも決めていた古谷さんだけれど、渋谷から円谷プロのある成城まで乗ったバスに乗ってきた子供たちの口からウルトラマンの話題しか出なかったことから、子供の夢を壊してはいけないと気を入れ替えたという。

 子供についてはあの円谷英二監督から、古谷さんが中に入ったウルトラマンが話しかけている有名な写真に関連して話があって、よく聞き取れなかったけれども子供に愛される存在になって欲しいという要望があったらしい。他には「息は苦しくないか」「目は見えるか」といった労りがあったとか。それも中島春雄さんから聞いていた、スーツアクターに優しい円谷さんに触れて古谷さんも嬉しかったみたい。ニコニコとして振り返っていた。

 上映4本目の第34話「空の贈り物」は実相寺昭雄監督だけあってウルトラマンがバトルし倒す展開とは違うものの、そんな実相寺監督が撮る怪獣へのこだわりが記憶に残っているとのこと。スカイドンは重たいという設定だけれど着ぐるみとしては軽かったとか。それを重そうに表現するのは以外や楽だったとか。重たいものを軽そうに扱うよりはそりゃあ楽だろうなあ。そして見た映像はスプーンが! 今も鮮明に覚えている『ウルトラマン』屈指のギャグシーン。4Kで見られて良かった良かった。もう1回くらい劇場に行って見るかなあ。


【6月2日】 エンターテインメントとは関係のない取材仕事で藤沢市へ。横須賀線を戸塚で降りて横浜市営地下鉄のブルーラインに乗り換えて湘南台まで行くと結構な規模の駅舎で、さすがは小田急線も停まるターミナル駅だと感心する。とういか慶応大学の湘南藤沢キャンパスってこの湘南台からバスで行くのか。東京から通うとするととてても大変そう。かといって近所に下宿すると遊びいくのは東京はもとより横浜だってなかなか遠い。どういうキャンパスライフなんだろう。気になった。

 慶応ボーイといえばお洒落の権化でもあるんだけれど、都心の三田に比べれば日吉もなかなかローカルな上に、さらにローカルな藤沢の海から遠い場所にあって慶応ボーイだなんて自慢できるのかはちょっと謎。とはいえ一方でSFCといえばハイテクな起業も結構あったりする最先端のキャンパスでもあって、都心だから偉いといった時代でもないことをある意味で証明しているとも言えるのだった。マサチューセッツ工科大学だってニューヨークやワシントンにある分けじゃないからなあ。

 取材先まで歩いて行けそうだったので湘南台駅を西口から慶応大学湘南藤沢キャンパス方面へとつらつら。良い天気の中を自衛隊機が飛んでいったけど近所に基地でもあったのか。途中に巨大ないすゞ自動車の工場があったけれど昔は格好いい乗用車を作っていた会社も今はトラックくらいしか作ってないんだと思い時のうつろいを感じる。取材先では@時間半くらい滞在。営業車を5台以上転がしている事業所は、運転する人のアルコール検査を毎日乗る前と帰ってきた後にやらなくちゃいけなくなっていることを知る。新聞社も支局に寄っては記者が乗用車を転がし取材しているけれど、同じように検査を義務づけられるのか。飲酒運転で事故を起こして解雇された記者もいたりするだけに気になった。

 取材を終えて必要な写真もあったので湘南台から小田急で藤沢へと出てそこから片瀬江ノ島まで行って橋を渡り江ノ島に行く。いったい何時依頼の訪問になるんだろう。ずっと昔、「Just Because」が流行った頃に登場したモノレールに乗って大船から江ノ島へと出てそこから渡った記憶があるけれど、まだ仕事をしていた時代だから軽く3年は経っていそう。その後コロナになって寄りつくことすらはばかられたけど、今は人出もそこそこ回復して島に入って神社までの参道も人でいっぱいで、食堂も人が並んでた。なので生しらす丼はお預け。今年は海の家も出るみたいだし本格的な復活も期待できそう。この環境が去年だったらオリンピックも盛り上がったのになあ。やっぱり2年延期すべきだったんだよ。それを安倍元総理が……。ポン酢の世話は大変だ。

 帰りは前に乗ったモノレールを逆に江ノ島から大船まで。降りて食道でメンチカツ定食を食べてそして横須賀線から横浜経由で家まで戻ってお務めを終える。ネットを開くと日本SF作家クラブへの新入会員が発表されていて、「宝石商リチャード氏の謎鑑定」の辻村七子さんや斜線堂有紀さんの名前が入っていた。斜線堂さんはともかく辻村さんはミステリの人じゃないって反応も多そうだけれどこれがどうして、デビュー作となった「螺旋時空のラビリンス」はガチガチな時間SFで、そして「マグナ・キヴィタス」はガチガチのロボットSFだったりするのだった。集英社オレンジ文庫で出てSFファンには決して届いているとは言いがたいけれど、これで興味を持って手に取る人が増えればSFマガジンで紹介してきた身として嬉しい。SFも書いてくれると信じよう。


【6月1日】 「トップガン マーヴェリック」を見てトム・クルーズが来ていたフライトジャケットの格好良さに撃たれたものの、買うだけのお金もないので昔取り寄せた放出品でアラミド繊維製のフライトジャケットCWU−36Pに、せめてこれくらいはとミリタリーショップから取り寄せたパッチを張ってトップガン使用に仕立て上げる。アイロンプリントらしくマジックテープがついてないのでユザワヤでマジックテープのシールを買って来てパッチの裏に貼り付け、パッチの形に切り取って完了。前から張ってあったパッチを外してくっつけとりあえずトム・クルーズ気分を満喫する。

  そうえいば大昔に何かの記者発表会でお土産にアルファ製MA−1のトップガン仕様をもらったことがあって、割と来ていたけれどファスナーがいかれて着られなくなったので捨ててしまったのだった。あれのパッチを外せば使えたかどうか気になるところだけれど、縫い付けだったし無印「トップガン」と新作の「トップガン マーヴェリック」では張ってあるパッチも違うみたいなんで応用は利かなかっただろうと想像。その時にDVDがついていたかどうかは覚えてないけど、「トップガン」そのものを見た記憶がないのできっとフライトジャケットだけだったんだろう。作りすぎて余ったかな。今でも中古で買えたら面白いんだけれど。

 とある新聞社の決算が出て、一応は全国紙を名乗ってはいるものの北海道から東北北信越に中部中国四国九州あたりに拠点がなかったりするのでもはや都市圏紙としか呼べない新聞だけに売上高も800億円を割り込み単体では500億円前後となかなかに厳しい状況が垣間見えた。上半期だけだと赤字になっていたけれど、そこは販管費を連結で78億円ばかり削り、単体でも70億円くらい圧縮して上半期以上の減少を達成。さらに固定資産売却益を11億円乗せてとりあえず、営業利益、経常利益、当期利益を黒字にしたみたい。それでも配当を出せば留保なんて出来ないから大変。だからといって配当を出さないと存在価値すらなくなるグループ末端の悲哀。経営って難しい。いやそれはせめて売上げ減を止めてから言えって話か。うーん。

 FIFAワールドカップ2022カタール大会に向けて動き始めたサッカーの日本代表が、キリンチャレンジカップに出場するにあたって背番号を決めてこれがひとつ本番での規準になるとしたらラモス瑠偉選手や中村俊輔選手あたりが背負って価値づけてきた10番はリヴァプールの南野拓実選手が背負うことになるみたい。プレミアリーグでの出場がなかなか出来なかったもののカップ戦では大活躍して海外のクラブチームでプレーする日本人選手の中でも抜群の存在感を示したからこれは妥当。フォワードでもゴン中山選手が確か10番だったこともあるから大丈夫だろう。シューズもアディダスだし。

 ハムストリングスさえ痛めなければプレミアリーグにずっと出て大活躍できただろうアーセナルの冨安健洋選手はディフェンスってこともあって16番。右サイドバックはだったら誰ってことだけれど2ばんが山根視来選手で3番が谷口彰悟選手と国内組。4番の板倉選手に5番の長友選手と比べ冨安選手が落ちるとも思えないからそこは好みなのかもしれない。センターバックが決まっている吉田麻也選手は22番だし。謎めくのは11番の久保健英選手でマジョルカでも今ひとつだし代表にもフィットしていないのにこの厚遇は誰の差し金か。フォワードなら前田大然選手と古橋亨梧選手と三笘薫選手で十分なきもするけれど、そこはやっぱり知名度、なんだろうなあ。まあ森保一監督が本番で使うかは分からないけれど。


【5月31日】 Yahoo!ニュースが一部の芸能記事に関するニュースを配信している媒体のコメント欄を閉鎖したとか。調べたらどうやらWeb東スポと週刊女性PRIMEとNEWSポストセブンらしくそれぞれが配信しているニュースを見たらたしかにコメント欄がなかった。Web東スポは格闘技とかのスポーツ系ニュースについてはちゃんとコメント欄がついているから、芸能に関して閉鎖となったのだろう。それとも前からずっと閉鎖していたんだろうか。ちょっとそこは気づいてなかったので自身がない。

 週刊女性PRIMEとNEWSポストセブンは基本が芸能ニュースばかりだから媒体に関してコメント欄が閉鎖になったってことなんだろう。それが果たしてどういう効果を持つのか、コメント欄なんてまるで気にしていなかった自分にはまるで分からないんだけれど、ランキングを見るとそうやってコメント欄が閉鎖された媒体が上位にまるで入って来ていないことを見ると、拡散されることが減ってニュース自体の伝播が狭まるような影響が出ているのだろうか、それとも単純にコメントが荒れやすい媒体だったのでそれを閉鎖するだけで誹謗中傷の類を目にすることがなくなっただけなのか。いずれにしても何らかの意図はあり影響もあってそれが良い方に転がることを期待したい。

 唐突に「PUI PUI モルカー」の第2期放送が2022年秋に行われると発表になってびっくり仰天。WIT STUDIOに移ってストップモーションアニメーションのスタジオ立ち下に取り組んでいて、それと新しいタイプの新作アニメーションにも勤しんでいるかと思ったらしっかりと「モルカー」に関わっていたとは。吉祥寺アニメーション映画祭に登壇してトークを行っていた時もきっと制作中だったんだろうなあ。それでも外出できるくらいの余裕はもって作れているなら善哉、きっと良い物に仕上がることだろう。

 気になるのはどこをスタジオとして使っているかで、前は割と個人制作気味なところもあったけれど今となってはアニメーション界のドル箱スター、潤沢な資金と整備された制作環境を与えられていると思いたいけれど、そこであるいはWIT STUDIOの新しいストップモーションアニメーションのスタジオが使われていたりしたら、シンエイ動画の制作ではあってもWITも絡んでといった具合に面白い座組になっていそう。どうなんだろう。近年は久保雄太郎さんとかを起用してアーティスティックなアニメーションも提供しているWIT STUDIOだけにこうした外部との強力、あるいは外部への強力なんかも行ってアニメーション全体の称揚を図ろうとしているのかもしれない。

 それはCloverWorksとアニプレックス、集英社と組んで新しいアニメの企画会社を立ち上げたこととも重なる。座組みだけなら「SPY×FAMILY」で一山当てたんで同じような展開を同じメンバーで考えようぜってことに見える。同時にあれあけのデカい企画を成し遂げた後で同じような企画をオリジナルでなんて練り上げられない、やっぱり出版発のIPをアニメ制作会社を抱え込む形で確実に映像化したい集英社の戦略に過ぎないんじゃないかとも思えてしまう。だからこそ気になる次の企画。完全オリジナルなのか集英社作品なのか。集英社だとしたら何になるのか。オレンジ文庫あたりから良いのを選んでくると面白いんだけれど。辻村七子さんの「螺旋時空のラビリンス」とか。

 午前中に図書館で原稿を1本書き、午後に2本のウエブ会議を終えて時間があったので、イオンシネマ市川妙典で「ハケンアニメ!」を見る。3回目。平日の午後6時半からの上映で都心部でもないのに10人以上入っていたのはそれだけ面白さが知れ渡り始めている現れか。今回思ったのは、王子千晴監督が斎藤瞳監督と対決した発表会で紹介映像が流れる前に黙っていたのはかっこ付けじゃなく、自分で作れなかったのを有科香屋子プロデューサーがどう繋いだかを確認してたのかもしれない。直前まで行方不明だったわけだから。

 そして見て何も言わなかったのは繋がれ方に納得がいったからなのかも。それで惚れたか、俺のことが分かっている人だってことで。しかし3回見てもまた見たくなるのはEDロール後のアレを見てジーンとしたいからなのかもしれない。あるいは斎藤瞳監督が「サウンドバック 奏の石」の最終回の構成を変えると言ってから、説得にも応じず自分を貫き断言し、そしてクリエイターを巻き込みラッシュまで行く怒濤の展開の気持ちよさを味わいたいからなのかも。クライマックスが大好きで何度も通った「サマーフィルムにのって」と同じ味。あるいは「キサラギ」のダンスエンディングに笑いたいため。そういう映画、もっと出てきて欲しいなあ。


【5月30日】 興行通信社の週末映画興行ランキングが出て、沈んでいた「劇場版 呪術廻戦0」が8位へと再浮上。いよいよ劇場での上映が終わるってことでいっせいに上映が行われて舞台挨拶もあってそのライブビューイングも行われたことから集客がぐっと増えたみたい。もう見納め感があってもイベントひとつで盛り上がれるのなら、ほかの映画でも試せばあるいは動員を増やせると思うのだけれど日本の映画宣伝って仕込みは一生懸命でも、その後の盛り上げにはなかなか淡泊。2の矢3の矢が飛んでこない。

 公開そこまでが仕事って割り切っているのだとしたら、あとは責任を持っている配給会社なり製作元が頑張らないといけないんだけれどその時は別の作品にとりかかっているから手が回らないのだろう。そうした中で「ハケンアニメ!」はツイッターに続々と情報を出して頑張ってはいるんだけれど、それでも届いていないのか2週目もやっぱりベスト10外でちょっともったいない。都内の劇場では箱が小さいこともあって満席のところが出始めているのだけれど、地方ではやっぱり入ってないんだろうなあ。あと1押しが必要だとしたら何ができるんだろう。

 そうした中で、この映画が気に入ったのか稲垣吾郎さんがレビューをしてそして自分がTOKYO FMでやっているラジオ番組「THE TRAD」に吉岡里帆さんを招いて映画のことをいろいろとトーク。「本当に面白かった」と重ねて行って、前は試写で観たから今度は劇場でもまた見たいと話す吾郎さん。「クリエイティブの難しさと人間の成長物語。アニメがどうやって作られるか、楽しむことができた」といった言葉には、ちゃんと映画のテーマを普遍化して受けとめていることがうかがえた。

 受けて吉岡さん。「心に残るアニメにたくさん触れてきた」という経験から映画の中について触れて、「すごくプロフェッショナルで、これが世界に認められる日本のアニメの裏側なのか」と思ったと話してくれた。えいがではメガネをかけて髪しばった化粧っ気のない顔で出ているけれど、そんな斎藤瞳監督役が「それでも可愛かった」と吾郎さんに言われたら、やっぱり嬉しいんだろうなあ。

 あの役も今だから演じたれたところがあると吉岡さん。「7年がかりの映画でオファーも前だった。そのころ演じてたらこうはなってなかった」というのは、いろいろな仕事を経て責任とか感じるようになったから。役者としての積み重ねがあって、それでもベテランにはまだ届いてない今だからこその必死さが現れていたのだとしたら、それこそが時間を切り取り定着させる実写映画の醍醐味って奴になるんだろう。

 「アニメって多くの人の緻密な作業の積み重なりで初めて世に送り出されている」と吉岡さん。「その感動、当たり前のように見ているアニメーションがどれくらいの努力の結晶なのかが伝わったら良い。何かに一生懸命頑張っている人なら、秀逸なセリフが胸に刺さって、明日もう少し頑張ろうと思ってもらえるのでは」と改めて話して鑑賞を呼びかけていた。これだけのプッシュがあったら改めて、見に行かないといけないなあ。東京あたりならまだまだ上映機会も多そうだけれど、3週目に入るとすっと減る可能性もあるから要注意。それは「犬王」にも言えるか。やっぱりランク外。映画って難しい。

 5月31日で終わってしまうので阿佐ヶ谷のぱすたやに寄ってご当地パスタシリーズで群馬県名物らしい「ベスビオ」を戴く。火山の名前がつけられているとおりに食べると口から噴火しそうな辛さ。それはカレーとは違って唐辛子で見た目は普通にトマトソースのペスカトーレなんだけれど、黒くカリカリになった唐辛子が何本も入っていることからソースが辛い。ただ食べられないほどではなく辛さがほどよく口を刺激して大盛でも食べきることができた。しばらく口に辛さは残っているけれど、1時間ほどで消えてしまうところも潔い。お腹がどうなっているかは不明ながらもこれは食欲をそそられるのでどこかで恒久メニューにして欲しいなあ。だったら群馬県に来い? ごもっとも。次は函館イカスイナポリタンだそうで黒いパスタを食べられそう。お昼には食べられそうもないかな。

 トランスジェンダーの人へのパワハラでセクハラが続いて訴えられた某社が至らなかったとコメントを出したみたいだけれど、2019年の段階でそうした事態が起こってすぐに手を打ち職場を分離する措置を講じたにもかかわらず、1年後に同じ部署に戻したりそこから2年も手が打たれなかったりしたのはなぜなのか、ってことの方がちょっと気になる。やった気になっていたのかそれともそれ以上は何もできなかったのか。ずっと同じようなことが執拗に行われていたのかも気になるところではあるので裁判に突入した以上はそこで審議され判断されて欲しい。セクハラパワハラ人間が居座り偉くなる会社は衰退していくとしても、その某社の業務はクリエイターの自立にとって重要だから。


【5月28日】 新宿へと出向いて「犬王」の舞台挨拶付き上映が始まるまでに食事でもと思ったものの、10時半頃では開いてる店も少なかったので牛丼屋のたつ屋に入って並を1杯。しばらく前に400円に値上がりしていてまつ屋とか吉野家に比べてリーズナブルな感じも薄れたけれど、よく煮込まれた牛肉とそえられた豆腐が良い味を出していて大手チェーン店では食べられない味を楽しめるからやっぱり通ってしまうのだった。

 店内のテレビではトム・クルーズがインタビューに答えていて、「トップガン マーヴェリック」ではセット撮影は使わず自分だけでなくメンバーもやっぱりジェット戦闘機に乗って実際にGを浴びながら撮影を行ったことを明かしていた。自分は操縦できても若い俳優はちょっと無理なところを映画さながらに教官となって訓練したみたい。だからこそのあの先生と生徒感も生まれたんだろう。あと超メジャーな若手俳優が混じってなかったもの、そんな危険な撮影に臨む人がいなかったってことなのかも。でもそうした試練をくぐり抜けた俳優たちは36年前のトム・クルーズと同様、これからの道が開けたんじゃないだろうか。極めれば道は開かれる。学びたい。

 さて「犬王」。新宿バルト9までエスカレーターで上がった8階の以前は中華そば青葉があって、そのあとラーメンTETSUが入っていた場所にパスタ屋さんが入ってしまったそっちで食べればとも思ったけれど、値段が結構高かったので今回もそして以降も断念。パスタならちょっと前に新宿紀伊國屋書店から移転したJINJINが、バルト9の下ちょっと新宿御苑寄りにオープンしていたのでそっちを使うから別に良いのだ。バルト9の中のカフェは「映画 五等分の花嫁」のコラボカフェになっていたけどそっちはそっちで作品を知らないので今は遠慮。公開中に観て感動したら使おう。

 さて「犬王」。前に東京国際映画祭で観ていて今回が2回目、その時にすでにロックフェスのようだといった感想を持っていたけれど、改めて見てやっぱりロックフェス的な盛り上がりを味わえる映画だってことを確認できた。だって後で登壇した出演声優陣がそろってフェスだって例えていたんだから。女王蜂のアヴちゃんに森山未來さんの2人がメインを張っている映画だけれど口から出る演奏場面を例える言葉がフェス。だからこそ映画館でも応援上映が解禁されて足踏みならし手拍子を打って叫ぶような観賞が出来れば最高なんだけれど、上映期間中にそこまで至るかどうか。岸田内閣次第か。

 壇ノ浦で海中に潜って平家の遺品を引き上げつつ漁師をして来た友魚の目が見えなくなって琵琶法師に拾われ京へと上ってそこで琵琶法師の弟子となり、最初は普通に唄っていたのが京の都を駆け回る異形の存在、すなわち猿楽の家に生まれながらも訳あって人間らしさを奪われ怪異な姿となって生まれた子供と出会い目の見えない友魚から名を変え友一と出会って意気投合。見よう見まねながらも優れた才能を異形の体躯ととおに見せる自称「犬王」の講演に、友一変じて友成は観客を誘う前座の音楽を奏でるようになり、そして犬王は誰も観たことがない能楽というかもはやイリュージョンを河原で、清水の舞台で、そして将軍足利義満の庭園で披露するようになる。

 そこで奏でられる音楽は現代のロックで、琵琶と太鼓でどうしてそんな音が出るかというのはこの際気にせずスピリッツとしてのロックすなわち体制への反抗が室町時代にも奏でられ、大衆を引きつけたと理解して観ていくとして、そうした音楽がとにかく凄まじく格好良くって心がシビれる。唄われているのは犬王という異形の存在の物語なんだけれど、その歌詞も歌われる歌声もアヴちゃんによるもの。性別不詳の響く声が醸し出す時にロック的で時にオペラ的な雰囲気に満たされた映画館もまた、ロックフェスの会場となって観る者たちを犬王の、そして友成のパフォーマンスへと引きつける。けれども。

 権力はやがて反体制的なものであり、自分より人気のあるものを弾圧するのが世の常で友成座の音楽は禁じられ弾圧され斬首される。なら犬王は、ってところが謎であり不興も買いそうだけれどそこは舞台挨拶で森山未來が触れていた、600年が経ってなお成仏できずにさまよう友成戻って友魚の魂を、ようやく犬王の魂が見つけられたように彼もまた無念を遺して600年を彷徨っていたことを感じ取るべきだろう。史実として犬王は義満の庇護下で栄え命も繋いだならばそこで表舞台から退く訳にはいかない。自分がそちらがわにいることで得られる何かに期すところがあったのかもしれないけれど、魂は友成と共にあったのだと理解しよう。だからこそ戻ったのが、本来の姿に。

 中盤からほぼずっと怒濤のロックサウンドとイリュージョンが繰り出され、席を立つ間もないからそこまでの、友魚が琵琶法師となって友一と名を変え犬王と出会うまでをひとつしのぎきって後は怒濤の展開に身を任せよう。そこまでの頼りは目を切られうっすらとしか見えない友魚の視界をそのまま映したようにぼやっとしながらディテールが分かるアニメーションの表現のアーティスティックな部分をしっかり堪能。後半以降も踊り唄う面々のアクションであり表情にアニメーションとしての凄みを感じよう。途中、森山未來さんが上げていた、藁で出来た手がずばっと刈り取られる場面でのけぞった犬王の顔を俯瞰で映すシーンは、24コマのフルアニメーションで描かれているそうなので改めて見る時に確かめたい。


【5月27日】 実は1作目をろくに観てない「トップガン」の実に36年ぶりとなる続編「トップガン マーヴェリック」が公開となったのでTOHOシネマズ新宿のIMAXで早々に観る。バビューンでドバーンでグオーンでズダダダダでドカーンだった。楽しかった。以上。ってそれでは説明になってないからもうちょっと書き足すならば、今度は廃校の危機ではなく戦車道の総本家を駆けた戦いが日本戦車道連盟へと持ち込まれ、世界選抜を相手に戦うことになってもはやどうしようもないといった状況下、西住流家元の西住しほが抜擢されて日本の高校選抜チームの教官となって昔取った杵柄を見せるといったストーリー、かな。かな?

 見どころは間にどれだけ時間が経ってもまるで衰えていない西住しほのボディスタイルとそして戦車を操り勝利へと導く技術。娘の西住みほとの関係もどうにか修復し、身を出身校の黒森峰学園のタンクジャケットに包みティーガー戦車に乗って全体を指揮して世界選抜が繰り出す物量に任せた攻撃をかわしてチームを勝利へと導く。面白そうだとしか言えないそんな設定を、世界のトム・クルーズが超音速で飛ぶジェット戦闘機を操りながらやってしまうんだから面白くないわけがない。ミッションが達成された瞬間にヒャッハーと叫び、そして危機一髪からの大逆転を迎えた瞬間にヒャッホーと拳を振り上げたくなる。

 アメリカだったらもう大声で歓声が飛んだだろうなあ。そんなエンターテインメント性に溢れメロウなドラマもたっぷりな「トップガン マーヴェリック」。途中、西住しほとみほの母娘が敵地で鹵獲されていた四号戦車を奪取して敵を攪乱するような場面があるかもしれないしないかもしれない。そして危機に陥ったところをまほが駆けつけ母親と妹を救うとか、そんな映画を創ってくれたら見に行くなあ。タイトルは「ガールズ&パンツァー 西住流」とか、そんな感じ? しかしCGではない戦闘機がほんとうにドッグファイトを繰り広げる映画は日本じゃあ撮れないよなあ。映画大国アメリカならでは。アメリカではどんな受け止め方をされるんだろう。興味津々。

 将棋の棋王戦で里見香奈女流四冠が本戦への出場を決めたとか。これは快挙である上に、対プロ棋士との対戦成績でプロ棋士編入試験を受験する資格が出来たそうでこれに申請をして5戦のうちで3勝すれば四段プロ棋士となってフリークラスに編入される。三段リーグを勝ち上がってプロ棋士四段になれば順位戦に参加できるC2クラスに編入されるから活動に制約はあるものの、女性で今までプロ棋士四段になった人はひとりもいない状況から考えるに、歴史始まって以来の快挙に手がかかったこの貴重な機会を是非に生かして欲しい気もする。

 ちょっと前に西山朋佳女流二冠が三段リーグで次点をとって、そこで2位以内に入ってさえいれば堂々の四段昇段を決められたのだけれどわずかに及ばなかった。それでも次の期にもう1回次点をとればフリークラスに編入されたけれど、今ひとつ調子を上げられないまま奨励会を退会してしまった。そこでの限界を認識したってことを理解したらしいけれど、同様に里見女流四冠も三段リーグで戦いながら退会をしてしばらく女流として活動し、そこで成績を上げて来た。早熟の天才もいる一方で晩成の大器もいるのが才能なら、自分はそちらなんだと誇って良いと思うので、かつて及ばなかった場所という感情は埋めて今できることをやり抜いて欲しい。それがプロ棋士挑戦なら是非に。

 アニメーション会社で働くクリエイターが貧乏なのはよろしくないと、ヒット作が出て儲かったアニメーション会社についてはご褒美として税金を割り引いて還付金としてアニメーション会社に戻せばハッピーと言って非難囂々だった赤松健さんが、「先日のアニメーター待遇改善案について、『還付金を制作会社に渡しても現場に還元などされない』、『ヒットした作品に限定すべきでない』など多数のご意見を頂きました。直接クリエーター支援に繋がる施作にすべく、根本的な現状改善に向け政策を改良していきます」というコメントをやっと出した。

 すぐさま声が上がったにも関わらず、てここまで2週間もかかるのかがまず分からない。あと、誰かが憶測していた、アニメ会社の単年度でドバッと儲かっても、税金で持って行かれて次の投資に回せないので、そうした税制面を改めるんだと言いたかったのを端折っただけという話ではなくて、本気でヒット作を出したご褒美として還付金を出すといった感じで、勝てば官軍であり勝たなくては無意味といったクリエイティブにあるまじきスタンスが根底にあったことがまるで分かっていなかったことが分かってちょっと心配になって来た。誰かまっとうなブレーンはいないものか。肝心要のインボイス制度にはまるで無関心なのも気になる。どうなるかなあ。


  【5月26日】 図書館に行ったら「演劇界」という歌舞伎を紹介する雑誌が休刊になっていて、根強いファンがいそうなジャンルでも雑誌を維持するだけの読者を得られていない現実に慄然とする。まあファン層の年齢が確実に上がっているジャンルでもあるから仕方がないのかもしれないけれど、日本が世界に誇る文化でこれからも維持していかなくてはならないジャンルで衰退が目立つのはちょっと拙い。むしろだから国が雑誌を支えて広報メディアとして利用し若い層に歌舞伎の魅力を伝えていく努力をしなくちゃいけないのに、劇評は近所の書店で頒布されるレターに置き換わってしまった。それすらもきっと読まれないんだろう。

 雑誌では「近代柔道」と「ボクシングマガジン」も休刊。東京オリンピックがあって柔道だってボクシングだって競技が行われたはずなのに、それがまるでスポーツの振興からの雑誌の売上げ拡大につながっていなかったことが如実に分かってしまった。柔道はともかくボクシングならファンもいそうな気がするけれど、雑誌を支えるほどではないんだろう。いっそう闘犬よろしく拳闘もギャンブルの対象にすれば雑誌を買う人も増えるかというと、リアルタイムに近い情報が求められるネットに置き換わっていくんだろう。競馬はだから雑誌より新聞が生き残っている。次は相撲かプロレスか。

 だったらウエブが安心かというとcakesって書き手のクリエイターが文章を発表するプラットフォームが8月で完全閉鎖となって記事もいっさい読めなくなるとか。さすがに成果がぶっつぶれては書き手も怒るってことで、運営元があわててデータはしばらく保存し渡せるようにすることをアナウンスしていたけれど、一般の人はもう読めなくなるということに媒体の運営者として何ら配慮をしないところが寂しい。いつでもどこでもアクセスできて、時にタトゥーとして永遠に残ると言われているネットだけれど、記事は消されて読めなくなってしまう方が多い。紙なら出てさえいれば誰かどこかが保存してくれるのに。そんなネットに依存して文章を発表し続けるリスクも考えないとなあ。

 菊名へと行く用事があったのでとりあえず横須賀線で武蔵小杉まで行って東急東横線に乗り換えようとしたらものすごく歩かされた。あの距離を朝は近隣のタワーマンションから吐き出される大勢の会社員がぎっしりと詰まってホームにも溢れ改札の外にも溢れる状況に陥っていると思うと都市作りってのはよほど考えないといけない分野ってことがよく分かる。住みたくないなあ。とはいえ菊名あたりだとタワーマンションもないけれど飲食店も少なく買い物もできる場所がなかったりしてとても横浜市街近郊には思えない。横浜線も通っているターミナル駅なのに東急はどうして開発しなかったんだろう。日吉はあれで慶応大学があるから立派なんだろうなあ。

 ひと仕事終えてさて帰って寝るかと思ったものの、丸の内TOEIで上映されている「ハケンアニメ!」の入りが芳しくなく、午後4時10分からの回で予約が1人もいないことが見えたので、これはどうにかしなくちゃいけないと日比谷線から銀座で降りてかけつけ観賞。幸いにして3人くらいはいたけれど、都内でも最大規模のスクリーンで上映されている東映のお膝元であるにも関わらず、この入りは先行きがちょっと心配。あれだけ宣伝もしていたのに、そして舞台挨拶の抽選でチケットが外れるくらいの人気だったにどうしてこうなってしまうんだろう。

 「ハケン」が「覇権」なのに「派遣」と思われてたいように、ストーリーが分からなかったのかもしれない。それだと行かない日本の安全パイばかり囓りたがる嗜好をどうにかしないと、エンターテインメントは死んでしまうしそれ以上に感性が摩耗してしまう。前評判とか気にせずコストなんて無視してふらりと映画を見て面白ければ喜びつまらなくても経験だったと笑える社会にならないと。さて2回目は原作を読んで見知ったものと少し違っていた映画の全体を把握した上で流れを追って観ていくことができた。最初は緊張で怖々として手探りだった斎藤瞳監督が、刺激を受け自分を改め成長していく感じをちゃんとつかめた。王子も余裕綽々なようで時に才能への懐疑を示す繊細さがあることを垣間見れた。それでもやっぱり最後には感動してしまうところがやっぱり凄い。もう1回観ても感動するんだろうなあ。そのためにまた行こう。入場特典も変わるみたいだし。


【5月25日】 秩父にあるアニメの作画会社が映画「ハケンアニメ!」の中で作られる「サウンドバック 奏の石」と「運命線線 リデルライト」の両方の作画を受注していることから、同時刻の放送を壁を仕切って見ている描写があって、時の勢いを反映して見る人の数が増えたり減ったりしていたのを現実でも再現したら面白いかもと企画。同じ劇場で同時刻から「ハケンアニメ!」の上映を始めて、片方に「サウンドバック 奏の石」派、もう片方に「運命戦線 リデルライト」派が入って映画を見るようにすることで集まった人数を競い合ったらどちらが勝つだろう。

 そこは役者の内で「サバク」の斎藤瞳監督を演じた吉岡里帆さんのファンと、「リデル」を監督した王子千晴を演じた中村倫也さんのファンがそれぞれに推し活を繰り広げるだけで、アニメの評価にはつながりそうもないから無理かなあ。いやいや監督だって数ある宣伝の弾の1つ。100撃って1つ当たるかどうかと城成理プロデューサーも言っていたから、それに乗っかりたとえ役者のファンの推し活になっても宣伝のためにやってみたらどうだろう。その場合自分だったらどっちに行くだろう。榎本佑さんも推したいけれど尾野真千子さんも推したいんだよなあ。それくらい、キャラのパワーが拮抗していた希有な映画。もう1度くらい見て誰を推すか考えたい。

 アメリカのテキサス州で銃の乱射事件が起こって子供を中心にして21人くらいが亡くなったとのこと。どういう理由なり心境からの乱射なのか伝わっていないけれど、少し前に起こった乱射事件は白人至上主義をこじらせた人が黒人を狙って乱射したって話で、その際に匿名掲示板の「4ch」をハブにして情報が回ったようなことが取りざたされていた。今回の乱射でも発生直後から「4ch」が関与しているかどうかを噂する言葉がSNSなんかに上がっていて、いよいよヘイトとレイシズムの言動が濃縮されて発信されるプラットフォームとして全米的に認知されて来たみたい。その運営に直接関わっているかは分からないけれど、生みの親ともされる人間を日本はテレビ局がコメンテーターとして起用しありがたがっている。不思議だけれどそれが日本のメディアの限界であり厄介なところなんだろう。

 だって真っ当なメディアなんて経営できないじゃん。日刊現代だかで編集長を務めた瀬尾潔さんが立ち上げた「スローニュース」ってサイトが早くも記事の更新を停止して実質的な撤退を決めた。ノンフィクションを応援するプラットフォームとして購読料を集めつつ優れたノンフィクションを優れたライターに書いてもらうコンセプトでそれなりに読み応えのある記事が掲載されていたようだけれど、「現代」にしろ「宝石」にしろノンフィクションが載る雑誌は「文藝春秋」「中央公論」を除いて絶滅してしまった現在、ネットだからといってコストをかけずに運営できるかというと、今度は購読者が集まらない。雑誌は買ってもネットにお金は払いづらい風潮の中、それでもファンを集めて運営するには何が必要か、って考えると東浩紀さんの「ゲンロン」は巧くやっている方なのかもしれない。毀誉褒貶あれど中心的な人物に特徴があるから。

 何かの冗談だとしたらたちが悪いし、真剣だとしたら頭が悪い。AV新報なるものが取りざたされている中で、立憲民主党の堤かなめ衆議院議員は「政党として性行為AV禁止の法律を別途検討していくことは可能か」といった立場から、「テレビや映画の殺人シーンで実際に人は殺さない」といった考え方をバックにして、性行為の撮影や動画の売買を認めることは個人の尊厳を傷付け性的搾取を許すことだ。党としてさらなる対策を検討し進めていきたい」と国会で話したとか。おいおい、性行為はすると殺人のように罪に問われるものじゃないだろう。「個人の尊厳を傷付け性的搾取を許す」場合もあるけどそうでない場合もある。そこを一緒くたにしてしまって突っ込まれるだろう可能性を、考えなかったのなら戯けだし、考えていっているならそれは表現の自由への挑戦でもある。今度の選挙も政権交代には遠そうだなあ。

 思うところあって横浜F・マリノスの試合を見に三ツ沢へ。マリノスだったら横浜国際じゃないのっていうとそれではやっぱりコストもかかるから最近は三ツ沢も使うことがあるみたい。行ったのがいったい何時以来になるか覚えておらず道にも不案内だったので、横浜駅からバスでスタジアムの側までいって中に入って試合を観戦。ちょっと前に豊田スタジアムで見た京都サンガを相手にマリノスが押し込みながらもキーパーの攻守もあって得点を奪えずちょっと苛立ちも出てくる。それでも右サイドを駆ける仲川輝人選手の圧倒的なスピードに、左サイドで安定したプレーを見せる宮市亮選手、そして得点を奪った小池龍太選手の頑張りなどもあって1点をリードし、後半にも1点を加えてマリノスが快勝する。

 両サイドのスピーディだったりする動きとあまりボールをもたずワンタッチで回していくパスワークが見事で、これで縦への圧も加われば往年のジェフユナイテッド千葉でのオシムサッカーの再来になったかもしれない。ただゴール前で回す余りに飛び込んでのシュートといった危険なプレーにやや乏しく、それが相手に守備の意識を生まれさせて堅守へと繋がって得点差を広げられなかったのかもしれない。後半に入った水沼宏太選手はボールの落ち着きも運びも良くってやっぱり一級品とった風格だけれど、もう32歳なんだよなあ、23歳で同じだけの活躍ができていたら世界がとれる選手になったかもしれない。そういう人が残って前田大然選手やオナイウ阿動選手は海外で活躍。日本サッカーの空洞化も極まってきたかもしれない。その中で最大限に面白いサッカーをやってくれている分、マリノスはましなのかもしれない。ちょっと観察していこう。


【5月23日】 「シン・ウルトラマン」が「ウルトラマン」のリブートだとしたら、「ウルトラマン」の続きであるところに小林泰三さん「ウルトラマンF」はある意味で「シン・ウルトラマン」の続きとしても読める気がする。巨大化した富士明子がフックとなって大活躍するストーリーが、そのまま「シン・ウルトラマン」の続きになるとしたら浅見弘子がメフィラスによって巨大にさせられた影響を引きずって、あの後も活躍する禍威獣を相手に浅見弘子が覚醒して変身して戦うことになったりして。それはセクハラではなく立派に女性の社会参加と見るか否かは変身後の格好次第か。さすがにグラマラスにはできないか。

 山口県で給付金の10万円を間違えて1人に4630万円を誤送金した件で、振り込まれたお金を全額オンラインカジノで使い切ったと嘯いていた人を横目に決済代行業者がなぜか3500万円を町に返したとのこと。警察にガサ入れされて怪しいお金を集めては怪しいところに投資していたことがバレて摘発されるのを恐れて自分はもう関係ないという証として手切れ金として振り込んだのか、それとも最初からオンラインカジノに使ってなんていなくて決済代行業者が後でバックするために一時保管していただけなのか、いずれにしても怪しい仲介人が絡んでのお金の動かし方をする人に、ピンポイントで大金が渡ったことがやっぱりなかなか信じられないのだった。偶然かなあ。

 バイデンバイデンバイデン、バイデンバイデンバイデン、バイデン、バイデン、バイデンデンーン。なんて唄いたくはならないバイデン大統領の来日がまったく個人的に話題にならないのは、そういった話題でもちきりのメディアの中にいないのと、そういった話題を伝えるテレビをほとんど見ていないせいか。ネットとかで見るニュースでは天皇陛下と面会をしてそれから岸田総理を会見もしたみたいだけれど、何を言ったかといえば台湾有事へのスタンスを示したくらい。それは助けると言いつつホワイトハウス的には言ってなかったりする曖昧なもので、そうした言動を国民が許し認めて騒がないところが、日本のノイジーライティーが強いメディア状況との違いなのかも知れない。

 新潟国際アニメーション映画祭というものが立ち上がるみたいで来年3月17日から22日という日程は東京アニメアワードフェスティバルとはズラしていると思うけれども近すぎる日程はその後にAnimeJapanも控えているだけにアニメーション業界関係者にはちょっと忙しい気もしないでもない。合わせたのかそれとも挑んだのか。ちょっと気になる。商業がメインの長編アニメーションの映画祭ということで、それなら東京アニメアワードフェスティバルがやっているかというとファンの投票で候補作を選ぶという映画祭とはちょっと違ったセレクトをしているところが映画祭とはちょっと違う。だから目下やっぱり唯一ってことになるんだろう。それで選ばれるのが優れているけど興行がイマイチな名作なのか、名作呼ばわりはされないけれど確実にマーケットを得てファンもいる作品になるのかは審査委員の心情次第か。お手並み拝見。取材行けるかな。

 三鷹でしばらく仕事をしてから帰って船橋の銀座コージーコーナーで今度はちゃんと変えたカスタードのエクレアを帰って食べて幸せな気分。これが斎藤瞳が求めていた味か。そして始まった「攻殻機動隊SAC_2045」のセカンドシーズンを見始めて、プリンがちょっと大変なことになって涙ぐむ。続いてトグサの失踪からの行き先が東京あたりを分かったけれど、どちらかといえば筑波あたりを思い出される風景というか、25年後も日本はそれほど変わっていないというか、そういった世界観の独特さがどうにも不思議なテイストを醸し出している。シリーズなのでテンポの悪さは相変わらず。これらをギュッとまた縮めた劇場版が出てくれば嬉しいかもしれない。曽世海児さんは荒巻もやればポストヒューマンの女性のミズカネスズカもやったりとモーションアクターで大活躍。スミスが凍結されちゃって声の出番はもうなさそうなだけにそっちで期待だ。


【5月22日】 そして始まった「天使のたまご」の上映は半分くらい起きていたようで眠っていたようで戦車めいたものが砲塔を横に向けてガラガラと走って行くキャッチーな場面は見られて巨大な目玉みたいなのが降りてきて海に落ちてそこに立像がわんさか乗っていて「宝石の国」で月から降りてくる奴らのビジョンを思い出す。あとはラスト付近で少女が大声で叫ぶところ。ここでパチッと目が明いてそして少女が人形となって目玉と共に上へと上がっていく場面は見たけれど、全体としてどういうストーリーがあったのかはやっぱり分からなかった。次に見る時はいつだろう。

 続いて「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」。こちらも話を知っているだけあって見なくても分かると意識を飛ばしつつラストの博物館でのバトルだけは目覚めて素子のゴリラ化とその前の磯光雄さんによるアクションを確認。でも「ネットは広大だわ」のセリフでは意識が飛んでいたりして短い間に行ったり来たりしていたみたい。人間って不思議だ。そして「イノセンス」。こちらはしっかりと最後まで見終えた。プロダクトデザインはいっしょでもルックがまるで違ってアニメっぽさから遠ざかっていたけれど、当時はそれを進化と思っていたんだよなあ、新しいこが始まるって。

 でも今となってはセル画調で描かれた「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」が懐かしく思う。肌触りも良い。そこはだから古い人間なのかもしれないけれど、結果として次の「スカイ・クロラ」ではセル画調のルックへと回帰していたようだから、押井守監督も馴染みがあるのはそっちだったのかもしれない。もし次が作られるとしてどっちのルックになるんだろう。3DCGはすでに「攻殻機動隊SAC_2045」で既にやってしまったから、元に戻して究極のセル画調を目指して欲しいなあ。それが押井守監督の最後のアニメーション映画となるのかもしれないならなおのこと。

 帰ってからちょっと眠りそして起き出してイオンシネマ幕張新都心へ行って「シン・ウルトラマン」をULTIRAで見る。真下から見上げるような浅見弘子の香しさを堪能しメフィラスの耳触りのよい声に聞き惚れそしてゼットン相手のワンパンチ勝利に喝采。そこへと向かう直前の浅見との別れのシーンでベタベタな音楽も流さず涙も見せずにさらりとながす人間ドラマの希薄さを是とする口ではあるけれど、2度3度見ると淡泊過ぎてもうちょっとベタっとしたところがあっても良かったかもしれない。人間って贅沢。そしてゾーフィ相手の会話を経て目覚めて終わる割り切りの良さも潔いけど物足りないと思う瞬間もちょっとある。「仮面ライダー」ではそうした人間味をどこまで出すか、それとも割り切るか。見守ろう。

 戻って銀座コージーコーナーで「ハケンアニメ!」御用達のエクレアを買おうとしたらチョコが載ったカスタードは売り切れだったのでいちごを買って食べたけど、それでチョコじゃないと斎藤瞳は泣き出したのだからあまり応援にはならないか。原作だとドーナッツなんだけれどコラボレーションがコージーコーナーになったのは、話を持ちかけて断られたからなのかそれとも東映が根城にしているのが銀座だからなのか。気になります。原作との違いといえば「サウンドバック 奏の石」が舞台にしているのは原作では新潟県なのに映画では秩父になっていた。既にご当地アニメが沢山ある秩父じゃ聖地巡礼も嬉しがらないのにどうして変えてしまったのかなあ。近場だと盛り上がると思ったのかなあ。そこで行城理プロデューサーのような人が暗躍して仕掛けたのなら凄いなあ。


【5月21日】 用事があって銀座に出たらプランタン銀座の建物がユニクロになっていた。でもって隣が無印良品で比べてやっぱり自分には無印の方が合っている感じ。ひとつには素材で麻にしても綿にしてもしっかりと表示をしてその効能をうたっていることがひとつあり、なおかつそうした素材で作られたファッションがどれもシンプルで体に合う。着ていてまるでストレスを感じないのがシンプルだからこその力って奴なんだろう。

 ユニクロはジーンズに関しては悪くないけどシャツは全体に生地が薄くてそして丈が短い印象。そうやって少しずつ詰めれば全体でどれだけの節約になるかと考えた時にひとつのアイデアなのかもしれないけれど、1枚1枚を身に纏うことになるユーザーにとってはちょっとした丈の短さだとか薄さは着心地に致命的になるんだよなあ。それが今も続いている風習なのかは確かめてないけれど、かつてそういった印象を持ってしまうとなかなかくつがえせない。それでもジーンズに関しては履き心地がずいぶんを上がった印象なのでサイズ直しの充実度合いも含めて利用していこう。ようは使い分けってことで。

 自分の話から入れば新聞記者だったので世のドラマに登場する権力に噛みついて不正を暴き、警察を出し抜いて真犯人に迫り、文豪を奮起させて折った筆を元に戻させ、挫折したアスリートを支えて競技の第一線へと送り返すなんてことをする新聞記者は、万人に1人もいないだろうことは分かっている。それでも、過去にウォーターゲート事件が暴かれリクルート事件が指弾されたように誰かが何かを成し遂げたという実績はある。そして、関わる人は忙しい日々に疲弊しながらも、心のどこかに新聞記者にはそうあって欲しいと思い、ドラマのような新聞記者を理想の姿として夢見る。そんな新聞記者ばかりになれば世の中にも何某らの活気が起こり、正義が貫かれるだろうという願望とともに。

 アニメーションを作る現場が視聴率を競い合ってぶつかり合うようなことはたぶん起こってはいないだろう。ぎりぎりの段階まで監督がラストを迷って迷って迷い果ててなお迷い続けるような状況も現実的ではないだろう。そんな余裕などアニメ制作の現場にはないからだ。変えられたコンテに従って作画をやり直す余裕もなければ、事前に収録を終えてあるはずの声優が変更された台本に合わせて最終回の放送間際に声を録るなんてこともないだろう。

 だからありえないと映画「ハケンアニメ!」の一連の描写を否定して理想が過ぎると呆れるアニメ関係者が少なからずいるだろうことは否定しない。土曜5時台に1クールのアニメが放送されるような状況も、その1本が大手アニメーション制作会社が手がける子供向けのアニメーションであるということも現実的ではない。だから原作は違っている。放送時間は別々でターゲットも違うし視聴率でも競争しない。

 ”覇権アニメ”という言葉の下に天才監督による魔法少女アニメと新人監督による子供向けのロボットアニメが同じクールでぶつかりあっても、その勝敗は視聴率という明確な物ではなく、人々の間の評判であったり世間にあたえたインパクトといったものの総称として用いられ、雰囲気の中でどれが”覇権”と言えるだろうかといった雰囲気の中で、誰となく認識する作品として語られる。

 それがあったから小説としての「ハケンアニメ!」は視聴率であったりパッケージの売上高であったりといった数値の上下で優劣が決まるといった、アニメーション好きの神経を逆なでしそうなバトルではないと理解され、受け入れられた。それが映画版「ハケンアニメ!」では、真っ向から視聴率対決にされてしまったことに、アニメーション好きは少なからず違和感を覚えるだろう。

 ただし、これは映画だ。映画というエンターテインメントだ。ドラマの新聞記者と同様に、ある種の理想像を時にカリカチュアライズも含めて描くものだとしたのなら、映画『ハケンアニメ!』はアニメーションの業界がそうあれば、とてつもなく理想に近い作品が続々と生み出されて働く人たちも理想を貫け、受けとめる視聴者も喜びを噛みしめられる世界になるのだといった思いが、形になったものだと言えるだろう。

 逃げ出したくなっても逃げられない中、やれることをとにかくやり続けることでしか作品は生まれないという確信。監督がやり抜きたいと思うことを誰もが受けとめ限界を超えて挑み突破して最高のものを作るのだという意識。時間だとか資金だとか気分といった現実の壁に阻まれて、届かない夢であっても思い続けることで少しずつ近づいて、そしていつかそこへとたどり着きたいという思いの容れ物として「ハケンアニメ!」という映画がなってくれれば嬉しい。その嬉しさを共有したいと思える人が1人でも増えていく始まりに、「ハケンアニメ!」という映画にはなって欲しいし、なっているのではないかと思うのだ。



(ACCESS COUNTER '96.07.20)


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