縮刷版2004年7月下旬号


  【7月31日】 「ライトノベル完全読本」が届かないのは同様とは言え住所を教えたかどーかも怪しいんでまあいっか。「ライトノベル10冊の紹介お願い締め切りは1週間」って依頼があって持ってるにも関わらず掘り出せない本ばかりで慌てて書店とかブックオフとか走ってかき集めて仕上げてメールして幾年月。知らないうちに本屋に並んでて年表とか平井和正さんインタビューとかライトノベル編集部訪問とかそれなりに読んで読み応えのある記事があって、日経BPなんて「日経キャラクターズ」出しているとは言えあんまり小説系には無縁だった会社にしては頑張ってるねえと思ってはいるけど本当にライトノベルをメーンで読んでるティーンが読んで楽しいかどーかは微妙かも、平井和正さんよりは平井摩利さんの方がきっと有名な世代だろーし。

 ちょっぴり涼しい気がした朝(後で間違いだったと気付く)を抜け出してワーナーマイカルシネマズ市川妙典で「スチームボーイ」。ロバートにエドワードって科学莫迦親子のど付き合いに巻き込まれたどっちつかずの孫レイが、右へ左へと揺れ動いた挙げ句に話をややこしくしてはロンドンを氷の中に崩壊させる勧善懲悪にして勧悪懲善とゆーかつてないストーリーラインが見ている人に「どっちやねん!」感を与えて惑わせるけど、そんな曖昧模糊とした空気をひとり、唯我独尊な美少女スカーレットが揺さぶり引っ張り回してくれるんで、やれやれって思いはしないで最後まで楽しむことができた。ありがとうスカーレット。ありがとう小西真奈美さん。あなたが主役だこの映画。

 科学がなんちゃらって根っこの設定に関して異論は数あれど、少年がどたばかしながらも頑張って走り回り飛び回っては1つの危機に立ち向かってこれをうち破る物語としての楽しさは存分で、クライマックスに控えたスペクタクルは圧倒的な画力もあってハラハラドキドキな気分を味わえる。どーせだったらもーちょっと全体にギャグっぽいトーンを散りばめつつ、活劇も入れシリアスなシーンも入れてメリハリをつけた方がテーマもくっきり浮かび上がったし最後のスペクタクルも盛り上がったんだろーけれど、少年が頑張っている理由が父と祖父のじたばたって辺りが少年の行動を心から応援できなくしていてラストの感動をボヤけさせる。

 エンディングで映し出される”その後のスチームボーイ”的ストーリーボードの評価も微妙。なくても別に1つの物語が終わったんだと納得できるけど、あったらあったでいろいろと想像もできてまあ楽しい。万国博覧会ごとに現れては科学観の違いをかけて闘う父エドワードに祖父ロバートの狭間で「スチームボーイ隊」を組んだ孫レイとオハラ財団だったけど、時代が進むにつれて科学が世界の発展に必要って感覚が広まるなかでそれに反対する「スチームボーイ隊」は邪魔者扱いされて次第に世間からも忘れられた存在になっていく。ところがやがて世間が科学より環境を尊ぶ風潮となって開かれる2005年万国博覧会、いわゆる「愛・地球博」にもやっぱり現れては科学がどーだと場違いにも暴れ回ったエドワードを退けた「スチームボーイ隊」、蒸気とゆーエコロジカルな動力を大切にして来た一派として、好意でもって迎え入れられモリゾー&キッコロから感謝状を贈られるのであった。そんなアニメ「スチームボーイvsキッコロ&モリゾー」は2005年開催「愛・地球博」のオハラ財団パビリオンで公開されまー……せん、やっぱり。

 「アジアカップ2004」の準々決勝「日本代表vsヨルダン代表」。走らない駆け込まない我らが代表はそれでも中村俊輔選手の一発芸に鈴木隆行選手のパワフルでスピーディーな動きでもって得点機を作り実際に得点もして、早々と1点を奪いその後もしっかり真っ当に走っては中央を幾度となく崩して遠目からも激しいシュートを放っては川口能活選手のセーブでもって追加点を奪えなかったヨルダンと延長そしてPK戦へ。中村選手にアレックス選手が続けて無様にフカす失敗の直後、ヨルダンの選手が蹴ろうとしてサイドが変わるとゆー異例の事態に。同僚の失敗に宮本恒靖選手がクレームを付けて変えさせたのかそれとも審判が変えようとして1人分不利だからって宮本選手が抗議したのか成り行きはよく分からないけど、いずれにしても途中での変更には驚いた。初めて見たよ。

 もっとも負のサイクルに入りかけてた心理がこれで和らいだのか、以後の選手がどうにか決めて川口選手もスーパーセーブを連発してサドンデスへ。直後に1人中澤裕二選手が外したもののその直後にレバノンも川口選手のセーブで外してイーブン。そしてどうにか抜け出して、キツい戦いを勝ち抜け準決勝へと駒を進める結果となった。前後半の試合で勝っておけばこうはならずあるいは負けていてもならなかったんだけど得点を奪えないところを得点を与えない川口選手の頑張りでしのぎ勝ち進んでいく、このパターンが果たしていつまで続くのか。ドイツ大会のグループリーグ3戦目まで続けば文句はないんだけど。

 仮に宮本選手の抗議でPK戦のサイドが変わったんだとしたらその件について僕は前向き。逆に審判がいきなり変えようとしてイコールコンディションを要求して変更させまいとしたんだとしても同様で、手段を選ばないなりふり構わない見苦しさより是が非でも勝ちたいって執念をそこに見る。例え却下されても気持ちを落ち着かせる時間は稼げたし。むしろ中村選手の失敗を見てもなお同じ失敗をしたアレックス選手と彼を送ったベンチに非難。エンドが代わって再びスポットに立ったアレックス選手、格好悪かったなあ。


【7月30日】 丸山桂里奈選手の勝負パンツ対酒井與恵選手のスポーツブラのどちらに勝利のトロフィーを与えるべきか。そんな贅沢な悩みを抱きたければ少年よネコ・パブリッシングから出ている「日本代表SPIRITS」を買いなさい。表からだと男子代表だけど裏から開くと何とサッカー女子代表選手へのインタビュー集。かつてないくらいの分量があるってのも嬉しいけれど、それより「こだわりのアイティム」ってコーナーがあってそれぞれの選手が大事にしている品物を紹介していて、その中に丸山選手と酒井選手の2人の乙女の嬉し恥ずかしな勝負パンツ&スポーツブラがしっかりと紹介されているのです。駄目駄目頬鼻先近づけちゃ。

 色は水色で細く白いストライプのはいった勝負パンツは丸山選手の母親って人がかつてモデルをやってた時代の超絶美人な写真の下に半分くらい隠されて、全貌はよく分からないけどきっと形はノーマルで、白い縁取りなんかが脚の抜ける部分にあったりするに違いない。しかしなるほど母親はモデルだったのか。なるほどだから目鼻立ちが飛び抜けてるんだなあ。対して酒井選手のスポーツブラはアディダス性の黒い奴。フィットネス用のブラに似てタンクトップの短い奴にしか見えないんで別にコーフンとかはしないけど、男子だったらインナーシャツ1枚で済むところを女子は別に1枚着込まなくっちゃいけない訳で夏の暑さなんかきっと相当に堪えるなろー。汗疹とか出来てやしないかと心配。掻いてあげます何時でも幾らでも。

 きっと今日の試合でも酒井選手はこいつを身につけていたのかな、丸山選手は履いていたのかな、なんて今にして思う女子代表の壮行試合はダイジェストでの放映ながらも要所要所で細かいパスをつなぎ左右にフリーの選手がいれば出し、すぐさま戻して突破していく軽快なパスワークが見られてなかなかの心地よさ。すべてを見た訳じゃないけど2点目だかの川上直子選手のセンタリングから大谷未央選手が会わせた得点は見事の一言で、酒井選手からサイドに出たボールに追いつきそれをトラップもせずワンタッチでゴール前へと放り込んでそれがぴったりと大谷選手に合ってしまう見事さに、遠目から放ってはゴールラインを割って外に飛び出てしまうクロスってよりラグビーのドロップゴールに近いプレーばかりが目立つ男子との差を思い知る。そりゃスピードもプレッシャーも違うけど、フリーでだって真っ当なクロスが上がらないケースが多いからなあ男子、のとくにフル代表。学べ今日の女子代表のビデオを送ってもらって。

 ハローキティ。こんにちは。キティはみんなの人気者。なんだねやっぱり。原宿と六本木で明日から開幕する「KITTY EX.」って展覧会はキティーをモチーフにしたアートやらファッションやらグッズやらアクセサリーやらがわんさと揃ったキティづくしの内容。ずいぶんと前に見た「鉄腕アトム」をリスペクトしたアート作品ばかりを集めた展覧会との共通点を思いそーいえばあれも同じ「ラフォーレミュージアム原宿」だったことを思い出したけど、どこまで言ってもアニメ的な匂いから抜け出せない印象のあったアトムに比べると元がキャラクターってゆーデザインの一種だけあって、アート作品になってのファッションアイテムになってもハローキティ、それなりに収まってしまってた。同じことをミッキーマウスでやるとまた違ったみっきー的な喧しさが感じられただろー気がしないでもなく、その意味でもキティって存在のポジションの不思議ぶり絶妙ぶりに感心する。ストーリー無き場所から出てきたからなのかな。あの意匠そのものに秘密があるのかな。

 作品では六本木にある「森美術館」の方は、流線型の乗り物らしき不思議なオブジェを作って来た中村哲也さんが手がけたキティの形をした円盤みたいな置物が目立っててなかなか。中村さんらしいと言えば言えるし形態としての速さの追求をし続けてきた中村さんにしては異例の作品とも言って言えそー。同じ部屋にはMAYA MAXXさんのイラストもあってしっかりと描かれたキティを抱えた痩せぎすの少女の組み合わせのナイーブさにキティって存在に仮託する乙女たちの心象を見た思い。「ポストペット」のモモちゃんがいるべき部屋にキティがいる、ありそーでなかったシチュエーションを見せてくれる八谷和彦さんたちの作品は分かりやすくって楽しそう。ポスペ世代の感心を集めて掴んでました。原宿の方ではラジオみたいなジュークボックスみたいは箱から映像と音楽が流れるオブジェに、この人がいなければキティも生まれなかったサンリオの辻信太郎社長が訪れ見入っていた姿に遭遇。巨大なガンダムをバックにしたバンダイの高須武男社長を写真に撮った時といい、ビジネス的に美味しい場面に出会える星を持っていたりするのかも。金にはまるでならないんだけど。はあ。


【7月29日】 独がクリンスマンを起用したのにも驚いたけど、ライバルな関係にあるお隣の蘭では何とマルコ・ファンバステンが代表監督に就任。ともに今年が不惑とゆー2人が相次いでナショナルチームの監督に就任したってゆー状況を来年が不惑な身として誇らしく思うべきかそれとも2人の偉大過ぎる人たちの輝きを前に己が小ささを恥じるべきか悩む。恥じるべきに決まってる。

 それにしても驚きの連続。サッカーの割に大国でこの若さでもって代表監督が生まれたってことを考えると近所のフランスでだって66年生まれのカントナか68年生まれのデシャンが代表監督に就任したって不思議はないんだけどそうはならないのはそれだけ、こと指導者については優れた人材が先達に山ほどいるお国柄ってことなのか。それを言うならオランダだってそーだけどあそこは別に内紛ってお国柄もあって采配とは別のスキルも求められるんでその辺が勘案されての人選だったのかも。いっそフリットにライカールトも加えたトロイカで臨めば相手も勝てる気がしなくなるんだろーけどなあ。いっそ日本も再びファルカンを呼び鹿島からトニーニョ・セレーゾも呼んでトロイカにすれば向かうところ敵なし(ただし名前の格だけ)になるのに。

 早売りで「ヤングキングアワーズ」2004年9月号。栄ちゃんが栄ちゃんが栄ちゃんが栄ちゃんが……死んじゃ……いやまだ死んでないししばらくは死にそーもなさそーでちょっと安心。だけど飛び出してきたM4号だかにスカートの奥までのぞけちゃいそーな勢いでキックを放っても、少しの時間を怯ませられただけで相手はすぐに復活してしまって効き目無し。ならばと得意のメリケンサックをはめたグーで殴っても毛ほども感じさせられなかったよーで、逆に鋭い爪による反撃を喰らい危うく取れた車のドアを楯代わりにしてダメージを受けるのを軽減したものの、それでもなかなかのダメージを喰らってプライドを大きく傷つけられた模様。怒ると怖い栄ちゃんが次に何を繰り出して来るかに興味。必殺技とか出るのかな?

 早売りを拾った神保町の地下鉄半蔵門線で見た中学生高高校生。まだ地下にある改札口の正面にあるミニコンビニの前に女子2人と男子1人が地べたにぺたんとしゃがみ込んではチルドのたぶん冷やし中華だか冷やしうどんだかをもしゃもしゃ喰っている。そりゃ昔っから地上のロードサイドとかにあるコンビニの前の駐車場なんかで地元の学生とかちょっとトッポい奴らとかが、しゃがんでカップラーメンとかパンとかを囓りながらわいわい談笑している姿はあったけど、それが「みっともない」から代わって日常の光景へととけ込んでしまったよーに、今は衆人が見て通る地下通路のコンビニであっても、同様な感覚でジベタリアン(半ば死語)してしまえるよー、若い人の感覚がなって来ているってことなのか。

 おまけに食べるものが具を上に載せてパックの汁をどぼどぼ注いで箸でかき混ぜすする冷やし麺。そのビジュアルはなかなかに強烈でファストフード前でハンバーガーに立ってかぶりつくナウなヤング(超死語)の姿を歴史の彼方へを押しやって、新しい食のスタイルって奴を見せてくれているよーな気がしないでもないよーな。これが進むとそのうちコンビニで冷凍食品の餃子とか買って、無理にでもレンジでチンしてもらってから袋を開けてみんなで食べながらコーラを飲む小学生とか出てくるかも。あるいは地べた平気な学生が長じた暁には、背広姿のサラリーマンとかキャリアスーツのOLが、出勤途中のコンビニ前でしゃがんで日経読みながら、買ったばかりの弁当を朝ご飯がわりに書き込んでいる姿がオフィス街のコンビニ前で見られるようになるかも。ちょっと東南アジアっぽいかも(ぽくない)。

 ちょい前だったら椅子がちゃんとあるファストフードの店内とか、ファミレスとかに入ってハンバーガー1つ、アイスコーヒー1杯で何時間でもねばりながら談笑していたんだろーけれど、そーゆー場所がない田舎のコンビニだったらまだしも山とファストフードのある都心部でも、コンビニ前を談笑の場にしてしまえる感性ってのは何だろー、ファストフードに何時間もいると店員に睨まれる? そんな理由じゃ衆人がマジと見て歩く通路で地べたにしゃがんでダベる(これも死語かな)理由にはならないか。お金がもったいないとも思えないし……。やっぱり店内も店外も世界はひとしく自分の部屋、自分たちの部屋って感覚になっているのかも。「どこでもマイルーム感覚」が広がるとそのうち、買ったばかりの服に店頭で着替える人とか出て来るのかな。「109」で買った新しい衣装に「109」前の道路で着替えるローティーンとか、出て来そーだな。ちょっと期待。

 遠いとは言え壁を3人しかつけないレアル・マドリードはマルキーニョスをちょっと舐めてたか。あるいはボールが通ったサイドと反対側の壁だけが飛んでいるってことは、レアル・マドリードのディフェンス陣、そっちじゃないサイドはキーパーがちゃんと抑えられると踏んだのかも。でもあまりのスピードに届かずジェフユナイテッド市原が銀河系選抜相手に1点をゲット。これでちょっとは刺激されたかあるいは暑さに体が慣れて来たか、前半も終わりあたりからレアルのポゼッションが高まった上にシンプルな攻撃が始まりまずはフィーゴのパスに後方から走り込んだグティがトラップなんてせず切り返しもせず1発でゴール隅へと流し刺してまず1点をレアルがゲットする。

 この迷いのなさが銀河系だと感心してたらさらに後ろから怒濤のよーに白い選手がゴール前へと押し寄せるプレッシャーが始まり、ジェフの守備陣の気が張りつめ余裕がなくなった所に、1たん転んだとは言えラウルをフリーにしてしまうまずい守備があってそこを1発で決められ逆転に。ただいたずらにポゼッションを高めるだけじゃなく、攻撃に向かった時には選手がフリーランニングを厭わずゴール前では何人もの選手が右に左に動いてディフェンス陣を攪乱し、そんな中に生まれたフリーの場面を確実に活かすフィニッシュを見るにつけ、ポゼッションばかりが目に付く重慶の代表陣との”壁”めいたものを覚える。最後の1点はまあおまけ。けどジェフもフィニッシュまで持っていける場面が幾らもあってシンプルでスピーディーな攻撃はレアル相手でもそれなりに通用するって分かってちょっとは自信になったかも。レアルもジダンとロナウドがいなくっても存分に有機的な攻撃に堅い守備が出来るって分かって手応えを感じたかも。その意味で走って攻め固めて守るジェフは良い練習台だったって言えそー。次は東京ヴェルディ1969戦。ジダンロナウドは出るのかな。和製ロナウドと対決するのかな。矢野隼人とか言ったなあ(もう言いません)。


【7月28日】 通ってた大学から車で20分も行けば渥美半島の太平洋があって下宿している先輩とかはバイクとかバンとかにボードを積んで朝な夕なに浜まで出かけてサーフィンをしていたよーだけど、2時間をかけて名古屋から通ってた関係で、早朝も夕刻も電車に乗ってる時間でいっしょにビーチに出るなんてことはなく、たとえ下宿していたとしても時まさにバブルの直前で世間がトレンディーなものに傾いていく風潮の中で、そーしたトレンディーなものとは無縁とゆーより正反対のライフスタイルを求めるってゆーか余儀なくされていた身としては、誘われたってサーフィンなんかには行ってなかっただろー。誘われる可能性も無かったけど。当時から怪しげだったし。

 なんでサーフィンに対して抱いているイメージは絵空事に等しく華麗とゆーより華美でどこかちゃらちゃらとした所があって、スポーツと言い張るには甘さもあってましてや冒険などと同義に扱われることなんて未来永劫、ないんだと考えていたけれど、辻井南青紀さんって人が書いた”日本初のサーフィン小説”って触れ込みの「イントゥ・ザ・サーフィン」(講談社)を読むとあれでなかなかスポーツとしてハードな所があって間違うと死ぬことすらある危険なスポーツで、なおかつ嗜んだ人には未来をそれに捧げ続けるか完全に手を引き記憶をなくして黙するかってな究極の選択を強いるほど、強い影響力を持った存在なんだってことも分かる。抱いていたイメージは修正の要がありそー。

 とある海辺の町にする2人の少年が出会ったミチロウという少年はサーフィンがやたらに上手くその腕を見込まれ海外から映像作品への出演のオファーまで舞い込む。海辺の町の少年2人はそんなミチロウにマネジャーあるいはファミリーとしてついて行くことになったものの旅行先でさまざまな出来事が一行を襲い、それが小説の冒頭へとつながってサーフィンが持つ魔力めいたものを感じさせられる。世界が滅亡してただ海だけが飛沫を上げて波を海岸へと贈り続ける地球でもやっぱり、最後に残った人はそれがサーファーだったら酸なり核なりで滾る海へとパドルでもってこぎ出し波に挑むんだろーなー。厄介にして素敵なサーファーたち。20年若い頃に読んだらサーフィン始めてたかな。

 「山田まりやに決定した」なんて書き出しでもって97年7月15日にその素晴らしさを讃える文章を短いながらもしたためていた時代があった。「なにがってそれはこの夏にもっとも爆発するであろー女性アイドルが山田まりやに決まったってこと」って続けた文章は、大磯ロングビーチの駅張りポスターでもってとてつもなく素晴らしくも美しい水着の姿態を、目の当たりにさせてくれた感動をしたためたもので、当時の想いが果たしてどこまで届いたかどーかはともかく、山田まりやさんは今も芸能界の1線で活躍してくれている。浮沈激しき芸能界のとりわけ鮮度ばかりが求められるグラビアアイドル界出身にあってこれはやっぱり凄いこと、なんだろー。

 そんな山田まりやさんに会える、なんて甘言に引っかかったって訳ではなくって会社が紙面をPRするために毎月1回、ニッポン放送のブロードバンド生放送でやってるヤジ馬ワイドみたいな番組に出て喋って来いってんでお台場へ。日本でも屈指のラジオ局がやってる番組ってんでさぞや巨大なブースでもってセットもきっちり整え事前の打ち合わせも綿密に秒刻みのタイムシートでもって番組を組み立ててる、なんて思って案内された場所に着くとそこは普通のオフィスのフロアで見ると窓際の一角に、衝立で仕切られた場所があって机が並べられマイクがくくりつけられつり下げられ、そこでアナウンサーの人とそしれアシスタントに来ていた山田まりやさんが何やら喋っている姿が見えた。

 ちょい待って時間になって席に着くと左斜め前50センチくらいの距離にあの、大磯の、巨大な(何がだ?)、どかんでばーんだった山田さんさんが来る形になって、7年を経て実現した平面から抜け出して来た”生まりや”との対面に血液は沸騰し顔は上気し声は上擦り手は震え腰は抜け、ついでに毛も抜けるパニック症候群が全身を覆ってひとっ事もしゃべれず、30分の生放送を散々な状態で終えたかってゆーとそーゆーことはなく、ニッポン放送では屈指のオタクアナと評判らしー吉田尚記さんの適切かつ深くて濃密なリードとあと、教育実習で45分を高校生相手に喋りきった経験の1ミリグラム程度も活かしながらどーにかこーにか30分をしのぎ着る。山田さんを見ている隙なんてなかったよ。ましては見たい1点を凝視するなんて。残念。

 それでも帰りがけに会話した山田さんはポスターの全長も含めた巨大さとは反対にキュートでトランジスタ(死滅後)な人で話のテンポもノリも良く、7年経とーともしっかりと活躍していられるのもなるほどと納得する。「大磯ロングビーチのファンでした」とは流石に正面切って言えなかったけどさ。吉田アナも流石。八谷和彦さんの名前ですぐさま「メーヴェ」を出して来たところに情報感度の高さを感じる。「サンクステイル」の紹介をしてこれが売れれば「メーヴェ」が作れるんで皆さん頑張って買いましょうと訴えたけどそこはブロードバンド生放送なんでどれくらいの視聴率でもってアピール出来たかは不明。吉田さん山田さんのとりあえずな評判は宜しかったんでいけるかな。

 ともあれ10数年前にBS局の「宇宙通信」系でやってた「宇宙経済」だかに出て10分を3回ほど喋って以来の生放送。果たしてどれだけの人が後ろで髪を縛った胡乱な男が30分を上擦った声でもって適当な相づちを返しながらしのぎきる、あまりみっともよくない姿をご覧になったかは分からないけどビジネス紙を紹介するって言ってほとんどが玩具とゲームの話に終始して、たとえばプロ野球の再編とか、銀行の再編といった話についてまるで触れなかったんで、「こいつぁよろしくねえ」と次にお呼びがかかる可能性は低く、人前で顔をさらして喋る機会は当分なさそーなんで見た人には嬉しくないだろーけど貴重な機会となりました。何かやらかして話題になった時にこの時の映像がきっと使われるんだろーなー。「あの人のありし日の」? いえいえ「あいつは昔からこんなだった」って感じで。


【7月27日】 らもさんらしいといえばいえるけどでもやっぱり、なあ。酔っぱらって階段から転げ落ちて入院したって話は聞いていたけどそれが原因の脳挫傷でもって中島らもさん死去、享年52歳。「ガダラの豚」が僕的には読んで圧倒された小説ベスト10に今でも入る傑作で、本棚の良い場所(といってもその前にはすでに衣類と本の山で隠れて見えないんだけど)に初版が収められているんだけどこの後にいったいどんな小説を書いていたかというと、すぐに挙げられないくらいにそれほど印象がなくって、「明るい悩み相談室」での活躍とそして「今宵、すべてのバーで」から「ガダラの豚」へと続いた作家活動が僕にとっての中島らものクライマックスだったのかもしれない。「ガダラの豚」は映像化して欲しかったなあ。合掌。

 いやまあ別に写真集がファンドになる時代なんだからアニメがファンドになって個人投資家向けに売り出されたって不思議は全然ないんだけれど、それがゴンゾ制作のアニメってことになるとなかなかに微妙な感情を呼び起こしてくれてはたしてどうなるものかと悩みもだえる。「ラストエグザイル」こそ顔立ちは変わってもとりあえずラストまでハイクオリティを維持し続けたものの他のテレビシリーズでは過去にいくつか間に合わなかった前例なんかもあるだけに、24本分だかのアニメシリーズを1つのパッケージに見てDVDが売れればリターンがあって、キャラクターライセンスビジネスが展開されれば幾ばくかの分配もあるってスキームの、制作本数のところで遺漏が出たりしてリターンに影響が出るなんてことを、可能性は極めて薄いとは言え想像してしまってコナミがやった「ときめもファンド」ほどには食指が伸びない。

 ってか「ときめもファンド」ん時は出せば出した分だけ豪華な賞品がついて来た記憶があってリターンはそれほど期待しなくても得した気分にはなれんたんだけど今度のジャパン・デジタル・コンテンツが楽天証券にジェット証券と組んでしかけた「アニメファンド」は対象がゴンゾの作るアニメでそれも「バジリスク」って山田風太郎さんの「甲賀忍法帖」が原作の漫画をアニメ化したもので「ときメモ」ほどの思い入れを持ったファンがリターンを度外視して買いに走るとはなかなか思えない。なおかつゴンゾってゆクオリティの極めて高いアニメを作ってくれる会社ではあるけれど、数をいささかこなし過ぎてる感じがあってどれもがハイクオリティを保っていてくれるのかが見通しとして心配になっている。

 とはいえアニメ作品に資金を入れる上で従来の方式とはまた違った、個人投資家からの資金を集めるって方式がここに生まれて定着すれば、アニメ制作会社はパッケージメーカーの下請けじゃなく自分たちでもって資金をハンドリングしながら作りたい作品を作っていけるよーになるし、ファンもファンで見たいアニメが見たい的に想い入れをを作品として結実させることが可能になる。そんな将来がアニメ業界に訪れファンも制作会社もハッピーになるためにも、「バジリスク」には是非にでも無理にでも成功してもらいたいもの。これの成功がアニメ業界のあり方を変えるのです、たぶん。

 ラウール・ゴンザレスにロベルト・カルロスにグティってメンバーを見たときに浮かんだ言葉が「びみょー」。銀河系最強なメンバーが集まったクラブチームが日本にまたまたやって来るってんでのぞいた会見で並べられた名札には、毛の濃そうなポルトガルの魔導師も毛の薄いフランスの魔術師も毛を剃り上げた右足の魔法使いもいなくって、そんな会見を果たして見て報じる価値があんだろーかと想ったけれどそこはほら、見上げてご覧空の星を、上を向いて歩こうってな標語がまかり通る体質なだけに呼び屋への配慮も存分にしなくちゃいけないって意識が強かったよーで、押し気味な時間の中を頑張って最後まで聞いて記事にして叩き込む。

 キャプテンのラウールの優等生な発言(でも疲れ気味で短っ)もまあまあだったし汁気の少なかった(ホテルだし)カマーチョ監督の8月10日に始まる「チャンピオンズリーグ」予選への備えにしたいって顔立ちに似合わない真面目な発言にも媚びる意識がなく好感。けどそんなキャラクターを超えて目立っていたのが壇上でも1番巨大だったジェフユナイテッド市原のイビチャ・オシム監督で、自分たちが闘って勝ったり試合を通して何かをすぐに学べるようなチームでレアル・マドリードがあるはずもなく、だからこそのレアル・マドリードだなんて誉めているのかそれとも持ち上げているだけなのか、分からないけどオシム監督らしい語録で浮き足立つだろージェフの選手を牽制しつつ、それでも学べることは学ぶんだって言ってこの一戦を何らかの糧にする意思を見せてくれた。

 会見後は東京ヴェルディ1969のオズワルド・アルディレス監督にホセ・アントニオ・カマーチョ監督が3人で談笑してたけどオシム監督はやっぱり巨大。体躯のみならず貫禄も巨大でこれが世界に通用する監督のオーラかと納得する。これがもしもオシム監督じゃなくって同じ千葉から柏レイソルの早野宏監督が出ていたらどんな感じになったんだろー。冷えた駄洒落を連発してはお台場を時ならぬ吹雪で包み込んで気持ちを涼しくしてくれたかな。相手が外国人でもそのエッセンスでもって凍えさせられるくらいに強烈だからなあ。早野節。


【7月26日】 39歳で30日に不惑を迎える御歳で屈指のサッカー強豪国の監督に就任するってんだからユルゲン・クリンスマン、ちょっと凄い気もしないでもないけど生年でいえば1つ下のドラガン・ストイコビッチが務めているのなんて今はちょっと弱いとは言え歴としたサッカー強豪国のセルビア・モンテネグロのそれもサッカー協会会長で、立場から言えばベッケンバウアーと同格ってことだからそっちの凄さにくらべればたいしたことないのかも。でも日本で同世代の長谷川健太大榎克己堀池巧にプラス三浦泰年さんあたりが代表監督になることのまるでなさを考えるとやっぱり凄いことなのかも。いやまあすでにさらに年齢の下がるヒデが監督をやっちゃってる訳だけど。

 積み上げたまんま手つかずだった夢路行さんの「あの山越えて」(秋田書店)を4巻まで一気読み。農家になりたい。ってかあの一族だったら農業をやってみたいと思わせるくらいにほのぼのとして暖かくって楽しそうな農家の生活に見えてしまって、これをバイブルに田舎へと帰って農業を初めてぶち当たるさまざまな仕事上の難問に、田舎ならではのコミュニティとの付き合い上の難問が降りかかって悩む人とか多いかも。

 次男坊だけど長男が後を継がなかった農家に嫁を連れ帰郷した次男坊があれこれ頑張ってる姿を、嫁とはいいながらも、地元の学校で先生をやりながら時々は農家も手伝う女性をどちらかと言えば主役にして描いたストーリー。なるほど大変なことは大変なんだけどそんな大変さを汗とか修羅場といったぬとぬととしたものを抜きにさらりと、面白みのある表現もふんだんに織り交ぜて描いているため読んでいて楽しくそれでいて田舎暮らし、農家生活の大変さも感じられていろいろ勉強になる。

 子離れできない父とそんな父の愛を愛と知りつつ体が拒否してしまう娘の関係とか、シビアなんだけどでも後ろ向きな解決のされ方がなされてないこともあって読んで気持ちが荒まない。連載の方がどーなってるかはあんまり知らないけれど4巻まで読んでここまで楽しく、また濃密な気分になれたのってどの漫画以来だろー。タイプはまるで違うけど読めば読むほど味がしみ出る「ジオブリーダーズ」以来かな。似たタイプだと「モノクローム・ガーデン」ってそれは同じ作者だよ。でもホント、「モノクローム・ガーデン」はもう10回以上は読み返してます1巻も2巻も。

 実を言うとブーケでは吉野朔実松苗あけみ内田善美一辺倒(一じゃない)でちょっとだけ水樹和歌さんで、夢路行さんは関心の埒外でそのうちにとんでもない値段の付く人になっていたけど「モノクローム・ガーデン」に「あの山越えて」に加えて全集の刊行も始まって、今さらながらではあるけれどその全貌をこれから存分に堪能できると思うとこれからが楽しみで仕方がない。再読で得られる懐かしさも悪くはないけど新読で得られる驚きと興奮の方がより素晴らしいからね。これを今できる自分にラッキー。

 「週刊朝日」を久しぶりに買ったら枡野浩一さんの連載が始まっていて人間、働けばすごい高みへとあがれるものだと感銘を受ける。一般週刊誌の連載コラムだなんて仕事、幾らもらえるかって尾籠なこともそれとして、外に向かって見せた時に相当なインパクトを与えられそーで憧れる。連載でなくても単発でだってそんな場所で仕事をしたことがないからなー。でもそんな場所で仕事ができるよーな普遍的な趣味はしてないし。やっぱり無理か。でもちょっと憧れるなー、ページ5万円の世界には(「週刊朝日」がそれだけ出しているかは知らない。「文春」「新潮」だって知らないけど)。

 それにしても枡野さん、子供にしばらく会えてないとかいった話を書いたり装丁の人の仕事が遅れたことが青山ブックセンターで予定していたサイン会を永久にできなくしてしまった、なんてことはないけれどそーゆーこともあったんだと書いていたりと、場の頑なさをまるで気にしない辺りが実に枡野さんらしー。タブーを置かず気取りもしないで、でも愚痴みたいにドロドロにもならないで家族とか、自分の欲望とかを現してしまえる才能には恐れ入る。今回もABCで潰えたサイン会を開いてくれる書店さんなんか募集をしてたけどなあに、枡野さんを呼べるんだったらどこだって手を挙げるでしょー。ジュンクとか? 知らないけどでもあって不思議なさそー。やらないかな。


【7月25日】 ドイツとかカナダの代表チームを相手に戦うサッカーの日本女子代表ってのもあんな感じに見えるのかなあ「アジアカップ2004」の「日本代表vsタイ代表」。セリエAでも欧州チームが相手の代表の試合でも細く小さく見える中村俊輔選手ですらゴツく巨大に見えるくらいに小さいタイ代表選手を相手を、セットプレーからの空中戦で蹂躙するビジョンは同様にセットプレーから点を失うことの多い、日本女子代表とどこか重なるところがある。飛び込んで来る中澤祐二選手なんて場違いなくらいに巨大に見えたもんなあ。ヤン・コラー選手がはいったらいったいどんな感じに見えたんだろ。

 けどそんな段違いに高い相手でも日本女子代表がサイドをくずし中央を突破し得点を上げることがあるよーに、タイ代表もサイドから中央へと切れ込み素早くシュートをはなって見事なまでの先取点。対して巨大さでもって空中は蹂躙できても平面を支配して相手を席巻することはできずいわゆる”流れの中”からの得点を奪えずに終わってしまう。

 タイ代表ではできた空中の支配はけれども中東のチームが相手では難しく、またタイ代表が相手でもできなかったラン&ガンなプレーが、より堅牢に固めた中東の守備を崩すなんてことはまず不可能。逆にタイに1点を奪われたよーな守備のユルみをつかれて速攻から1点を奪われ逃げられる可能性が高く、じわじわと自力を見せ始めて来たオマーン代表とのワールドカップドイツ大会1次予選を圧倒的に勝つことが果たして可能か、不安が増す。

 ここは受けても待ち受ける中央アジア勢に中東勢。潰し合いのあるトーナメントじゃなくコンスタントな星撮りが必須のリーグを果たして上位4位に入れるか。イラン相手の試合をひとつに試金石にどこまで”たたかえる”集団なのかを確認しよー。しかしやっぱり揃えて来るのか”ベストメンバー”。負けず嫌いだからなあ。

 早朝から支度をしてはるばる東京の果ての稲城市へと向かう。駅前からバスに乗って大野安之さん「ゆめのかよいじ」のエンディングに出てきたみたいに丘陵を家屋とマンションと団地が覆ったよーな景色を抜けて、たどり着いた競技場はスタンドが小さく周りをぐるりと芝生の土手が囲んだ典型的な郊外型公共グラウンド。去年までだったらその小さいグラウンドでも余裕たっぷりに座って観戦できたんだろーけど4月の例の北朝鮮戦以後、わき上がった女子サッカーブームで日本女子代表への関心が高まっていることもあって、とてもじゃないけどスタンドでは収容しきれない観客が試合開始の1時間も前からやって来る。

 何しろカードは代表選手がともに5人づついる「日テレ・ベレーザvsTASAKIペルーレ」。最終的にはスタンドは満杯でぐるり囲んだ芝生もみっしりな観客が訪れた感じで、まったく同じカードだった、今年の1月に「国立霞ヶ丘競技場」で開催された、Lリーグと並んで女子のサッカーの最高峰に位置する「日本女子サッカー選手権大会」と比べたってもしかすると多い人数が来ていたかもしれない。かえすがえす凄まじいなあ、日本人にとっての五輪の認知度って奴は。

さーかいともえっ、おっおおおおー。日本代表を陰から支えるボランチを是非お手元に。弥生もおるでよ。  そんな人気がついにベレーザに選手グッズを作らせる決断をしたよーで、スタンドの入り口付近に作られた特設売店にはベレーザの文字が入ったTシャツと、そして何と主力のベレーザ選手6選手を象ったフィギュアが作られ売られていてちょっと仰天。急ぎ作ったみたいで15個づつしかなかく人気知名度抜群の澤穂希選手はいち早く売り切れ。残念ではあったけどこれを買わずしてベレーザ通い2年とかそんなもんのプライドが許さないと、残っていた酒井與恵選手に小野寺志保選手に荒川恵理子選手に小林弥生選手、そして代表ではバックアップに入った近賀ゆかり選手のフィギュア5つをまとめ買う。

 値段は1つ税込み1050円。似てる度はどれもなかなかでとりわけ特徴のある小林選手は福々しい感じがよく出てて、持ち歩いているとお金とかたまりそー。いざとゆー時は首を食べさせて……くれません。荒川選手はパーマがオバちゃんしているから最近の格好をモデルにしたのかな。近賀選手は眉毛の細さがリアルです。酒井選手も似てるし小野寺選手も美人でケースに入っていた澤選手は試合で見せる表情とは違って明るい笑顔。似てない人形の数ある中でここまで似せた原型師に心からの拍手を送ろう。誰なんだろ。

 五輪効果って意味ではこの試合、何でもLリーグとしてはとてつもなく久しぶり、代表ではない女子チームだと選手権の決勝以来のテレビ中継があるってことで、会場には大竹の美奈だっけどっちだったっけ、判然としないけれど元ベレな人がリポーター&解説で来ていてスタンド上か試合の流れをコメントしていて、場内をカメラ撮りに歩いていた時にちょっとだけ後ろで聞いていたらとってもゴージャスな気分になった。ラグビーが上田昭夫さんのコメントを試合中にスタンドに流してファンの興味を誘うよーに、女子サッカーでもこれをやると見慣れない選手が出ている試合でも環状を注ぎ込めるよーになって終わった後にファンがどがんと増えるかも。鬱陶しがられる可能性もあるけれど、年に1つ2つ普及試合もかねてやってみたら面白い、かな。

 試合は熱さもあって始めは様子見な感じ。途中からペルーレが攻め込みサイドから川上直子選手が放り込んで中央に大谷未央選手が詰めるよーな代表でも観たい攻撃とか、離れた場所からの素早くて強烈なミドルシュートとかが出てベレーザのゴールに迫る。一方のベレーザは中盤は支配できても中央突破をするには相手のディフェンスが堅牢で、かといってサイドから崩そうとしても中地舞選手や近賀ゆかり選手といった選手かサイドからクロスで澤選手とかに会わせて得点をゲットしたパターンがあまり観られず、遠目のシュートはどれも弱くてなかなか得点に結びつかない。

 それでも最後はサイドから入ったボールを中央で頑張った荒川選手が叩き込んで1点を奪ってそのまま試合終了。得点直後に線審の旗が揚がってオフサイドかとびっくりしたけど違うファールだったのか、主審の判断で覆されたのか得点は得点として認められたよーで、優勝を狙う上で最強の難敵を最小得点差ながら下してベレーザは首位固めに突っ走る。逆にペルーレは前週に伊賀くノ一に引き分け今回の敗戦で優勝争いから1、2歩後退。代わってとてつもなく地力を上げてきたさいたまレイナスFCがベレーザと首位争いでしのぎを削ることになりそー。ともあれこれでLリーグはいったんお休み。再開は五輪後になるんだけどたとえアテネでメダルに近づけなくっても、Lリーグの試合は続けられるし女子サッカーは未来永劫行われる訳で、ブームみたいになってる空気が冷めても今日の試合に訪れた数千人には、9月以降もスタジアムへと是非に脚を運んで頂きたい物。関係者でも何でもないけどファンとして伏してお願い申し上げます。


【7月24日】 クラリオンガールったらそれはもー、ぼーんぼーんでどーんどーんでばーんばーんな美女たちがズラリと居並ぶオーディションとして強く頭に印象として残ってたんで、それが決定する場に居合わせるってことはつまり、ステージに居並ぶぼーんでどーんでばーんでどかーんな美女を目の当たりに出来る絶好格好なチャンスだって小躍りして会場に行って唖然。変わってたんだね、数年前に「クラリオンスカラーシップ」ってゆー新進のアーティストを発掘するオーディションに。

 もちろん女性を選ぶ「クラリオンガール」ってカテゴリーは残ってるんだけどその選考基準はぼーんでどーんじゃなくって、見た目も大切だけどそれだけじゃなく、歌とか踊りとか何かほかにアピールできるものもあるってことみたい。なんで出てくるのも「クラリオン」ってよりは「ホリプロタレントスカウトキャラバン」あるいは「国民的美少女コンテスト」みたいな感じで最終審査では数分間で歌でも踊りでも何でもいいから、自分を表現してみせるってことになっている。水着審査? そんなものはない。

 6人が最終審査に残ってて最初に登場したのは東京都出身のさんて15歳で唄ったのは上戸彩さんの何とかって曲。それが「スター誕生」だったら予選で落ちてそうな出来で歌い終わったら緊張感から泣き出す始末。態度も決してハキハキしておらずちょっと芸能界向きじゃないって印象で、チェックしながらこれはまずないだろうって頭に刻んでそれから後に続いた、歌の巧い中国出身の少女に超ポジティブな保泉沙耶って娘にやっぱりポジティブで舞台ではチアダンスを披露してくれた仙台出身の世那さんにダンスを披露してくれた佐々木景子さんにハワイ出身のHaleyさんと、歌なりインパクトでは上の娘たちになおのことないだろうと確信していたらこれがどうしたことなのか。

 発表となったグランプリにはその葵さんが堂々輝く展開に。やっぱり泣き出したその仕草にやっぱり芸能界向きっじゃないって思えたけれどでも、他があまりに芸能界ずれしていたのと比べると、1人とっても初々しかったのも事実。すぐに使えていろいろ展開可能な女の子より、スレてない可憐さと磨けば光るかもしれない素材に賭けてみたくなったのかもしれない。でもきっといろいろ逡巡もあったんだろーな。なるほどだから審査も長引き合間に出てきた第1バイオリンがキーキーと鳴るクラリオンの社員が創ったカルテットの人前ではなかなか厳しい演奏を、審査が終わるまでだってことでしばらく聴かされた続けたんだ。ともあれ選ばれたからには頑張ってください葵さん。まだ15歳なんですぐにぼーんでどーんでばーんに……ならないか。

 皆勤賞の7回目となった「東京キャラクターショー2004」。開場するなり走り込んではイベントのとっても偉い人を突き倒してそのまま逃げ去り、眼鏡を粉砕した野郎は即座に自首するよーに。来年開かれなかったらそれは貴様のせいだ。角川書店グループが秋の「東京国際映画祭」に関連したイベントに力を注ぐっぽい関係から出展してない関係もあって内容のショボさが心配されたけどなかなかどーして、ブロッコリーの巨大なブースには昼を過ぎても行列が出来ていたし「アクエリアンエイジ」のカード対戦コーナーもぎっしりの人だかり。サイン会には長蛇の列でイベントの入場整理券もさっさと完パケとあれでなかなかにしっかりと、商売をしているみたい。もとより無茶しなきゃあ底堅い支持はあったんだからこの辺を底に持ち直していって欲しいもの。

 そんなブロッコリーが来年に社員を賭けて贈る企画「熱風海陸ブシロード」のブースも登場してはメカとかキャラの設定をショーケースに入れて展示。時間が経つにつれて入ってくる女子が増えて来て、流れるリクカイクウと同じ面子が贈ってるっぽいテーマソングを聴きつつプラズマディスプレーに流れるプロモーション映像を見つつ、体を動かし相づちを打っては「やばいよやばいよ」と口々に言っていたのが印象的で、その「やばさ」ってのが具体的に何なのかは分からないし、おそらくは若い人の言葉にありがちな強い印象を持ったものに対して張る抽象的な形容の言葉でしかないんだろーけどそれでも、しっかりと食いついてきているファンの少なからずいる様子を見るにつけ、本展開が始まる来年以降に期待も持てそう。後は亡くなられた吉田直さんの遺志を継ぎ世界を作り上げてくれる才能がいるか、なんだけど。本当にやってくれるのかなあ。忙し過ぎるからなあ。

 せっかくだからとバンダイビジュアルのブースで等身大(なのか?)の「美鳥」を購入。あとは学ランを買えば会社でゴッコが出来るなあ、って会社に持っていく気か? だったら包帯は忘れずに(そーゆー問題か?)。それから「脂身ブラザーズ」のかけ声に引かれあかほりさとるさん直筆のサインが入った「生きてるだけで大失敗」Tシャツも購入。これで会社に行くと嫌味になって良いかも。存在だけで大失敗だと思われてるから、12階あたりじゃきっと。テクモのブースでは「デッド・オア・アライブ エクストリーム・ビーチバレー」の格好つまりは水着のお姉さんが終日立って終日の撮影会。どんなパーツもアップで取れる300ミリを持っててこんなに良かったと思ったことはない。どこっておへそのアップだよ(嘘つき)(嘘つき)(嘘つき)。

 届いた「SFマガジン」2004年9月号におでれーた。いやもう相棒てーしたもんだ、って別に相棒でもなくお目にかかったこともないけれど、以前から読んで面白いと感じてせっせと紹介していた「よくわかる現代魔法」(集英社スーパーダッシュ文庫)の桜坂洋さんが短編「さいたまチェーンソー少女」で西島大介さんをイラストに堂々の登場。少女が家伝のチェーンソー技を繰り広げつつ同級生を殺戮していく展開が、可愛いけれど残酷であっけらかんとしてスプラッタな西島さんのイラストが持つ空気とも相まって、客観的には虚ろで寒々とした行為の暴走で、けれども当人にとってはとてつもなく濃密で真っ直ぐな少女の感情の爆発を感じさせてくれる。「マガジン」読者がどう思うかは微妙だけど塩澤さん、是非にどんがん起用しては眠っている、かもしれない才を引きずり出して意外なセカイを僕たちに見せてくださいな。しかしやっぱりよく起用したなあ。


【7月23日】 荒川弘さん「鋼の錬金術師」の第8巻を買う。ホークアイ中尉がホークアイ中尉がホークアイ中尉がホークアイ中尉がひゃっほう! 私服姿で髪の毛下ろしているとまるで印象が違って見える。ってか印象違えて描いてる。だって普段の軍服姿のホークアイ中尉っていつも仏頂面で表情変えないのに私服姿で登場して夜の街を買い物に出歩いてる最中に得体の知れない追い剥ぎにだってこれを撃退するシーン、溜息ついたり焦ったり驚いたりと微妙ながらもちゃんと表情を変えているんだから。感情がちゃんとあるってところを見せてくれてこれで攻めれば良きにつけ悪しきにつけ、反応を得られるんじゃないかって期待してしまう。コナかけて終始仏頂面だと……それも良いかな。ともあれ人間らしく美女らしいホークアイ中尉に乾杯、これからも是非の活躍を。

 荒川弘さん「鋼の錬金術師」の第8巻を読む。ブラッドレイ大総統がブラッドレイ大総統がブラッドレイ大総統がブラッドレイ大総統が。うほっ。良い男? いやなるほどある意味においては良い男かもしれないかも。前巻で刀を両手に持って振り回しては無敵のホムンクルスをしとめる腕前を披露していてそのタダモノじゃなさぶりが彼をして大総統へと押し上げたんだと理解したけどそんな腕前が単なる錬金術を超えたものだってことが分かってしばし愕然。これでいったいどーゆー決着を付けるのかに興味が及ぶ。秋には終わるテレビ放映に関してラストの場面にある程度の了解を与えてあって、なおかつそは自分がすでに決めてある漫画の最終回を踏まえたものであるそーで、頭に抱いている広げられた風呂敷を畳んだ姿に今回のこの圧倒的な大どんでん返しが絡んでいくのか。毎月でも「ガンガン」買ってリアルタイムで追って行きたくなって来た。

 1度も見たことがないんでどれだけ凄いことなのか分からない「オートバックスM−1グランプリ」の優勝って価値だったりするけど今日あった2004年の「M−1グランプリ」の実施発表に集まった記者とかカメラの数とか見るに着け、その人気振りってものがうかがえる。会見には発案者で実行委員長でもある島田紳介さんと「フットボールアワー」が出てきてあれやこれやと喋り、そこに今年の優勝候補と言われている「アンタッチャブル」に「笑い飯」の2組が、まあ半ば仕込みどおりに「優勝は俺達だ」って突っ込みに来る展開だったけど、そんな彼らを前に紳助さん、「アンタッチャブルは華がない」「笑い飯はボークばかりや」と辛辣な意見を言っていて、まあ半分くらいは先輩芸人による後輩イジりをテレビ向けにやっている所もあるし、聞く方もそれを受けて場を盛り上げようって感じだったけど、半分くらいは島田さん、本気で彼ら以外から優勝者が出る可能性があるって考えているよーで、積み重ねではなくその時々の出来次第で優勝の行方が左右されてしまう「M−1」ってイベントの怖さが伺えて、だからこその真剣勝負に人気も集まるのかもって想像する。

 面白かったのは島田さんが「アンタッチャブル」の誰だろう、ウェイターみたいな服装をした方に「優勝賞金は寄付せい」と突っ込んで「します」って即答せずに「うーん」と考え込んで「優勝する気やな」と島田さんが言ってた場面で、それはなるほど自信とゆーか期待なのかもしれないけれど、そこで大向こうを狙って「寄付します」って言えないくらいの魅力が1000万円の優勝賞金にはあるんだってこともうかがえる。ちなみに去年の優勝者の「フットボールアワー」はボケっとした方が「ベンツを買った」そーでちょっと当たり前っぽいけどボケた表情に似合ってないからまあ、受けを狙ったところが感じられてちょっと面白かったかも。どんなベンツを買ったんだろー。1人頭500万円で買えるベンツなんてたかが知れてるけど。

 もう1人の細い方は母親に言われて家のリフォームへ回したとのこと。ベンツも含めて芸人ならではの破天荒さ(1番で使い切ったとか歩いていて落としたとか)があんまりないよーな気もしないでもないけれど、私生活の荒れっぷりまで含めて芸人ってゆーんじゃなく、普段は普段として研鑽に励みつつ、板の上に立ってそこで何をどうみせるのかって所に腐心する、一種のアスリート的な気質の方が今の若手芸人には高まっていたりするせいなのかもしれない。こと漫才の質で言えば「自分が出ても練習1カ月では準決勝にも出られない。3年練習しても決勝に残れるかどうか」って紳助さんが言うくらいにレベルが高く、こと漫才についてはとてつもなく五月蠅い「オール阪神巨人」の巨人さんも紳助さんに「今の若手は上手い」と言っていたほど。この誉めようはちょっと凄いかもしれない。

 「スポーツと同じで競技人口が増えればレベルも高いのが残るようになる。どうやって競技人口を増やすかが大切」って紳助さんの考えが、2000円払えば誰でも参加できる間口の広さと、アマとプロが同じ板で競い合っても、その時の出来だけで優劣を決めるんでアマでも勝ち抜けることがあるかもしれいない可能性、そして1000万円って優勝賞金が大勢の参加意欲を促し徐々にレベルも高めて来たんだろー。競技人口を減らす方向にしか向かっていないプロ野球の関係者は心して聞くように。今はブームだけどオリンピック後はどうなるか分からない女子サッカーの関係者も。しかしそれほどまでに凄いことになっている漫才を、あんまり見ていないのはちょっともったいなさ過ぎ。なので機会を見つけてしばらくウォッチしてみることにする。まずは「爆笑オンエアバトル」からか。


【7月22日】 涼しくて快適な日。って感じがしてしまうくらいに前々日前日が凄まじかったってことだけど、それでも朝っぱらから30度を超す完璧な夏の日をクーラーはきいても融通のきかないオフィスから逃走して、汐留にある日本テレビ放送網の本社前で開かれた「日テレ・ベレーザ」からアテネ五輪へと出場する代表選手の壮行会を見物。荒川恵理子選手は何か所用(スーパーのレジ打ちかラーメンの手延べかパーマ屋さんでヘアセッティングかは不明)で来られなかったけど、澤穂希選手に小林弥生選手に小野寺志保選手、そして我らが酒井與恵選手の4人が登場してはあれこれ豊富を語ってくれた。

 いやもう驚いたのが酒井選手の代わり様。前の「なでしこジャパン」の時の浴衣姿は間近に見てないんで分からないけど、あの時も目の上にラインを入れてそれなりに派手な顔立ちへと変えてて見た人を驚かしたらしー。けど浴衣ってことで髪をアップにしていたから全体のシルエットは試合場とあまり変化が無かったよーに思えたけど、汐留の舞台に登場した酒井さんは髪を下ろしていた関係で、両頬がかくれていつもと違う雰囲気になっていた。ストレートなヘアかと思ったら末端にふわふわっとウェーブがかかった髪で例えるならロン毛のプードル? まあそんな感じに見えました。

 何より肝心なのは「金メダルを取ったら誰に見せたいか」って質問への「彼氏、と言いたいところだけど今いないので」発言か。これにはそらくは全国に200万人は誕生していると思われる酒井與恵ファンの男性が、未婚も既婚も未成年も含めて狂喜乱舞したのではなかろーか。一応は見物ではなく本業用の取材として行ったんで現場では「ひゃっほう」とか叫ばなかったけど、聞いた瞬間に足の震えが止まらず手の震えも止まらなかったよここしばらくずっと震えは続いてるんだけど。ストレス? ちなみに同じ質問で澤選手は「両親とあとリハビリに協力してくれた人」。ここで「婚約者」とかいってノロけた風を見せてメディアの受けを取ろうとしないところに慎重さ、堅さ真面目さが見え隠れ。荒川選手がいたら何と言ったかなあ。冒頭でわざわざ現れては激励の言葉を贈った氏家齊一郎・日本テレビ放送網会長かなあ。「えっと誰だっけ、さっき出てきた氏家ってじいさん」とか言って周りを青ざめさせるんだ。

 それにしても盛り上がった壮行会。それほど広くないとはいえ広場はぎっしりの人で上のテラスから見下ろす人も含めて200人は来ていたかもしれない。去年の日テレ・ベレーザの試合にだってこれほどの人は来てなかったよーに記憶してるから(ワールドカップで代表選手が活躍しててても、だよ)、いかに五輪出場が凄いインパクトを持ったことだったかが分かる。コメントでほとんど全員の選手が「メダルを獲得して女子サッカーをずっと盛り上げて行きたい」って言っていたのにも頷ける。もちろんそれは彼女たちの願いだだろーけどでも、五輪で勝とうと敗れよーと女子サッカーが”何か”を見せてくれるってことだけはすでに伝わっている訳で、”ひたむきさ”なり”まじめさ”なりをテレビ中継を通して見せてくれれば、例えメダルをとれなくても、会場に人は集まるだろーから安心して、ただひたすらに自分を出して来てくれればと声にならない声で激励の言葉を贈りたいと思います。

 鷹見一幸さん「ガンズ・ハート3」(電撃文庫、630円)は教会の禁忌を破って銃を改造してはエズォルだっけ、原生の原人みたいな生物の大量発生による肉津波を撃退した主人公たちが平和になった国で宮廷ごっこをしているうちに尊厳を傷つけられた教会が天罰を下しに来るって展開。死ぬかどうかってぎりぎりの状況で工夫しまた勇気を振り絞って戦いこれに勝利するってゆーシークエンスに比べると、政治と軍事が絡んで大きくなった話はどうにも緊張感がなくまたつかみ所もなくってこの先、どうなっていくのかやや懸念。国家間の文明をめぐる争いがやがて世界を巻き込む大戦へと発展していく可能性があって、そんな中で1人2人の現場の英雄の頑張りが浮かび上がり過ぎると、どうしても展開から真実味が薄れていってしまうんだよね。その辺りをどう塩梅しながら裁いていくのかに興味。下着姿で戦場へと走り込むアニゼットを何故イラストにしない。


【7月21日】 スタイルシートとはスタイルが良くなる湿布のことかスタイルカウンシルの妹バンドか。難しいんだよなあ。考え中。それはそれとしてその昔にアビスパ福岡だかにいたディエゴ・マラドーナの弟を偽マラドーナと呼んでイジっていた記憶があってその例に倣えば今日、池袋の「池袋サンシャインシティ」で開かれたタカラの新しい知育玩具の発表会に出てきた安倍麻美さんを”偽なっち”と呼んで呼べそーな気がしないでもないけれど、直接見た麻美さんは1度だって見たことのないテレビ越しでの印象しか知らない安倍なつみさんに比べても遜色のない美貌でなおかつ、イベントの間中も決してダルな所を見せないで一所懸命トークに司会に活躍していて、その性格雰囲気の良さにこっちが本家の安倍麻美、なので向こうは”偽まみたん”とこれから呼ぶことにする。

 なんて言うとなっちのファンからイタめつけられるので言いません。日テレ・ベレーザに入団してもらって山口麻美さんとツートップを組めば「ダブルまみたん」で売れそーな気がするなあ。日本テレビ放送網の力でやっちまわないかなあ。まあそこは読売グループと言っても半ば三行半をつきつけられて日本テレビ送りにされたサッカーチーム、野球のジャイアンツと違って無理やら無茶を押し通すよーなカルチャーはないよーでTASAKIペルーレから川上直子選手を呼び、さいたまレイナスFCから山郷のぞみ選手を呼び伊賀くノ一フットボールクラブから宮本ともみ選手を引き抜いて最強軍団にするなんて動きもないんで、サッカー経験のあんまりなさそーな安倍麻美さんを無理にでも招聘しよーなんてことはしないだろー。残念だけど仕方がない。

 女子サッカーで「モーニング娘。」系だったらやっぱり巨大な飯田佳織さんを呼んでトップなりキーパーなりに入れて強化を図った方がむしろ良さそー。あるいは辻加護の2人をツートップに入れて分身の術とか言って相手を攪乱させた方がより強くなるかも。喋りまくりながらのプレーに相手も腹を抱えて笑い出す。フットサルやってるんで次はいよいよL入りを目指すアイドル登場、なんて仕掛けを売って世の中の目をさらに女子サッカーへと向けさせてやって頂きたいですつんく様。

 日本経団連が大企業の今夏のボーナス調査を発表。組合員1人辺りの平均妥結額は82万9030円とかで、マスコミと金融が含まれていないこの数字にマスコミを入れたら決して組織数として多くはないのにぐんと跳ね上がってしまってそれくらいに巨額なボーナスをもらっているんだ彼らはってやっかみを、世間に引きおこしそうな気もするけれどなあにご安心。僕のとっても身近なマスコミの人は来年が不惑だってゆーのに大企業の平均妥結額とやらに比べてすら遙かに少なく、反発どころが同情を招きそー。重厚長大で構造不況な鉄鋼ですら73万6100円。その身近なマスコミの人にはこれすら目の上の彼方に漂う数字でやっぱり、世の中何かが違ってるってことを強く訴えたい気持ちになる。トバされるんで訴えるまではしないけど。ってか既にトバされてるんで怖いものはないんだけど。どうされたいんだ?

 「週刊サッカーダイジェスト」の2004年8月3日号に読んで泣け且つ背筋の伸びる投稿。大分方面に済んでいて地元の大分トリニータがジェフユナイテッド市原とホームで試合をすることになって実は大分ではなくジェフの阿部勇樹選手の大ファンで「あべちゃんが来る」ってことでチケットも買い「阿部」のボードも用意して待っていたら前節でカードをもらって大分では出場できないことが判明して「私は頭が真っ白になり、学校と家でずっと泣き続けました」という。泣き続けた、って言葉が結構重いなあ。

 なるほど試合中に2人が抜けて孤軍奮闘を強いられた挙げ句のカードであって、それを知った投稿者は理解を見せて来年こそはって気持ちよくエールを贈ってる。でもやっぱり結果として大好きだというファンに年に1度しかないチャンスで姿を見せられなかったという事実は事実として結構重たく、ましてや試合中に募ったイライラを晴らすための暴力的な行為の挙げ句の出場停止だったらなおのこと、ファンにプレーをみてもらってその積み重ねで、ご飯を食べているってことを選手の人は強く激しく認識しなきゃいけないってことになりそー。

 野球の松井秀喜選手が休まないのは、試合は毎日でもその日にしか来られない子供が出場していないといって悲しむ姿を見たくないからで、意識だけでもサッカーの人もそんな気持ちであっていて欲しいもの。そんな気持ちがあれば小ずるいプレーをした挙げ句にカードを出されて審判に文句を言う、なんてことは出来なくなるはずだから。もっとも選手がいくら頑張っても審判がカードコレクターってこともあるから難しい。選手以上にスポーツであると同時に興行なんだって意識を審判の人にも感じて欲しいところ。


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