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【作家歴】、十二歳、未来の息子、しずかな日々、体育座りで空を見上げて、みきわめ検定、枝付き干し葡萄とワイングラス、るり姉、ガミガミ女とスーダラ男、坂道の向こうにある海、フリン |
ダリアの笑顔、市立第二中学校2年C組、恋愛小説、純愛モラトリアム、どんまいっ!、かっこうの親もずの子ども、シロシロクビハダ、その青のその先の、消えてなくなっても、未来の手紙、伶也と |
伶也と、14歳の水平線、明日の食卓、見た目レシピいかがですか?、つながりの蔵、さしすせその女たち、緑のなかで、昔はおれと同い年だった田中さんとの友情、こんぱるいろ彼方、純喫茶パオーン |
「ぼくたちの答え」 ★☆ | |
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学校でイジメやシカトに遭って、今はフリースクール「みかん」に通う中三生たちの物語。 UFOや宇宙人を見た!という井上陽羽吾(ひゅうご)、お寺の子で幽霊やこの世のものではないものが見えるという浦沢臣、量子物理学に興味を持つ落合眞琴。 余りに突拍子がなく、これではクラスでハブられるのも無理ないなぁと思ってしまうのですが(是認する訳ではありません)、フリースクールで3人が出会った処からストーリィが始まります。 語ることはそれぞれまるで異なることながら、どこか共通するものがあるのではないかと共感を覚えた3人、友情を結ぶと共に“コスモボーイズ”というチームを結成、「みかん」文化祭での発表を目標に動き出します。 宇宙人は実在する、地球に暮らす自分たちを見守っているとか、幽霊や妖怪たちは実在する、という前提に立って三人の間で会話が繰り広げられていきますので、幾らなんでもついて行けないとお手上げという気持ちになったのも何度かあり。 それでも3人が行き着いた結論は、結構、まとも至極。 彼ら3人が、困難を乗り越える道を自分たちで見つけ、それを基に次の舞台へ向けて強く足を踏み出そうとする姿にはホッとさせられます。 でもそれは、自分の言葉を信じてくれる仲間に巡り合えたからこそ、と言って良いでしょう。 3人のこれからにエールを贈りたい。 |
「ミラーワールド mirror world」 ★★☆ | |
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これは面白かった。名作というような作品ではないのかもしれませんが、無茶苦茶面白かったし、悔しくてなりませんでしたし、幾度もカッカきた、というストーリィ。 <男尊女子>社会を反転させ、<女尊男卑>社会を舞台としたストーリィ。 女だからと家族の中でやたら威張りまくり、子育て・家事を夫に押し付けて平然としている。さらには新人男性に対し酷いハラスメントを繰り返し行いながら、訴えられると単なる遊びだったのにと逆ギレ。 余りの酷さに何度も腹が煮えくり返るような思いをしましたが、これは長く女性たちが味わって来たことなのだろうと、反省することしきりです。 でも、これほど酷いのは、以前の時代のことであったにしろ一部でのことだよね、と思いたいところ。 ストーリィ中、登場人物の一人による、このような女尊男卑を当たり前にしてきたのは、女におもねり楽をしようとしてきた男にも責任がある、という言葉はやはり重たいものがあります。 また、母親、父親たちの姿をみてオカシイ、人間として平等であるべきだと声を上げる子供たちに、これからの社会作りを大いに期待したいところです。 女尊男卑社会を描く仮想ストーリィだからこそ面白い、という面はありますが、それで終えてしまってはいけない。男女を置き換えて、今の社会の有り様をきちんと直視することが必要です。 社会の制度や仕組みにおいて男女平等が実現することを心から願います。 ※登場する家族は次のとおり。 ・池ヶ谷良夫:専業主夫&学童指導員、妻の由布子は中学教師。 長男の耕介は高一、次男の俊太は中一。 ・中村 進:専業主夫、妻の千鶴は勤務医。 長女の鈴は中三、長男の蓮は中一、俊太と同じクラス。 ・澄田隆司:婿入りし義父と理容店を経営。妻の絵里は警察官。 長女のまひるは中一、次女のともかは小四。 |
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