椰月
(やづき)美智子作品のページ No.4



31.ぼくたちの答え

32.ミラーワールド

33.きときと夫婦旅 

34.ともだち 


【作家歴】、十二歳、未来の息子、しずかな日々、体育座りで空を見上げて、みきわめ検定、枝付き干し葡萄とワイングラス、るり姉、ガミガミ女とスーダラ男、坂道の向こうにある海、フリン

 → 椰月美智子作品のページ No.1


ダリアの笑顔、市立第二中学校2年C組、恋愛小説、純愛モラトリアム、どんまいっ!、かっこうの親もずの子ども、シロシロクビハダ、その青のその先の、消えてなくなっても、未来の手紙、伶也と

 → 椰月美智子作品のページ No.2


伶也と、14歳の水平線、明日の食卓、見た目レシピいかがですか?、つながりの蔵、さしすせその女たち、緑のなかで、昔はおれと同い年だった田中さんとの友情、こんぱるいろ彼方、純喫茶パオーン

 → 椰月美智子作品のページ No.3

 


                 

31.
「ぼくたちの答え ★☆


ぼくたちの答え

2020年12月
ハルキ文庫

(780円+税)



2021/01/18



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学校でイジメやシカトに遭って、今はフリースクール「みかん」に通う中三生たちの物語。

UFOや宇宙人を見た!という
井上陽羽吾(ひゅうご)、お寺の子で幽霊やこの世のものではないものが見えるという浦沢臣、量子物理学に興味を持つ落合眞琴
余りに突拍子がなく、これではクラスでハブられるのも無理ないなぁと思ってしまうのですが(是認する訳ではありません)、フリースクールで3人が出会った処からストーリィが始まります。
 
語ることはそれぞれまるで異なることながら、どこか共通するものがあるのではないかと共感を覚えた3人、友情を結ぶと共に“コスモボーイズ”というチームを結成、「みかん」文化祭での発表を目標に動き出します。

宇宙人は実在する、地球に暮らす自分たちを見守っているとか、幽霊や妖怪たちは実在する、という前提に立って三人の間で会話が繰り広げられていきますので、幾らなんでもついて行けないとお手上げという気持ちになったのも何度かあり。
それでも3人が行き着いた結論は、結構、まとも至極。

彼ら3人が、困難を乗り越える道を自分たちで見つけ、それを基に次の舞台へ向けて強く足を踏み出そうとする姿にはホッとさせられます。
でもそれは、自分の言葉を信じてくれる仲間に巡り合えたからこそ、と言って良いでしょう。
3人のこれからにエールを贈りたい。

                

32.
「ミラーワールド mirror world ★★☆


ミラーワールド

2021年07月
角川書店

(1650円+税)

2024年07月
角川文庫(1)



2021/08/06



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これは面白かった。名作というような作品ではないのかもしれませんが、無茶苦茶面白かったし、悔しくてなりませんでしたし、幾度もカッカきた、というストーリィ。

<男尊女子>社会を反転させ、
<女尊男卑>社会を舞台としたストーリィ。
女だからと家族の中でやたら威張りまくり、子育て・家事を夫に押し付けて平然としている。さらには新人男性に対し酷いハラスメントを繰り返し行いながら、訴えられると単なる遊びだったのにと逆ギレ。
余りの酷さに何度も腹が煮えくり返るような思いをしましたが、これは長く女性たちが味わって来たことなのだろうと、反省することしきりです。

でも、これほど酷いのは、以前の時代のことであったにしろ一部でのことだよね、と思いたいところ。
ストーリィ中、登場人物の一人による、このような女尊男卑を当たり前にしてきたのは、女におもねり楽をしようとしてきた男にも責任がある、という言葉はやはり重たいものがあります。
また、母親、父親たちの姿をみてオカシイ、人間として平等であるべきだと声を上げる子供たちに、これからの社会作りを大いに期待したいところです。

女尊男卑社会を描く仮想ストーリィだからこそ面白い、という面はありますが、それで終えてしまってはいけない。男女を置き換えて、今の社会の有り様をきちんと直視することが必要です。
社会の制度や仕組みにおいて男女平等が実現することを心から願います。

※登場する家族は次のとおり。
池ヶ谷良夫:専業主夫&学童指導員、妻の由布子は中学教師。
 長男の
耕介は高一、次男の俊太は中一。
中村 進:専業主夫、妻の千鶴は勤務医。
 長女の
は中三、長男のは中一、俊太と同じクラス。
澄田隆司:婿入りし義父と理容店を経営。妻の絵里は警察官。
 長女の
まひるは中一、次女のともかは小四。

                  

33.
「きときと夫婦旅 ★★


きときと夫婦旅

2022年07月
双葉社

(1600円+税)



2022/08/18



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中高一貫の進学校に通う中三の息子=が今日は登校していないのですが、という担任教師からの電話に安納みゆきはびっくり。
帰宅していったい何処へ行ってしまったのだろうかと不安に感じたところ、
富山県氷見市に引っ越したかつてのママ友から電話があり、ようやく昴の居場所が分かります。
かつて仲良かった友達の家に、創立記念日で休みと嘘をついて遊びに行ったらしい。

翌日の金曜日、勤務先の書店から休暇をとって富山へ向かおうとするみゆきの元に、日曜日までは絶対に帰らないという昴からの返事が家族LINEに届きます。
当初こそ出版社での営業があるから俺は行けないと言っていた夫の
範太郎でしたが、富山が有数の鉄軌道王国と気づいた途端、これ幸いとウキウキした風で付いてくる始末。
ここ数年、家庭内別居とも言える状況が続いているこの倦怠期夫婦が、あろうことか息子の拒絶により2日間、ドタバタ夫婦旅を繰り広げることになります。さてその顛末は・・・。

本ストーリィは、妻のみゆき、夫の範太郎、それぞれの立場から代わる代わる語られていきます。
息子の心配より鉄ファンならではの興奮に舞い上がっている範太郎に対し、みゆきの苛立ちは募るばかり。
いやー、夫婦がすれ違って溝がどんどん広がっていくという過程をまざまざと、双方からその胸の内を聞くような展開です。

余りな能天気ぶりに、みゆきが範太郎にコップの水をぶちまけるという様も、分かる分かる、という感じ。
でもこういう展開になるとどうも、男性側は分が悪いですねー。
それにしても範太郎の振る舞いは相当にお粗末ですが。

終盤、息子の昴と合流してから、家族の雰囲気が変わります。
中三であろうと息子、両親をよく見ている、と言うべきなのでしょう。
親の仲が悪かろうが、いや親の仲が悪いからこそなのか、それでもしっかりと息子は育つ。昴、意外と策略家なのかも。
ストーリィ展開、どうぞ楽しんでください。

※ロードノベルといった面を持つ本作、<鉄>ファンなら楽しめる要素も盛り沢山です。
なお、題名の
「きときと」とは、富山の方言で「新鮮」という意味だそうです。

1.旅のはじまり/2.旅をしたって溝は埋まらない/3.旅の自由時間/4.鉄軌道の旅/5.氷見の旅/6.昴の旅/7.旅はつづく

                 

34.
「ともだち ★★


ともだち

2024年03月
小学館

(00円+税)



2024/04/04



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毎日小学生新聞の人気連載小説、その単行本化とのこと。

主人公の
ジュンたちは、小学校6年1組の生徒たち。
ジュン、幼馴染みの
ルイ、優秀なスカイ、陽気でサッカー少年のシン、努力家のレオン。そして、ミナの父親の作るカレーはとても旨い。
みな、カタカナの名前で呼ばれるのではっきり分かりませんが、どうも外国籍の子供たちもいるらしい。
でも、それも個性、そんなことに捉われず、みな仲が良い。

でも、クラスの同級生は様々。仲が良くない相手もいれば、問題を起こす生徒もいます。
小学校のクラスも、それはそれで一つの社会。問題ごともそれなりに起こります。
それでも、友だちがなんか悩んでいたり、困っていたりする時には、皆で助け合おうとする姿が嬉しい。

本ストーリー中、問題を起こした生徒から皆が距離を置こうとすると、その母親がイジメだと学校に文句。
若い女性担任の
宇野先生、さっそくクラス会議を開きますが、そこでのやり取りが凄い、素晴らしい。
まさしく、小学校のクラスだって、社会の縮図なのです。
是非、読んで、考えてみてください。勉強になる筈。


1.夢の気持ち/2.夕方の気持ち/3.火曜日ごはんの気持ち/4.仲間の気持ち/5.不穏な気持ち/6.みんなの気持ち/7.聞きこみの気持ち/8.シンの気持ち/9.レオンの気持ち/10.変化の気持ち/11.運動会の気持ち/12.見えない気持ち/13.スカイの気持ち/14.年末年始の気持ち/15.ルイの気持ち/16.卒業の気持ち

         

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