ジャイブ編アンソロジーのページ

  


 

●「Over the Wind−青春スポーツ小説アンソロジー−」● 




2009年04月
ジャイブ刊

(1600円+税)

 

2009/04/30

 

amazon.co.jp

青春小説、スポーツ小説、という類は好きな方なので、期待して手に取ったのですが、率直に言って思惑外れ。

川西蘭「光る汗のような爽快なアンソロジーを期待していたのですが、主人公が若くかつスポーツ絡みである点は確かながら、どれも捻ったところがあって、素直に爽快、という気分にはなれなかったところが残念。
ただし、収録6篇の中ではやはり川西蘭「ワンデイレース」が、私の望んだところに一番近い作品でした。

「競馬場のメサイア」は、サッカー部を退部し高校も中退した主人公と、女性騎手との出会い。
「peacemaker」は、中学放送部の2人が、剣道部で仲の好い好敵手2人の間に生じた亀裂を解決しようとする話。
「アップセット」は、大学フットボール部の選手でもある社会福祉部の大学生と、児童相談所の問題児である少年との交流。
「内緒だよ」は、両親と共に建設現場・飯場を渡り歩いて暮している少年が、出会った青年からバスケを教わる話。
「見守ることしかできなくて」は、スケート場で知り合ったフィギュアスケート選手を目指す女の子と、彼女を応援する少年の話。
「ワンデイレース」は、大手企業が協賛を取り止め開催が危ぶまれたロードレース大会を、ボランティア大会に切り替えて開催にこぎつけた主人公が、力を合わせた高校自転車部の仲間たちとレースに参加した風景を描いた話。

 松樹剛史 「競馬場のメサイア」
 小路幸也 「peacemaker サウンド・オブ・サイレンス」
 須藤靖貴 「アップセット」
 川島 誠 「内緒だよ」
 誉田哲也 「見守ることしかできなくて」
 川西 蘭 「ワンデイレース」

 


  

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