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1.俺はどしゃぶり 2.満点レシピ |
1. | |
「俺はどしゃぶり」 ★☆ 小説新潮長篇新人賞 |
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2005年04月
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昔ながらの“学園+スポーツ”ドラマという小説です。 昔に随分と流行った典型的学園ストーリィですが、今見渡すとこの種のストーリィはあまり見受けられないようです。それだけに、懐かしさと気安さ、楽しさを味わいつつ、リラックスして読める、というのがこの作品の持ち味でしょう。中心となるスポーツが、ラグビーでもサッカーでもなく、アメフトであるところが、なんとなく目新しさを感じさせます。 帯には「読後のビールの旨さ保証付き!」とあります。 あとの2篇は、主人公・吾郎の表題作に先駆けるストーリィ。 俺はどしゃぶり/俺はキャプテン/NG胸を張れ |
2. | |
「満点レシピ−新総高校食物調理科−」 ★★ |
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2018年05月
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高校を卒業時には調理師免許が取得できる専門コースという、新居山(にいやま)総合技術高校食物調理科、略して「ショクチョウ」。 校内で食物調理科は1クラスのみ、生徒数は30人限定。 その3年7組に所属する生徒たち(男子9人,女子21人)の、高校最後の1年間を綴った高校青春ストーリィ。 調理師免許を取得するということはプロ。そうなれば、ミスをしてももう誰も叱ってはくれない、陰で笑われるのみ。 だから最後の1年を本気になって頑張り、一人前となって卒業しなければならないと、担任である小梅雅子先生の叱咤は、ますます厳しくなっていくばかり。 前半、主人公である米崎恵志(ケイシ)を筆頭に、皆ミスしてばかり。これじゃあ、と思いつつ、でもまだ高校生だよな、とも思います。 しかし、ある出来事をきっかけに皆で奮起、自分たちのオリジナルレシピを作り出そうと疾走し始めます。 中心になるのは、恵志と幼なじみの隆太、そして女子3人(ロクジョ)から成る6班。 最初こそ平凡な高校生ストーリィといった印象でしたが、彼らがオリジナルレシピを考えようと、自らの意思で走り始めたところから、俄然面白くなります。 そも面白さの理由には、ふんだんに登場する、如何にも魅力的な料理メニュー、そのレシピの数々にあることは勿論です。 最後は、チーム全員でゴールイン、見事に皆でテープを切った、という印象です。 また、印象的だったのは、青春小説、男女というと、とかく恋愛ごとが入り込むのを防げませんが、本作に限ってそれは全くなかったと言って良い。男女という違いがあっても、同じチームの仲間であることに何ら変わりないからでしょう。 これ以上ない、と言って良い清新な青春ストーリィ。身近な料理を思い浮かべては楽しむ魅力もあり、お薦め。 美味しいショクチョウ・ギロン/謹製ポテトサラダ/トゥルヌド・ステーキ ロッシーニ風/思い出のうどんパーティ/博多煮に心をこめて/なにも言うことはありません/小"梅"レシピ集30/白熱!チューハイ・ギロン/200点取れる可能性/白米、豆腐、大根/いざプレゼン!/梅干し対決の奇跡/ごぼう天うどんが美味しくて/母さんの思い出のメニュー/しびれる!麻婆豆腐/白米のような仲間/ドアを開く/ 心優しき料理人の卵たち |