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1.きょうのできごと 2.青空感傷ツアー 3.ショートカット 4.フルタイムライフ 6.その街の今は 7.また会う日まで 8.主題歌 9.星のしるし 10.ドリーマーズ |
寝ても覚めても、よそ見津々、ビリジアン、虹色と幸運、わたしがいなかった街で、週末カミング、よう知らんけど日記、星よりひそかに、春の庭、きょうのできごと十年後 |
パノララ、かわうそ堀怪談見習い、千の扉、公園へ行かないか?火曜日に、つかのまのこと、待ち遠しい、百年と一日、大阪、続きと始まり、あらゆることは今起こる |
●「きょうのできごと」● ★ |
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2004年03月 2018年07月 2004/08/31 |
京都が舞台。正道の大学院入学と引越しを祝って、友人たち=数人の男女が彼の家に集まります。 さて、この作品をどう評価すべきか。 きょうのできごと/きょうのできごとのつづきのできごと |
●「青空感傷ツアー」● ★ |
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2005年11月 2004/06/21 |
「美人でゴーマンな女友だちと、彼女に言いなりな私。女二人の感傷旅行の行方は?」というのが本書の帯文句。 我儘な音生に芽衣が一方的に振り回される珍道中と思いますが、それはちと違う。芽衣は芽衣で、行動は思慮足りず、いつも後で愚痴ばかり、そのくせ超面食い、と今ひとつ大人になりきれていない。 |
●「ショートカット」● ★ |
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遠く離れた人を想う切なさを描く4つのストーリィ。 ショートカット/やさしさ/パーティー/ポラロイド |
●「フルタイムライフ」● ★★ |
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2008年11月
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会社勤めをすることになった23歳の女の子、喜多川春子。 特に社内でトラブルや争いが起きる訳ではなく、熱烈な恋愛が生まれる訳でもなく、ドラマチックな展開は一切ありません。 平凡な繰返しの中に味わいを見い出す、というところが柴崎作品の良さでしょう。 |
●「いつか、僕らの途中で」●(共著:田雜芳一) ★★ |
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春・夏・秋・冬とめぐって、京都に住んで大学院に通っている女性と山梨で教職についている男性との間で交わされるあっさりとした手紙+スケッチ風の絵、という構成の本。 手紙が届いたかどうか電話で確認するような現在、それでも手紙の便りが2人の間で続く、その雰囲気がとても快い。 片方の京都は柴崎さんのいつもの空間ですけれど、大阪単身赴任当時京都に時々遊びに行っていたので、一時の生活空間として懐かしい気持ちがします。 ※田雜芳一(たぞ・よしかず) |
●「その街の今は」● ★★★ 芸術選奨文部科学大臣新人賞等 |
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2009年05月
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割と短めのあっさりとした作品ですが、陽だまりにいるような心地良さがあります。 主人公の歌は大阪に住む28歳の独身女性。勤めていた会社が倒産して現在は馴染みの喫茶店でバイト中。昔の大阪を写した写真を見るのが好きと、その点はちょっと風変わりなところあり。 舞台となるのは大阪のキタとミナミの真ん中、心斎橋を中心に本町、長堀、四ツ橋という地区。私が先年大阪に毎週の如く出張していた頃、盛んに歩き回っていた場所ばかりです。ですから主人公が歩き回る街の様子がとても懐かしく、楽しい。こうして読んでいると大阪もいいな、と思えてきます。 |
●「また会う日まで」● ★★ |
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2010年10月
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柴崎さんにしては珍しく東京が舞台だと思ったら、一週間の休みをとって大阪から東京にやってきた女性の話。 本作品も柴崎さんらしい、淡々とした語り口の作品です。 |
●「主題歌」● ★★☆ |
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2011年03月
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いいなぁ、好きだナァ、この作品。 中篇「主題歌」のストーリィがどんなものかというと、これといって特別な出来事がある訳ではありません。 こうした“空気”を描ける作家、今は柴崎さんを除いてそういないのではないでしょうか。 「六十の半分」は、陽だまりの中にいるような気持ち良さを味わえる、暮らしのあるひと時を切り取ったスケッチ風な短篇。 主題歌/六十の半分/ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド |
●「星のしるし」● ★★ |
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大阪で暮らす29歳のOL、果絵(かえ)のある時期を描いたストーリィ。 恋人である朝陽の家に集まるいろいろな人たち。その中に自然と入り込んでいることの居心地の良さ。 周囲の動きに焦らず、戸惑わず、そっと自分らしい道を選ぶ、そのためにはどんなに時間をかけてもいいのだというメッセージを私は聞いた気がします。 |
●「ドリーマーズ」● ★☆ |
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2012年08月
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ふと見た夢、夢のような出来事、今が現実ではなく夢のように感じられる、一口に“夢”といってもそれらは様々です。 「ハイポジション」は、今朝見た夢のこと。 いつも通り友人たちと、気さくな関西弁でのおしゃべり。 ハイポジション/クラップ・ユア・ハンズ!/夢見がち/束の間/寝ても覚めても/ドリーマーズ |
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