楡 周平作品のページ No.1


1957年生、慶應義塾大学大学院修了。米コダック社に勤務中の96年に書いたデビュー作「Cの福音」が30万部を越えるベストセラーとなり、翌年より作家専業。「Cの福音」の主人公である悪のヒーロー・朝倉恭介シリーズはどれもベストセラー入り。


1.
再生巨流

2.ラストワンマイル

3.プラチナタウン

4.虚空の冠

5.「いいね!」が社会を破壊する

6.砂の王宮

7.和僑

8.ラストフロンティア(文庫改題:東京カジノパラダイス)

9.ドッグファイト

10.ぷろぼの


国士、バルス、鉄の楽園、終の盟約、食王、逆玉に明日はない、黄金の刻、サンセット・サンライズ、日本ゲートウェイ、限界国家

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ショート・セール、ラストエンペラー 

 → 楡周平作品のページ No.3

  


    

1.

●「再生巨流」● ★☆


再生巨流画像

2005年04月
新潮社刊

2009年12月
新潮文庫

(743円+税)



2011/05/05



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大手総合商社からの転身、スバル運輸には途中入社ながら、めざましい営業実績を挙げ続け、今は営業部次長の職にある吉松公啓が主人公。
その吉松、唐突に新設ポストである新規事業開発部長への昇格という辞令を受けますが、全く新たな事業で初年度4億円の売り上げをノルマとして突き付けられます。
新規事業で実績を挙げる一方、その後始末は全て後任者にしわ寄せというパターンだらけだったことから、ピラニアと陰口を叩かれる吉松でしたが、こんな形で報復、左遷人事を受けるとは、思いもしなかったこと。
しかし、そこは吉松、窮地からスバル運輸の事業そのものを、革新的に大きく成長させるビジネスを思いつきます。その吉松の前に立ちはだかる数々の障害。
吉松は如何にして、起死回生を果たし、スバル運輸の事業をさらに人々に役立つものへと成長させるのか、という本格的ビジネス小説。

この作品を最初に読んでいたなら、さぞかし面白いビジネス・エンターテイメント小説として興奮したことでしょう。
しかし、本書を読んだのは
ラストワンマイルの後。
「ラストワンマイル」と本作品、革新的な物流ビジネス、ITビジネスへの参入、という点で重なる部分が多いのです。
そして対照的な点はというと、本作品で窮地に陥るのは吉松個人であり、吉松が第一に戦うのは社内人事抗争です。それに対し「ラストワンマイル」では、窮地に陥るのは主人公が勤める暁星運輸であり、第一に戦うべきはIT企業の雄たる会社です。

ちょっとしたことからビジネスの種をつかみ、難点にぶつかればそれを励みとして更なる大きなビジネスへと繋げていく、吉松というキャラクターが圧巻。
実際、こんなにも熱くなり、粉骨砕身してビジネスにぶつかって行ける人間には、中々なれないものです。

※なお、本作品では、プロ球団と将来の入団密約まで取り交わした程の才能ある投手だったにもかかわらず、故障してプロ入りは無理とわかった時点で潔くスバル運輸のセールスドライバーに転身した蓬莱秀樹のキャラクターも見逃せません。

     

2.

●「ラストワンマイル」● ★★☆


ラストワンマイル画像

2006年10月
新潮社刊
(1600円+税)

2009年10月
新潮文庫化



2006/11/12



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こりゃあ面白い。断然、面白い! もう読み出したら止まらず、久々の一気読み。
稀に見る面白さの企業エンターテイメント小説。ストーリィに盛り込まれた究極のアイデアといい、このジャンルでは傑作と言って良い作品でしょう。

主人公は、宅配便業界最大手の暁星運輸、広域営業部の営業マンである横沢哲夫
安定顧客を抱え順調にやってきた横沢は、突然窮地に立たされます。それは郵政民営化を控えてなりふり構わず安値を提示して民間分野に殴り込みをかけてきた郵政に大手コンビニチェーンを奪われたこと。さらにネット商店街を展開する最大手の“蚤の市”から大幅な値下げを突きつけられたこと。

単にこれは横沢個人の営業成績の問題に留まらず、暁星運輸は経営基盤を揺るがされる大きな企業危機を迎えたことになります。
その土俵際まで追い詰められた横沢が、どんな起死回生のビジネスモデルを考え付くのか。そこが本書の最大の面白さです。
血の滲むような努力を重ねて宅配事業を築き上げた民間企業に対し、税金で作り上げたネットワークを元に、税負担で優遇措置を与えられている有利さを武器に安値攻勢をかけられる、その悔しさはどれ程か。
そしてついにそれを挽回するばかりかそれを補って余りあるビジネスモデルが煮詰められていく、その面白さといったらありません。
そのうえ、郵パックがクロ○○ヤ○トからロー○ンを奪いとったニュースの他、楽○によるT○S株式の買占め等、実際にこの前起きたばかりの事件がそのままストーリィに生かされているのです。本書に登場する“蚤の市”の武村社長の姿が、読んでいる私の頭の中で楽○の三木○社長の姿に置き換えられていたって、それはもう無理ない話でしょう。

本来ビジネス上で善側、悪側など一概に決め付けることはできませんが、本書は小説であるが故に単純に暁星運輸を善側と位置づけることができています。だからこそ起死回生の逆転劇などが生まれ得る訳で、それがあって本書の面白さに繋がっています。
「ラスト ワン マイル」この言葉の意味が判る頃、もうストーリィから離れることはできなくなっている筈です。

※元々私は、官庁に対抗して堂々と正論を展開してきたヤ○ト運輸を応援したい気持ちがあるので、面白いと喝采している気持ちの中には贔屓要素がかなり入っているかもしれません。

     

3.

●「プラチナタウン」● ★☆


プラチナタウン画像

2008年07月
祥伝社刊

(1800円+税)

2011年07月
祥伝社文庫化



2008/08/10



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ふとしたことから役員の機嫌を損ね、その結果として報復人事を受ける羽目に至ったのが、大商社・四井物産の部長職にある山崎鉄郎
たまたま時を同じくして、故郷の緑原町で同級生だったクマケンが、財政再建団体になりかねない状況下町長の成り手がいないからと、町長を引き受けてくれないかと頼みにやってくる。
報復人事を受けて酔っ払っていた勢いで、ついその頼みを受けてしまう。
果たして大企業の部長職にあった山崎は、採算度外視の公共建物を作り過ぎて多額の負債を抱え込んでしまった地方自治体を、自分の手で再建することができるのか?、というストーリィ。

東北の田舎町である故郷を見回っている中で、起死回生の手段として山崎が思いついたのが、いっそ老人の町にしてしまえ、というプラン。
土地は余っている、建てて持て余している立派な公共施設は幾つもある、そのうえ自然は豊かでレジャーにもこと欠かず、食べ物は安くて美味い。また、仙台まで僅か40分という好立地。
民間企業を誘致して定年退職者向け住宅+介護施設を作れば、入居者と共に介護者も招き寄せることができて、町の活性化に繋がる筈、というのがその論理。
果たしてそのアイデアは実現するのか?

地方の過疎化、老人介護問題。こうした問題を抱える現在の日本にあってこのアイデアは面白く、実現性がないとはいえないところが魅力です。
ただし、アイデアとして面白くても小説として面白いかどうかは別。ラスト ワン マイルの面白さは及びませんでした。

       

4.

●「虚空の冠(こくうのかん)」● ★☆

  
虚空の冠画像
  
2011年10月
新潮社刊

上下
(各1500円+税)

2013年03月
新潮文庫化
(上下)


2011/12/02


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戦後〜現代に亘る、新聞、TV、出版というメディアの総合的な興亡を描いた長篇小説。

主人公となるのは、戦後極東日報に入社し、社会部記者となった渋沢大将(まさひろ)。離島での大火事を取材するため定期船で島に向かった渋沢は、そこで信じ難い事故に出遭う。
まだGHQが統制する戦後日本の現実に妥協し、真実を明らかにすべき新聞記者の良心に蓋をした渋沢は、それ以降政治記者として人脈と実力を基に、戦後メディア興隆の流れの中でのし上がっていきます。
やがて新聞社の中で挫折、新興テレビ会社への転身という試練を受けながらも、ついには新聞、テレビ、出版という総合メディアの頂点に君臨する。
しかし、功成し遂げた渋沢の前に新たな挑戦者が現れます。それは、電子書籍ビジネスを提唱する業界第三位の新興通信会社。
メディア王=渋沢と若きIT企業との電子書籍をめぐる対決は、いかなる展開、結末を迎えるのか、というのが最終ストーリィ。

本ストーリイを切り分けると、渋沢大将という人物に託して戦後のメディア興亡の歴史を描いた前半と、電子書籍ビジネスをめぐる攻防というごく近い未来図を描いて見せた、過去+近未来のビジネス小説、と言えます。
ただ、戦後史、それも特定人物の成功物語という設定が突出している所為か、ノンフィクションの
杉山隆男「メディアの興亡ラストワンマイルに比べると、スリル満点の面白さという点でちと物足りず。また、電子書籍をめぐる攻防部分についてはまだ未成熟という気がします。
もっとも一旦読み始めれば、一気呵成に読み上げてしまうだけの面白さを持った作品ではあります。

     

5.

「「いいね!」が社会を破壊する」 ★★


「いいね!」が社会を破壊する

2013年10月
新潮新書刊

(7400円+税)


2013/12/09


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ネット化のおかげで便利になったと思うことは多々あります。
私の場合で一番に挙げられることはネット書店の利用。でもその一方でリアル書店の減少は気になる処。
便利になったと喜んでいるだけでいいのか。その一方で深刻な社会問題も起きている。
本書は、そんな社会的状況に警鐘を鳴らす一冊。

第1章はデジカメ普及により経営破綻したコダック、第2章ではアマゾンの急成長を具体例として語り、第3節ではIT化の推進の結果として雇用が奪われている事実が語られます。
そして第4章ではフェイスブックやグーグル利用に潜む危険性について語る、という内容。

ではどうしたらいいか、という疑問が当然ながら浮かびますが、答えなどそう簡単に見つかるものではないでしょう。
ただ言えることは、便利、便利というその一方で生じている問題を、腹を据えて見極める必要がある、ということではないでしょうか。

1.超優良企業はなぜ潰れたのか/2.素早く動き、破壊せよ!/3.便利の追及が雇用を奪う/4.「いいね!」ほど怖いものはない/5.勝者なき世界

    

6.

「砂の王宮 ★☆


砂の王宮

2015年07月
集英社刊
(1700円+税)

2018年03月
集英社文庫化


2015/07/25


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戦後、神戸の三宮で薬局を看板にした闇商売から始まり、安売り薬局商売を経てスーパーマーケット事業で世間に旋風を起し、ついには巨大流通事業を築き上げた創業者=塙太吉の半生を描いた経済小説。

出版社の紹介文等には謳われていませんが、塙太吉のモデルがダイエーの創業者である故中内功氏であることは、間違いないところです。
小さな商売から時代の流れを先読みし、巨大なビジネス産業を築き上げて行った過程を描くストーリィには興味尽きないところがあります。
その一方、その底辺にあったものが売る側を主にした視点から消費者を主にした視点への大きな変化であり、塙太吉の事業者としての成功がそこにあったことは言うまでもありませんが、率直に言うと今さら何を、と感じます。
その意味で、塙太吉の事業展開にスリリングな面がなかったとは言えませんが、本ストーリィにスリリングな驚きというものはもはや感じられませんでした。

ただ、当時のダイエーの勢い、一方での西武流通グループがもたらした“セゾン文化”を思い出すと、大きな夢を抱くことのできる面白い時代だったなと思います。

プロローグ/第一部/第二部/エピローグ

       

7.

「和 僑 ★★


和僑

2015年10月
祥伝社刊

(1600円+税)

2017年08月
祥伝社文庫化



2017/09/10



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プラチナタウン続編。
題名だけみて続編とは気づかず見送ってしまったのだと思いますが、
国士に繋がっていく作品としてこの際と読みました。

プラチナタウンの成功によって緑原町は隆盛、商店街も賑わいを取り戻し、一躍時の人となった町長の
山崎鉄郎
この勢いをもっととプラチナタウン拡張論を振りかざすのは、元東京の中小企業経営者で、プラチナタウン入居後町会議員となった
金井義三
しかし、老人人口さえ今後減少が予想される今、拡張論など再び町を財政破たんさせかねないと慎重。そして鉄郎がもっと懸念しているのは、緑原の、ひいては日本の農畜産業の将来。農畜産業の衰退はすなわち日本国の衰退に他ならないから。

ビジネス小説ではありますが、その根底には頼りにならない日本の政治にあることは言うまでもありません。現に、ストーリィ中何度も「日本の政治を当てにしてもダメ」という言葉が飛び出します。
本ストーリィは、日本の農畜産業の将来的展望を見据えての提言と言うべき内容となっています。

日本の政治家を当てにしてもダメという言葉はぐさりと胸を刺します。日本の政治家にとって何より大事なのは、日本の将来より目先の自分の当選可否なのですから(そうでなくして何故ここまで国債の増発、借金財政をもたらしたのでしょうか)。

日本の将来に向けてひとつ希望の灯をともすストーリィ。
常に新しい挑戦をし続けることの大事さを感じさせられます。

         

8.
「ラストフロンティア Last Frontier ★☆
 (文庫改題:東京カジノパラダイス)


ラストフロンティア

2016年02月
新潮社刊
(1600円+税)

2018年09月
新潮文庫化


2016/03/17


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お台場に外資を誘致してカジノを開業という計画。それに名乗りを上げたのは外国で多くのカジノを運営している企業カイザー・インターナショナル
大手商社・四葉物産での勤務をしくじり転職を余儀なくされた
杉田義英35歳は、カイザーの日本責任者であるオリバーに雇われ、「カジノ事業室」に出向してきた官僚たちとの交渉を担当することになります。杉田が採用された理由は単純、“飛びっ切りの屑”だからというもの。

苦労する杉田を尻目に、オリバーの秘書である
柏木梗香32歳は次々と大胆な提案と行動を繰り出し、推進役の中心人物に躍り出ます。
柏木梗香の正体、目的は一体何なのか・・・・。

昨年、唐突にアベノミクスの成長戦略の一環としてお台場でのカジノ計画が浮上したこともあり、架空ストーリィとあながち言えないどころか、相当にリアリティを備えた内容です。
それだけの力作であり、かつビジネス・エンターテインメント作品であるとは判るのですが、私自身が元々賭け事(競馬、麻雀、パチンコ、宝くじ等々)の類が好きではない故に、登場人物に共感も抱けず、ストーリィにも今ひとつ乗り切れず。

面白い部分があるのは確かながら、満足度は読み手の好み次第で大きく変わるのではないかと思う次第です。

                    

9.
「ドッグファイト」 ★★


ドッグファイト

2016年07月
角川書店刊
(1600円+税)



2016/08/21



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国際的なネット通販会社“スイフト”。
勢いは留まるところなく、今度は生鮮食品の当日宅配に乗り出そうとする。
スイフトの宅配を担っているのは、国内運輸業界最大手の“
コンゴウ陸送”。今や業務量の3割に達しているスイフトからの受託を失っては会社が立ち行かない。一方、今でもスイフトからの仕事は何ら利益に繋がっていない。スイフトが新たに計画にしている生鮮食品宅配のための名古屋RDCプロジェクトに参加することは、将来的にスイフトに屈しその傘下に組み込まれることに繋がらないか。
コンゴウ陸送のスイフト担当課長である
郡司清隆40歳は、スイフトジャパン物流部長兼執行役員の要職にある堀田貴美子35歳の雄弁に押し詰められる一方でしたが、ふと起死回生の事業プランを思いつきます。
国際的なネット通販大手対運輸業界大手。ついに対決に至った時、その勝者は果たしてどちらか。

臨場感に溢れた、迫真のビジネス小説。読了後もその興奮は少しも冷め止まらず。

6年前の
ラストワンマイルとよく似た構図の作品です。
前作における悪役のモデルが楽天であったのに対し、今回のモデルが
アマゾンであることは明らかです。
圧倒的な勢いに乗る相手に究極まで追い詰められた中で起死回生策により態勢を一気に挽回するという展開も、前作どおり。
池井戸潤「陸王と似たところもあるストーリィですが、池井戸作品より遥かにエゲツない、という処が楡周平作品の特徴でしょうか。
ビジネスとはどうあるべきか? 本文中さらりと語られるその一言に要注目です。お薦め。

         

10.
「ぷろぼの pro bono publico ★☆


ぷろぼの

2017年05月
文芸春秋刊

(1600円+税)

2020年04月
文春文庫



2017/06/09



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業界大手のパシフィック電器は、業績低迷によりリストラ続き。
そのリストラの非道な旗振り役が、子会社から親会社社長に返り咲いた現社長が連れてきて、今は人事部労務担当部長の職にある
江間宏康
その江間に尻を叩かれリストラ策を実施していた課長代理の
大岡義秀は、担当したベテラン社員が社内で首吊り自殺をしたことにショックを受けます。
何とか精神のバランスを保とうとした大岡は、
三国俊春が代表を務めるNPOから紹介を受け、シングルマザーを応援するNPOにてボランティア活動を始めます。
そんな大岡からパシフィック電器における、江間首謀による無茶苦茶なリストラぶり、江間の経費不正流用ぶりを聞き込んだ三国は、義憤にかられ、江間を許すまじと決意。
そこから、三国やぷろぼの志願者たちの協力による、江間破滅作戦がスタートします。

読んでいる途中から、何やらかつて人気のあったTV時代劇、高橋英樹主演
「桃太郎侍」の決まり文句が聞こえてくるような気がしました。
人をどん底に押し込んでも些かも良心の呵責を覚えず、そして軽費流用による豪遊という悪辣三昧、まるで鬼と言うべき江間を地獄に突き落としてやろう、と。
そして退治役を務めるのは、三国の元にボランティア活動への斡旋を依頼してきた“ぷろぼの”志願者たちという訳で、さながら現代版
“仕置人”というところ。

まぁ痛快なストーリィと言えますが、リストラという現実については、同じ会社員として、他人事とはとても思えません。

※「ぷろぼの」とは、「公共の利益のための」という意味のラテン語、pro bono public の省略語、とのこと。

          

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