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【作家歴】、再生巨流、ラストワンマイル、プラチナタウン、虚空の冠、「いいね!」が社会を破壊する、砂の王宮、和僑、ラストフロンティア、ドッグファイト、ぷろぼの |
国士、バルス、鉄の楽園、終の盟約、食王、逆玉に明日はない、黄金の刻、サンセット・サンライズ、日本ゲートウェイ、限界国家 |
21. | |
「ショート・セール Short Selling」 ★☆ |
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隙だらけの日本企業を喰い物にして巨額の儲けを手にしようとする、米国のプロ経営者たち。 8年前、<パシフィック・モータース>の社長として大々的な経営改革=リストラを実行し、企業再建が成ったとして株価を高騰させ、巨額の利益を手にしたコール・ヒデアキ・鳴島が、またしても日本の自動車メーカー<オリエンタル>を目を付け、息のかかったプロ経営者=ジム・ライスを同社に送り込んできた。 鳴島の企業再建とは一過性のもの。鳴島退任後のパシフィックの業績は再び悪化し、その後任社長となった樋熊信郎は今や極度の鬱病となり、今も病状は回復せず。 その娘である樋熊令は、モラルのない金儲け一辺倒の米国投資家たちに嫌気が差した牛島真吉と共に日本に戻り、投資ファンド<ウシジマ・ヒクマ>を立ち上げ、現在副社長。 経営再建請負人という表面の裏で、着々とオリエンタルを陥れて巨額の儲けを再び手に入れようと企てる鳴島、ライスらの計画を察知した牛島、令らが、彼らを徹底的にぶっ潰そうと密かに戦いを挑む、というストーリィ。 なお、令の部下でありまだ現役大学生という玉木幸輔の情報収集力が凄い! 国際的なビジネスを舞台にした、スパイ大作戦的な大逆転エンターテインメント作品ですが、そこは楡さんらしく、単なる娯楽作品ではありません。 上記ストーリィの中で、米国、日本、そして中国のビジネスモデルを対比させている、と感じます。 日本人ですから、日本が一番と思いたいところですが、日本の経営者に欠けている点は明らかです。 国際的なビジネスの舞台で日本が勝ち抜いていくためには、経営者、従業員それぞれにおいて、何が必要なのかということを、鋭く描き出している作品、と思います。 もちろん、エンターテインメントとしても充分面白いです。 |
22. | |
「ラストエンペラー Last Emperor」 ★☆ | |
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自動車のEV化、ガソリンエンジン車終焉前夜と言うべき時代、日本のトップ自動車メーカーである<トミタ>の社長=村雨克明は、モニュメントとなるべき最後のガソリンエンジン自動車として「エンペラー」の新型モデル開発を決意する。 しかも、村雨が選んだプロジェクトリーダーは、外部の人材、イタリアの高級老舗自動車メーカー<ガルバルディ>で働く日本人女性の篠宮凛。 そしてチーフエンジニアは、トミタを既に退職したエンジニアの戸倉謙太郎。 社内で反対する意見も多い中、いまさらガソリンエンジン車を開発しようとする村雨の狙いは何なのか? そして、外部から人材を招聘するその意味は? トミタの新たな挑戦を描き、EV全盛時代が到来した際の日本自動車メーカーの苦難を予想する、リアルなビジネスストーリィ。 EV自動車が自動車業界を席捲した場合、自動車メーカーはどういった変化を余儀なくされるのか、果たして生き残ることはできるのか。そうした様々な局面における大変化、危惧が登場人物たちの声を借りて指摘されます。 そうした時代に備え、トミタはどう立ち向かうのか。 ビジネス世界における、目の先にある重大な問題点を厳しく指摘し、それを解決する斬新な対応策を提案して見せるという、いつもの楡周平作品のパターン。 しかし、小説ともいえどもそのリアルさには、思わず息を呑みます。 |
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