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21.つばき、時跳び 22.悲しき人形つかい 23.ムーンライト・ラブコール 24.あねのねちゃん 25.アイスマン。ゆれる 26.穂足のチカラ 27.メモリー・ラボへようこそ 28.ボクハ・ココニ・イマス 29.壱里島奇譚 30.クロノスの少女たち |
【作家歴】、地球はプレイン・ヨーグルト、ヤマナベ・ポリスのミイラ男、サラマンダー殲滅、ドグマ・マ=グロ、スカーレット・スターの耀奈、OKAGE、黄泉がえり、黄泉びと知らず、美亜へ贈る真珠、もう一人のチャーリー・ゴードン、フランケンシュタインの方程式 |
タイムトラベル・ロマンス、インナーネットの香保里、未来のおもいで、新編クロノス・ジョウンターの伝説、波に座る男たち、精霊探偵、この胸いっぱいの愛を、時の"風"に吹かれて、きみがいた時間ぼくのいく時間 |
おもいでエマノン、さすらいエマノン、まろうどエマノン、ゆきずりエマノン、ダブルトーン、アラミタマ綺譚、うたかたエマノン、怨讐星域1〜3 |
猫の惑星、杏奈は春待岬に、たゆたいエマノン、デイ・トリッパー、黄泉がえり again、彼女は弊社の泥酔ヒロイン、おもいでマシン、クロノス・ジョウンターの黎明 |
●「つばき、時跳び」● ★★ |
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2018年01月
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いつものタイムトラベル・ストーリィ。 今回は、熊本で曽祖父の代から一家が住んできた古い屋敷「百椿庵」が舞台となります。 いつもの時空を超えるラブ・ロマンスに、今回は石川英輔“大江戸神仙伝”シリーズの如く各々の時代で2人が連れ立って見物して回るという観光要素がプラスされていて楽しい。 |
●「悲しき人形つかい」● ★ |
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2009年07月
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カジシン風、SFロボット的“(荒野の)用心棒”といいたいストーリィ。 科学オタクの機敷野風天(フーテン)とその欠落している常識部分を補佐する中西祐介とは、高校以来の共生関係で今や24歳。 梶尾さんらしい突拍子もないアイデアを基にしたストーリィですけれど、残念ながらタイムトラベルのような夢も、ロマンスの香りもなし。 |
●「ムーンライト・ラブコール」● ★ |
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梶尾さんならではの、ロマンス風味付き宇宙もの、タイム・トラベル等の時間もの、SFファンタジー等々を集めた短篇集。 「ムーンライト・ラブコール」は宇宙空間をまたがるプロボーズという壮大なラブ・ロマンスなのですが、その手法が何とも古典的であるのが楽しく、笑ってしまいます。 「ファース・オブ・フローズン・ピクルス」、宇宙時代になっても見合いは必要なのかも。 ムーンライト・ラブコール/アニヴァーサリィ/ヴェールマンの末裔たち/夢の閃光・刹那の夏/ファース・オブ・フローズン・ピクルス/メモリアル・スター/ローラ・スコイネルの怪物−B級怪物映画ファンたちへ/一九六七空間 |
●「あねのねちゃん」● ★★ |
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2010年06月
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孤独な状況に置かれた幼児が、それを補填するために作り上げた想像上の友人=“イマジナリー・コンパニオン”。 人見知りな性格の玲香は幼稚園でも他の子と仲良くなれず、いつもひとりぼっち。そんな玲香を救って励ましてくれたのは、玲香にしか姿が見えない女の子=あねのねちゃんでした。玲香にも次第に友達ができるようになると、いつしかあねのねちゃんの姿は消えていた。 そんな玲香とあのねのちゃんの微妙な心理のかけひきが、微笑ましく、楽しい。そしてそんな2人の心持ちが愛おしく感じられます。 読了後は、ぽぉっと心が温まるような、嬉しく楽しい気分が残ります。こういうストーリィ、私は大好きです。 |
●「アイスマン。ゆれる」● ★★ |
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2010年10月
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「アイスマン」、まるで氷河期に関わるSFストーリィのような題名ですが、月下氷人(仲人)のこと。 友情、恋、そして自分の生命の危険、その板ばさみの中で最終的に知乃は何をどう選択をするのか。 なお、異色の人物として知乃の大叔母=玻瑠子が登場。まるで魔女そっくりという彼女の存在がスパイスのように効いています。 |
●「穂足(ホタル)のチカラ A MAZING HOTARU」● ★★ |
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2012年01月
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題名にある“穂足(ホタル)”とは、海野家の娘=七星が高校生の頃に産んだ子供の名前。 その穂足が事故に遭い、何と意識が戻らない。穂足の身を案じて集まった家族がその身体に触れたその瞬間から、海野一家には奇跡が訪れます。そしてその奇跡は、海野一家に留まらず、次々と広がっていく・・・・。 同じ熊本を舞台にした「黄泉がえり」に通じるストーリィ。温かさとユーモア、そして愛情に満ちたファンタジーです。 私好みの、夢も愛情もユーモアもいっぱい詰まった梶尾さんらしいファンタジー。 |
●「メモリー・ラボへようこそ」● ★☆ |
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結婚することもなく仕事一途に生きてきた主人公。定年退職して初めて、何の思い出もなく無味乾燥な人生だったと思う。 タイムトラベル・ストーリィの多い梶尾さん、「黄泉がえり」もその変形だと思うのですが、今度の作品ではこう来たか、というのが第一印象。 「思い出が融ける前」には、“メモリー・ラボ”ものの第2ストーリィ。 メモリー・ラボへようこそ/おもいでが融ける前に |
●「ボクハ・ココニ・イマス 消失刑 」● ★☆ |
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2023年07月
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魔性の女とその元恋人の争いに巻き込まれた浅見克則は、思いがけず相手にひどい怪我を負わせてしまい、過失傷害の罪に問われてしまう。刑確定後に浅見が迫られたのは、懲役刑1年と、実験中の“消失刑”8ヶ月と、どちらを選ぶかということ。 前半は、現代社会ならではのホラー的SF。消失刑によってどんな状況に主人公が置かれるのか、という興味がミソ。 いずれにせよ、“消失刑”というアイデアが全て、というストーリィ。 |
●「壱里島奇譚」● ★★ |
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2013年09月 2022年01月
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「黄泉がえり」を思い出させる、温かな地域ファンタジー。 仕事にも生活にも居場所が見つからない気分でいる商社マン・宮口翔一が主人公。 熊本が舞台というストーリィはもはや梶尾作品の定番ですが、本作品は熊本からさらに先の壱里島。 本作品に描かれているのは、島民も、人を超える存在も、皆がこの壱里島を愛しているというその優しい心根です。 |
●「クロノスの少女たち」● ★★ |
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「朝日中学生ウィークリー」に連載されていた2篇。 「彩芽(わたし)を救え!」 「水紀がジャンプ!」 いずれにせよ、2篇とも女子中学生2人が時空を超えて元気に飛び回るというストーリィ。理屈抜きに楽しめます。 彩芽(わたし)を救え!/水紀がジャンプ! |
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