|
|
【作家歴】、その角を曲がれば、フュージョン、トーキョー・クロスロード、レッドシャイン、碧空の果てに、白い月の丘で、木工少女、紅に輝く河、レガッタ!、レガッタ!2 |
くりぃむパン、レガッタ!3、石を抱くエイリアン、ことづて屋、ことづて屋−停電の夜に−、アカシア書店営業中!、ことづて屋−寄りそう人−、この川のむこうに君がいる、谷中の街の洋食屋−紅らんたん、南河国物語 |
「夏休みに、ぼくが図書館で見つけたもの」 ★★ | |
|
小五の堤達樹は、かなりの本好き。図書館が自宅から近いということもあって、毎日のように入り浸っている図書館っ子。 学校では無口で目立たない生徒ですが、さくら図書館では子供たちからあれこれ相談されては的確に答えていて饒舌。 学校とではまるでキャラが違うと驚いたのは、初めてさくら図書館で見かけた、同級生の皆川彩友。 彩友、幼い頃に母親に読んでもらった本を探したいのだという。でも題名も、どんなストーリィかもよく覚えておらず。達樹は何とかその本を見つけてあげたいと思うのですが。 さらに達樹が見出した同級生は、さして本好きでもなさそうな永井令央。まずは驚きですが、折角だから令央が楽しめる本を是非見つけてあげたいと思うばかり。 私も子供の頃から本は好きで(達樹には負けますが)、近くに開架式の図書館があったらきっと入り浸っていたのではないかと思います(無かったことは残念)。 その好きな場所で知り合いを見つけたら、いきなり親近感を抱いてしまうこと、これはもう間違いなし!です。 題名を見て、主人公が見つけたものは何だろう?と考えるに違いないと思いますが、多分、分りますよね? 本好きであれば達樹に同胞感を抱くのは当然のこと。 彩友の探している本は果たして何か? 令央は何故図書館に? そんな些細な日常ミステリも楽しい。 いずれも本絡みの展開ですから、本好きにとっては嬉しい限り。 ※なお、他人に面白い本を勧めるのはかなり難しいことですが、誰に対しても勧めたい本は何かと言えば、川上健一「翼はいつまでも」かな。これも小学生たちの、夏休みの物語でした。 ※彩友の探す、孤児と病気の子どもが出てくる本とは? 最後に明らかになるその答えも楽しみなのですが、その本とはこちらです → 【彩友の探し本】 プロローグ/1.さくら図書館児童室/2.彩友(あゆ)の探しもの/3.夢の本棚/4.めずらしい来館者/5.児童センターで遊ぶ/6.「かけがえのない本に出会うこと」/7.読書感想文の本探し/8.図書館に来る理由/9.湯浅じゅんの講演会/10.令央(れお)の家/11.花園の彩友/12.夏の終わり/エピローグ |
「with you ウィズ・ユー」 ★★☆ | |
2022年07月
|
“ヤングケアラー問題”をテーマにした作品。 中三生の柏木悠人は受験生。 家は、母親と兄と三人での古い団地住まい、父親は家を出ていったが仕送りだけはしてくれている、それでも貧乏家庭。 母親は優秀な兄にばかりを気にしていて、悠人のことは無関心。 自分の存在意義が見出せない、というのがこの悠人の悩み。 その悠人、日課にしている夜のランニングの途中、公園のブランコに一人で座る少女を見かけ、声をかけます。 会う度に話しかけ、次第に彼女と悠人の間に会話が増え、親しみが生まれてきます。 彼女は富沢朱音、他中学の二年生。彼女の言葉から、病気である母親の介護から幼い妹の世話、そして家事までを一人で背負っている“ヤングケアラー”であることを知ります。 朱音のことが好きになった悠人は、少しでも朱音の力になりたいと思うのですが・・・。 朱音、自分が担うしかないと思い定めているのですが、一方で幼い妹に腹を立てたりすることに罪悪感を抱いたり、睡眠不足等で勉強が十分出来ていないことに悩みを抱えています。 しかし、そんな家庭の内情を誰にも打ち明けたくないから、その点で孤独、夜の公園がせめてもの息抜き、という次第。 そんな朱音にとって、他校生徒である悠人は格好の吐き出し相手で、その優しさから僅かでも救いになったのでしょう。 ヤングケアラーの問題は、内に潜ってしまって外から分かりにくいこと、子供たちが他に助けを求めることを知らない、ということにあるらしい。 そうしたヤングケアラーたちの典型的な姿を、本作は描き出していると思います。 本書の朱音は、金銭的に困窮していない点でまだマシな方なのかもしれません。 特殊な家庭事情という問題ではなく、今や社会問題として取り上げ、何とか救いの手を差し伸べなくてはならない問題でしょう。 大人にも子どもにも広く知ってもらいたい問題です。 |
「野原できみとピクニック」 ★★★ | |
|
これはもう、私好みのストーリィ。 「ロミオとジュリエット」の障害は、家族一門同士の対立でしたが、本作2人の障害は社会的格差。 現実社会においてその差は大きいと思うのですが、2人の恋は易々と2人の間にある距離を超え、さらに同級生たちも巻き込んでいく。 2人のおかげで2つの社会の間にある壁が取っ払えた、などという理想的展開にはなりません。でも、壁に穴が開き、2つの世界が繋がることもできるのだと知っただけでも、彼らにとっては大きな前進、大きな成長であると思うのです。 そしてそんな彼らに、大人として大きな期待を抱くことができる筈。 主人公の一方は、山手にある中高一貫の私立S学園の一年生である優弥。裕福な家庭の一人息子で優等生、高等部では写真部。 もう一方は、駅を挟んで反対の海側にある底辺校、公立L高校の一年生である稀星(きらら)。父親の勤務先が倒産し、市営住宅に住む貧困家庭、小学校に上がる前の弟2人がいる。 2人の出会いは、カツアゲされそうになっていた優弥を稀星が救い、稀星がバイトしていたコンビニで再会した処から。一目ぼれした優弥がメアドを記したメモを稀星に渡し、2人の間に繋がりが生まれます。 片や裕福家庭、片や貧困家庭。私立進学校と底辺校。 子ども食堂を営んでいる、L高校のたまり場ともいえる<はもれびカフェ>へ、稀星が優弥を誘った処から優弥の世界が広がります。 本ストーリィで良いのは、優弥がそれを他の同級生たちにも広げていったこと。そして稀星が、S学園の生徒らに対して自分たちを卑下することがなかったこと。 お互いに初めて知ることが多くありますが、恩恵を受けたのは優弥たちの方だと思います。現実の社会を多少なりとも知ることができたのですから。 同級生だって語り合わなければ相手のことを知らないまま、という言葉は強く胸を打ちます。 そうした展開を生き生きと味わわせてくれるのは、優弥と稀星の間の格差恋愛ストーリィに他なりません。 しかし、高校生たちが自分らのアイデアで行動しようとすると、とかく好事魔多し。 さて、彼らがどんな逆転劇を演じるのか。それは実際に読んでのお楽しみです。 「きみとピクニック」という題名が素敵です。是非、お薦め。 |
「マスクと黒板 Masks and Black boards」 ★★ | |
|
コロナ下の中学生たちを描いた児童向け小説。 コロナによる休校期間が開けてようやく登校できた植野中学の生徒たちを待っていたのは、「コロナに負けるな!」というメッセージの付いた見事な黒板アート。 美術部の2年生・立花輝(てる)は絵に圧倒されつつも、描き手は誰だろうかと興味を惹かれます。 この輝のキャラクターが結構面白い。 コロナ前からマスクを欠かさなかったらしく、ウレタンマスクへの警戒心もいっぱい。人との付き合いは苦手で、美術部だが絵はそれ程才能ないものの、絵の鑑賞力はしっかり備えている、というキャラクター。 コロナ感染者の動向に注意を向ければマスク着用、いろいろな行事の中止もやむを得ないが、中学生であろうと不満な溜まっていきます。そのうえマスクは白と決めつけられるなんて・・・。 そうした中、黒板アートに刺激され、輝は何かやりたいと、同級生の藤枝貴里、生徒会役員でもある葉麗華らに図って動き出します。 コロナ下で制約されることも多いが、それでもやれることはある。 彼らが自分たちで考え、アイデアを出してイベント企画を実現したことはとても勇気づけられます。 それぞれ個性的な中学生たちの姿はすこぶる楽しいですし、先への希望を感じさせられてワクワクする一冊です。 お薦め。 |
「空と大地に出会う夏」 ★★ | |
|
合理的でないことが嫌いという、やや理屈っぽい小学6年生の男の子、佐合理一郎が主人公。 だからこそなのか、喜怒哀楽の感情が薄く、また将来への目標がない、というのが引け目。(いやいや、小学6年生ですから目標なんて早いでしょ。) 偶然、駅の改札口でお金がないと騒いでいた他クラスの堀川海空良(みそら)に切符代を貸したことがきっかけとなり、海空良、そしてかつて同級生だった中上大智(ひろと)との再会から、考え方や思いは人によっていろいろ違いがあるということを知ります。 本作で良いな、と思ったのは、自分とは違うからといって理一郎が海空良の誘いを断わることなく、それに応じていること。 その結果、大智との再会や、その兄=夏紀と海空良のお菓子作りに参加したり、中上一家の特殊事情も知ることになります。 また一方、幼馴染の女子=木平亜梨子(ありす)がずっとズボンを穿き続けていることに強い思いがあることも知ります。 理一郎が海空良の誘いに応じたのは、もしかするとこの年代故の好奇心が理一郎にもあったからかもしれません。 でもその好奇心が大事。自分との違いを否定せず、その違いをきちんと受け留め、逆に相手のことを凄いと感じたりしている。 相手を凄い、と思う理一郎のその気持ちも、また凄い、と感じます。 また、理一郎との出会いは、きっと海空良、大智にとっても大きなことだったのではないでしょうか。 最後、この夏を振り返る、3人それぞれの言葉が楽しい。 本作は題名も良いですよね。濱野京子さんの児童向き作品は、やはり見逃せません。 1.海空良(みそら)/2.62.3平方メートル/3.大智(ひろと)の家/4.ピアノレッスン/5.亜梨子とぼく/6.オレンジとミントのゼリー/7.夏休みの計画/8.真彩ネエ/9.空と大地とまわり道/10.母さんのキモチ/11.夏が終わる |
「シタマチ・レイクサイド・ロード」 ★★ | |
|
清廉で健やかな気持ちになれる高校生の青春成長ストーリィ&恋愛譚。 主人公の湯浅希和子は池端高校2年、5人だけの文芸部所属。 しかし、部存続のため頼まれて入部しただけで、本を読むのが好きといっても、他の部員たちのように創作能力がある訳ではないというのがちょっとした引け目。 そんな希和子が不忍池の辺で再会したのが、一学年下の木原朔。その朔は、小学校の一時期、2歳下の妹のカレだったという縁で気安く接することのできる後輩。 それから何度も偶然が重なり、希和子は朔と出会いますが、朔との会話は希和子にとって楽しいもの。 しかし、文芸部に新入生が3人加わってくると、希和子は自分の立ち位置を考えざるを得なくなり・・・。 “レイクサイド”というからには湖か何かだろうと思っていたのですが、まさか上野の不忍池とはねぇ。 文芸部や谷根千(谷中・根津・千駄木)界隈を舞台にした、煌めくような高校生らしい時間を共にできる青春ストーリィ。 他の部員への引け目から萎縮がちだった希和子の言動が、朔の励ましにより希和子らしさを取り戻していく、その様子が嬉しい。 不忍池は私にとっても高校時代に無縁ではなかった場所だけに、自分の当時を振り返り、大切な何かを取りこぼしていたのではないか、勿体ないことをしていたのではないか、とつい狼狽えてしまいました。 それはともかくとして、すこぶる気持ちの良い青春譚、お薦めです! 1.池高文芸部、そして不忍池で再会/2.新入部員たち、そして本郷界隈をめぐる/3.千駄木のブックカフェ、そしてへび道を歩く/4.バレー部の友人、そして才能について物思う/5.中央通りの甘味屋、アメヤ横丁、そしてボート池/6.文芸部の合評会、そして夏の朝に蓮を見る/7.後輩の作品、そして再びブックカフェ/8.文化祭、そして思いもよらぬ告白/9.編集作業、そして会えない日々/10.文集完成、そしてそれから |
「金曜日のあたしたち」 ★★ | |
|
充分合格圏内だったのに、櫻木学園高校の受験に失敗し県立松川高校に進学した光内陽葵(ひなた)は、未だに挫折感を引きずり、新しい高校生活に意欲が持てないでいる。 妹キャラで自分より成績が低かったはずの幼なじみ、かつ従妹でもある氷川百音は見事に合格、入学早々2年生から声を掛けられカレシも出来たと、陽葵と対照的に高校生活をエンジョイしているらしい。 そんな陽葵が街中で遭遇したのは、気候危機問題を訴えるスタンディングをしている高校生たち。その4人は櫻木学園高校の環境問題研究会だと聞き、さらに挫折感を味わう。 しかし、メンバーの一人である水沢涼真に、何も知らないんだと馬鹿にされた悔しさから、教えられた本やWeb を通じて勉強した陽葵は、気候問題の深刻さに目覚めていく。そして・・・。 気候・環境問題がもう待ったなしの状況であることは、最近の温暖化が根源的な原因と思われる自然災害からしても理解していますが、急にやたら口うるさくされるのもどうかな、と正直なところ思います。 前半こそ、感心すると同時にちょっと辟易する処もある展開でしたが、本作のテーマはそこにだけあるのではありません。 気候問題に目覚め、他校の高校生たちとも繋がった陽葵は、積極的な姿勢を取り戻して、自分の周りにいるクラスメイトとの関わりも増やしていく。 そして、今後自分がやりたいことは何か、そのためにはまず何をしたいか、という目標を自ら立てるまでになっていく。その高校生らしい成長ぶりに本作の読み応えがあります。 彼女たちが持つ可能性が羨ましい。 清新な高校女子の成長ストーリィ、読後感は爽やかです。 1.くやしくないふりをした/2.くやしいけど気になった/3.くやしいので調べてみた/4.くやしいなんて言ってられない/5.無力なのがくやしくて/6.泣きたくなるほどくやしかった/7.くやしいからどしゃ降りにぬれてみた/8.くやしさとうれしさと/9.くやしくても歩き続ける |
「はじまりは一冊の本!」 ★★ | |
|
児童向け作品ですけれど、大人が読んでも濱野京子さんの作品は佳いですよねぇ。 主人公の田崎柊斗は小六生で、インドア派。 しかし、父親と中二の姉=千穂はサッカー好きで、食卓はいつも2人の会話で賑やか。その一方、柊斗と母親は黙っているだけ。 父親に強引に誘われるまま、幼馴染みのサッカー少年=荒尾文哉の試合応援に行くのも、自分は何が好きなのか、得意なのかわからないから。 しかし、学校の図書館で出会った一冊の本が、柊斗の行動を変えるきっかけとなります。 それは、2年前の六年生3人が手作りした「妖精リーナの冒険」という世界にたった一冊だけの本。 この本はどのようにして作られたのだろう? その興味が柊斗に積極的な行動を引き出していきます。 おかげで同級生の梅原航太、辛島希海、本山悠香らとの会話が増え、彼らは柊斗の良い所をちゃんと指摘してくれます。 おかげで、ただ従うだけだった父親との関係にも変化が。 私のその頃も、とかく目立つのは運動が得意な子どもたち。 しかし、子どもたちが皆運動が得意である訳はないし、運動が好きとは限らないもの。 子どもたち一人一人、好きなことや関心を抱くことが別々であって当たり前。 大人たちには、子どもを型に嵌めるのではなく、その興味や個性を育ててほしいものだと思います(自分への自戒も含め)。 元気のなかった柊斗が、本との出会いをきっかけに、生き生きと元気づいていく姿が嬉しい。 子どもたちには本との出会いを大切にして欲しい、と願います。 1.文哉とぼく/2.学校図書館/3.世界で一冊だけの本/4.碧衣(あおい)さんたちの本作り/5.昔から本があった/6.行きたい場所/7.父さんとの交渉/8.印刷博物館/9.本が伝えてきたもの/10.キャンプへのさそい/11.ぼくが見つけたこと |
「となりのきみのクライシス」(絵:トミイマサコ) ★★ | |
|
緑野小学校6年の一学期が始まる。 これまでと変わりない日々が今年も続くと思っていた金沢葉菜でしたが、どうも皆の様子がおかしい。 幼馴染みの星野賢也は「ムカつく」という言葉が吐き出し、親友の久保光咲は最近元気がなく、隣席の大人しい横堀紳は何か悩みを抱えているらしい。 そして日光への修学旅行の途中で担任教師が突然に帰京、そのまま退職してしまう。 このクラスの皆に、いったい何が起こっているのか? 1989年に国連総会で採択された“子どもの権利条約”、親たち、教師たちはきちんとこの条約を守っているのか。 他の子たちの親はともかく、自分の両親は理解があると思っていた葉菜でしたが、北海道の高校に進学し寮生活を送っている兄の季和からその思いを聞いた葉菜は、それまで気づかないでいたことに気づくようになり・・・。 まだ子どもだからと、親や教師は勝手に事柄を決めてしまうことが多いのかもしれません。 しかし、逆に子どもだからこそ、彼らもまた独立した人格だと認めて、その権利を尊重しなくてはならないのでしょう。 近時、親による子どもへの犯罪のニュースをよく目にしますが、それだからこそ“子どもの権利条約”の重要性を感じます。 上記条約、子どもたちにも学んで欲しいですが、大人たちも広くこの条約の存在を学ぶべき、と強く思います。 学ぶべき処の多い児童向け作品でした。 1.ムカつく!/2.ずるい!/3.なんであの子だけ?/4.先生、やめて!/5.おまえが出ていけ!/6.学校に来ないで!/7.わたし、何かいけないことしたの?/8.差別しないで!/9.おれ、負けないから/10.決めるのはわたし |
「girls」 ★★ | |
|
富田宙(ひろ)、吉本紗奈、富岡美森の三人は、中高一貫校の中学三年生。 修学旅行以来、三人で一緒にいることが増えた。その理由はこの三人でいるのが居心地よいから。 特に性格が似ているとか、好みや趣味が同じ、とかいうことはありません。ただ一つ共通するのは、その事情はともあれ、三人とも家族は母親二人だけ、という点。 当初はお互いのことを良く知らないままの三人でしたが、一緒にいることによって徐々に相手のことも知り、誰にも言えず抱え込んでいた自分の思いを打ち明けることもできるようになっていきます。 そしてそれは、三人それぞれ、その母親との関係にも良い影響をもたらしていく。 友と語らい合うことで、母親との関係をちょっと離れてみることができるようになったからでしょうか。 三人ともちょっと孤立していた処があるのでしょうか。 そんな三人が絆を深めていく中に、友情の深化、ちょっとした成長が感じられ、気持ちよく、そして健やかなストーリーになっている処が嬉しい。 ※なお、三人が仲良くなっていく中で、それぞれの母親たちの間にも交流が生まれていくという展開、現実に中々そうはいかないことでしょうけれど、だからこそ読後感も良いです。 |
濱野京子作品のページ No.1 へ 濱野京子作品のページ No.2 へ