|
11.別冊図書館戦争1 12.ラブコメ今昔 13.別冊図書館戦争2 14.三匹のおっさん 15.植物図鑑 16.フリーター、家を買う。 17.シアター! 18.キケン 19.ストーリー・セラー 20.シアター!2 |
【作家歴】、空の中、海の底、図書館戦争、図書館内乱、レインツリーの国、クジラの彼、図書館危機、塩の街、図書館革命、阪急電車 |
県庁おもてなし課、もう一つのシアター!、ヒア・カムズ・ザ・サン、三匹のおっさんふたたび、空飛ぶ広報室、旅猫リポート、コロボックル絵物語、明日の子供たち、キャロリング、だれもが知ってる小さな国 |
倒れるときは前のめり、アンマーとぼくら 、イマジン?、みとりねこ、物語の種 |
●「別冊 図書館戦争1」● ★☆ |
|
2011年07月 2008/05/11 |
完結した筈なのに何故「図書館戦争」が再び? と思ったら、シリーズの番外編、それもその第1巻。 ストーリィとしては、「図書館革命」の本編最後とエピローグの間、目出度く郁と堂上がカップルとなってからのラブ・ラブ模様を描いた連作短篇集。 有川さん曰く、「主人公カップルがエピローグでいきなりあんなことになって終わったので、この本では二人がそこに至るまでを追いながら図書館の比較的小さな日常事件を絡めてみました」とのこと。 小うるさい柴崎、小牧、手塚らの見守る中、不器用だからこそ甘ったるい両想い関係の姿を見せつける2人とあって、とても読んでられるかっ!てなものですが、ファンとしてはその後の2人の姿も確かめずにはいられない、という訳です。 それにしても、いくら恋愛の進捗する様子を描いたストーリィとはいえ、あの戦闘系=笠原郁のあそこまで赤裸々で、内々の姿まで見せられるとは思いもしませんでした。 1.明日はときどき血の雨が降るでしょう/2.一番欲しいものは何ですか?/3.触りたい・触られたい二月/4.こらえる声/5.シアワセになりましょう |
●「ラブコメ今昔」● ★★☆ |
|
2012年06月
|
“自衛隊ラブコメ”シリーズ第2弾。(※第1弾は「クジラの彼」とのこと)
冒頭から、こりゃ面白い!の一言。 ラブコメ第1弾の「クジラの彼」は、「空の上」「海の底」登場人物らの番外編という趣向でしたから自ずとストーリィは限定されていましたが、本書第2弾にはそうした制約がないため、実に伸び伸びと楽しく愉快でカッコ良過ぎるラブコメが存分に繰り広げられています。 また単にラブコメで終わらず、各篇各々、国を守るという責任を担った自衛官たちの覚悟の程がきちんと描かれていることも、本書に好感を抱く理由のひとつ。 本短篇集の中では、表題作「ラブコメ今昔」と「軍事とオタクと彼」の2篇がとびっきり面白い。 ラブコメ今昔/軍事とオタクと彼/広報官、走る/青い衝撃/秘め事/ダンディ・ライオン〜またはラブコメ今昔イマドキ編/あとがき |
●「別冊 図書館戦争2」● ★★ |
|
2011年08月
|
「図書館戦争」主要人物たちのエピソードをつづった番外編=、「別冊」の第2弾。
冒頭「もしもタイムマシンがあったら」は、図書特殊部隊で地味な存在、元良化特務機関員という経歴をもつ副隊長、緒形明也の恋愛ストーリィ。
「昔の話を聞かせて」は、郁が旦那である堂上から、新人だった頃の失敗談を聞き出すというストーリィ。
後半3篇「背中合わせの二人」は、郁の親友=柴崎麻子と同僚=手塚光をめぐるストーリィ。
純真なラブストーリィあり、前日談あり、サスペンスありといった、「図書館戦争」番外編としての魅力満載!と言うべき一冊。 1.もしもタイムマシンがあったら/2.昔の話を聞かせて/3.背中合わせの二人(1)/4.背中合わせの二人(2)/5.背中合わせの二人(3) |
●「三匹のおっさん」● ★★ |
|
2012年03月 2014年06月 2015年01月 2015年09月
|
イマドキのお年寄りは若いよなぁ、と思ったことがこの話のきっかけだったとか。
私が子供の頃見ていたTVの人気番組に「三匹の侍」という時代劇がありました。本書「三匹のおっさん」という題名は、そのもじりらしい。
「図書館戦争」シリーズが完結してちょっと気が抜けていたかなァというところ、それに代わって登場したようなこの物語、とても楽しかった。本書だけで終わらず、是非シリーズ化してもらいたいものです。 ※「三匹の侍」は1963〜69年にTV放映された連続時代劇。主役の三匹を演じたのは、丹波哲郎(途中で加藤剛に交代)、平幹二郎、長門勇。リアルな殺陣が斬新でした。 |
●「植物図鑑」● ★★☆ |
|
2013年01月
|
ラブストーリィのはずなのに、何故「植物図鑑」という題名? しかも各章の題名も野草の名前ばかり?
その理由は読んでみれば判ります、それも嬉しいくらいに。
「雑草という名の草はない。草にはすべて名前があります」と昭和天皇は仰ったそうです。 野草に親しむ楽しさ+旅と発見の喜びという趣向+さやかの切ない想い。これって好いですね〜。 植物図鑑・・・ヘクソカズラ/フキノトウ・フキそしてツクシ/ノビル・セイヨウカラシナ/春の野花−タンポポ・イヌガラシ・スカシタゴボウ/ワラビ・イタドリ/ユキノシタ・クレソン/ノイチゴ/イヌビユ・スベリヒユそしてアップルミント/アカザ・シロザ・ヨモギそしてハナミズキ/巡る季節 |
※映画化 → 「植物図鑑」
●「フリーター、家を買う。」● ★★ |
|
2012年08月
|
堪え性がなくて自分に甘い。そのために折角就職した会社を馴染めないと3ヶ月で退職し、その後フリーター。
有川浩作品としては、それ程インパクトのあるものではありません。それでも、読み始めると止められない面白さは、いつもの有川作品と変わるところなし。 ※読み終わってから、"Before主人公"像と "After主人公"像のあまりの違いに改めて驚きます。違いの大きさだけ楽しい、と言って誤りではありません。 フリーター、立つ。/フリーター、奮闘。/フリーター、クラスチェンジ。/元フリーター、働く。/元フリーター、家を買う。/ |
●「シアター!」● ★★ |
|
|
私のような素人でも、劇団というと収入よりむしろ持ち出しの方が多いくらい、とはよく聞く話。 劇団がいつの間にか拵えていた借金3百万円の返済を兄の司に泣きついた小劇団「シアターフラッグ」の主宰者=春川巧は、借金の条件として、劇団公演の収益により2年間で全額返済、もしできなかったら劇団解散という難題を突きつけられます。 司と巧ら劇団メンバーたち、対照的な両者の姿を描いていきながら、小劇団の実態を浮かび上がらせているところが本ストーリィの面白さ。 ※TVアニメ「図書館戦争」で柴崎麻子役を演じた沢城みゆきさんが、「Theatre 劇団子」という劇団に所属していたことが縁になってこの作品が生まれたとのこと。しかも、作品中で演じられる劇「掃きだめトレジャー」も、劇団子さんの過去公演「トレジャーのある街 '08」が元ネタとのこと。 |
※ → Theatre 劇団子
●「キケン」● ★☆ |
|
2013年07月 2016年06月
|
成南電気工科大学・機械制御研究部、略して“機研(キケン)”。 “ユナ・ボマー”と異名をとる危険人物のキケン部長=上野直也と、“大魔神”と異名をとる副部長=大神宏明に早速目をつけられたのが、新入生の常識的人物=元山高彦と、常に沈着冷静な池谷悟の2人。 各篇に徒花スクモさんの描く漫画も挿入され、ハチャメチャなマンガ的ストーリィと思って読み進んだのですが、読み終わって見ると、そこには懐かしい、大学青春時代があった、というのが有川さんらしい仕上げの良さ。 1.部長・上野直也という男/2.副部長大神宏明の悲劇/3.三倍にしろ!-前編-/4.三倍にしろ!-後編-/5.勝たんまでも負けん!/6.落ち着け。俺たちは今、 |
●「ストーリー・セラー」● ★★ |
|
2015年12月
|
「面白い物語を売る」というコンセプトで作られたアンソロジーが「Story
Seller」(「小説新潮」別冊、現在新潮文庫刊)。 Side A 表面的には、純愛小説。そして、切ない運命の物語。 そして同時にそれは、面白い小説を書く作家と、面白い小説を読みたい、私たち本好き人間との物語でもあります。 Side A/Side B |
●「シアター!2」● ★☆ |
|
|
弱小劇団の実態を描く「シアター!」第2弾。 今回、司の出番はそう目立ちません。前面に出てリーダーシップを振るうというより後ろに控え、それでいて皆が頼りにするという心強い相談役、という位置づけです。 前作程の突進力ある面白さは感じられませんが、各人のエピソードを語っていくという構成はバランス良く、程よい面白さ&楽しさあり、という印象です。 |
有川ひろ作品のページ No.1 へ 有川ひろ作品のページ No.3 へ