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●「トムは真夜中の庭で」● ★★ カーネギー賞 |
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1975年11月
2009/11/09
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弟のピーターがはしかにかかったため、トムはおじさんとおばさんの暮らすアパートに暫く世話になることになります。 友だちもおらず、庭もないというアパート暮らし。 夜中、広間の古時計が13時を鳴らしたことにふと気づいて起き出したトムは、開かない筈のドアの向こうに、庭園が広がっている光景を目にします。 それからのトムは、毎晩のようにベッドを抜け出し、庭園に入り込みます。そしてそこでトムは、ハティという少女と知り合い、毎回のように2人は一緒に遊びますが、その度にハティの年齢は異なっている。 本書は“時”を重要な要素とした物語です。 ただ“時”だけでなく、いろいろな名作と共通する要素を持ち、そのうえで子供の頃遊んで庭の思い出を織り込んだ物語、そんな印象です。 それだけですと、単なるファンタジー+ノスタルジー趣向の児童小説というに留まるのですけれど、本書の魅力はエンディングにあります。 |