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●「タイムトラベラーズ・ワイフ」● ★★ |
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2004年12月
2005/05/25 |
本書の題名からどんなストーリィを想像しますか? まず、タイムトラベルものであることは疑いようがありません。生きる時間を異にした男女がタイムトラベルの故に出会って恋に落ちますが、やがて宿命的に別れざるを得ない、そんなストーリィと想像していました。 しかし、本書は上記と全く異なり、まるで想像もし得なかったストーリィ。タイムトラベルものの常識を根本から覆されたような気分です。 本書ストーリィの臨場感を味わってもらうには、本書を読んでもらう他ありません。きっと後悔することはないでしょう。 ヘンリーは時間障害者。自分の意に任せないまま、突然に過去へ未来へ、場所も特定できないままにタイムトラベルしてしまうという運命を背負っています。しかも、時間移動した先ではいつも丸裸。服までは移動できないのです。それはどんなに危険なことか。 本書の主人公はヘンリーとクレアの2人ですが、私はクレアを主人公とした視点から本書を読みたい。 とても短い文章の中では説明し切れない、楽しく、切ないラブ・ストーリィ。上下2冊という長さは少しも気になりません。 プロローグ/時をさまよう男/ミルクカップの中の血の雫/渇望の物語 |