○茶事、茶会

茶事には、催される時期や時刻、場所により、様々な趣向があります。以下に代表的なものを紹介します。正式な茶事に参加するにはやはり最低限の手前、作法が身についている必要があるので興味がある方はぜひ入門してください。

・茶事七式

正午・飯後・不時・夜咄・暁・朝茶・跡見

 

正午の茶事

最もポピュラーなものでまさにお昼に行われる。懐石、濃茶、薄茶の順番で、およそ3〜4時間要する。

・飯後の茶事

各自食事を済ませた頃の時間に催される。八寸程度で軽い酒献を交わす。

・不時の茶事 

不意に訪れた客をもてなす茶事。

・夜咄の茶事(初めての茶会)

・暁の茶事

夜の明ける前から始まり空が徐々に白んでいく中で行われる。”朝茶事”より早い時刻。

・朝茶事

・跡見の茶事 

茶事に来られなかった客や招かれなかった客の方から所望し道具類の拝見を目的に催される。                          

・雪見の茶事

・初釜の茶事

茶の湯では炉(11〜4月)と風炉(5〜10月)の2つの時期がある。炉は畳の中に切ってあり、風炉は畳の上に釜をかける。11月に入り行われるのが”炉開き”、”口切り”の茶事。”初釜”は年始めに行われる。

 98年、私の先生の門下の初釜は1月15日の大雪の中、いつもの祥古(しょうこ 初めての茶会参照)で行われた。雪がしんしんと降り、外は無音に近い。時折り木の枝から雪が崩れ落ちる音だけが響く。薄暗い茶室の中に赤く燃える炉中の炭。シュウシュウと音をたてる釜。柄杓で汲み上げられる湯の音。茶を点てる茶筅の音。すべてに打ち震えるような感動を覚えた。日本人で良かった、茶の湯に触れて良かったとつくづく思った。(本来の順序とは逆だが)その後の懐石も和気あいあいと楽しかった。くじ引きでは”特賞”にも値する青磁の花入が当たって気分は上々。帰りの足を考慮し、早めに切り上げられたのが残念だった。

 初釜では先生から濃茶が振る舞われる。この日は赤楽茶碗に古備前の茶入、裏千家十三代円能斉の茶杓という取り合わせ。主菓子は花びら餅。二つ折りにした餅の間には白あんと煮たゴボウがはさんである。また、小正月の床飾りは”蓬莱山飾り”と呼ばれるもの。生米の上に炭や山海の品々が盛られる。柳の束を中間で輪にして垂らした”結び柳(掛け柳)”が円能斉の掛物に添う。

・雛の茶事

・祝いの茶事

・花見の茶事

・新緑の茶事

・端午の茶事

・初風炉の茶事

5月に入って行われる。

・夕ざりの茶事

夕刻から徐々に夜が更けていく中で行われる。”夜咄の茶事”より早い時刻。

・鵜飼の茶事

・紅葉狩りの茶事

・月見の茶事

・名残りの茶事

10月、今年のお茶と風炉の季節になごりを惜しんで行われる。

・口切りの茶事

11月に入って、始めてその年の茶壺の封を切る際に行われる。

・炉開きの茶事

11月の亥の日(猪は火の神の使い)に行われる。裏千家では主菓子は粟ぜんざいが決まり。

・法要の茶事

 

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