○正午の茶事

 茶事の進行を最も一般的な正午の茶事を例に説明します。分かりやすいようにタイムラグがはいっていますが、当然その時々(趣向や人数など)により前後します。ただし、千利休が”ふた時を超えてはいけない”といったように初座(懐石)に2時間、後座(濃茶・薄茶)に2時間、全体として4時間以内で終わるようにします。なお、表中の”水屋”とは茶室に付随したいわば台所の様な所で、”半東(はんとう)”とは言うなれば亭主のアシスタントと呼べる者の事です。

時刻

亭主

水屋

前日

 

 

 

前礼に伺う。

道具の点検、露地、茶室等の掃除。

・道具の点検。

・懐石料理の材料の仕入れ。

当日

 

 

 

・定刻の15分前に到着。早すぎるのも失礼。

・待合(寄付)で身なりを整え、白湯をいただき、案内があれば露地草履を履き腰掛で亭主の迎付けを待つ。

 

・茶室に掛物を掛ける。

・炉中を整え、炭火を入れ釜をかける。

・茶入、茶器に茶をはく。

・待合の準備。

・露地に打水、蹲踞に水を張る。

・露地、茶室等の掃除。

・露地に打水。

・半東は白湯の給仕。

・懐石の材料の下拵え。

・膳、器類を清める。(木地のものは水につける)

 

11:10

迎付け

・亭主が中門まで進んでくるのを見て、正客も中門近くまで進み、主客一礼する。

・腰掛でしばらく待ち、蹲踞で手水を使い、席入り。

・掛物、炉、釜等を拝見し席に着く。

・中門を開け、主客一礼。

・席に戻り、点検の後茶道口に下がる。

・席入りし躙口が閉まると蹲踞に水を足す。

・ご飯を炊き始める。

・味噌汁を作り、下拵えをした材料に調味する。

主客の挨拶

 

亭主に挨拶し、白湯のお礼と露地の感想、待合や本席の掛け物について尋ねる。

・挨拶を交わし、正客の問いに答える。

・炭を直すことを伝え、茶道口から水屋に下がる。

半東は、腰掛のたばこ盆などを下げる。

11:20

炭点前(初炭)

(風炉の場合は懐石の後)

・炭点前を拝見する。

・香炉の拝見をする。

・炭点前を行う。

・香合が戻るとこれを引き、茶道口で”時分どきですから祖飯を差し上げます”と挨拶し茶道口を閉める。

・向付を盛り、器類を用意。

・香合拝見の頃、ご飯を1口分盛り、汁碗に張る。

11:40

懐石膳

 

正客から順次膳をとる。

銚子、盃台

 

飯次

 

煮物椀

 

焼き物

 

飯次、銚子

 

強肴

 

預け徳利

 

亭主相伴の間

 

箸洗い

 

八寸

 

強肴

 

湯次、香の物

 

膳が下がる

 

菓子

 

12:40

中立・後入り

 

13:00

濃茶

 

・濃茶をいただく。頃合をみて正客より茶銘、詰めを尋ね、お菓子、花などの挨拶をする。

・茶入、茶杓、仕覆を拝見する。

13:30

後炭

 

後炭を拝見する。

13:50

薄茶

 

・干菓子を取り、薄茶をいただく。

・薄茶器、茶杓を拝見する。

14:10

退出

 

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