このページでは、私が特に興味をもつ音楽・書籍・漫画などについて書きます。(更新が間に合わず、英語ページの更新は放棄しているので、内容は全然別になってしまいました)

好み

音楽(ここだけ敬体やめました。長くなるので)

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漫画

その他

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音楽

昔から、色々な音楽を聞いてきたし聴いてきた。でも実際自分の人生の色々なシーンに音楽が当てはまっていて、曲を聞いただけで、ああ。あの時の・・・と想い出が呼び起こされるものもいっぱいある。たとえばクリフォード・ブラウンの「More Study In Brown」とか、P.I.Lの「9」とか、ブルーハーツとか、マーラーのショルティ指揮の第九とか、ファクトリーレーベルのオムニバスとか。あとケイト・ブッシュやマーク・リボーとか、RC、サムクック、ビリー・ブラッグ、プリテンダーズ、佐野元春、甲斐バンド、ムーンライダーズ、タコ、じゃがたら、ポップグループ、クラス(日本のバンドじゃないよ)、ニューエイジステッパーズ、ボ・ガンボスフリートウッドマック、ユーログライダーズ、モーテルズ、ほぶらきん、フェラ・クティ、ジャックス、シャッグス、ヴァン・モリソン、マイク・オールドフィールド、ジョン・フルシアンテ、アリア、ポーグス、カースティ・マッコール、ニールヤング・・・きりがない。
でも最近は、昔のように「これが大好き!」などと言える音楽がなくなってきた。好きだった歌い手も、長年聞いていると引退したり死んだりしてしまうし、その場合、残された音源を聞き続け、それだけをずっと大好きでいられるかどうかというと、非常に難しい。
かつてはボブ・ディランが大好きで(今でも好きですが)、「Every grain of sand」は最高だ、などと胸を張って言えたが、最近の彼の作品には、あまり心を動かされない(あ、旧譜やかつての未発表音源は別。それはすばらしいものが多い)。
他に気に入っていて、新譜をたいてい買っているのは邦楽では朝日美穂ソウル・フラワー・ユニオン
朝日美穂はミニアルバム「Apeiron」で好きになった。これは、いい。インディーズのCDだが、見つけたら是非お買いになるといいと思う。Manual of Errorsというサイトにサンプル音源があったが、今はない様子。でも現在はメジャーデビューしているので、「Apeiron」を含めた多くの曲のサンプル音源やビデオ映像が彼女のホームページアルバム「THRILL MARCH」の特設ページで入手できる。メジャーなので、CDも当然普通のレコード店で入手できるはず。
このひとは、声の質とかレンジがすばらしく、それにそもそものメロディの作り方がとても面白い。なかなか思い付かないような、オリジナリティのある歌をいっぱい歌っている。でもなぜか、あまりヒットしていないみたいで、残念。
数年前、ある雨の日のミニライブにて、初めて彼女の生の声を聴く機会に恵まれた。やはりいいなあ。そこでホームページもある、ということを知った。千葉の佐倉に住んでいたこともあるのだった、近辺在住の私としては、とたんに親近感が湧いてきたので、応援を続けようという気になった。
ソウル・フラワー・ユニオンは「満月の夕」という曲で一部に有名な、いわゆる「社会派」の音楽グループ(多分本人たちはこういうレッテルが嫌いだろうが、他にうまく説明できる簡単な言葉がないのだ)。彼らのアルバムでは「エレクトロ・アジール・バップ」が特にいい。このあとに出たライブ盤、それから「サバイバーズ・バンケット」などは、正直言って巷で言われているほどあまり好きではない。彼らの場合、時間が立ってから聴くと新たな発見があったりするので、年代物のワインのように、しばらく寝かせておいて、いつの日にかまた聴こうと思う。ちなみに、このCDの表題曲は、池田小学校の惨事があった後に作られた曲だ。悲劇を笑い飛ばそうとするのは世間の風当たりもあるし、かなり勇気のいることだと思う。聞いたひとがどう思うか、というのもあるし。そういう意味で、こういうトーンの曲をこの事件に関連付けて歌った彼らは、偉いと思ったりする。

私は音楽をMP3ファイルにして、ポータブルプレイヤーに入れて通勤の行き帰りに楽しんでいるが、かつてはメモリが128MBしかないプレイヤーだったため、たいした数を入れられず、別の曲を聴きたい時には改めて曲をプレイヤーに入れなおさないとならず、面倒なため、いったん入れた曲はかなり長いことそのまま聞き続けていた。このころはCoccoとタイマーズをずっと聞いてた。
Coccoは沖縄出身の女性歌手で、残念なことに今は音楽を止めて、絵本作家になっている。彼女のラストアルバム「サングローズ」は感動の傑作で、親しいひとには、誰でも勧めたくなってしまうほど。Coccoの曲はみんな気に入っているが、特に好きなのは「ポロメリア」という曲で、この中の歌詞で「強い光は影を焦げつかせて冷えた」という部分が特に素敵だと思う。なかなか思いつかない表現なので。
Coccoについては、いくら語っても足りないぐらいだが、このひとはインターネットが大嫌いという、昨今まれに見るタイプで、彼女の意向を汲むかぎり、私としてもあまり多くのことをここで語ることができないのだった。まあ、聞いてみてくれれば、よさは分かるので、ここを読んだ方にはとにかくお勧めしておこうと思う。色々とまねをする歌手も多いけれど、誰ひとりとして、彼女の域には達していない。詩にしても、曲にしても、これほどのひとはなかなかいないと思う。

それからタイマーズ。久しぶりに昔の音源をテープからMP3にして聞いている。やっぱりいい。タイマーズは過激な言葉をシンプルなロックに載せて歌うグループで、忌野清志郎とよく似たゼリーという人がボーカルをしている。デビュー前に各所にバラまいたとされるデモテープも、是非聞いてみたい。

プレイヤーも三代目になった2009年、かつてとはやはり色々と変わったこともある。上記のCoccoは、引退宣言をしてからしばらくして復活した。そのこと自体はとてもいいことなんだけど、私がおかしいのかもしれないが、以前のように彼女のうたに心動かされなくなってしまった。彼女の言動や理念はすばらしいと思うし、沖縄を愛するが故の各種の活動は支持するし、立派な活動だと思うけれど、うたのすごさについては、以前ほどグサグサと刺さってくるような、圧倒できで逃げられないような何かを感じ取ることができない。繰り返すがこれは私自身のせいかも知れないのだが。

タイマーズ。今年五月に忌野清志郎がいなくなってから、RCやタイマーズの曲はいっぱい聞いた。聴きたかったタイマーズのデモも聴くことができた。RCの名アルバム「シングルマン」の会うとて行くも聴くことができた。とてもすばらしい曲ばかりだった。でもこころは乾いたまま。
あえてまだ、清志郎のアルバムを全部揃えていない。一時期、あまり清志郎を追わなかったせいで、買わずにいたアルバムが数枚あった。それも今年になってから、ぽつぽつと買い始めている。でも全部そろえる気になれない。もう耳に新しい清志郎の曲を聴くことができないのだ、という現実を、受け入れられないのだ。

表紙にも画像をのせたように、私はコピーコントロールCDに反対している。上記のように、私の音楽の聴き方(MP3にしてプレイヤーで聴く)と真っ向から対立しているし、音楽CDが売れなくなったのを安易に違法コピーのせいだと決め付けている音楽業界の態度も、傲慢としかいいようがない。そもそも売れなくなったのが違法コピーのせいだというのは本当なのかね。
作り出している音楽の質の低下について、謙虚な反省はないのだろうか。
この不況時に、なぜ音楽だけがずっと右肩上がりの成長をしていくものだと思えるのか。
責任転嫁もはなはだしい。

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書籍

以前バイトで翻訳をやっていた関係上、心理学関連の本や癌の治療にかんする本はよく読みましたが、そんなのを紹介されても誰も喜ばないでしょう。

面白いと思ったのはミニコミ「車掌」編集長の塔島ひろみさんの「楽しいつづり方教室」(出版研・1994)と「ドキュメント・ザ・尾行」(出版研・1995)です。どっちもとても面白い本なので、手に入れにくいですが、探してみて下さい。

その塔島さんの1999年4月に出た「鈴木の人」(陽泉社)については読書日記でも触れています。

小説で好きなのはサルマン・ラシュディとフィリップ・ディック、パトリシア・ハイスミスの作品なのですが、みなさん亡くなってたり隠れてたりして、新作が望めない方ばかりです。ははは(もっともハイスミスに関しては、一時期邦訳が落石のように次々と出版されてまして、それに追いつこうと毎日読書を続けてました)。それぞれ「恥」(早川書房)、「銀河の壺直し」(サンリオ・絶版)、「黒い天使の目の前で」(扶桑社)が一番好きです。

定期的に購読する雑誌はマック関係の雑誌やPC関連の本と漫画雑誌を除くとほとんどないのですが「サイゾー」、「映画秘宝」はよく買って読んでいます。

本については、売れないことを危惧して、前掲の読書日記なども始めたのですが、本の高価さにはもうあきれ果ててしまったため、日記もやめましたし、ここで本を取り上げることも今はしていません。ただ、読む量が減ったわけではなく、これ以降も色々な本を読んでいます。値段がそれほど高くなくて、他人に勧められるような本が出てきたら、また書こうと思います。

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漫画

漫画といえばもうねこぢると山野一夫婦。このふたりにつきます。ただわたしはねこぢる的な山野一とか山野的なねこぢるの作品はあまり好きになれません。山野一は「ラヤニール」、ねこぢるは小説すばるの連載がすてきでした。

残念ながらねこぢるは死んでしまい、もう新しい作品は読めなくなってます。未単行本化の原稿が残っていて、それが98年と99年初頭に出版されましたが、それで完全におしまいです。

言葉につくせないほど残念でなりません。そのあたりの話はここにまとめました。

ねこぢるはCD-ROMも出てますが、最初の作品は全然おもしろくなかったので、二作目にちょっとだけ期待してましたが、うーん、やっぱり漫画の魅力には及ばない、という感じでした。まあ一作目よりは断然よい内容でしたが。

このふたりとは全然作風が違いますが、唐沢なをきのマンガも好きです。雑誌「週刊アスキー」の連載「電脳なをさん」は、いつも立ち読みしてます(^^;

唐沢さんの単行本は全部買うようにしてるのですが、いかんせんこの方の本は、いつもなかなかみつからないのですよね(^^;
唐沢さんは、漫画にできないものとそうでないものの限界に挑戦しているめずらしいひとで、たとえばご飯の写真を使った漫画なんかにも挑んでます。そういう意味では「怪奇版画男」は誰にも真似のできない、すごい世界を切り開いています。;

漫画についても、特に付け加えることはありません。実は、漫画はとてもよく読む方です。上記の三人は今でも一番好きですが、最近は年甲斐もなくジャンプの連載で「ヒカルの碁」を読んでました。こういう正統派の漫画は、本来私の守備範囲ではないのですが、これは別格といっていいでしょう。展開の仕方が巧妙で、絵もうまいし少年漫画の頂点のひとつではないかと思います。唐突に連載が終了してしまったのはとても残念。
他に楽しく読んでいるのは「ベルセルク」、雑誌「コミックイッキ」の松永豊和の連載、富沢ひとしの一連の作品(最近連載が多くて雑になっているような気も)、それから古屋兎丸は「π」みたいのばかりじゃなくて、もっと本格的なのを早く出すように。伊藤重夫は今何をやっているんだろう。「えの素」は最近おとなしすぎる・・・。
2003,年、岡崎京子の新作が出ました。「ヘルター・スケルター」、雑誌連載をまとめたものですが、今読んでも古さを感じさせないし、その独特のタッチはしびれます。何とか復活してくれるといいんだけどなあ。

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その他

映画「アリゾナ・ドリーム」はなかなかよかったです。ああいうシュールな風景を映像に展開するのは観ていて気持ちがいいです。

それからやはり映画では「リキッド・スカイ」という映画、ホドロフスキーの作品全部、「スラム・ダンス」という映画、「ブレードランナー」「シャイニング」「未来世紀ブラジル」「プラン9」などがあります。「プラン9」の作者エド・ウッドについては、数年前にWOWOWで代表作を三つも放映する、という暴挙が行われたため、多くのひとが、この史上最低の映画監督の作品を見て唖然としたんじゃないでしょうか。


家の近くに映画館ができてからというもの、よく映画を見るようになりました。2001年夏の映画は三本も見ましたが、そのうちの「AI」はとてもすばらしかったです。別ページ(sect6f.html#010827)に感想を書きました。
また、もう一本の「千と千尋の神隠し」は、イメージを楽しむ映画として傑作です。ただ、こういう夢の情景の映像化は作者にとって大変危険です。夢を言語化しようとして、過去に多くの漫画家や小説家が精神のバランスを崩しています。宮崎駿氏も、これでどうにかならないといいのですが・・・。
この映画の大ヒットは「タイタニック」とは別次元にあります。つまり、ふだん映画を見ないような一般人まで取り込むという、ヒット映画の命題(「タイタニック」もそうでした)もクリアしながら、同時に映画マニアとか、一風変わった映画ファンまでもひきつけるような裾野の広さを兼ね備えています。大したものだと思います。
2003年、「ふたつの塔」と「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見ました。どっちもすばらしく、さすがアカデミー賞だな、と納得したしだいです。
2009年のヒットは「サマー・ウォーズ」と「レスラー」でした。


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