匠の館 4


スティック糊は使えるの?

製本教室では「スティック糊は使わないでください」と言われるし、製本の書籍でも使わないように書いてあります。
その理由は明確で、接着力が弱くはがれてしまうからだという。

本当にそうなのか実験してみました。
確かに本文の背固めには無理と思われますが、「表紙」や「見返し」の貼り付けでは問題ないのではと思ったからです。
そこで圧着の仕方で違いが出るか3つの圧着方法で試してみました。

<実験>
まず、2ミリ厚のボール紙に表紙として、レザックを貼るのにスティック糊を使ってみます。
上製本の表紙を作製するように、ボール紙の回りにレザックをスティック糊で貼り付けます。そのとき糊を塗った後、次の3つの方法で圧着します。下記写真の右から

@手でまんべんなく圧着
A重しをのせて圧着
B製本機で圧着

そうして圧着した後、数日経過した写真です。
この写真が裏側です。
裏

この写真が表側です。
表

写真ではよく分からないですが、どれもしっかりと接着されていて、表側も「浮き」などもまったく見られません。
裏側で若干、「手で圧着した」場合に甘さがみられますが、それもやりかた次第だと思われます。

何十年も経過したときにどうかという問題は残りますが、1年以内に剥がれるということは、まったくなさそうです。

次に見返しを貼ってみました。

見返し

どれもまったく問題ありませんでした。
以上、圧着さえしっかりと行えば、スティック糊を表紙や見返しの貼り付けに使えることが判明しました。
すでに貼り付けてから1月以上が経過しましたが、変化なくしっかりとくっついています。

   
目次に戻る