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第31話〜第39話 |
第31話 『波乱の新チーム』/脚本 小山高生 |
イタリア遠征から二ヶ月……新学期となり三年生となった五郎は、高校サッカー生活のラストシーズンを迎えていた。 練習を終えた五郎たちは、学校の駐輪場に停めてある二台の大型バイクを発見した。 そのバイクの持ち主は、埼玉・蕪双高校サッカー部の松浦猛と西崎裕二のものだった。 見るからに粗暴極まりない若者であることは明らかで、勝手にバイクに跨った薬丸を殴り飛ばしてしまうほどだった。 そしてインターハイ二連覇を目指し、県予選が始まった。 川高は圧倒的な強さで決勝まで勝ち進み、宿敵・横浜南との決戦の日を迎えた。 フィジカルを強化し、さらにレベルアップした横南に川高は前半だけで二点のビハインドを取られてしまうのだった。選手権優勝を果たし、増長していたことを痛感した川高イレブンは逆に一つにまとまった。 怒濤の攻撃で逆転勝ちし、インターハイへの切符を掴むのだった。 |
第32話 『運命のコイントス』/脚本 星川泰子 |
インターハイ、二回戦の相手は因縁をつけられた相手松浦率いる蕪双高校だった。 蕪双の松浦と西崎には、暴走族の抗争事件に巻き込まれ、濡れ衣を着てしまう過去があり、サッカー部は二年間の出場停止処分を受けていた。 そして、処分明けの公式戦出場であったのだ。 試合は蕪双の反則スレスレの攻撃によって、川高はリズムを次第に崩していった。 前半、松浦の豪快なシュートによって蕪双が先制したが、五郎のロングスローからシンゴのゴールで同点。 さらに後半15分、五郎のジャンピングボレーシュートが決まり勝負の行方は川高に傾きかけたかのように見えた。 だが、すぐさま松浦が同点ゴール、さらに後半37分には逆転ゴールを決めてしまうのだった。 川高イレブンは再逆転をめざそうとしたが、無情のタイムアップ。 川高はよもやの2回戦敗退となってしまうのだった。 |
第33話 『五郎!パワーアップ』/脚本 山田健一 |
インターハイで蕪双にまさかの敗退を喫した五郎を始めとする川高イレブンは、横南の有本監督にパワーアップトレーニングのプラン作りを依頼し、その練習プランを手に五郎たちは夏合宿に突入した。 有本監督の練習法は地道ながらも効果てき面であった。 そして同じ合宿地でキャンプを張る成京高校からの練習試合の申し込みを受けた。 成京の監督はイタリア遠征でユース監督を努めたあの沢渡監督だった。 試合は薬丸のオーバーヘッドで川高が先制。 後半、成京は的場のFKで同点に追いつくが五郎のロングシュートが決まり二対一、川高の勝利で練習試合を終えるのだった。 二週間の合宿期間中、手伝いと五郎の応援に駆けつけていた由樹子は、渚のマネージャーとしての成長ぶりに驚かされていた。 それと共に五郎をいつまでもけなげに想い続ける渚に対し、複雑な心境になるのだった。 |
第34話 『V2への挑戦』/脚本 堀井明子 |
五郎たち三年生にとって最後の冬の選手権が開幕した。 川高は一回戦から強敵、鹿児学が相手だ。 試合は川高が苦戦するも、後半ロスタイムに五郎のシュートを九鬼がはじいた所を薬丸が押し込み、川高はからくも一回戦を突破した。 続く二回戦はさらに強敵の静一が相手だった。 前半に沢村のシュートで静一が先制するが、後半薬丸の再三ゴールを狙う姿勢が実を結び、同点に追いついた。 さらに阿部のミラクルシュートで川高はなんとかベスト8入りを果たすのだった。 その頃、他会場では川高の因縁の相手・蕪双も苦戦を強いられていた。 一回戦でレッドカードを受けた松浦の欠場が響き、試合は西崎の孤軍奮闘が続いていた。 だが後半終了間際、西崎のシュートが決まり、川高同様、蕪双もベスト8入りを果たした。 そして川高と蕪双、この二校が決勝戦へと後に駒を進めるのだった。 |
第35話 『蕪双とのラストバトル』/脚本 彩乃小路 |
決勝戦前夜、五郎は街でバッタリ由樹子と出会った。 そこで五郎の携帯に掛かってきた渚からのメッセージを由樹子がたまたま聞いてしまうのだった。 「いつまでも五郎の一番のサポーターであり続けるから」という涙ながらの渚の言葉に、由樹子はショックを受けるのだった。 翌日。渚は観戦に来ていた由樹子の元へ行き、五郎を激励しに控え室に来て欲しいと頭を下げた。 由樹子は恋のライバル関係である自分に対して、五郎を想うが為に頭を下げる渚を見て千々に心を乱すのだった。 そして決勝戦、川高対蕪双戦が始まった。 前半12分、シンゴの意表をつくシュートが決まり、川高は幸先良く先制した。だが蕪双の監督・堂島は松浦の可能性を信じていた。 その願いが通じたのか前半20分、松浦の地を這うキャノンシュートが決まり、蕪双は同点に追いついた。 五郎と松浦の熱いバトルは一層ヒートアップしていくのだった……。 |
第36話 『ヒートアップ国立』/脚本 山田健一 |
川高対蕪双戦は、前半20分を経過し同点のままだった。 蕪双のキャプテンである津野は、松浦たちが暴走族の抗争の巻き添えを食い、二年間の対外試合を禁止させられてしまった悔しさ、廃部寸前になった部を一から立て直すために奔走した日々を思いめぐらしていた。 試合は同点のまま後半戦に突入した。 川高のゴールデンコンビ、薬丸・シンゴのホットラインが蕪双ゴールを目指していくのだった。 懸命にドリブルするシンゴの脳裏には、小・中・高と常に薬丸とコンビを組み、勝利を分かち合った思い出が甦っていた。単なるチームメイトではない、肉親以上の深く強い絆が二人を結んでいたのだ。 その絆が形となって現れた。 シンゴからのセンタリングを薬丸が見事にダイビングヘッドで決め、二対一……川高は再び蕪双を突き放すのだった。 |
第37話 『激突!二人のエース』/脚本 彩乃小路 |
川高対蕪双戦は2対1と川高のリードのまま、後半10分を経過していた。 だが、おめおめと引き下がる蕪双ではない。 額からの出血をものともせず、松浦が見事にヘディングシュートを川高ゴールに決め、試合は再び同点となった。 そして後半15分にアクシデントが起きた。 五郎が後方からタックルを仕掛けられ、右膝を負傷、交代せざるを得ない状況に陥った。 だが五郎の闘志の火は消えない。 渚から託された黄色いリボンを膝に巻き、五郎は再びピッチに舞い戻っていくのだった。 そして……奇跡は起きた。 膝に激痛を抱えながら五郎が右足から渾身のドライブシュートを放ち、蕪双ゴールの堅固な鍵をこじ開けたのだ。ゴール! 川高は再び逆転に成功。 試合はいよいよクライマックスを迎えようとしていた……。 |
第38話 『勝利へのラストラン』/脚本 小山高生 |
後半28分、川高は五郎のゴールで3対2と蕪双を突き放した。 右膝を負傷してもなお試合を続行する五郎。 一方、五郎との接触で足を痛めてしまった松浦は堂島監督に応急処置をしてもらっていた。 その間、蕪双は再三川高ゴールに猛攻を仕掛けるが、得点には至らず、試合は終盤を迎えた。 再び松浦がピッチに戻った。 その勝利への執念は凄まじく、その闘志に感化された蕪双イレブンは何度も川高ゴールを狙うものの、GK・勝彦の気迫のセービングでゴールは割れず、時間はロスタイムを残すのみとなった。 それでも諦めない蕪双は最後の攻撃を仕掛けた。 川高のオフサイドトラップのミスを突き、松浦が単独でゴール前にドリブルで持ち込むと、豪快にゴールを決めるのだった。 そしてここでホイッスル……決勝戦は3対3のまま、延長戦へともつれ込むのだった。 |
第39話 『永遠のイレブン』/脚本 小山高生 |
選手権決勝、延長戦にもつれ込んだ川高対蕪双の戦いは延長前半、薬丸とシンゴのコンビプレーが決まって、薬丸のシュートが蕪双ゴールのネットを揺らしたかに見えた。 だが、これはサイドネットを突き破って入ったものだった。 薬丸の威力あるシュートは幻に終わった。 その後も両チーム互いに譲らず、決着は延長後半に持ち越された。 勝利を信じて攻め続ける川高イレブン。 仲間を信じ、必ず逆サイドに誰かがフォローに走っている……このチームワークこそが川高の最大の武器であり強さなのだった。 そして延長後半18分、五郎のVゴールが決まり、川高は悲願の選手権連覇を達成。 イレブンは歓喜の渦に包まれた。そして五郎は感謝の思いで渚を抱きしめるのだった。 そんな二人をスタンドの陰から瞶め、由樹子は背を向けた。 弱小サッカー部から始まり選手権連覇の偉業、そして五郎はイタリアへ向かう。 |