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第1話 『運命のオフサイド』/脚本 小山高生 |
白百合中の熊谷五郎は大柄でサッカーセンス溢れるゴールキーパーだが、一度も勝てぬままサッカー部活動を終えようとしていた。 それを見かねた五郎の幼なじみの伊藤渚が軽く勝てそうな練習試合の相手を探してきた。 しかし、その相手とは、素行不良で対外試合禁止を言い渡されていた南波中だった。 試合は南波中が薬丸、シンゴの活躍によって圧倒的に押しまくるが、五郎のナイスセービングでピンチを阻止。 わずかなチャンスをものにした白百合中学が初勝利を収めた。 試合後、五郎は薬丸、シンゴとサッカーの名門校・横浜南高校へ進学して一緒にサッカーをすると約束した。 そして受験当日……五郎は渚と横浜南高へ向かう途中、車にひかれそうになった渚を身を挺して助けるのだった。 渚が病院で覚醒した時、枕辺に付きそう五郎の姿があった。 運命の悪戯か、二人は受験することが出来なかったのだ。 |
第2話 『PK百本セーブ』/脚本 小山高生 |
五郎と渚は横浜南高と川を隔てた私立川崎高校に入学した。 すると南波中の薬丸とシンゴも同じクラスになっていた。 もちろん五郎たちは横浜南・五軍の練習台にしかすぎない弱小サッカー部に入部、渚はマネージャーとなった。 そして、横浜南・五軍との練習試合が行われた。 川高は五郎、薬丸、シンゴの活躍で軽く勝ち、四軍との練習試合を求めた。 だが、四軍は川高など一顧だにしない。 土下座して頼み込む五郎に、嫌がらせとも言える「PK百本セーブ」の交換条件を持ち出す始末だった。 敢然と受けた五郎は懸命にPK百本を止め、試合を約束させるのだった。 翌日。四軍との試合前、川高グラウンドに見慣れない人物がいた。 彼こそ今までケガにより戦線離脱を余儀なくされていた川高のキャプテンでエースナンバー10を背負う織田和仁、その人だった。 |
第3話 『ライバル初対決!』/脚本 小山高生 |
川高と横浜南四軍との試合が開始された。 四軍相手ということで楽に点が取れるかと思いきや、横浜南は四軍と偽って二軍をこの試合に登場させていた。 かつて横浜南にいた織田からその事実を聞かされた薬丸とシンゴは、 持ち前の負けん気に拍車を掛けて攻撃力をいかんなく発揮し、織田もキャプテンらしく的確な指示、 五郎もきっちりゴールを守って、両チーム無得点のままハーフタイムに入った。 予想以上の展開に喜ぶ川高イレブンだが、横浜南監督・有本は二軍メンバーを叱責。 後半が開始されても依然として続く川高ペースに、エースの茅野が自ら出場を願い出て、難なく五郎からゴールを奪った。 反撃を誓う五郎たちに有本は冷酷に試合終了を宣言した。 そんな有本にリベンジを誓うの織田。 川高サッカー部は生まれ変わろうとしていた。 |
第4話 『インターハイ予選開始』/脚本 細井能道 |
インターハイ神奈川県予選が始まった。 川高は一回戦、ラフプレーで名高い三輪工業、続く二回戦も楽々と突破し、三回戦は「快足ウイング」と名高い島原誠率いる瀬谷二高との対戦を迎えた。 だが、島原の俊足に翻弄されるも川高は何とか瀬谷二から勝利を収め、続く四回戦の江陵高にも勝ち、ベスト8入りを果たした。 しかしこの試合後、薬丸はサッカーが上手くない野内を馬鹿にし、退部しろと因縁をつけ、さらに旧友たちと「お前はサッカーをやる資格もない」といびるのだった。 五郎は激怒し、薬丸を殴り飛ばしてしまった。五郎は野内が下手なりに一生懸命朝練までしているのを知っていたからだ。 だが、薬丸はその日からフテくされて練習にすら出てこなくなってしまった。チーム状 態は最悪のまま、準決勝の七浜商業戦を迎えた。 薬丸は姿を見せず、川高は十人で準決勝のキックオフを迎えてしまうのだった……。 |
第5話 『激闘インターハイ予選』/脚本 山田健一 |
インターハイ準決勝、川高は苦戦を続けた。 全員サッカーの七浜商に対し、川高は一人少ない薬丸抜きの十人。しかもポイントゲッターを欠いての戦いは無理もなかった。 しかし、川高メンバーは全員、薬丸が試合途中でも来ることを信じていた。そして、その願いが通じた。自分の言動を反省した薬丸がピッチにその姿を現したのだ。 川高に新たなチームワークが芽生え、形勢は一気に逆転。薬丸のオーバーヘッドシュートが決まって、川高は一対〇で勝利を収めるのだった。 そして横浜南との決勝戦当日。五郎は由樹子から織田の膝が悪化していることを聞かされ、出場を見合わせた方がいいと進言するが、織田はかたくなに拒否した。 織田の胸中にはただひたすら横浜南と戦い、自分の選手生命を縮めた監督の有本に、リベンジを果たし、憎しみを晴らすという想いが渦巻いていた。 |
第6話 『ロスタイムの攻防』/脚本 彩乃小路 |
インターハイ決勝、対横浜南高戦。川高は前半オフサイドトラップに苦戦し、茅野に連続シュートを決められ2対0となった。 さらに有本監督に命じられた選手たちが意図的に織田の故障した右膝を蹴上げた。 だが、織田は膝の激痛に耐え、奇跡のゴールを決めた。 しかし五郎が織田を気遣うあまり、痛恨のミスを犯し、三点目を入れられてしまうのだった。 織田はチームの勝利の為自らピッチを去ることを決意し、逆転を信じて病院へ向かった。 川高イレブンは織田の想いを知り奮起するが、今度は五郎が左手に裂傷を負ってしまう。 それでも薬丸が二点目を入れ、逆転ムードが流れかけたその時、横浜南は時間稼ぎの作戦に出た。 そして、時間はロスタイムに突入。 憤怒した五郎はグラブから鮮血に染まった左手を抜いて掲げ、横浜南選手全員を挑発した。 それに応えて攻撃を仕掛ける茅野。 そのボールを奪った薬丸が攻撃を仕掛けるがゴール寸前、無情のタイムアップ。 川高は横浜南に敗れた。 |
第7話 『ストライカー誕生』/脚本 堀井明子 |
五郎たちは夏休みの間も惜しむことなくサッカーの練習に明け暮れた。 そして二学期を間近に控え、宿題が山のように残ってしまった。 そこで五郎たちは学校の図書室で猛勉強。 そしてその帰り道、グラウンドで横浜南・日比野慶彦の双子の弟でブラジル帰りの勝彦と出会うのだった。 勝彦は五郎たちにGKとして天性の才能と実力を披瀝し、自分がGKになるので五郎にフィルダーに転向するよう提案した。 織田もそれに同意するのだった。 二学期が始まり、川高に編入してきた勝彦の粋な計らいで、サッカー名門校の星城学園との練習試合が行われることになった。 五郎にとってフィルダーに転向しての初戦。 なんと、五郎はデビュー戦にもかかわらず驚異のシュート力でなんとWハットトリックを達成! 周囲のド肝を抜くのであった。 審判を勤めた茅野も五郎のパワーに驚き、途中から出場した星城のエース、テニスと二刀流の石原のライバル心にも火を付けてしまうのだった。 |
第8話 『冬の選手権キックオフ』/脚本 星川泰子 |
秋……高校サッカー選手権・神奈川県予選が始まった。 故障の織田を欠く川高だったが、一・二回戦とも快勝し、フィルダーに転向して間もない五郎の活躍が注目の的になった。 そのことが少々妬ましい薬丸だったが、膝の手術に挑むひたむきな織田の姿を見て、チーム一丸となって選手権を勝ち抜くことを誓う。 三回戦の高浜工業戦では、『鬼のFW殺し』と異名を持つDFの鬼島の姑息な攻めにも五郎は動せず、川高はベスト8入りを果たした。 さらに四回戦、五回戦と川高は順調に勝ち進み、準決勝・瀬谷二高校戦を迎えるのだった。 瀬谷二高には、センタリングの名手の島原と、ヘディングが得意で横暴な性格の大伴がいた。 試合開始早々、川高は薬丸のシュートで一点を上げ、意気揚々となるのも束の間、怒りの導火線に火がついた大伴のハンマーヘッドが炸裂。 勢いあまって五郎に頭突きを喰らわす格好となり、五郎は意識朦朧になってしまうのだった。 |
第9話 『リベンジ川崎対横浜南』/脚本 細井能道 |
準決勝の瀬谷二高戦、五郎は大伴とのヘディング対決に競り勝ち、2対0で川高は決勝へ進んだ。 そして決勝の横浜南との試合を迎えた。 復帰初戦の織田にとって、この試合は横浜南監督・有本との因縁に決着をつける復讐戦でもあった。 また川高イレブンにとっても、夏のインターハイ予選決勝で借敗した悔しさをリベンジする戦いでもあったのである。 最終ラインに入った織田と二年生DFが抜群のコンビネーションで鉄壁な守りを見せ、試合を川高ペースに持ち込むと、織田からのカウンターパスを五郎が決め、幸先良く川高が先制点を上げるのだった。 試合はこのまま川高ペースになるかと思いきや、自力に勝る横浜南の猛攻が始まった。 FKからトリックプレイを用いて日比野慶彦がゴールを決め、さらに茅野が得意の右45度からのシュートを川高ゴールに叩き込んだ。 2対1、横浜南のリードで前半終了のホイッスルが鳴るのだった。 |
第10話 『織田ファイナルゲーム』/脚本 山田健一 |
川高対横浜南の決勝戦。 後半20分を経過してもなお横浜南一点リードは変わらなかった。 有本はダメ押し点を奪おうと、全国大会用のセットプレイを使い、川高DF陣のかく乱を狙うが、五郎の体を張ったディフェンスによって阻止されてしまうのだった。 五郎のミドルシュートが横浜南ゴールに突き刺さり、遂に川高は同点に追いついた。 しかし織田の膝は限界に近づいていた。 それでもチームメートに悟られないよう必死にプレーする織田。 そして試合はロスタイムに入った。 織田の渾身のドリブルがうなりを上げた。 有本へ対する恨みや憎しみ……すでに織田の中からは払拭されていた。 ただ純粋に横浜南に勝ちたいという、その一心だった。 そして織田の決死のドリブルからラストパスを受けた五郎のシュートが横浜南のゴールネットを揺らした。 川高はついに横浜南を破り悲願の初優勝を飾った。 涙のウイニングランが続くのだった。 |