各話あらすじ 第21話〜第30話

第1話〜第10話

第21話〜第30話


 第21話 『静一! 王者のサッカー』/脚本 堀井明子
試合終了間際、川高は鹿児島学院の攻撃になんとか耐え、決勝戦への切符を手中にした。
試合終了後、勝彦は五郎に問いただした。
それは日比野辰彦氏から誘われていたイタリア・セリエAのチームに本当に行くのか、行かないのか……。
五郎は決勝戦に集中したいからとその答えを避けた……少なからず己の心中も揺れに揺れていたからだ。
そしていよいよ決勝戦、静岡一高戦を迎えた。
前半五分、薬丸のヒールパスから五郎がミドルシュートを決め、川高は先制した。
その五郎のマークを怠った静一のリベロ・沢村が名誉挽回とばかりにロングシュート、さらに六人抜きのドリブルからのシュートを決め、あっさりと逆転に成功してしまった。
意気消沈する川高イレブンだが、薬丸の闘志溢れるプレーがイレブンに勇気を与え、嫌なムードを払拭した。
静一リードのまま試合は白熱していった。

 第22話 『驚異のセットプレー』/脚本 星川泰子
川高対静一戦はヒートアップしていった。
前半35分、川高は阿部の俊足がゴールチャンスを生み出し、薬丸のシュートで同点に追いつき、試合はハーフタイムに突入した。
五郎を除く川高イレブンは、この試合を最後にイタリアへ旅立ってしまう五郎への惜別感を一時忘れ、静一戦に集中することを心に誓った。
後半12分、静一・明智のセットプレーから暮林が勝ち越しゴールを決め、再び一点リードした。
劣勢を挽回すべく川高は総攻撃を仕掛けようとしたが、その矢先、静一の選手が誤って五郎の腹部を蹴ってしまうのだった。
その場に倒れ込んでしまう五郎。
国立競技場全体から五郎コールが沸き起こった。
それだけ五郎のプレーが観客たちを魅了し、虜にしていたのだ。
そして後半30分、川高全員の想いを込めて五郎がシュートを放ち、静一のゴールネットを揺らした。
2対2、川高は再び同点に追いついた。

 第23話 『涙のタイムアップ』/脚本 星川泰子
五郎のシュートで静一に追いついた川高にチャンスが更に訪れた。
ペナルティーエリア内で五郎がファウルを受け、PKのチャンスを掴んだからだ。
しかし五郎はそのPKを外してしまった。
再び勢いが静一に傾き、暮林のオーバーヘッドシュートが川高ゴールに炸裂したが、勝彦がなんとかゴールを死守し、試合はロスタイムに突入した。
だが、シンゴからのパスを受けた薬丸のダイビングヘッドシュートが静一ゴールに突き刺さり、4対3と川高は逆転に成功した。
そしてタイムアップ……川高は悲願の選手権優勝を果たした。
しかし、川高メンバーは優勝を手放しで喜べなかった。
イタリアへ行ってしまう五郎との別れの時が来てしまったからだ。
だが、五郎は日比野辰彦から誘わていたセリエAのチームへの入団を拒絶するのだった。
五郎にとって、川高こそが今の自分の居場所であり、冬の選手権二連覇が次の目標になっていたからだ。

 第24話 『発進! U-20日本代表』/脚本 小山高生
選手権終了後、Uー20イタリアユース杯に参加するUー20日本代表の合宿が御殿場で行われていた。
代表には、五郎はもちろん、薬丸、シンゴを初め、強者たちが招集されていた。
その代表練習を見学しに来ていた渚、由樹子、野内は川高と死闘を繰り広げた相手選手たちとの試合を思い巡らすのだった。
茅野の高校サッカー最後の試合となった冬の選手権・県予選決勝の対横南戦。
その横南を敗って挑んだ全国大会、雨中の戦いとなった星城戦。
サッカーの聖地、国立競技場に舞台を移して戦った準決勝の鹿児島学院戦。
そしてまだ記憶に新しい決勝の静岡一高戦……川高が辿った優勝への軌跡が走馬燈のように三人の胸中に甦るのだった。
大学生となった織田をキャプテンに迎え、五郎たち高校生たちを中心に構成されたUー20日本代表。
イタリアで世界を相手に戦うその日に向け、入念に練習を続けるイレブンであった。

 第25話 『ミラノのめぐり逢い』/脚本 小山高生
イタリアへやってきたU-20日本代表イレブンは、早速ミラノ郊外で練習に励むのだった。
日本から応援に駆けつけた渚、由樹子、田中先生らもその練習を見守り続けていた。
由樹子はこのイタリアで、自分の心に素直になろうと決意していた。
それは五郎に対しての恋愛感情を包み隠さず伝えるという事だった。
そんな由樹子の気持ちを察した薬丸とシンゴに嵌められた五郎と由樹子は、その晩街を散歩している途中、由樹子のバックがひったくりに奪われるという事件に遭遇してしまった。
だが、果敢なフランス人青年が、由樹子のバックを取り返し、自らを「ナポレオン」と名乗った。
そして翌日、U-20イタリアユース杯が開幕。
日本代表の初戦の相手はフランス代表だったが、その中心選手に見覚えのある人物がいた。
昨晩、由樹子のバッグを取り返してくれ、自らを「ナポレオン」と名乗った青年こそ、実はフランス代表のエースストライカー、ジャンであったのだ。

 第26話 『華麗なるフランス選抜』/脚本 山田健一
いよいよ開催されたイタリアユース杯、五郎たち日本代表の初戦の相手は、フランス代表チームだった。
エースFWのジャンを筆頭に、フランス代表チームはスピード、テクニック、パワー、全ての面に置いて日本を凌駕していた。
また五郎はジャンが前夜危ういところを助けてくれた男と知り、驚くのだった。
フランスの攻撃に対し、守勢を取らざるを得ない日本。
必死にその攻撃に耐えぬくが前半終了間際、ジャンにゴールを決められ、フランス先制のままハーフタイムに入った。
沢渡監督は、諦めムードが漂うイレブンに「フランスには劣ってはいない」と断言した。
それぞれ自信を持って己の個性を発揮すれば、対等に戦えるというのだ。
沢渡監督の言葉は慰めでも励ましでもなく真実であった。
五郎の自信と気力に満ちたプレーから流れを取り戻した日本チームは、キャプテン織田がシュートを決め、1対1の同点に追いつくのだった。

 第27話 『哀しみのローマ』/脚本 堀井明子
日本とフランスの戦いは1対1のまま後半40分を経過していた。
だが試合は地力に勝るフランスが優位に進めていた。
だがそこに立ちはだかったのが五郎だった。
ジャン得意の高速ドリブルからボールを奪うと、華麗なループシュートを決め、日本は逆転に成功。フランスから大金星をあげた。
翌日、五郎たちは勝利のご褒美とばかりにローマ観光に出かけた。
そこで仲むつまじく楽しい時を過ごす五郎と由樹子。一方、その姿を見て心を痛める渚がいた。
渚はその場から駆け去り、教会を見つけると、神にぬかずき祈りを捧げた。
「どうか五郎ちゃんが私の気持ちに気づいてくれますように……」
だが、渚はそんな姿を由樹子に見られてしまうのだった。
敗北感に包まれた渚は雷鳴轟き、降りしきる豪雨の中、外に飛び出した。
そして、雷鳴に驚いた由樹子が五郎にしがみついたシーンを抱擁と誤解するのだった。

 第28話 『プライドを賭けた戦い』/脚本 細井能道 
五郎は由樹子と共にアントニオと日比野辰彦に誘われ、ミラノ郊外へドライブに出かけた。
そして、サッカーグラウンドで『イタリアの若き皇帝』と呼ばれる天才プレーヤー、フィオ・マストロヤンニと運命的な邂逅を果たした。
だが、五郎が偵察にきたものと誤解したフィオは五郎を挑発するのだった。
一触即発のその時、中年の男性・パオロが止め男に入った。
激しく口論する二人。訳が解らない五郎。全てはアントニオが仕組んだことなのだが、三人は知る由もなかった。
イタリアユース杯決勝、対イタリア戦が開始された。
フィオはチームメイトを端から信頼せず、個人プレーを続けた。
そしてなんと8人抜きのドリブルからシュートを決め、先取点を奪うのだった。
フィオの前に劣勢が続く日本。
その頃、発熱し、ホテルで静養をしていた渚は、五郎を応援する由樹子の姿をブラウン管に発見し、
発熱を押して五郎を応援するためスタジアムへ向かう決意をするのだった。

 第29話 『孤高の皇帝フィオ』/脚本 山田健一
イタリアはなおもフィオが超人的な個人技でゴールを決め、2点リードした。
フィオの独り舞台に不満の声を上げるイタリアイレブン。 
なぜフィオは勝手なプレーを続けるのか?   
フィオが幼少の頃、同じく代表選手であった父・パオロがW杯予選決勝で冒したミスプレーが心に深い傷となって残っていたからだった。
2点を追う日本は、チームメイトをひたすら信じてフォローに走る五郎のプレーから次第にチャンスが生まれ始め、五郎、薬丸のシュートが立て続けに決まって、同点に追いついた。
熱を押してスタジアムに向かった渚は途中パオロに助けられ、一緒にスタジアムに到着した。
引退試合以来スタジアムから離れていたパオロも前夜アントニオに観戦を懇願されていたのだ。
フィオの心変わりを期待するパオロ。    
だが、相変わらず同点に追いつかれた理由が解らないフィオ。
一方、逆転に闘志を漲らせる五郎。
試合は大詰めを迎えようとしていた。

 第30話 『栄光のカンピオーネ』/脚本 彩乃小路
イタリア対日本戦は延長戦にもつれ込んだ。
延長戦前のインターバル中、アントニオがパオロから託された約束の贈り物と手紙をフィオに渡すのだった。
それは思い出のサッカーシューズだった。
フィオは全てが誤解であったことを知り、チームメイトにも今までの言動を謝罪し、チーム一丸となって戦うことを誓うのだった。
そして運命の延長戦が開始された。
茅野のシュート、五郎のオーバーヘッドシュートがイタリアゴールを襲うが、絆を深めたイタリアの防御の壁は厚く、ゴールが割れない。
そして延長前半5分、チームメイトの想いを込めたフィオのシュートが決勝点となった。
試合後、五郎はアントニオやフィオが所属しているセリエAチームからの入団要請を一年間待ってもらいたいと言明した。
なぜなら、大好きな川高メンバーと全国選手権二連覇を目指したかったからである。
そして、傷心の渚はひとり機上の人となった。

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