ボードゲームの衰退〜盛り上がったのか?

昨年の夏までそれなりにあった、ボードゲームを広げようという機運も、いつの間にか低調に感じる。というのも、ボードゲームの専門誌が二つほど(「ボードゲーム天国」「AGマガジン」)あったが、どちらも昨年の春を最後に発刊していない。(唯一、「ROLE&ROLL」で安田均一がコラムを載せている)そのため、情報が入ってこないこともあるが、エポック(「アフリカ」など)やカプコン(「カタン」等)なども2年前にはドイツゲームの発売をしていて、ブレイン・スポーツなどと声高に宣伝していたが、それ以降の展開もなくなった。また、書籍ベースにして流通上で本屋にもタイトルを揃えて販売するあるいはネット上でも購入可能という計画(雄山閣)もいつの間にか消えてしまった…。また、ノートサイズで発売していた、グラフィックジャパンの展開も見えないし、昔からのはなやま玩具の古典的なものも(立体4目並べなど)無くなった。
時々、トイザラスにいってボードゲームのコーナーを覗いてみるが、変わり映えがないし、昨年の夏までは、それなりに動きがあったけど、私の主観かもしれないが活気というか動きがないように思える。先にも書いたけど、そうしたボードゲームやTRPGを扱う模型屋に行ったとき、前ならエポック社から出ていた輸入物のボードゲームとか買う人がいないためにもうやめたと話していた。そもそも、シュミレーション系や戦争をモチーフにしたもの(あるいはTRPG)とかは、一部のファンのもので買う年齢層も限定されているとのこと。まぁ、そうだろうナァと思いながら…
「ボードゲーム天国」1号(新紀元社)で、ドイツゲームの魅力といった内容の記事の中に、日本に触れるところがあった。それによると、昔テレビゲームが流行る前までボードゲームを家族で一緒にやっていた記憶のある世代が、いま自分が子供を持ち、そうした記憶から家族でボードゲームをする機運があるのではと考察していた。その一方で、ドイツではある程度労働基準や労働厚生の制度がしっかりしているため、残業などが少なく、自分の時間を作りやすい。そのため、家族で過ごす時間が多くとることが出来ることなどが比較され、日本ではそうした家族の時間がとりにくいことが、ボードゲームで遊ぶという土壌が育ちにくいのではという事も書かれていた。
その一方で、AGマガジンの中で、ホビーショップの社長の話が載っていた。おもちゃとホビーの違いは、おもちゃは家族などから買ってもらうもの。ホビーは買ってもらう世代から卒業して、自分でほしいものを買うところ…この比較は、従来のようなおもちゃ屋がトイザラスのような大型化によって潰れていくことを念頭にして、人と違った考えで経営していることを述べていたが…ボードゲームは家族でやるもの=一般的なものとしないで、ホビーショップでばかり並んでいるようでは、結局のところ、広がらないし、限定的なものとして扱われるのではないだろうか。
そうした限定的なものからの脱却を図るという意味で、専門誌、書店への流通があったが、どうも空振りに終わってしまったらしい。もっとも、東北だけかもしれないが…関東などはホビーショップが網羅されているし、大型の書店もたくさんあるため、理解のあるところではおいてあるかもしれない…
ボードゲームの面白さについては、これまで書いてきたので今さら述べないが、土壌として未だテレビゲームを安易に与えることによって子供と大人が遊ぶという構図は浸透していないと言える。最近、テレビゲームのCMでもおじいちゃんがテレビを見ながら太鼓をたたいたり、テレビに自分を映してバーチャルに遊ぶ疑似体験的なソフトも出ているようだ。テレビゲームが子供のものであるという限定的なものから根本的に変わっていこうという動きもある。しかし、忙しい大人(ある意味乾燥的な)が多い日本、子供とそんなことをして遊んでいる親をすごいネェ〜。家族サービス満点ですな。と一見羨むことで、どこか自分にはそんな子供臭いことはしない(そんな暇はない)と思っている人が多いことも確かである。まだまだである。

以下、蛇足として遊んでみて楽しかったゲームをいくつかあげたいと思う。
ヘキサイトグローカル・ヘキサイト
前の記事にも書いたのだけど、手に入りやすいことから再度紹介。図形をはめていき接した「辺」の多さで得点を加算させていくゲーム。テレビゲームもあるけど、手にとってあれこれ回転させながら遊ぶのが良いんじゃないでしょうか。

相性チェックゲームドキドキワクワク相性チェックゲーム
これは手に入りにくいかもしれませんが、ネットオークションでも度々出品されています。このゲームについては前の記事にも書いたのでここでは述べませんが、小学生の子供と父と母にわかれて対抗戦をするとすごく面白いと思います。

ワードバスケットワードバスケット
日本人が作ったとても考えさせられる「しりとり」のゲーム。手札には50音が一つ書かれていて(他にもいくつかの特殊カードがある)5枚ほど手札として持っていて、その手札で終わる言葉を言いながらバスケット(かご)に投げ入れていき、早くなくなった人の勝ちというもの。終わりの言葉が決められるとかくも語彙が思い浮かばないということを気づかせてくれる。大人から子供まで遊べます。これは、割と流通していて、通販でもすぐに手にはいると思います。

その他、トイザラスなどで購入した面白いゲームとして、
「マッチ・ファイブ」〜赤玉と白玉のパターンのいくつかを記したカードを速く無くした人の勝ちというもの。パズルライクのゲームで面白い。3人くらいがちょうど良いゲーム
「ブロックス」〜テトリスのような図形をはめ込んでいき、陣地を確保していくもの。中盤あたりから、相手の邪魔が入って図形がはめ込めなくなっていき、残った図形の面積が多い方が負けるゲーム。親父も結構面白がってやれたゲーム。4人だとベストのゲーム。
「6ニムト」〜これは前にも書いたので、内容は省略。いずれにしろ、ルールが簡単ですぐにはじめられるもの。手順も多くなく、しかしゲームとして考えることがあるようなシステムが良いゲームと言えそうです。(2004.5.2)

目次