2005年6月15日 更新

塩の不思議 なぜパスタをゆでる時塩を入れるか

 パスタをゆでるとき入れる塩の役割 その1
パスタのゆで方に以下のような記載が有ります。
塩 水1Lあたり5gから15g 天候により変化させます。雨等が振り気圧が下がっているときは多めに晴れているときは少な目にしてください。しかし15g以上はいれないでください。(1.5%の食塩水はほぼ海水の濃度と同じです)

天候で塩の量を加減するのには、気圧との関係が有ります。天気が悪いときは気圧が低く、良いときは気圧が高いことが一般的です。この気圧と水の沸騰する温度が相関関係にあります。気圧が低いと沸騰する温度(沸点)が下がり、気圧が高いと沸点が上がります。1気圧 1013Hp(ヘクトパスカル)の時水の沸点が100℃と規定されています。
この水に塩を入れるとその濃度により沸点が変化します。塩分濃度が高いと沸点が上がり、低いと下がります。この塩分濃度による沸点の上昇を使ってパスタをゆでる温度を一定にすることが塩の役割です。

 パスタをゆでるとき入れる塩の役割 その2

小麦粉にはタンパク質の「グルテン」が含有されています。その含有率が多い小麦粉がパンやピザの台に使われる強力粉です。もっとも少ないのが天ぷらやお好み焼きの使う薄力粉です。スパゲッティやマカロニなどを作るデュラム小麦にも強力粉並のグルテンが含まれています。タンパク質は塩分、酸、熱で硬化します。そうめんやうどんの乾燥麺では打つときに塩を使っていますが、スパゲッテイやマカロニには、塩をいれていません。従ってそのまま水でゆでるとふにゃふにゃで腰がないスパゲッテイになってしまいます。塩のタンパク質凝固作用でパスタに含まれる小麦粉のタンパク質 グルテンを固めてシコシコとした腰を出すために塩を使うのが第2の役割です。
タンパク質を凝固させる効果は、食塩に含まれる苦汁成分(塩化マグネシュウム)の作用ですので精製食卓塩よりも苦汁を含む、塩田で作られた浜塩が適しています。または、苦汁を追加しても効果は同じです。

 パスタをゆでるとき入れる塩の役割 その3

それは味付けです。ゆでたスパゲッティにトマトソースやクリームスープを絡めないタイプのスパゲティ・バジリコアーリオ・オリーオ・ペペロンチーニなどでは、ゆでるときに入れる塩が味付けのベースになります。

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