江戸料理百選タイトル   

酢烹(すしに)

          大平鍋に、雪花菜を、あつさ六、七分にしき、生鰯一ぺんならべしき、復、同じく雪花菜をしき、いわしをならべ、かくの如く四、五層もして、真中へ孔を穿け、其孔へ豆油ひたゝに入れ、酒をさし烹る。
         

             伊万里染付長皿

江戸料理食べる人

『豆腐百珍附録』


材料および概量
     
 いわし┐   8-10尾、正味800g 
 水  │   5カップ、1000cc 
 塩  ┘   大2、水の3%
 豆腐のおから┐1kg
 酒     │1.5カップ、300cc 
 醤油     ┘2.5カップ、500cc 
        途中1/2カップ、2回 
 酢取り生姜
 ┌新生姜   4本
 └塩     小1/2
 合わせ酢
 ┌酢2     大3
 │ :
 │水1    大1/2
 │塩     小1/3
 └砂糖    小1/2
     

一、いわしは、頭を落とし、腸を出して、塩水で洗い、水気を
  切る。改めて水5カップに、塩大さじ2杯を溶かし、いわし
  を漬け、5分位おき、盆ザルにあげ、水気を切る。

二、おからに酒1.5カップ、醤油2.5カップを入れ、よくかき回し、
  1/3を鍋に敷き入れ、いわし4〜5匹を間隔を少しあけて並べ
  る。その上に、おから1/3を乗せ、平らにし、いわしを並べ、
  残りのおからを乗せて平らにならす。

三、鍋を火にかけ、煮立ってきたら弱火にし、1時間位ブツブツと
  静かに煮込む。途中、醤油を2回、1/2カップずつ加え煮込む。
  火を止め、そのまま冷やし、すっかり冷めてから、器に盛り、
  酢取り生姜を添える。


 扉 【酢取り生姜を作る】

葉を落とした谷中生姜は、フキンで磨くか、包丁でくるりと一むき
する。酢少々を落とした熱湯に、4〜5秒漬け、塩を振り、団扇で
扇ぎ冷まし、すぐに使わないような時には、合わせ酢を作り(根が
かぶる部分まで合わせ酢があること)、2〜3時間から一日位の間
漬ける。これ以上漬けると折れ曲がってしまうのですぐに使わない
ような時には引き上げ、ぴったりとラップに包み冷蔵する方がよい。

【試作余話】

「いわしが、こんなにうまいものとは気が付かなかった」と異口同音。
「卯の花を使って重ね煮にする智慧に感心」
「意外に贅沢な料理だな」の声あり。
朝、煮たものは夕方まで、晩に煮たなら翌日まで馴染ませた方がうまい
、と意見が一致しました。
夏でも、涼しい所に置けば、三日間位は充分にもちます。
いわしを取り出した後は、ていねいにならしておいて下さい。



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