DIARY

1月31日 2003
   50にしてまだ惑う
    やっと,一月が終わった。
今月の心配事。
1.年末に撮ってくれた,高速道路での運転中の記念写真は,まだ何も言ってこない。
  どうなっているのだろう?このままチャラにならないかなぁ・・・。
  2点だとぎりぎり。3点だと講習。
  だけど,もし,80km制限だったら簡易裁判所?

2.スキーで転んだ時に,はずれたスキーで打った左足のむくみがまだとれない。
  きっと,血栓性静脈炎を併発して静脈が詰まったんだと思う。
  エコノミークラス症候群は,僕には,なかなかせっぱ詰まった問題かもしれない。
  急に死ぬのは,僕にとっては悪い死に方ではないように思うが,
  家族が迷惑だろうから,せめて借金を返してから にしたい。

3.僕の大好きな石垣のダイビングサービスには,ボートがない。
  シーズンまでに,何とか調達してほしいと思っているのだけど,
  なかなかいい出物がないみたいだ。
  今日,YAMAHAから,ダイレクトメールがきた。
  ボートの展示販売の招待状だった。
  こっちでは,きっとボートはいっぱい余っているのだろうなぁ。

4.車のタイヤが減ってきた。雨の日にとばすと滑る。
  当分,物いりで買えそうもないから,とばさないで安全運転をすることにする。

5.その他いろいろ。

いつになったら,惑わないで生きられるのだろう?

1月30日 2003
      7年に一回の幸せ
      昨日は,7年に一回しか来ない幸せが来た!
僕の大好きな「おから」が食卓に出たのだ。
それもたくさん!
「おから」と日本酒!
こんな絶妙な取り合わせが他にあるのだろうか?
「ビールと枝豆」,「ワインとチーズ」,
あっ,けっこう,あるわ!。
考えてみると,こういった取り合わせは,
高いアルコール濃度の酒には,ないように思う。
(ビーフジャーキーとバーボンなんて聞いたことがない。)

  あっ,また脱線している。
家内に言わせると,結婚してからおからを作ったのは,
3回くらいしかないそうだ。
そんなわけで,我が家では,7年に1回しか味わえない「幻のご馳走」である。
子供の頃は,おからなんて,
口の中でモソモソして,けっしておいしいと言えるものではなかった。
出来れば,食べないですませたいおかずの一つだった 。
高校生の頃,夕方家に帰ると,「素浪人,花山大吉」が
始まる時間帯であったので,よく観た。
この,花山大吉が「無類のおから好きで,猫嫌い」という設定であった。
花山大吉は,おからを見るとじっとしておられなくなって,
(たとえそれが他人のおからでも)
むさぼるように食べるのだけど,その食べ方は,
両手でつかんで,矢継ぎ早に,口いっぱいに,
むさぼるように詰め込んで食べるのである。
そして,必ず,途中でのどに詰まってしまって,お酒で流し込むのである。
それを観ている内に,「おからって美味いんだろうか?」
と思い始めるようになった。そして,食べてみると結構美味かった。
(そのころは酒は飲まなかったが・・・。)
それから,おから好きになってしまったのである。
食わず嫌いの人に,食べさせようと思った時は,無理に食べさせないで,
繰り返し,目の前で美味そうに食ってみせるのが,一番良い様に思う。
(家内は,餃子も,納豆もそうして好きになったのだった。)
ところで,おからは,後7年待たないと食べられないのだろうか?
でも,「おから買ってきたら,僕が擂るから,また,作ってちょうだい。」
とお願いしたら,「考えといてあげる。」と言っていたので,
こんどは,そんなに待たないでもいけるかも・・・!
1月29日 2003
    後少し!  
    今日は雪!
朝から,一面の銀世界だ。とってもきれいだ。
そして,気温が低いので,溶けない。
溶け出すと汚くなってくるけど,溶けないので夜になってもきれいだ。
寒いのは嫌いだけど・・・。
明日も,寒いらしいので,雪景色は残りそうだ。
車のスタッドレスタイヤは,ノーマルタイヤに替えているけど,
もうすぐ雪は溶けそうだから,このままでいこうかな。
朝の国道は,大渋滞だったようだ。
岸和田まで普段40分位のところに行くのに,3時間以上かかったそうである。
僕は,今まで,耳当てをして自転車に乗っていたが,
今日から,耳当て付き帽子にした。
ここまで来れば,春まで,あと1ヶ月とすこし!
1月28日 2003
       Smoking Gun
       たばこ吸ってる拳銃?
動かぬ証拠のことだそうだ。
平和で銃のない国,日本では,ピンと来ない。
ピンと来ないことを誇りに思う。
大体,この時代に,まだ,鉄砲振りかざしてるのが普通の国なんて,
恥ずかしくないのだろうか?
あげくに,自国の思った通りにならないからって,
戦争をおっぱじめるんだから,立派!
まさに,ジャイアンの精神構造だ。
大体,ブッシュのあの顔!
陰湿で,神経質そうで,すぐ切れそうな顔だ。
そして,まったく知性が感じられない。
エクソンモービル社から,いくらもらっているのか知らないが,
二酸化炭素削減計画からは離脱するし,
石油の利権のためにイラクに戦争まで仕掛けてしまう。
アメリカ人って,こんな政策をする自国のことが,恥ずかしくないのだろうか?
スネオの日本が,はるかにましに見えてくる。
スネちゃま!
お願いだから,この戦争に賛成なんて言わないでね!
1月27日 2003
      国旗制定記念日
      今日27日は,国旗制定記念日。
国旗協会が1870(明治3)年、太政官布告第57号の「商船規則」で、
国旗のデザインや規格を定めた。
それまでは、船によってまちまちのデザインの旗を使っていた。
当時の規格は、縦横の比率は7:10で、
日の丸が旗の中心から旗ざお側に横の長さの
100分の1ずれた位置とされていた。
現在は、1999年8月13日に公布・施行された「国旗国歌法」により、
縦横の比率は2:3、日の丸の直径は縦の長さの5分の3、
日の丸は旗の中心の位置となっている。
そんなこと知らなかったけど,きっとこの先もこだわらないだろう。
だけど,シンプルなのは良い。
もしこれがアメリカだったりすると,きっと小学校の時に,あほな先生に
「国旗をきちんと書いて提出」
なんてくだらない宿題がだされたはずだが,
さすがに,日本の国旗では,簡単すぎてだす先生はいない。
手間がかかるから出すなんて宿題は,ナンセンスだと思うけど・・・。
そんな先生がいるからしょうがない。
幸いなことに,日本では,国旗の宿題に苦しめられる子はいないようだ。    
1月25日 2003
         禁断症状・・・
         また、やっと週末が来た。
しかし、あさってから月曜が始まると思うと、うんざりする。
週休2日だといいなぁ。
でも、お国の病院のように週休2日にはとうてい出来ない。
経営的な見地からも、社会的な見地からも、無理だ。
僕は、根気も体力もないので、6日間働きづめはきつい。
そういえば、今度の日曜は、内科学会の教育講演に出ないといけないので、日曜は無しだ。

  ダイビングを始めた頃は、この季節でも、日曜たびに、串本に出かけていたけど、
いまでは、考えられない。
きっとこの先、ドライスーツを着てダイビングすることなんて無いと思う。
でも、もう長いこと海に行ってない。
せめて、いく予定でもあれば、それを生き甲斐に生きていけそうだけど、
それも今のところ無い。
アーァ、海に行きたいなぁ!
1月24日 2003
        批判的吟味
        批判的吟味とは聞き慣れない言葉かもしれない。
今は,情報過多の時代で,いっぱい情報が入ってくる。
情報を効率よく選んでいかないと,頭の中はパニックになってしまう。
そのための,手法の一つが批判的吟味である。
何かの論文を読む時に,常に批判的吟味をしながら読む必要がある。
批判的吟味をして,不適切と判断されたものは,
それ以上は読み進まないでゴミ箱に捨てる。
批判的吟味とは,書き出すと一冊の本になってしまうので,
僕が日頃している作業程度でも,
きっと,役に立つのではないかとうぬぼれているので,それを紹介する。
まず,
1.役に立つのか?具体的に自分の目的にあったものなのか?
  たとえば,高血圧症の患者に,薬をださなければいけない時に
  どの薬を選べばいいか?
2.対照がランダム化されて,テストされているか?
  たとえば,血圧を下げる薬が,Aと,Bがあったとして,
  医者も患者もその薬が何か判らないままにランダムにAとBの薬を使って,
  何年かしてその薬がどちらであったかを明らかにして判定する。
  こういうのを,ダブルブラインドといって,これが原則。
  そうでないと,人為的な偏りや判断が出てしまうから。
3.ランダム化されてない場合は,数の多いコホート研究か?
4.結果が適切に設定されているか?
  血圧が下がったかどうかということを判定するのか,
  その先にある,患者が健康な状態で長生きできるのを判定するのか?
5.結果が本当に信頼できるのか?
  ここは,難しい話になるが,たとえば,製薬メーカーの宣伝が入っていれば,
  それだけで,読むに値しない。
  今日も,このまえの ALLHAT の発表を追い風にして,あるメーカーが
  アムロジピン群は,クロルタリドン群に比べて,脳卒中の発生率が7%低下!
  などとやる。きっちり,その後に(有意差なし)と書いている。
  いかにもエビデンスに基づいたふりをして,データーをだしてくるのは,
  詐欺に等しい。しかし,だまされる馬鹿な医者もいるのだから,何とも情けない。
大体そんなことを,考えて見ている。
たぶんこれは,医学論文だけでなく,世の中にあふれかえっている
怪しげななんたらキノコのエキスとか,ノウハウ書とか,ダイエットの本とかを
見る時にも役に立つはずだ。
活字になって出版されているだけで,あるいは,
テレビで報道されただけで,頭から信用しないでほしい。
1月23日 2003
       たばこを吸う人は魚介類をとりまひょ!
       たばこを吸うと血管の動脈硬化が進むことが知られているが、
魚介類などに豊富に含まれるアミノ酸、タウリンを摂取すると、
硬くなった血管が元に戻ることがわかった。
必要なタウリン量は1日1500mgで、魚介類ならほぼ一食分に相当するという。
研究結果はCirculation誌1月28日号に掲載予定で、
このほど同誌のホームページ上で早期公開された。

 この研究を行ったのは、アイルランド王立医学校(Royal College of Surgeons)の
F. M. Fennessy氏ら。
Fennesy氏らは、「魚を1日一皿以上食べる人では心臓病(心血管疾患)が少ない」
という疫学調査結果に注目。
15人の喫煙者に、魚一皿(100g)に含まれるのと同じ量のタウリン(1500mg)
を5日間飲んでもらい、血管の硬さがどの程度変わるかを調べた。

 研究に協力した喫煙者は20〜37歳と若く、
血圧は正常、糖尿病も高脂血症もなかった。
普通ならまだまだ血管が柔らかい年齢のはずだが、


たばこを吸っているためか、
同じ年齢層の非喫煙者(15人、21〜37歳)よりも
動脈硬化が進んでいた。





ところが、タウリンを5日間飲んだ後では、
血管が非喫煙者と同じくらい柔らかくなることが判明。
血管内皮の機能も改善していた。

 さらに研究グループは、同じ実験をビタミンC(1日2000mg)を使ってやってみた。
すると、ビタミンCでも同じような効果があったが、効果はタウリンの方が大きかった。

 タウリンは、血圧の安定やコレステロール値の低下、視力の衰えを防ぐ作用など、
様々な生理作用があるとされるアミノ酸。
カキなどの貝類やノリなどの海藻類、カツオなどの魚の血合い肉や
イカ、タコなどに豊富に含まれている。
動脈硬化が気になる喫煙者は、1日一食は魚介類を食べるよう心掛けた方が良さそうだ。

でも,吸わないに超したことはない!
100害あって一利無しである。
(本当は一利だけあるが,あえて秘密にする。)
だって,それを聞いてたばこを吸う人が出ると,嫌だから・・・。

 この論文のタイトルは、
「Taurine and Vitamin C Modify Monocyte and
Endothelial Dysfunction in Young Smokers」。
アブストラクトは、こちらまで。
1月22日 2003
      デジカメ
      昨日,ミノルタの人と雑談する機会があった。
「先生のところの写真くらいなら,最近のデジカメは撮れるようになってますよ。」
なななななにっ!
本当!
あのでかい,重いカメラを持って,
カニの脚のようなアームにストロボを二つもつけて
流れがある時も,決してカメラは放さないで,
カレントロープにしがみつく時も片手だった。
岩場を流れに逆らって進む時も,人の倍くらいの抵抗を受けながら,
やはり片手で苦労して進んだ。
流れが無くても,進むのに,人一倍抵抗は大きかった。
空港では,頻回にオーバーウェイトを指摘されて,
超過料金を何度も取られそうになった。
(最近は,行く前に計量して出かけるけど・・・)
そんな苦労が,いっぺんで無くなってしまう。
いやいや,それだけじゃないぞ。
今までは,ワイドレンズを持ってはいったら,マクロは撮れなかった。
(ほとんど,ワイドレンズしか持って入らないけど・・・。)
それが,デジカメならマクロからワイドまでカバーできちゃう。

「だけど,シャッターを押してから,実際にシャッターがおりるまでのタイムラグが・・・」
「最近のデジカメは,基盤が良くなっていて,そんな演算もずいぶん速くなって,
ほとんど,一眼レフのように撮れますよ。」
「それって,ニコン100Dとか・・・」
「もちろん,そんな高級機種はそうですが,最近のものはそうでなくても,
ある程度のものは,それくらいの機能があります。」
「エーッ,それってどれ?」
「会社に帰って,最適なものを調べてきてあげます。」
「ただ,水中では,ストロボ機能が弱いですから,
スリーブのついた水中ストロボが要りますよ。」
「もちろん,それは,了解してます。」「その対策くらい,いくらでもします。」

 といった会話だった。
でも,機種が判っても,当分海には行けそうもない。
海に行けても,金欠病なので,買えそうにもない。
やがて,銀塩の写真は消えていって,デジカメの時代になる予感が
ひしひしとしてきた。
寂しいような,楽しみなような。
また,判ったらまた報告します。
1月21日 2003
         団塊の世代様
         僕は昭和27年生まれ。団塊の世代の後の世代である。
今まで、いつも、団塊の世代は、その数の多さ故に割を食らって来たように思う。
ベビーブームに生まれ、受験戦争にまみれ、学生運動に青春を費やしてきた。
社会に出ては、ポストの不足のための出向や左遷、肩たたきの対象となった。
そして今は、この先の高齢化社会の高齢者として、社会のお荷物扱いされている。
年金支給額は減らされて、さらに受給年齢は65才からと引き上げられる。



          ざけんじゃねぇ! 


と怒った学生運動で思いっきり挫折を味あわされて、現在に至っているのだろう。
僕たち世代は、団塊の世代の人たちにふりかかったいろんな困難な道を、
その後ろ姿を見ながら踏襲している。
ただ、先人が道を歩んでくれているから、こんなもんだと思いながら、要領よく生きてきた世代なのだと思う。
(もっとも、同じ割りは食らっているけど・・・。)
その、団塊の世代がもう少しすると定年を迎えたり、第一線から退いたりする時期が来ようとしている。
どうするのだろう。どうなるのだろう。
考えてみれば、その世代の人たちは、人口比率が最も多いのだから、
いろんな世代の中でも、もっとも大きな顔が出来てもいいのに、どうしてそうならないのだろう。
いろんな商品のターゲットとしても、若い世代なんかよりずっとこの世代の人をターゲットにした方がいいと思うのだが。
悪い方では、中心になっても、いい方では中心にならない。
でも、この世代の人たちが今の世の中を作ってきたことは紛れもない事実である。
ゲバ棒をふるって、大学紛争してくれたおかげで、僕たちは、医局員になって、月4万円支給されるようになった。
(怖ろしく安い上に、怖ろしく過酷だったけど・・・。無いよりまし。)
それに、この世代の人たちに導かれ、指導されて一人前になってきた。
その団塊の世代の世代の人たちが、第一線を退くとき、どんな風に退いて、何をするのか?
どうか、しょぼくれないで、新たな大きな波を作ってほしいと期待している。

日本では、団塊の世代は1947年から1949年生まれの世代をさすが、
アメリカでは、ベビーブーマーと言って47年から64年世代の人たちがこれに当たる。
彼らベビーブーマーの人たちは、「引退はしない」と考えている。
引退しないで何をするのか?
と言うと「何らかの形で働き続ける」ことを計画している。
日本の団塊の世代の人たちも何かやってくれないだろうか。
1月20日 2003
      
 100歳のピアニスト
 
      今日は、高齢まで現役でバリバリと生きている人の話し。
 出版不況といわれる中で、昨年120万部売れた「生き方上手」の著者
日野原重明さんが、90歳を越えた今も現役の医師として活躍されていることはよく知られています。

しかし、上には上がいるもの。
約11年前の1992年3月に百歳のピアニストを記念するコンサートが
アメリカで企画されました。
ただし、これは百歳の記念に親戚・友人が集まって演奏会を開くのではありません。
百歳でなお現役のプロのピアニストが、音楽の殿堂カーネギー・ホールで、
譜面なしに2時間ピアノを弾きとおすというものでした。

そのピアニストの名は、ミエチスラフ・ホルショフスキー。
ポーランドのリヴォフ(現ウクライナ)生まれのこの人は、
戦前ソリストとして活躍し、チェロの神様パブロ・カザルスとの邂逅を得た後、
カザルスの良き共演者としてその名を馳せた知る人ぞ知る伝説の大ピアニストです。

日本に比べ、欧米のピアニストには長命の人が多いようです。
ベートーヴェン弾きで有名なバックハウスは
85歳で亡くなる1週間前まで演奏会に出ていました。
また、ショパン弾きで有名なルービンシュタインも88歳まで現役でした。
しかし、百歳で現役のピアニストだったのは、このホルショフスキーだけです。

ルービンシュタインが引退したのは、晩年に視覚障害が進んだためです。
実は、ホルショフスキーもルービンシュタインと同じ視覚障害になりました。

しかし、ルービンシュタインとの違いは、
「目なんか見えなくたって、ピアノくらい弾けるよ」といって、
視力が無くなっても引退しなかったことです。

この大ピアニストが1987年についに来日しました。
お茶の水のカザルス・ホールのこけら落としに招かれたためです。
この時、すでに95歳。
伝説のピアニストの演奏を聴くために5百人を超える人が集まりました。
その時の様子が石井宏著「帝王からマフィアまで」に詳しく書かれています。

「プログラムの前半が終わったとき、
休憩時間のロビーでは、人はみな異常な感動に包まれており、
いま目の前で起きたことが信じられないといった顔をしていた。
ピアノがあのような音を立て、
あのような世界を作り出すということが信じられないのである。」

日本のモーツアルト演奏の第一人者とされる小林道夫さんは次の言葉を残しています。
「あれを聴いていると、人間50歳なんてまだ洟垂れ小僧のような気がしました。
あのピアノが、道夫や、いいかい、モーツアルトはこうやって弾くんだよ、
と語っているような気がしました」

また、1990年4月に98歳になったホルショフスキーの演奏会を、
やはりカーネギー・ホールで実際に聴いた石井氏は、
その演奏について次のように語っています。
「カーネギー・ホールのコンサートでも、いささかも"老い"を感じさせたり、
指や気力の衰えを感じさせたことはなく、その演奏は若者より精気に溢れていた。
それは人間の可能性というものを極限まで広げて見せてくれた」

98歳になっても単に「ピアノが弾ける」というのではなく、
演奏技術、パワー、音楽性の全てにおいて、
現役ピアニストのトップクラスであったことが何よりも驚きです。

一方、これと対照的な記事が日経ビジネスの最新号に載っていました。
小学校の教員の平均年齢が40代後半になっており、
急速な"高齢化"が進んでいるとのこと。
大都市圏の小学校には50代の教員がごろごろしており、
小学生たちは「老人ホーム」に通っているようなものだ、というのです。
老人ホームというのはいささか極端なたとえですが、
50代と言う年齢の位置づけが見方によってこれほどまでに異なるものかという気がします。
ある人にとって、50代は洟垂れ小僧なのに対し、
別の人にとって、50代は人生の下り坂となる。
この差は、一体どこから来るのでしょうか。

ホルショフスキーの盟友カザルスが、
自由自在にチェロを弾くのをやっかむ人たちに対して、こう言いました。
「人々は私が、鳥が歌うのと同じように楽々と演奏するといいます。
鳥たちが自分の歌をうたうために、どんなに大きな努力を重ねているのか、
知らないからでしょう」

そのカザルスが晩年、好んで弾いた曲が母国カタロニアの民謡「鳥の歌」でした。
1971年に国連でこの曲を演奏したときに、
カザルスが次の挨拶をしたことは今も語り草になっています。
「カタロニアの小鳥たちは、青い空に飛び上がるとピース、ピースといって鳴くのです」
ピアノ伴奏は、もちろん、ホルショフスキーでした。
                 
1月18日 2003
       インフルエンザ
       南花台地区では,インフルエンザが猛威をふるっている。
年末に,患者が増加したけど,正月休みでみんなが家にこもって,
そのまま,感染は終息するかに見えた。
しかし,今週は,やたらに発病する人が増えた。
しばらくは,少しくらいの風邪なら病院に来ない方が安全かもしれない。
早く治療した方が良いのは良いが,
発病して(高熱になって)48時間以内なら,薬が効くので,
微熱(37.5℃以下)や少しくらいの咳なら様子を見た方がよいと思う。
昨年10月から,保険点数が改訂されて,収入がドーンと落ち込んでる時に,
経営にマイナスな記載になってしまったが,これが本音。
高熱と全身倦怠感,咳,関節痛などがあれば,早い内に来た方が良い。
そういえば,インフルエンザの薬が底をついてきた。
近所の,薬局が「もう少しでなくなる。」とか,「もう無くなった。」
といって連絡してきた。

ネットでも,以下のような情報が入っている。
 「抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」(一般名:オセルタミビル)で生じた供
給滞り問題で、発売元の中外製薬は1月17日、供給計画量を当初予定の367万人分から
446万人分へと増やしたものの、しばらくはドライシロップ、カプセルともに出荷調整
が必要との見通しを示した。」

 でも,今はやっているインフルエンザは,ほとんどA型なので,
塩酸アマンタジンという薬も効果がある。
この薬は,まだ無くならないはずだ。
ただし,今年は,効きが悪い印象がある。
ウィルスが耐性になってきたためだと思う。
でも,今のところ何とか効いている。

1月17日 2003
      高血圧治療の最前線 
      昨年末に,高血圧治療の史上最大規模の大規模臨床試験が終了してその結果が公表された。
この臨床試験の大きな特徴は,
1.今までで一番大規模な臨床試験である。(史上最
  大といっているのだから,当たり前だけど・・・。)
2.55歳以上の高齢者を対象にしている。
3.血圧を出来るだけ低い値まで下げて検討してい
  る。(以前は140/90mmHgまでといわれていたが,
  今回は,それ以上に下げて検討された。)
  といった特徴がある。

  その結果,
血圧は出来るだけ下げた方が良い。
利尿剤とカルシウム拮抗剤およびACE阻害剤で,
心筋梗塞になることを予防する効果に差はなかった。
全死亡・全冠動脈疾患・全血管疾患・末期腎疾患・脳卒中では,利尿剤とカルシウム拮抗剤の間で差はなかった。
脳卒中・全血管疾患では,ACE阻害剤治療群が他の2群に較べて,有意に多かった。などのことが判明した。
詳細は,コラムに載せたので,興味のある人は見てください。

1月16日 2003
       リスクマネージメント
      今日は、リスクマネージメントに関する講演会があって出席した。
基本的な考え方は、何か事故があったときに、
これまでの事故調査の手法は、事故の責任者を特定して、
その人に責任をどのくらい負わせるかに重点が置かれた。
しかし、次に同じような事故が起こらないようにするためには、
何が原因で事故が起こったのか、そして、そうならないようにするためには何が必要なのかを
検証して実践することが必要である。という内容であった。
「人は、ミスをするものなのだ。」ということを前提に、話を進める必要があるわけだ。
生まれつきと言うことで思い出したが、
「人間性悪説」と「人間性善説」がある。
僕は、人間はそのどちらも持っていると考えている。
ただ、基本的には、人から見られていないところでは、人間は悪いことを考えがちだと思う。
だから、情報開示が必要だと考えている。
ガラス張りにしておけば、悪いことは、滅多に出来ない。
医療も、政治も。
1月15日
       夢の診断装置 PET
      最近マスコミでも「PET検査」がさかんに取り上げられるようになり、
ご存じの方も多いと思います。
PET(ペット)と、かわいい名前で呼ばれていますが、PETとは、Positron
Emission Tomography の略で、ポジトロン(陽電子)を放出するアイソトープ
で標識された薬剤を注射し、一定時間後その体内分布を特殊なカメラで映像化す
る新しい診断法なのです。
ポジトロンCTやポジトロン断層撮影などとも呼ばれています。
この検査はマスコミ的な表現では「数ミリ単位の微小のがんを発見し、良・悪
性の鑑別から、手術後の転移・再発、病期、治療効果の判定などもできる最先端
装置である」とも言われています。
また、この検査は従来の「腫瘍の形を見る」、画像診断とは原理的に異なり、
「腫瘍の機能をみる」、つまり機能画像診断として非常に有用性が高いものだと
言われています。しかしながらまだマスコミで宣伝されているように「すべての
がんが早期発見できる」「100%確実に診断可能」といった、夢のような診断法
とは言えません。そこで今回は簡単にPETの原理や有用性、弱点などを説明し、
日常診療と、がんの検診への応用について紹介します。

○PETで何がわかるの?

PETはがんの性質(悪性度)診断や転移・再発巣の診断、あるいは治療効果判
定に有用性が高い検査です。
通常の画像診断(CT検査やMRI検査、超音波検査など)は腫瘍の「形や大きさ」
など形態を見る検査ですが、PETは腫瘍細胞の「活動性」、言葉を変えれば「悪
性度」まで知ることができると考えられています。
なぜかというと同じ断層検査でも検査の方法が違うからです。がん細胞は正常
の細胞よりも分裂が盛んに行われるため、グルコース(糖分)をたくさん必要と
します。そのため検査の薬剤(FDG:フルオロデオキシグルコースというくすり)
を静脈から注射しますと、分裂が盛んながんの病巣にたくさん集まります。その
様子を、PET装置で身体の外から撮影すると、がんがどこにあるのか(存在の有
無)、その大きさはどのくらいか(病巣の大きさ)がわかるのです。
放射線の量は腫瘍細胞がブドウ糖を取り込む量、つまり活動性に比例するため、
PETはがん細胞の機能(活動性)を反映する検査といってもよいのです。

そこで形は小さくてもPETで悪性度の高いがんであることがわかれば、手術の
範囲を広くしたり、あるいは抗がん剤を併用するなど適切な治療方針に変更する
ことが可能になります。
また、がんは離れた臓器に転移したり、いったん治療してもまた再発してくる
場合があります。がんの転移や再発が、どの臓器に出現するかを予測することは
困難です。従来は可能性の高い臓器に対してだけCTや超音波検査などが行われて
いました。その点、PETは一回の撮影で全身を検査できる優れた特徴をもってい
るため、予期せぬところに生じた転移や再発を早期に発見できる検査としても期
待されています。
さらに、がん細胞は死滅するよりも先に活動性が低下するので、PETを使って
放射線治療や化学療法の効果判定を従来よりも早い時期に診断することが可能に
なります。これにより次の段階の治療方針を早く決めることができる場合もあり
ます。
このようにがんの存在や悪性度、再発、転移などが分かり、臨床では今後ます
ます有用性が高まっていく検査法です。

○PET検査の保険適用

平成14年3月8日から一部の「がん」とてんかん、心疾患などでPET検査が日常
の診療に保険が適応されることになりました。
いずれも「他の検査、画像診断により癌の存在を疑うが、病理診断により確定診
断が得られない患者、他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確
定できない患者」という制約がありむやみにPET検査を受けることは出来ない仕組
みになっています。
勿論「がんの検診」の目的では保険適応はありません。

○PETの弱点は?

PETにも弱点がいくつかあります。そのひとつは空間分解能が悪いという点で、
PETの画像だけでは、異常が発見されても「病気がどこにあるのか」ということが
はっきりとわからない場合があると言われています。
(平面の投影図として表されるから)
この解決策として、PETの画像を評価する際には必ずCT検査やMRI検査といった、
空間分解能のよい画像と対比
させて診断することが重要となります。
また、検査のための薬剤FDGは炎症巣にも集積する
ことが知られていますので、
肺炎なども異常集積としてとらえられ、
がんとの区別が難しい場合があると言われています。
さらに、PETでは診断が難しい、あるいはその有用性が低い癌が
いくつか知られており、
例えば胃がん・腎がん・尿管がん・膀胱がん・前立腺がん・肝細胞がん
・胆道がん・白血病などでの診断率は低いようです。
尿路系の腫瘍は尿に排泄されたFDGと紛れて判定が困難なことや、
肝がん、腎がん、胃がん等のようにFDGが集積しないがんがあること等のようです。
ただし、これらのがんは「原発巣の診断には向かない」ということですが、遠隔
転移や再発診断にはPETが有効な場合もあると言われています。
いずれにせよ、ある患者さんに対してPETが有用か有用でないかに関しては専門
的な判断が必要ですので、検査を受ける前に専門医(放射線科医)へのご相談をお
勧めします。
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○検査の方法は?

検査はまず静脈注射をした後、薬剤が全身に分布するまで約1時間ほど待ちます。
その後はポジトロンカメラのベッドに寝ているだけです。カメラはCTの装置に似て
いますが、大きな音もせず、狭くもありません。撮影時間は30〜60分程度で、この
間は安静が必要です。勿論検査中に痛みや苦痛はありませんし、前日からの前処置
も必要ありませんので簡単に検査を受けられます。
ただし血糖が高いと腫瘍への取り込みが低下しますので、糖尿病の方はコントロ
ールした上で検査することが必要と言われています。
また、一度に全身の検査が可能で、臓器ごとの検査ではありません。これは有利
な点です。

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○PET検査の安全性

PET検査の安全性としては、検査自体の侵襲度と被爆の問題があります。このうち
検査での侵襲は静注以外には全くありません。内視鏡を挿入したり、バリウムを
飲んだり、浣腸したり、カテーテルを挿入したりという事はないのです。検査前の
食事を1回絶食するだけです。これがPET検査を受ける時の被験者の一番のメリット
かも知れません。
次に検査で受ける放射線量(被爆の問題)ですが、PET検査ではごくわずかの放射線を
出す薬を、静脈からの注射や吸入によって体内に取り込みますので、ごくわずかに
放射線被爆があります。しかし、この被爆量は、私たちが日常の生活で1年間に
自然界から受ける放射線とほぼ同じ量の約2〜3mSv(ミリシーベルト)です。
PET検査で使うくすり(FDG)は、半減期が短く短時間で放射線を出す能力を失うこ
とと、体外へ排泄されることから、 翌日にはほぼ体内からなくなります。
○がん検診に利用できないのか

さて、今回のテーマはPETは「夢のがん検診法となるか」ですが、まずPETによ
るがん診断のメリットとしては
1. 正確ながん診断により適切な治療選択につながる事。
2. 早期診断(発見)による医療費の節減が期待できる。
この2点があり、前者のメリットは絶大で議論の余地はありませんし、最近では後
者の点に関しても欧米では広く認知されているようです。
従って、今後PETを使ったがん検診は、時間をかけて臓器別に癌の検査をしなけ
ればならいない現在の他の検査方法と比べるとはるかに検査の侵襲が少なく、発見
率も高いためがんのスクリーニング検査として有用だと思います。

また実際にPET検査の出来る施設の中でもPETによるがんの検診をはじめたとこ
ろもあります。その施設のデータによると、「がん発見率は2.1%、PETだけでは
5369例中62例(1.2%)という数字があります。これは、会員制の検診という母集
団の偏りがあるにしてもがん検診としては驚異の発見率です。従来の人間ドックで
の発見率は0.02%と言われており、この100倍以上の発見率といえます。また手術
後、腫瘍マーカーの数値が上がって再発が疑われたのに、他の検査では転移先が分
からなかった患者が、PET検査で見つかったケースもあり、特に、1cm以下の乳が
ん、肺がん、甲状腺がんが見つかり完治しています。」とがん検診の有用性が述べ
られています。

PETによる検診の特長は、早期発見が出来ること、特定の臓器ではなく全身臓器
が対象となること、苦痛がなく2時間程度ですぐに結果が分かること、分かった時
点で病期診断まで出来てしまうことが挙げられ、検診への応用の有用性も高まって
います。
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○今後の問題点

がん検診のためのPET検査は全額自己負担です。検査料金は各施設によって異な
りますが1回約10万円程度だと言われています。またがん検診には入会金や会費を
徴収し会員制をとっている施設もあります。
現在国内ではPET検査の出来る施設は50施設程度ですが、診療や研究のため予約
状況もいっぱいで、がんの検診事業は行っていない施設の方が多いようです。そこ
でお隣の韓国の病院での韓国ツアーをかねたPETのがん検診もインターネットでは
紹介されています。

もう一つ検査の普及に関する問題点は装置の規模の大きさです。PET検査には
PET本体が7億〜8億円、そのほか注射の薬18F-FDGは半減期が約110分と短い
ため、院内に専用のボジトロンを放出する陽電子を作るためのサイクロトロン施設
を設置することが必要で、静脈に注入する薬剤を合成するホットラボラトリーの使
用機器も6億〜7億円と、1施設あたりの建設費は最低でも15-6億円にもなると言
われています。ただ日本ではすでに諸外国に比べて人口比のPET施設はおおく、今
後も増えてくるものと思います。

またPETの弱点を補ったPETとCTの複合機等も開発されていますので、癌の存在
部位と悪性度診断なども近いうちに解決するものと考えられます。
欧米ではがんの検診にはいろいろ検査しないでまず「PET」、「PET First !」
という言葉があるように普及しつつあり、日本でも遠からずそういう時代になるも
のと思います。
すべてがわかる夢のがん検診法ではありませんが、人間ドックでのがん検診など
には、がんのスクリーニングとして取り入れられる検査法になると思います。
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○高額医療機器と医療費高騰の問題

これまではPETの臨床応用と診断のメリットばかりを述べましたが、やはり今後
このような高額医療機器が普及することは、医療費の高騰の原因となることは確実
です。
技術革新のサイクルが早り、近年、医療機器の性能も飛躍的に高まっており、今
回紹介したPETの様に新しい医療機器が病気の早期発見や的確な診断に大きく寄与
していることは、誰もが認めざるを得ない事実でしょう。
ただ、その一方で、高額な医療機器が必要以上に多くの医療機関で導入されるこ
とで、「原価を償却するために、過剰な検査が行われている」といった弊害が指摘
されていることも事実です。また保険診療は画一化されているため、病医院のサー
ビス差を患者にアピールするために、競って個別に高額医療機器を購入して最新の
医療を行っていることをアピールする場合もあります。
実際、日本におけるCTやMRIといった高額医療機器は、諸外国に比較しても多く、
人口対のCT台数はイギリスの10倍以上、アメリカと比較しても約2.5倍、さらに
MRIの台数も欧米諸国を上回っています。

しかし、日本のようにどこにでもCTやMRI検査設備があると言う便利性は、必要
な時いつでも検査が低負担で行える訳で、現場の医師や患者さんには非常に役立っ
ています。イギリスのように検査まで長い期間予約待ちにされたり、アメリカのよ
うに保険の都合で検査を拒否されたりすることは無いのです。
「過剰な検査」かどうかは別にして、患者さんから検査を頼まれるほど一般化した
検査になっています。現実に今の日本で日常診療にCTやMRI検査を制限することは
出来ませんし、医療費の高騰よりも、すぐに検査が出来、診断されることのメリット
の方が大きいかも知れません。
また診療報酬制度でも、これらCTやMRI検査は回数による逓減制や、同月の検査
は請求できない場合もありますので、むしろ医療機関の過剰検査は少なくなってい
るものと思います。

このような現状を踏まえ、平成11年4月に医療保健福祉審議会がまとめた「診療
報酬体系のあり方についての意見書」では、高額医療機器について「無秩序な導入
を避け、共同利用の促進などによって、その利用の効率化を図らなければならない」
とし、医療提供体制の効率化という観点から、診療報酬上で何らかの措置を取るべ
きことが示唆されました。ただ、「共同利用」とひとことで言っても、連携そのも
のが思うように進展していない現状では、機器の共同利用もまた、一朝一夕には成
果をあげることはできないと思います。
今後は個々の医療機関が、それぞれの機能や地域における役割を活かしつつ、積
極的な取り組みを実践することが必要でしょう。

今回紹介したPET検査は、今後CTやMRI検査と併用され検査も多くなるものと予
想されます。PET検査が臨床に有用な検査である事は否定しませんし、こんな検査
が身近で行えることは、患者さんにとって悪いとは言えませんが、医療費全体を考
えた時高額医療機器の設置と適応についてはもっと厳しくあるべきだと思います。

ただし、今回紹介した「がんの検診としてのPET検査は」と言う意味では、全額自
己負担で行われるべきで、その意味では医療費の高騰とは別の問題だといえます。

一方日本アイソトープ協会PETワーキンググループの試算によると、PETによって
早期発見された例では、"大腸がん"を対象とした医療経済効果は、本邦全体で年間
65億円位の節減であり、また乳がん患者2万8千人では年間16億円もの医療経費が
節約できると発表しています。今後このような高額医療機器による検査がもたらす
医療費の増加と、その診断による臨床の医療費抑制効果についても検討されるべき
だと思います。

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PET検査を行っている施設一覧
http://kakuyaku.cyric.tohoku.ac.jp/petlink.htm

現在分かった範囲のPET検査施設は全国で約50弱の施設です。このうち公的な医療
機関では主に臨床診断と研究用で「がん検診」としてのPET検査は行っていない様
です。自費のがん検診は民間施設が主です。

北海道 北海道3施設、
東北  秋田県、岩手県、宮城県、
信越・北陸 新潟県、福井県、石川県2施設、
関東  東京都5施設、神奈川県2施設、千葉県3施設、山梨県、
栃木県、群馬県2施設、
東海  愛知県5施設、岐阜県、静岡県3施設、三重県、
近畿  大阪府4施設、兵庫県2施設、京都府2施設、奈良県、滋賀県、
中国  なし
四国  香川県
九州  福岡県2施設、宮崎県、鹿児島県

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参考サイト
癌の最新検査法
http://www.fis-net.co.jp/meisei/pet.html
PET検査 Q&A 日本アイソトープ協会
http://www.jrias.or.jp/jrias/index.cfm/17,0,117,html
PET検査について 香川医大
http://www.kms.ac.jp/~radiol/WNright.html
PET検診事業 先端医療センター
http://www.sentan-iryo.or.jp/center/ce004.htm
韓国旅行を兼ねたPET検診
http://www.mokuren.sakura.ne.jp/~rena-y/spider/wa-ki-01.htm
中日新聞『微小がんキャッチ 最先端装置「PET」』
http://www.ncdic.org/newstopics/index001215.html
PET  癌診療新時代の幕開け
http://www3.synapse.ne.jp/pet/PET_Center/shiryou/aboutpet.html

1月14日 2003
      遅刻してでも!  
       今日は,夜の9時から 医師会の会合がある。
今,8時35分まだ,カルテの片づけも終わっていない。
もちろん,晩飯もまだである。
もちろん,遅刻してでも,晩飯は食っていく!
だって,終わるのは11時近いんだもの・・・。
ということで,今日はこの辺で!
1月12日 2003
       ♪さかなさかなさかな
       サカナを食べると、頭が良くなるということは、基本的にはない。
魚油の成分のドコサヘキサエン酸(DHA)には、頭が悪くなるのを、防ぐ働きがある。
しかし、頭が良くなることはないと考えられていた。
今回、そのドコサヘキサエン酸(DHA)を妊婦に摂取してもらい、
出生児のIQを調べると、ドコサヘキサエン酸(DHA)を接種したグループの出生児の方が
IQが高い傾向があることが判明した。
この研究は、二重盲検試験で行われており、信頼性は高いと思われる。
ドコサヘキサエン酸(DHA)は、いわゆる肝油には含まれていない。
研究は、ノルウェーの機関で行われたもので、この地方では、魚油サプリメントはよく摂取される。
そのため、あらかじめ説明をして納得の上で、他の成分は同一だが、ドコサヘキサエン酸(DHA)だけが、
含まれるものを摂取するグループと、それが含まれないものを摂取するグループに分けて比較検討された。
その結果、妊婦がDHAを摂取したグループでは、生まれてきた子供のIQが高いことが判明した。
しかし、出生後に、ドコサヘキサエン酸(DHA)を摂取したグループと
摂取しなかったグループでは、IQに差はなかった。
だから、今からドコサヘキサエン酸(DHA)を飲んでも、もう遅いけど・・・。
でも、背の青いサカナの脂に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)は薬になっていて、
抗動脈硬化作用があり、血栓予防にも効果がある。また、痴呆にも効果があるという報告もある。
僕は、比較的好んで使う。
エイコサペンタエン酸(EPA)は、鰯などの脂身に含まれている。
昔の人の知恵は偉大だと感じるのは、
鰯の料理が冷めて、エイコサペンタエン酸(EPA)が酸化すると良くないのだが、
だいたい鰯料理には、生姜が使われる。この生姜は、サカナの臭みを消してくれるだけではなくて、
抗酸化作用があって、エイコサペンタエン酸(EPA)が酸化変性するのを防いでくれるのである。
1月11日 2003
     子供の頃の風景
      僕がまだ子供の頃(たぶん小学校の低学年だったと思うが)
の記憶がふとよみがえった。
僕の田舎は、鳥取県鳥取市で、家は、町中にあったが、(駅から歩いて7分くらいの所)
まだ道路は舗装されたばかりだったように思う。
家の前は、6本の道路が交差していてロータリーになっている。
その頃は、まだ個人が自家用車を持つのは一部の人だけで、自動車の数も少なかった。
そのロータリーを、腰の曲がったおばあさんが、
よろよろしながらリアカーに何か売り物を乗せて、リアカーにすがるようにして歩いていた。
「リアカーがなければ、歩けないのではないか。」と思うくらい腰が曲がってよろよろしていた。
そんな風な状態でも、リアカーを引いて働かないといけないのかと
胸が押しつぶされる思いがした。
同情ではなくて、人が生きていくことのきびしさと、
いつかは、自分や自分の家族にもそんな現実が、訪れるであろう事に漠然とした畏れを感じた。
その感覚は、ずっと自分の原体験として心のどこかにいつもあった。
それでどうだとか、こうだとか言う気はないが・・・。
考えてみれば、今の時代、そんな風景はほとんど見かけなくなった。
やはり、日本は豊かになり、人々の健康度も増したのだろうと思う。
出来れば、死ぬ少し前まで元気で豊かに生きたいものだ。
1月10日 2003
    偉い人もいたもんだ!
      日本の経済がなかなか再生しない。
「不良債権の処理をすると,経済が良くなる。」なんて,
絵空事を言っているが,どう考えても,
我々庶民とは関係のないところで事が進んでいるだけで,実感がない。
大体,不良債権処理をすると,どうして経済が再生してくるのか,
納得いく説明を,聞いたことがない。
銀行の赤字が確定するだけの話ではないのか?
「まじない」みたいに言ってるだけじゃないのか,「へいちゃん」!

      「お金が足りなけりゃ,刷ればいいじゃん。」
際限なく刷ったらインフレだけど,
限度を守って刷る分にはインフレは起きない。
円安になっても,現在は,諸外国は受け入れてくれるはず。
(日本の経済再生の方が優先するから。)
「金利もマイナスにして,消費税もマイナスにすればいい。」
と,大胆な発想をしている人がいる。
言われてみれば,確かにその通りだ。
赤字国債を発行して,ますます泥沼に,はまるよりも
遙かに効果がありそうだ。
詳しくは,http://www.tek.co.jp/p/ を見てください。
リンクも複写もOK!という太っ腹なサイトです。

この東大英数理教室販売のパソコンも,なんか魅力的でした。
1ギガのCPUで40ギガのハードディスク,128メガのメモリーで,
Windows2000XPのホームエディションがプレインストールされて,
¥45,301円。ディスプレーがないけど,それでも安い。
アッ,また関係ない話になってる。
1月9日 2003
      こねた
      最近のネタで,思わず,笑ってしまったもの。
息子が教えてくれた歌で,シャボン玉の歌。
♪シャボン玉とんだ,屋根まで飛んだ!



えらいこっちゃ!風速40mくらいだろうか?
1月8日 2003
     男性更年期
     エーッそんなものあるのか?という声が聞こえてきそうだ。
僕も,「はらたいら」の話を聞いて,半信半疑だった。
正式には,PADAM(Partial Androgen Decline in the Aging Male)
または,ADAMと呼ばれている。
定義は,「テストステロンの低下で示される生化学的異常と,
それに基づく症状・所見からなる症候群」 だそうな。
主な症状は,精神症状(抑うつなど)
        身体症状(筋力低下,発汗など)
        性機能関連症状            
                          がある。
テストステロンは,性ホルモン結合グロブリン結合型と非結合型の2種類がある。
加齢に伴って,後者が低下することが症状の出現に関連すると考えられている。
この後者の測定は,日常診療では出来ない。
遊離テストステロン値がそれと相関するらしく,代わりにそれを測ることで代用できるそうだ。
ただし,これらのことは,あくまでまだ,仮説であり,本当なのかはまだ不明である。

        
1月7日 2003
    今日は宣伝
    DV(ドメスティック・バイオレンス)は、身近にしばしば存在する。
暴力行為だけではなくて、暴力を背景に威嚇したり、無視したりすることも含めて
相手の人権(一人の人間としての尊厳)を踏みにじる行為はすべてDVである。
自分が、DVの当事者(加害者あるいは、被害者)と思われる方、
DVに悩んでいる人を何とかしたいと思っている人は、ホームページだけでも見てほしい。
きっと役に立つと思う。
ワークショップは、東京なので参加は難しくても、HPを見るだけでもきっと役に立つと思う。

 財団法人女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)では、
女性の人権をテーマに、ドメスティックバイオレンスなどさまざまな問題に対する
取り組みを行っています。
2003年2月には、この分野において高い評価を得られているアメリカ人医師をお招きし、
東京において下記のようにワークショップを開催いたします。

***************
アメリカ人医師によるワークショップ
「医療現場におけるドメスティック・バイオレンス被害の早期発見と対応」

(1) 講師 Elaine Alpert(エレイン・アルパート) 医師、公衆衛生学博士。
  ボストン大学医学部助教授および同大学公衆衛生学部助教授(社会行動学)。
(2) 1コース2日間。2003年2月14日より、4種類の日程から選べます。会場はすべて東京です。
(3) 逐次通訳付き。参加費無料。
(4) 詳しい内容や申込方法については、当基金のホームページ(http://www.awf.or.jp)をご覧下さい。
1月6日 2003
    美味い蕎麦屋発見!
    昨日,Kさんに教えてもらった蕎麦屋「芦生」(あしうと読む)に行ってきた。
盛り蕎麦と,田舎蕎麦といって蕎麦粉を荒くひいた太打ちの蕎麦を食べた。
盛り蕎麦は,香りもよく,のどごしも良くて,言うことなし。
田舎蕎麦は,香りが鮮烈だが,(僕は,こちらの方が好きだけど,)
荒く打った関係上,麺が短くて,麺の表面に蕎麦の実の一部が残っていて,
のどごしは,盛り蕎麦ほどではなかった。
蕎麦のつゆ以外に,塩でも蕎麦を食べられる。
塩をふって食べるのだけど,蕎麦の香りと味がはっきりと出る。
「こんな近所に,おいしい蕎麦屋があるのなら,自分で蕎麦を打つんじゃなかった 。」
と後悔してしまった。
だって,美味い蕎麦が食べたいと思ったら,そこに行けばいいからだ。
自分で打つより,手間もひまも掛からない。そして美味い。
そもそも,自分で打つようになったのは,
「美味い蕎麦が食べられなかったから。」 だから,
近くに美味い蕎麦を食べさせてくれる店があれば,もう自分で打つ必要はない。
アーァ,損した!
1月5日  2003
   ハイテクの服
   今シーズンのスキーは、ハイテクの服で滑った。
汗を逃がす、うす地のTシャツの下着と、
ハイネックの「ポイントファイブ」というシャツ、
その上には、雨風は入らないが、湿気は外に逃がすというソフトシェル、
着ているのはこれだけ!
初日は、ピーカンで汗ばむほどだったし、二日目は薄曇りで寒かった。
にもかかわらず、この3枚でこのいずれの天候にも対応できた。
それだけでなく、「滑っているときには、暑くて汗ばむほど」だし、「リフトに乗ると寒い」し
と言うジレンマも無くて、
前のファスナー(ズボンではない!)を少し、開けたり閉めたりで対応できた。
20年前のウェアとは、随分違うのに驚いたし、快適さには大いに感謝した。
手袋も、僕のは、数年前に普通のを買ったのだが、今回息子に一つハイテクのものを買った。
僕は、一度も転んでいないのに(最後に転んだけど、手袋を比べるまでは転ばなかった。)、
手袋は湿っていた。
息子の手袋は(時々転んでいたし、よく手をついていたのに)
まったく湿っていなくて暖かだった。
たいしたこと無いだろうと思っていたけど、ハイテクのウェアは、確かにたいしたものであった。
そして、洗って水切りをして、3時間ほど部屋で干しておいたら、乾いていた。
替えの下着は持って行かなくても、風呂でさっと洗ったら、翌日には着ることが出る。
ウェットスーツも早く進歩してほしいものだ。
1月4日     2003
   今年も宜しく!
   あけまして、おめでとうございます。
今年も、宜しくお願いします。


年末から、昨日まで、スキーに行ってきた。
行きの高速道路では、塩尻で、丁寧に運転中の姿の記念写真を撮ってもらった。
赤い光が、パッと光って、その後、フラッシュが光った。
何でも、デジタルの撮影装置で、フィルム切れもなくて、性能バッチリらしい。
写真がいつ出来るのか楽しみだ。
あと、一月ほどすると、講習に行かなくてはならないので、臨時休診になるかも・・・。

スキーは、天気も良くて楽しかった。
カービングスキーに変えたら、今まで手こずっていた、コブコブの斜面も苦にならなくなった。
気合いを入れて滑ったときは、連続で、コブコブの急斜面の、半分以上を滑り降りることが出来る。
体力的に、下まで一気には行けない。大腿四頭筋が耐えられなくなるからだ。
それから、2日目からは、背筋が痛くてしょうがない。
これまで、この日のためにけっこう走り込んできたのだが、トレーニングの内容を
考えないといけない。
そして、3日目に、体中痛いままに滑っていたら、ついに、初転びをした。
はずれたスキーが、左のふくらはぎを強打して、その後は、まともに歩くことさえ出来ない。
今日も、びっこひいているけど、それでも楽しかった。
ホテルも良かった。「やっと、スキーの定宿を見つけた。」と思っている。
詳しくは、後日「赤倉」のページを立ち上げる予定なので、しばらくお待ちを。
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Last updated: 2002/11/26