DIARY

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    6月22日 2004
    自己愛と自尊心(その2)
    訳のわからん話の続き。
精神科の医者って、こんなことを考えながら治療しているのかと思うと、
気が遠くなってしまいそうだ。
アッ、自己愛と自尊心の区別でしたね。
教科書には、
「精神分析医の認識するように、
自己愛的な欲求や脆弱性は、正常のものである。
ほとんどの人は、『自分を好きになりたい、自分の実力を示したい、
自分に誇りを持ちたい』と思っている。
競争心を抱くこともあれば、ねたみや恥の感情を抱くこともある。
自分自身の美徳や才能を認識するのは望ましいことであり、
自分自身を肯定的に見ることは、自分にとって良いことである。
哲学者アリストテレスは、
自分にふさわしい名誉を求めてそれを授かる「度量の大きい」人物は、
要求がましい人間と、要求することが少なすぎる人間との間の
中庸の徳をもつものであると書いている。」と書いてある。
さらに、
「『自己愛は幻想であり、防衛的なもので、
真の自尊心とは異なる』というのは簡単である。
しかし、幻想的な自尊心であっても、精神衛生や対人関係には有益である。
『自己認識が不十分な人間の方が適切に行動し、有効に機能できる。』
というのは、逆説的なように思える。
自尊心と自己愛との間には、区別などないかのようにみえるのである。
この逆説を理解する上での一つの考え方として、
『実際より好ましい自己像を漠然と全般的に抱く』ということは、
極めて現実的な状況の中で自分の限界を正しく認識することと
両立し得るのだと言うことが出来る。
そこが、自己愛性パーソナリティの人に欠けている点である。」
のだそうだ。

    ここまで読んで、僕の頭は、プリンになりかけてしまったが、
どうも、「ほどほどに自分を実際よりもよく思う」のはいいが、
程度がひどいと病気なのだという事みたいだ。

    鬱病など多くの精神科患者は、自尊心の低さに苦しんでおり、
これを高める事が必要なようだ。
    しかし、自己愛性パーソナリティの患者には、
自己についての誇大な考え方に、対処しなければいけない。
適切な自己愛を奨励しながら、
一方で、自己と他者に対する現実的な見方を促す必要がある。

    精神科を専攻しなくて良かったと思う今日この頃であります。
    






     6月21日 2004
     
自己愛と自尊心(その1)
     今日は、頭がこんがらがる論文を読んだので、
みんなも道連れにしちゃおうかな!
ハーバードの精神科の上記の題名の論文。
自己愛というと、僕たち素人は「必要なもの」と思っていたけど、
精神科の世界では、それ自体が問題らしい。
古くは、ギリシャ神話のナルキッソス(ナルシズムのご本尊)が、
あらゆる求愛を拒んで、池に映った己の姿に恋をしてしまった話がある。
こういうのを、精神科の世界では、「自己愛性パーソナリティ」というそうだ。
「うぬぼれ、尊大さ、自己陶酔、自己中心、
他者に対しての庇護者ぶった態度や軽蔑した態度。」が問題視される。
しかし、自己愛は、その一方で自尊心とも関係がある。
自尊心とそれに関連した性格、すなわち、
「自分を好きになること、自分を受け入れること、自分に自信を持つこと。」を、
自己愛と区別することは特に重要である。
・・・って、ここらあたりから、僕の頭がこんがらがってきた。

     僕としては、微妙に、区別できないんですけど・・・。

      わからないままに、先に進むと・・・、
米国精神医学界の診断マニュアルでは、自己愛パーソナリティ障害の特徴は、
「優越感と、自分は特別な存在だ。という、考えにある。」そうだ。
(だったら、アメリカ人はほとんど自己愛パーソナリティ障害じゃないか?)
彼らは、自分の才能や非現実的な見方を信じており、
際限のない名声、権力、理想の愛を夢見たりする。
彼らはまた、自らの抱えている問題も、優先的に扱われるべきものとして映っており、
注目や賞賛を要求し、特別な計らいを受けることを自分の権利だと思っている。
また、他人の感情や願望にほとんど注意を払わない。
彼らは、他人を妬むと同時に軽蔑する傾向があり、
特にライバルに対してそうした態度を取ることが多い。
一方で、自分は他人から妬まれているとあからさまに言う。
彼らは、自分の優秀感情を支えてくれるものを絶えず期待し要求する。
そのため、少しでも批判されたり、拒絶されると、驚き、裏切られたと感じる。
そして、人よりも優れているという自分自身のイメージを維持するために
猛烈な反撃に出ることがある。
また、拒絶されて自尊心を傷つけられることがないように、
社会的に引きこもってしまうこともある。

       このように見ていくと、
(僕にはどの様に見たかよくわからんのだが・・・)
自己愛は、最終的には、失望で終わるものだが、問題は、
その失望に対して、恥辱感と引きこもりをしめすか、
怒りとともに、断固、自分の優秀さを主張するかということになる。
いずれにしても、健全な反応ではない。
ナルキッソスは、池に映った自分自身を抱擁しようとして溺れ死んだのであった。

     なんだか、「アメリカの藪さん」の話みたい。

    ところで、自尊心とはどう区別すればいいの?
長くなるので、明日かあさってに書きます。







     6月18日 2004
     
1460万分の9
     去年使われた、インフルエンザワクチンの本数と、
それを打って死亡した人の数である。
162万2千2百2十2本に一人が死ぬ計算である。

「厚生労働省は接種者数を集計していないが、
03年度は65歳以上だけでも推計1000万人前後が接種した。
副作用はほかのワクチンより少ないとされるが、
発熱やじんましん、ショック症状などがある。」のだそうだ。
でも、いったいこれより副作用の多い他のワクチンってなに?
もしあったら、問題になっていると思うけど・・・。
いったいどんな根拠のもとにそんなことを言っているのか?
是非知りたいものだ。

     死亡した9人は50-90代で、接種との因果関係は未確定。
厚労省が開示した医薬品副作用・感染症報告書などによると、
9人の内訳は男性が8人、女性1人。
接種後に呼吸困難になり肝障害を起こした男性(当時才84)や、
高熱で急性心不全になった男性(同66才)など
主治医が「接種と関連あり」としたケースもあるが、
接種後に自宅で急死していて「因果関係不明」とされた事例もあった。
副作用と疑われる死亡例報告は、
集計を始めた2000年度が3人、
01年度は4人、
02年度5人
と接種者増に合わせて増加した。
大半がお年寄りだが、02年度には1歳女児の死亡例も報告され、
坂口厚労相が全年代を通じた副作用の監視体制を指示した。

「厚労省の人口動態統計によると、
2003年の1年間にインフルエンザで死亡した人は概数で1171人。
特にお年寄りが命を落としやすく、
厚労省は高齢者が接種を受けるメリットは副作用の危険を上回るとして「勧奨」している。」

    けど、本当にそうだろうか?
出来れば、インフルエンザにかかった人数の推計を出してもらいたいものだ。
以前よりデーターは小出しで出てきているが、
いったいワクチンをした方が安全なのか、しない方が安全なのか?
した方が安全と言い切っている根拠が、相変わらず見えてこない。









     6月16日 2004
     
企業のアイデンティティ
     三菱の車の欠陥隠しが次々に明るみに出ている。
一流企業でさえ、この有様なのだから・・・と考えてしまう。
一流企業は、社長のワンマンが通りにくいはずだと思っているのに。
役員会議や、多くの職員の目があって、
「そうそう、悪いことは出来にくい。」と思っていたのは、
僕の幻影だったのだろうか?

     考えてみたら、一流企業でも、
そのアイデンティティを疑うものを売っている。
あの世界に名前をはせている松下でも、
「酸素エアコン」や「酸素発生装置」を、堂々と売っている。
前にも、コラムに書いたけど、
「必要以上の酸素は、生体にとって毒である。」
「人の体の酸化を、これ以上進めてどうすんじゃ!」
と言いたい。
だいたい、「21%の酸素」って、もともと大気の酸素は21%じゃ!
消費者を騙しているとしか思えない。

    少し前に、ダイキンの研究開発の人が、メールで問い合わせてきた。
「酸素エアコンをどう考えているのか?」と。
たぶん、検索で僕のHPの酸素吸入がヒットしてコラムを読んだのだろう。
もちろん、
「意味がない以上に毒ですよ。僕は余計な酸素は吸いたくないです。」
と答えたが、これでもし、ダイキンが酸素エアコンを発売したら、
企業のアイデンティティを疑ってしまう。

     他にも、「明らかに嘘だろ!」と思うCMをいくつか見かける。
たとえば、どこのメーカーか忘れたけど、
「関節の軟骨を増やすコンドロイチン錠」とか
「飲んだら、肩こりが取れたり、目の緊張が取れるビタミン剤」とか。
最近「おやじ度」が増してきて、しょうもないギャグが増えた、じゃなかった、
テレビのこういった人を騙すようなCMに義憤を強く覚えるようになってきた。
コンドロイチンを飲んでも、軟骨は増えないし、
ビタミンを飲んでも、肩こりや目の緊張は取れない。
どんなデーターの元にそんなことを言っているのか是非聞いてみたい。
「あやしげな3流企業がやっているのではない。」ということが、
よけい心配である。
そのうち、企業の苦情処理係にメールでも出しちゃいそうだ。
今のところ、そんなに暇でもないからやってないけど・・・。

   しかし、子象を後ろから押して川にはめてしまって、
「何が起こるかわからない!」とやっている
スター生命だけは、(最近また時々見かけるようになった。)
すぐにでも「止めさせろ!」と電話したくなっている。
電話のかける先がわからないから行動を起こしてないけど・・・。







     6月14日 2004
     
乳癌の治療
     先週末は、「生涯研修プログラム」という勉強会で、
乳癌治療のトピックスについて話を聞いた。

     おそろしいことに、・・・というか、当然といえば当然の話だが、
僕が学生だった頃の「常識」は、
もうとっくの昔に「非常識」になっていた。
     その昔、
陣内伝ノ介という、日本で高名な外科の教授は、我々学生に何度も
そして、厳しく諭したものだった。
「姑息的な手術はするな!患者が苦しむだけだから。」
つまり、「その手術で治せないなら手術はするな。
手術をする以上は、きっちりとすべての癌を取りきれ!」と。

   1985年に乳癌の「乳房温存手術」が日本に入ってきた。
それまでは、
「決して取り残しのない様に、間違って多く取っても許されるが、
 少なく取って、取り残して、癌が再発してはいけない。」というのが
根本的な考えであった。
その結果、乳癌の手術は、乳房だけではなく
乳房が乗っかっている大胸筋という筋肉も、
乳房からでているリンパ管がつながる脇の下のリンパ節も、
ごっそり取ってしまう手術が行われた。
当然、その後は、あばら骨が一本一本はっきりと浮き上がって、
大きな手術跡が残った。
脇の下も手術されて、腕はリンパ浮腫で、倍くらいの太さになっていた。

     しかし、女性にとって「美しさ」は、
命と天秤にかけてもいいくらい価値のあるものであった。
実はそこがスタートだったのかもしれない。
「乳房を温存した手術をしても再発しない様に。」
というチャレンジが繰り返された。
   
    それから、10年間で、
乳癌に対する化学療法(ホルモン療法)は、飛躍的に進んだ。
乳癌に対する手術も、「何が何でも、ガン細胞はすべて取ってしまう。」
という考えから、
「原発の大きな腫瘍は取りましょう。
 少し離れた微少な肉眼で確認できないガン細胞は、
 後で抗ガン剤でやっつけましょう。」
と言う考えになってきた。

    乳癌のホルモン療法が進歩したおかげで、
最近では、「乳癌を手術しないで治しましょう。」という事が視野に入ってきた。
今は、35〜50%はクスリだけでも、治せるようになってきたらしい。
ただし、その治療期間は、今までで、5年だったが、
10年くらいと長い期間を見込まないといけないみたいだ。
今までの抗ホルモン療法は、子宮体癌の危険が高かったが、
新しいものは、それはないみたいだ。
でも、骨粗鬆症の危険が高まるので、その予防薬の服用も必要だ。
それに、新しいだけに、他のまだ未確認の副作用もあるかもしれない。

    いずれにしても、乳癌の治療は、
「半年したら、もう今までの治療は古くなってしまう。」ほど、
今現在も、どんどん進歩している。

    一時のパソコンの性能がどんどん良くなって、
「いつ買ったらいいか、わからない時代」に似ているけど、
パソコンは「買い控え」が出来るけど、
乳癌は「なり控え」は出来ないもんなぁ!
考えてみれば、
「死ぬまでなり控え」が一番良いに決まってるけど。







     6月11日 2004
     
粗忽者
     落語に粗忽長屋とかいうのがあったけど、
粗忽者は、実は大変多くの人がそうであるようだ。
かくいう僕も、大変な粗忽者である。

     以前大学病院に勤務していた時のこと、
仕事に行く前の朝だった。
アレルギー性結膜炎の症状がひどくて、
朝起きたら、いてもたってもいられない。
クスリ置き場の、アレルギーの点眼液を取って早速点眼した。
その瞬間、焼けるような猛烈な痛みが目を襲った。
(かゆみは完全にとれたけど・・・。)
目薬と一緒に置いていた、水虫のクスリを点眼してしまったのだった。
「目がつぶれる!」と、真剣に思った。
あわてて、後輩の眼科の医者に電話したが、
内容が内容だけに、とても恥ずかしかった。
彼は、バカにして笑うのかと思ったが、さすがに医者である。
「それは大変ですねぇ、すぐに来てください。」と答えてくれた。
早速、大学病院の眼科処置室で、診察を受けて、目を洗ってもらった。
あまりの痛さが、いつまでも続くので、
「つぶれるんか?」と聞くと、大丈夫とのこと。
「でも、一面びらん(組織が壊れてただれた状態)ですから、今日一日は痛いでしょう。」
といわれた。
手慣れた様子に、さすがに、
「こんなアホは、他にもぎょうさんいてるんか?」と聞きたかったが、聞けなかった。
だって、「先輩だけですよ!」って言われたら・・・。

   ところが、厚労省が3日に、クスリの間違いを防ぐための防止策を
細かく示して発表した。
こんなことは、異例らしい。

   防止策では、
今後承認する水虫薬はプッシュ式やスプレー式とし、
容量は10ミリリットル以上に統一。
既存の滴下タイプの販売を続ける場合は
ノズルを赤か黒、茶色にして目薬との違いを際立たせる。
目薬の容量は5ミリリットル以下にして大きさの面でも区別しやすくする。

   このほか
(1)調剤して使う顆粒(かりゅう)剤やシロップは、
グラムやミリリットル当たりの成分量を製品名の近くに明示する。
(2)注射薬の表示は透明な容器に直接印字せず、
不透明ラベルで見やすくする。  などを求めた。

  そして、おどろくなかれ、
日本眼科医会の調査によると、
「目薬以外の薬を点眼した患者を診察した経験のある眼科医は94%もいて、
水虫薬が圧倒的に多かった。」のである。

    粗忽者は、いっぱいいる。
というより、基本的に「人は、ミスを犯す。」すなわち粗忽者なのだ。
だから、こんな通達がでたのであるが、
逆に言えば、いつなんどき、自分が間違ったクスリを飲んだり、
あるいは、医者やその周りの人たちのミスで、
飲まされたりするかもしれないのだ。

    今までも、何度も書いてきたけど、
人はミスをするかもしれない生き物なのだ。
「ミスをするかもしれない。」という前提でシステムを作るんだけど、
100%ミスがなくなることはない。
医者からもらったクスリが間違いでないことをいつも確認した方がいい。
そして、のみ間違えのない様に工夫をした方がいい。
たとえば、朝一回飲むクスリを、
飲んだかどうかわからなくて、あるいは、
飲んでないと思って、もう一回飲むことが非常に多い。
(予定より早く、クスリが切れたと言って来る患者が多い。)
「朝、顔を洗う時に飲む。」と決めておくとか、
クスリに曜日をつけておけば、それで済むことなのに・・・。
(最近のクスリは一列が7個のパッケージが多い。
それなら、上から順に日曜から土曜まで場所を決めておけばいいのだ。)

    粗忽者は、粗忽者であることをやめることは出来ないのだから、
ミスはあるかもしれないことを自覚して、
ミスがおこらない工夫をしたり、
ミスがおこった時のリスク管理をした方がいいようだ。









      6月 9日 2004
     
 今の季節          
      昨日の朝は、ずいぶんへたくそなウグイスの鳴き声で目が覚めた。
「この季節に、へったくそだなぁ!」と寝ぼけた頭で聞いていたが、
よく聞いてみると、「テッペン カケタカ」と鳴いている。
ほととぎすだ。
季節は、初夏になっていた。
そういえば、もう、蛍もいっぱい飛んでいるし、
駐車場のツバメのヒナも、もう自力で飛んでいるみたいだ。
みたいというのは、飛んでいるところは確認していないけど、
巣から離れた蛍光灯の上に4羽かたまって停まっていたからそう思ったんだけど・・・。
今年は、ヒナは4羽。みんな元気みたいだ。
今日の昼間は、巣にはいなかった。きっと、飛び回っているのだろう。

    この季節は、「梅雨」でみんなが嫌うけど、
僕はなんだか好きな季節だ。
田んぼは、田植えが終わって、一面水田になっている。
水面から稲の苗が並んで顔を出している。
雨上がりは、空気が透明でキラキラしてさわやかだし、
あじさいも、色鮮やかだ。

(森山良子の「雨上がりのサンバ」が頭に浮かんできてしまうのは、
僕だけなんだろうか?)
土砂降りの雨だって、みていると、なんだかワクワクしてくる。

    嫌われ者の季節だけど、捨てたものではないと思う。








       6月 5日 2004

      
やせ薬
      ヒマワリの種や牛肉などに含まれている「共役リノール酸」(CLA)をとると、
体脂肪だけが落ちる。
Scandinavian臨床研究所、Betanian医療センターなどが共同で、
1年間にわたり実施した180人参加のプラセボ対照試験の結果で明らかになった。
研究結果は、「American Journal of Clinical Nutrition」誌6月号に掲載された。

      CLAは、リノール酸が少し変化した(異性化)構造を持つ脂肪酸。
リノール酸は植物に多い油分だが、ウシなどの反すう動物が草を食べると、
草の中のリノール酸が反すう胃の中の細菌によって、わずかに形を変える。
この「特別な形のリノール酸」が発見されたのは1930年代だが、
70年代に発ガンを抑える作用があることが判明。
以来、様々な健康効果に関する研究が進められてきた。
その中から見つかったのが、体脂肪を減らす効果だ。

    今回の試験には、体格指数(BMI)が25〜30の、
太り気味の男女180人が参加(18〜65歳、女性が8割強、平均体重は約80kg)。
くじ引きで3グループに分かれ、
遊離脂肪酸型のCLA、
脂肪酸エステル(トリアシルグリセロール)型のCLA、
プラセボ(オリーブ油)
の入ったカプセルを1年間飲み続けた。
2種類のCLAを使ったのは、
一般に市販されているCLAに遊離脂肪酸型と脂肪酸エステル型の両方があるため。
また、1日分のカプセルに含まれる油の量は3グループとも4.5gで、これは40.5kcalに相当する。
つまり、1日に40.5kcal、余分なカロリーを油からとって、やせるかどうかを見たわけだ。

    遊離脂肪酸型のCLAをとったグループでは、
1年後に体脂肪が平均1.7kg減少、
    脂肪酸エステル型のCLAでは
1年後に体脂肪が平均2.4kg減少、
    オリーブ油をとったグループは、逆に
1年後に体脂肪が平均0.2kg体脂肪が増えていた。

    筋肉など脂肪以外の部分の体重は、
遊離脂肪酸型CLAグループで0.7kg、
脂肪酸エステル型CLAグループで0.6kg増加したが、
オリーブ油グループでは変化なし。
1年間の試験中にリバウンドは見られず、
「CLAの摂取で、長期間にわたり体脂肪を減らす効果が確認できた」
と研究グループは結論付けた。

しかし、やせ方が健康的かどうか? 気掛かりなデータも

   体脂肪は肝臓で作られるが、CLAは肝臓での脂肪の合成を抑える。
かつ、全身で脂肪の燃焼(脂肪酸のβ酸化)を促進する効果もある。
しかし、このやせ方が「健康的かどうか」については、長い間議論が続いている。

   今回の試験では、血中の様々な成分の組成がどう変わるかについても細かな分析を行った。
すると、悪玉コレステロールの量などには3グループでほとんど違いがなかったが、
リポたんぱく(a)【以下、Lp(a)】という成分の量が、
CLAをとった2グループで増えていることがわかった。
遊離脂肪酸型CLAをとったグループでは、白血球や血小板の数も増えていた。

    Lp(a)には、血液を固まりにくくする「防衛システム」の働きを抑える作用がある。
心筋梗塞(こうそく)や脳卒中は血管の中で血液が固まって起こるため、
防衛システムを邪魔するLp(a)が心筋梗塞などの元凶だという説もある。
    また、白血球や血小板は、体の中で炎症が起こっているときに増え、
血液を固まりやすくする。

    つまり、遊離脂肪酸型のCLAには、血液を固まりやすくして、
かつ「防衛システム」を邪魔する成分を増やすという、困った作用があることになる。

    うまい話には、裏があることが多いようだ。
この先も、いくら食べても太らない薬とかが開発される予定だが、
原則を無視して、薬で痩せるのは、
今のところ限られたヒト意外にはお勧めではないようだ。
実は僕も、1年くらい前に飲んでみたけど、ピンとこなかったなぁ!
そりゃあそうだ、考えてみたら、
この実験で、最大減ったグループで1.8kgしか減っていないのだから。





             6月 1日 2004
        
今日から電子カルテ
        いよいよ、懸案の電子カルテ導入が現実のものとなった。
今月から、以前のレセプトコンピューターと併用で運用を開始して、
来月からは、単独で動かすことになる。
慣れない作業に加えて、以前のコンピューターの入力もあるので
受付の人たちの作業は倍になる。
(みんな、ご苦労様。・・・それから、ごめんね!)

       どうして、電子カルテなのか?
というと、答えは、「僕の字が汚い!読めない!」
そして、「僕が漢字を知らない。」からである。
昔は、カルテはドイツ語だったらしい。
僕の世代は、英語だった。
でも、もう日本語でしょう!
だって、「患者に解らないようにカルテを書く時代」は、終わったから。
今度は、出来るだけ「患者に解るように書く時代」だと思っている。
しかし、日本語入力はいっぱい字を書かないといけないし、
漢字を間違えると、格好が悪い。
今日も、患者の血圧を入力している時に、
本当は128/72だったのに、178/72と誤って入力しかけた。
即座に、「先生、128やで!」と指摘があった。
「こうでなくっちゃ!」と溜飲を下げた。
しかしこの先どうなる事やら、とにかく今のところは時間がかかる。
と言うわけで、
しばらく、待ち時間が長くなるかもしれないので、
今しばらくご辛抱ください!





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