DIARY
7月31日 2003
フィルムスキャナー
今日は、診療所のワックスがけの日なので、
もうすぐパソコンの前から追い出される。
ぴっかぴかになるけど、半年持たない。
ぴっかぴかになる必要もないような気もするが、床の保護目的でしている。
そういえば、今日、ニコンLS2000をYahooのオークションで落とした。
46000円プラス送料等で49000円弱だった。
今までの、ニコンクールスキャンVの性能があまりに悪いので、
たまりかねてオークションを探した。
ゴミが写るし、ピントは合わないし、細かいところは写らないし、
なんであんなので9万円近くするのか、本当に腹立たしい。
LS2000に期待しているが、果たしてどうだろうか?
評価は良いみたいだけど・・・。
ということで、誰かCoolscanVが欲しい人はいませんか?
差し上げますが、性能は前述通りで
細かいものを写した写真は無理ですけど・・・。
当ホームページに出てる程度の写真がそうです。
欲しい方は連絡下さい。
もし、多い時は、何かくじを考えます。
7月30日 2003
前立腺癌の新しい治療
これまでは、放射性物質の管理規定のしばりがあって、
放射性物質を、放射線管理区域外に持ち出すことが出来なかった。
前立腺癌の治療は、早期のものは日本では手術がもっとも普及しているが、
実は、手術では、完全に取りきれてないことが半数近くあった。
また、手術は尿漏れや男性機能に障害が出ることが多く、問題があった。
以前に書いたが、前立腺癌は、急速に進行する癌ではないし、
健康な状態の人にも、しばしば存在し、共存していることが多い。
癌があれば、すぐに手術をしなくても、watchiful waiting といって、
注意深く見守るというのも、ひとつの大きな選択肢である。
アメリカは、前立腺癌が多く、その治療法も進んでいる。
体の中に放射線源の入ったマイクロチップを入れて
体内から前立腺癌に放射線照射をする方法である。
日本では、前述の縛りがあり、出来なかった。
その前立腺癌の治療用として米国で広く使われている
体内挿入型の放射線源の「ヨウ素125シード」が日本でも利用できるようになる。
厚生労働省がこの3月、都道府県を通じて医療機関に対し、
「診療用放射線照射器具を永久的に挿入された患者の退出に関する指針」
を通知したことに対応して、
文部科学省は7月15日、ヨウ素125と金198について、
放射線障害防止法の適用を除外し、医療法の規定だけに従えばよいとする告示を出した。
こうした措置により、
弱い放射線を数カ月にわたって発し続けるヨウ素125を
前立腺癌などの治療用として体内に埋め込んだまま退院し、
社会復帰することが可能になった。
治療の侵襲も軽く、その日の内に退院して、翌日には会社に行ける。
米国では、前立腺癌の組織内にヨウ素125を封入した
チタン製のマイクロカプセルを永久的に挿入する治療法が
年間数万件と広く行われている。
日本でもすでに金198を用いた舌癌などの治療は広く行われているが、
金198は半減期が2.7日程度と短く、1個当たりの線量が強いため、
炎症などの放射線障害が起きやすく、前立腺癌には使いにくかった。
ヨウ素125は半減期が60日程度と長く、1個当たりの線量も少ないため、
障害を起こしにくく、治療効果をあげることができる。
治療成績も手術と同程度以上とされるため、今後の普及が期待されている。
手術をしないで、待った人には良い知らせである。
厚生労働省の
「診療用放射線照射器具を永久的に挿入された患者の退出に関する指針」はこちらまで
7月28日 2003
事件?
今日は、カメラの電池とテニス用品を買いに
”カメラのキタムラ”と”アルペン”に行った。
(この夏から、テニスを始めようかと画策している。)
行く途中で、何台ものパトカーや覆面パトカーが反対車線を走っていた。
キタムラで買い物をしている時に、家内達が観察したところによると、
道の向かいの”アングラーズ”という釣り関係のアウトドアグッツ店に
パトカーは集結していたみたいだった。
野次馬根性がむらむらと頭をもたげていたが、時間がないのであきらめた。
その後、アルペンで買い物をして、一時間ほどして
帰りに、アングラーズの前を通ったが、何事もない様子になっていた。
南花台の家に帰ると、ヘリコプターが3台、上空で旋回している。
内1機は低くとんで、何かを探しているようだった。
報道機関のヘリのようであった。
何か事件があったに違いない!
しかし、しばらくして、ヘリは飛び去ってしまった。
南花台はもとの平和な町になってしまった。
なんだったんだろう?
ヘリとパトカーの集結は関連があるのだろうか?
テレビをつけて、ニュースを見たが、イラク問題の話で、
これと言った報道はない。
仕事が終わって家に帰ったら、何か新しい情報が入っているのだろうか?
医療機関には、いろんな事件の情報が入ることがある。
警察から医療関係への、問い合わせがあるからだ。
たとえば、今日も
「ヘソの緒がついた赤ん坊が置き去りにされている事件」があり、
母子手帳を交付されて臨月を過ぎているのに、
出産に訪れない妊婦の心当たりがないか?
あるいは、
出産後を思わせるような出血で受診した女性患者がいないか?
と言った具合である。
今さっき、ニュースで、日野のしおたき橋付近で、
女性の死体が発見されたと言う報道があった。
事件は、どうもこれらしい。
たしかに、ごく近辺だ。
しかし、アングラーズは、なんだったんだろう?
釣り人が発見したのだろうか?
7月27日 2003
ブランク
石垣の写真が出来上がってきた。
ポジフィルムのスリーブ仕上げなので、
(普通のプリントの写真のフィルムは、ネガと言って、
色が本来の色の補色になっているが、ポジというのは、
そのままの色になっている。
スリーブとは、フィルムを一枚ずつ切り離さないで、
つながったまま仕上がってくるものである。)
それを、白いプラスチックの薄い板に乗せて、
向こうから蛍光灯をかざして、ルーペで順番に見ていくのだが、
枚数が多いと、見ているうちに気持ち悪くなってくる。
今回、ダイビングは8ヶ月ぶりで、ブランクがあった。
出来上がった写真も、やはり、それなりのブランクが感じられた。
寄り方が甘かったり、露出が絞り切れてなかったり、フレームの構成が甘かったりである。
そのうちに、写真をアップしようと思っているけど、気が重い。
寄ろうとはするのだが、何故か魚に逃げられてしまう。
息こらえのタイミングが悪いのだろうか、
それとも、殺気がむんむんになってしまうのだろうか?
(殺気と言っても、殺そうと思っているわけではないのだが・・・。)
7月25日 2003
やっぱり、また・・・。
以前、日記にも書いたけど、
藤沢薬品工業が開発したアトピー性皮膚炎治療薬「プロトピック」
(一般名:タクロリムス水和物)の小児用製剤が、7月17日に承認された。
薬価収載を経て今秋にも発売する。
今年6月に薬害監視団体(JIP)から不承認を求める要望書が
厚労相と薬事分科会委員に送付されたが、
長期使用時の有害事象の発現状況調査と
癌原性に関する追加動物実験を行うとの条件付きでの承認となった。
タクロリムス水和物は
わが国では1993年6月から免疫抑制薬「プログラフ」として注射薬と経口薬が発売された。
1999年11月には、外用薬が
16歳以上の成人向けアトピー性皮膚炎治療薬「プロトピック軟膏0.1%」として上市、
日本国内では「毎月5万人以上に処方されている」(藤沢薬品工業広報部)という。
今回承認されたのは、成人向け(0.1%)よりも濃度が低い0.03%の軟膏で、
2〜15歳の小児用。
既に欧米では小児用としても承認、米国では3年の使用実績がある。
この審査の最終段階で、医薬ビジランスセンター(JIP)と医薬品・治療研究会が
6月17日、「プロトピック(タクロリムス水和物)0.03%軟膏の不承認を求める要望書」を、
坂口厚生労働大臣と薬事・食品衛生審議会の薬事分科会各委員に送付。
医薬品第一部会への差し戻しを要請した。
要望理由の骨子は、
同薬が局所・全身の免疫抑制作用を通し、
発癌(特に悪性リンパ腫)を促進する恐れがあるというもの。
低濃度の0.03%軟膏でも、動物実験では発癌性が示されているとの見解を提示、
同団体による要望書提出は新聞などでも報道された。
この見解に対し、同審議会は最終的に承認は妥当と判断。
十分な市販後調査と追加動物実験を条件に、承認される運びとなった。
今回意見が出された発癌性に関する藤沢薬品工業の見解は、
添付文書に記載された塗布量で適正に使用する限り、
高濃度、低濃度製剤のいずれも発癌性の問題は生じないというもの。
同社広報部によると、承認条件は
1.長期使用例での免疫抑制に伴う有害事象の発現状況を調査する、
2.癌原性に関する追加動物実験を行い、新たな知見が得られた場合は報告する。の2点。
いずれも、具体的な実施方法などについては、今後厚生労働省と協議する。
日本では「プロトピック」が成人に対し3年以上使われているが、
同薬の使用との関連が否定できない皮膚癌やリンパ腫などの発生は、1例も報告されていない。
(しかし、製薬会社の広報部の報告が、信頼性に乏しいことは、
今まで何回も経験している。
そんな報告があっても、関連性がないとか、別の原因があるなどの理由で
統計に入れないような操作がしばしばなされるからである。)
同社広報部によると、米国では小児及び成人の計1万人を対象とした市販後調査で、
皮膚癌の発生については自然発症頻度と差がないとの結果が得られているが、
悪性リンパ腫などその他の癌については、広報部では把握していないという。
ちなみに、米国食品医薬品局(FDA)が2000年12月に
同薬を承認した際の審査資料によると、
因果関係は不明なものの、
治験参加者のうち
成人二人が悪性リンパ腫(耳下腺リンパ腫と皮膚T細胞性リンパ腫=CTCL)を発症。
33人(成人19人、小児14人)にリンパ節腫脹(うち6人には明確な病因なし)が認められている。
アトピー性皮膚炎は社会生活に大きな影響を及ぼす疾患で、
病状をコントロールすることで得られるメリットと、
顕在・潜在性のリスクをどう勘案するかは、
患者自身の価値観にも深く関わる問題だ。
治療の選択の幅を広げる薬であることは間違いない以上、
医療者そして患者に対し、
利益とリスクに対する正確・迅速な情報提供を継続的に行うことが求められる。
しかし、それが、行われない。
今回でも、我々に、「悪性リンパ腫の危険があるかもしれない。」と言う話は、
いっさいなされないだろうし、製薬会社の担当者もその話はしないだろう。
しかし、冷静に考えれば、
利益は、アトピー性皮膚炎の皮膚所見の改善。
リスクは、悪性リンパ腫。である。
自分の子供に使うかどうか?
普通は、天秤にもかけないけど・・・・。
この件に関する藤沢薬品工業のニュース・リリースは、こちらから。
医薬ビジランスセンターと医薬品・治療研究会が提出した要望書に関しては、こちら。
FDAの審査資料は、こちらで。
7月23日 2003
またまた、ツバメ
今日、午前の診療が終わって帰ろうとしていたら、
前を通っていた女の人が、急にこちらをのぞき込んできた。
何を見ているのかと、その視線の先を見てみると、
こぶし大くらいの黒っぽいかたまりがある。
すぐに、ピンときた。
その上には、ツバメの巣第2号がある。
(じつは、二つ目の巣があるのだ。ヒナは3羽いる。
一つ目の巣のヒナは飛び立ってもういない。)
ひな鳥が落ちたのだ。
じっとしているが、怪我してるようではない。
その人は、鳥を飼っているとのことで、
「人のにおいは付けない方が良い。」
「何か平らなものに乗せて、巣に帰してやったら。」
と言ってくれた。
早速、3階からはしごをとってきた。
さっきもらったお菓子の紙袋をヒナの下に差し込むと、
飛べないながらに羽ばたいて、上手く紙袋に乗った。
紙袋に乗せたまま、紙袋を傾けると、
上方の端の方につかまって、バランスをとりながらとまってくれた。
ヒナが、飛び降りないように、そっとはしごを登って巣に乗せてやると、
そのまま巣に移動した。
やつは、途中で、飛び降りなかったが、紙袋にうんちをした。
なかなか、礼儀正しいやつだ!
僕は、その紙袋にお菓子を入れて持って帰った。
(もちろん、うんちはとって)
(Y先生ごめんね!うんちされるとは思ってなかったので・・・。)
その後、巣から落とされないか、気になってみているが、夕方の時点では、無事だ。
本当は、やつが、地面に落ちている時に、
(こんな時しか、全容が見られないので)
写真を撮りたかったのだが、デジカメは家にしかない。
それに、こんな局面で、写真を撮ってると、
一緒にいる人に「変なオヤジだ!」
と思われてしまいそうだし、あきらめた。
今、思い出したが、少し前に、息子が携帯の機種変更をした時、
僕の携帯も、最近すぐに電池がなくなるようになってきたので、
「ただで変えられるのがあったら変えて!」と頼んでいたら、
カメラ付き携帯に変えていてくれたから、一枚くらいは、撮れたのだった。
まだ、灰色のうぶ毛が残っていて、
是非とも残しておきたいかわいさだったのだが・・・。
惜しいことをした。
7月22日 2003
近況
昨日、石垣から帰ってきた。
石垣は、すっかり夏で、日差しはじりじりと照りつけて
30分もすると日焼けではなくて、やけどになってしまいそうだった。
もちろん、SPF50の日焼け止めを塗るのだが、それでも日焼けしてしまった。
今年は、マンタの出が悪いのだそうだ。
僕たちは、今回、2回チャレンジして、2回とも出てくれたが、
それぞれ、一枚ずつだった。
ホバリングもあまりしてくれなくて、さーっと行ってしまった。
でも、僕はそんなマンタが好きである。
あまり、人間に慣れて欲しくないものだ。
海の中は、スカシテンジクダイやキビナゴの群れがいっぱいだった。
一瞬も同じ形をしていないで、次から次へと
その群れの形が変わっていく様は、見ていて見飽きない。
何とか写真に撮りたいと思ってチャレンジするのだが、うまくいかない。
今年もだめなのだろうか?
ちょっぴりできあがりが楽しみな数日が続く。
名古屋の水中映像祭には行けなかったけど、
エントリーした写真がノミネートされた。
どの写真だかわからないけど・・・。
今回は、自信作がなくて、
「数打ちゃ、当たる。」方式だったので、
本当にどれだか見当も付かない。
来年は、自信作で臨みたいなぁ!
7月16日 2003
医者の常識も当てにならない
僕が大学病院に勤務していた時は、
血液・腎臓・膠原病・感染症を専門とする内科に所属していた。
当然のことながら、病院の輸血部もその管轄部門であり、
輸血に関しては、プロ中のプロである。(?)
当時の輸血部の部長は、”成分輸血”を強く薦めていたし、
それが、理想的な輸血の形として受け入れられていた。
そして、そのことは、今もきっと変わらないと思う。
成分輸血とは、赤血球は赤血球だけ、血小板は血小板だけ、
血漿は血漿だけを成分別に輸血しましょう。というものである。
「よけいなものを入れれば、その分、輸血を受けた人に
よけいな成分に対する抗体が出来て不利益が生じる。」
と言う考えである。
一見正しい様に思える。確かにそのとおりである。
しかし、
赤血球と血漿の両方が必要な人には、
赤血球と血漿とを別々に、分けて入れなくてはいけない。
と言うことは、赤血球をくれた人と血漿をくれた人の
二人の血液が体にはいることになる。
全血をいっぺんに入れれば、1人の血液でまかなえるから
リスクが2倍になるのだ。
これは危険である。
確かに、成分輸血はいい方法であるが、
ケースバイケースで、避けた方が良い時もあるのだ。
事故などで出血して、赤血球と血漿の両方が必要な時には
成分輸血よりも、全血輸血の方が安全である。
何回も繰り返し輸血する訳ではないのだから、
不規則抗体もくそもないのだ。
しかし、今の現実は、こんな場合も成分輸血である。
いつ改まることやら・・・。
昨日、輸血の話を書いたので、輸血の常識について書いたけど、
常識が必ずしも正しいわけではない。
常識の意味を考えて、それを当てはめていい場合
とそうでない場合を考えておかないといけない。
こういった医者の固定した非常識は、
意外と多いので気をつけないといけないが、
最近見直されることが多くなってきたのは、いいことである。
今日の朝日新聞の夕刊には、エイズウィルス陽性の血液が、
核酸増殖検査をすり抜けて、
陰性の判定が出ていたことが判明したという記事が載っていた。
運良く輸血されないで回収されたが、
ただ単に運が良かっただけである。
医者が検査をして、陽性だとか陰性だとか、話をするわけだが、
検査の結果が常に100%を示しているわけではない。
たとえば、感度98%の検査は、
大変に信頼性が高い検査と考えられるが、
それでも、100回すれば2回間違うのだ。
輸血に関わる病原体混入の検査は、
限りなく100%に近いものを求められるのだが、
まだ100%にはならない。
だから、医者のいってることも、
いくら「検査でこうだから」と言われても、
疑う余地があることは、知っておいてもいいと思う。
アー、自分で自分の首絞めてるような気がする。
手品師が、ネタをばらして、仕事がやりにくくなるのと似てるかも・・・。
7月15日 2003
やっぱり、輸血は恐い
今日の朝日新聞のトップは、輸血による肝炎発症の記事だった。
ざっと、斜め読みしただけだけど、
以前、僕が書いていた
”献血の時の肝炎ウィルス検査をすり抜けて、輸血で肝炎が感染することがある。”
という内容である。
(今回のものは、さらにその上を行って、
精密測定の核酸増殖検査さえもすり抜けると言うものだが・・・・。)
「えらいこっちゃ!」と思っていたが、やはり社会問題になった。
輸血は、本当に恐い。
出来るだけ、自己血を輸血した方が良い。
(あらかじめわかっている手術などの時は、
事前に自分の血液を、輸血用に採血して保存しておくのである。)
それが間に合わなければ、
血のつながった身内からの輸血が、まだリスクが低いだろう。
肝炎ウィルスだけではない。
エイズウィルスや成人T細胞性白血病ウィルスも感染する危険があるし、
まだ、人類が知らないウィルスが、いくつもあるはずである。
知らないから、調べないだけである。
以前、ある病院の院長が、病気でもないのに、
若い看護婦さんの血(白血球だったかも)を、自身に輸血していた。
(何でも、若さを取り戻すためとか言う理屈だった。)
みんなで、「ちょーおぞましい!」とか
「医学の常識がない!」
と言って、馬鹿にしていたが・・・・、
あの院長はまだ生きているのだろうか?
それとも、いずれかの時点で、何らかの感染症になって
後悔しているのだろうか?
それとも、若さを取り戻して、元気にしているのだろうか?
7月14日 2003
DDS(ドラッグ デリバリー システム)
クスリを配達するシステム、
って「薬屋さんが、必要な時に家まで薬を配達してくれるシステム」ではない。
体の中の必要なところに効率よく薬を運ぶシステムのことである。
たとえば、喘息の時に薬を飲むより、
薬を吸入して、直接気管支に薬を作用させた方が
薬の副作用も少なく効率よく薬が効く。
最近は、その研究が盛んらしくって、たとえば、糖尿病の薬。
糖尿病には、たくさん薬があるけど、現在のところ
糖尿病の患者が10年後に元気でいられる確率を
上げることを証明されている薬は、
インスリン注射だけである。
他の薬は、有意差なし、か逆に悪いというデーターしかない。
しかし、インスリンは注射という大きな壁があるので、みんな嫌がる。
このインスリンを、飲んだり、鼻から入れたりしても効くようにする技術が
DDSである。
インスリンは分子量が5000弱のタンパク質なので、
そのまま経口投与すると大部分が胃で分解されてしまう。
単に腸管までインスリンを送り届けるだけなら、
腸溶性カプセル内にインスリンを入れれば済むが、
インスリンは水溶性の高分子であるため、
そのままでは腸管で効果的な吸収を期待できない。
そこで、
インスリンをまず親油性の界面活性剤であるショ糖エルカサンエステルでコートし、
これを大豆油で包んだ油滴を作成する。
この油滴を親水性界面活性剤のデカグリセリンステアリン酸エステルを用いて
O/W型エマルジョンを作り、
さらに腸溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)で
コートして凍結乾燥し、固体粒子(ドライエマルジョン)として回収した。
このようにして作成した製剤は、経口投与すると、PH5以上の腸管で水に溶解する。
インスリンは、小腸で脂肪分解酵素(リパーゼ)によって
大豆油が加水分解されることで徐放され、活性を保持したまま吸収される。
これを、インスリン分泌を停止させたラットに経口投与したところ、
6時間以上にわたって血糖値の低下が確認できたという。
もちろん、この先さらに安全性や安定性の確認がされて
薬になっていくわけだが、これは一例に過ぎない。
これからは、続々と
こういった研究成果が臨床の薬に採用されていくのだろう。
副作用が少なく、効果のある薬が増えていくことは歓迎である。
しかし、きっと値段が高いのだろうな。
それさえ何とかなれば、大歓迎なのだが・・・。
7月12日 2003
ゼロ・ウェイスト
耳慣れない言葉かもしれない。
一言で言えば、”ゴミをゼロにしましょう。”ということである。
なんと、日本には、世界の3分の2以上のゴミ焼却炉がある。その数1700基以上。
毎年8000億円の税金が建築・改修に使われている。
ダイオキシンという猛毒を出しながら、ごみを焼却する政策がつづけられている。
日本でごみの処理につかわれる税金・負担金は、2兆3708億円/年。
1人あたりでは1万8700円、4人家族ではなんと7万4800円。
これだけのお金をかけて、リサイクルされるのはたった14%。
残りの86%は「ごみ」として焼却されるか、埋め立てられてしまう。
ゼロ・ウェイストは、ゴミを燃やしたり、埋め立てたりしてゼロにするのではなく、
ものを作る段階から、ゴミが出ないようにすることを目指している。
出来るだけリサイクルできるものはそうするように、
どうしてもゴミになるものでも、
環境に悪影響のあるゴミにならないように
企業に働きかけていく。
そういった運動を、市民・自治体が推進していく必要がある。
企業は従わなければ、格好が付かない状況を作っていくのである。
「そんなこと無理だろう!」 と思われるかもしれないが、
実際に、ゼロ・ウェイスト宣言をしている小都市では宣言して1〜3年で、
大都市でも6〜8年で埋め立て削減率50%を超えている。
やれば出来るのだ。
では、
成功している海外の自治体はどういうプランを立てたのか?
燃えるごみ、燃えないごみという乱暴な分けかたはやめて
「リサイクル可能」
「生ごみ」
「粗大ごみ」
「それ以外」
の4つにごみを分別。
最初の3つは地域にあった方法で回収・再利用。
「それ以外」のごみは製品をつくった企業に目標年までの改善を訴えつつ、
移行期間には、できるかぎり無害化して埋め立てる。
ゼロ・ウェイストについて、詳しくは、グリーンピースジャパンまで。
7月11日 2003
他人事ではない
この数日、12歳の少年の話で持ちきりである。
大人の犯罪者に対しては、絶対に許せない気がするが、
この年齢の人たちには、同情心が先に立ってしまう。
「殺してはいけない。」という言葉は知っているが、
本当の意味で、その意味することが理解できていたのだろうか?
ゲームでの殺しと、現実での殺しの違いが、
観念的にわかっていても、
実際は理解できていなかったのではないだろうか?
以前、息子が、学校の非常ベルのボタンを押して
こっぴどく叱られたことがあった。
僕は、「彼は、いい経験をした。」と思っている。
彼は、はじめから、してはいけないことも、したらどうなるかも
頭の中ではわかっていたはずである。
それでも、実際はどうなのか、わからなかったのである。
そして、現実にどうなるのか?予想通りになるのか?
確認したかったのだと思う。
そして、「アァー、やっぱり、こうなるのか!」と理解したはずである。
この経験は大事なのだと思う。
誰もが、どこかで、この経験をしないといけないし、
何らかの形で、そうしてきたのだと思う。
僕の小学生の時には、2B弾という、厚紙の筒に火薬をつめて
マッチ箱の火薬面にこすって爆発させる花火でよく遊んだ。
超ミニダイナマイトみたいなものである。
どのくらいの殺傷能力があるのか知りたくて、
牛乳瓶に3本くらい入れて、カエルを入れて爆発させた。
カエルは、バラバラになって死んだ。
そうなるのはわかっていたのに、やってしまった。
とても後悔した。
そして、それ以降、遊びで殺生はしなくなった。
多分、その延長にこの事件があるように感じている。
そんな経験がとても大切なのだと思う。
自然に出て、自然に触れることが、
そんな経験が出来る一番いいチャンスなのだと思う。
都会の子は、そんな経験が少ないのではないだろうか?
7月9日 2003
いつかはトライアスロン
先週末に、女子のトライアスロンの中継を見た。
女子のそれは、スイム2km、バイク40km、ラン10kmだった。
「それって、僕でも出来そう!」と、一瞬思った。
だって、毎週木曜は、10km走って、2km泳いでいるから、
後は、バイクだけである。
通勤は、自転車通勤である。(5分もかからないけど・・・)
自転車は、ブリジストンのロードレーサーであるが、
タイヤが、すぐ痛むので普通のタイヤに交換してしまっている。
しかし、17年くらい前のものだから、途中で壊れそうな気もするが・・・。
何とかいけそうな気もする。
スイムが終わって、タイムを見て、「あれ!」っと思った。
2kmを、トップは19分台後半で上がってきた。
50m(25mプールの往復・・・ って当たり前だが・・・)を
30秒そこそこで泳ぎ切っている。
僕は、50mで終わりと思って全力で泳いでも40秒かかる。
もちろん、そのペースで2kmなんてとうてい無理である。
75mだって無理だ。
めっちゃ速い!
とうていついて行けない。
いつかは、トライアスロンと思っていたが、夢は遠のいてしまった。
完走だけの、”おじさんトライアスロン大会” ってないかなぁ!
7月8日 2003
昨日は七夕だった
昨日、7月7日は「七夕」だった。
夜に、犬の散歩に行ったのに、そんなことはすっかり忘れていた。
上弦の半月が雲間に顔を出していたのは見ていたのに・・・。
牛飼いの青年「牽牛(彦星)」と天帝の娘「織女(織姫)」が
1年に1度だけ逢うことを許された夜である。
今では、遠距離恋愛なんて、珍しくも何ともない。
しかし、遠距離の程度が半端じゃない。
彦星はわし座 の1等星アルタイル、
織姫はこと座 の1等星べガで、
この二つの星の距離は約16光年(約150兆キロ)もある。
きっとワープするんだろう!
これを、ロマンチックかと言われると、
「年に一回しか逢えないと、そのうち別れるな?」なんて、
よけいな推測までしてしまう。
僕の知り合いには、
”家庭内遠距離恋愛”なんてぇのもあるけど・・・。
七夕の話は中国で生まれ日本に語り伝えられた伝説で、
そのあらすじは・・・
五色に光り輝く錦を織る娘の織女に父の天帝は、
天の川の西に住んでいる働き者の牽牛という牛飼いの青年と
結婚させることにした。
しかし、結婚してからの織女は牽牛との暮しに夢中で
錦を織らなくなってしまった。
これに腹を立てた父天帝は二人を別れさせて
「心を入れ替えて一生懸命仕事をするなら
1年に1度、7月7日の夜に牽牛と会うことを許してやろう」と申し渡した。
ひでぇ親だ!
自分の娘が幸せの絶頂にいるのに、なんてぇことをしやがるんだ!
てめぇの欲のために、娘の幸せを打ち砕くなんて最低である。
まず、娘の幸せを願うのが親だろ?
それとも、
「この程度に距離を保った方が、ずっと良い関係でいられる。」
と判断したんだろうか?
うーん! 奥が深い!
天の川に掛かる伝説の「かささぎの橋」は、
はくちょう座の羽根のところにあたる。
はくちょう座の一等星デネブとベガ、アルタイル、
これら3つの一等星がつくる 二等辺三角形は
”夏の大三角”と呼ばれている。
って、どの星がどれだかわからん!
ちゃんと星の下に名前かいといてくれ。
って、どっちが下だろう?
7月 7日 2003
禁煙のすすめ
禁煙をしようと決めたら、具体的にどうするのがいいのだろうか?
禁煙をしようと決めた時点で、何もしなくても1/3の人は成功する。
そして、1/3の人は、ニコチンパッチなどの薬の助けで成功する。
最後の1/3の人たちは、がんばらないと失敗する。
後2者のグループは、(特に最後のグループは)
ニコチンの代謝酵素が遺伝的に少ないために、
たばこを吸っていた時の血中のニコチン濃度が高くなっていて、
ニコチン中毒が強いためにそうなるのである。
(もちろん、本人の意志の問題や、
やめようと思う気持ちの強さも関係があるが・・・。)
たばこを吸うと、すぐに10秒ほどで血中のニコチン濃度が急上昇する。
このニコチン濃度は、1時間で半減するので、また吸いたくなってくる。
3日やめると、体からニコチンは完全に消失する。
禁煙して3日目が一番つらいはずである。
では、いよいよ禁煙実行である。
思い立ったら吉日!すぐにやめる。というのもいい。
しかし、世の中いろいろと障害がある。
禁断症状の一番きつい日に、(禁煙後3〜4日)
たばこが吸いたくなるような状況が予測されるのなら
その日を避けて、禁煙を開始するのもいいと思う。
意志の力だけで、禁煙できる人もいるが、
中毒になっている人は、意志の力だけでは、難しい。
中毒になっているかどうか判断するのは、簡単である。
朝目が覚めた時に、一番最初に何をするのかである。
前述のように、ニコチンは1時間で血中濃度は半減する。
だから、朝一番は、ニコチン中毒の人は、禁断症状が出ているので、
「とにかくたばこが欲しい。」のである。
目が覚めて、朝1番に布団の中からたばこに手を出している人は重症である。
気になる人は、後述の依存度チェックを参照されたい。
そんな人たちは、たばこ以外の方法で
ニコチンの血中濃度を上げて、禁断症状を和らげる必要がある。
現在日本では、ニコチンの血中濃度を上げるには
1.ニコレットというガムをかむ。
2.ニコチネルという貼附製剤を貼る。
のいずれかの方法がある。
1.は薬局で売っている。
たばこが吸いたくなったら、ガムを口に入れてゆっくりかむ。
ゆっくりというのが重要である。
ピリッとした味を感じるまで、だいたい15回くらい噛みます。
落ち着いたら、歯ぐきとほっぺの間に挟んでおく。
味がなくなるまで、約1分かかる。
以上を繰り返して、約30分でもとのシートに入れて捨てる。
はじめは、6〜12個/日から開始して、1〜2個/日になったらやめる。
値段は、買ったことがないので不明。
2.は医師の処方箋がないと手に入らない。
はじめは、30mgの製剤を貼る。
貼りっぱなしで24時間いてもいいし、夜は、はがしてもいい。
お風呂の時ははがす。
ただし、貼ってから効果が出るまで、2時間近くかかるので、
朝、たばこが欲しくなったら、ニコチネルを噛むと良い。
2〜4週間で20mgに切り替える。
さらに2週間で10mgに変更して、都合6〜8週で終了する。
中毒のきつい人は、8週考えた方が良い。
この方法は、結構評判がいい。
貼っているとあまり欲しいと思わないとのことだ。
いずれにしても、禁煙を始めたら
絶対に、1本も吸わないことが大切である。
ニコチネル30mg2週間分14枚で、17000円くらいだと思う。
高いとは思えない。
だって、300円のたばこを毎日1箱吸って、1ヶ月で9000円である。
一年で、10万8千円である。10年で100万円が煙で消えるのだ。
自分自身や周りの人たちの健康を損ねたうえにである。
将来ずっと、この出費がなくなるのだから。
禁煙をしていて、吸いたくなる時がある。
宴会や麻雀は出来るだけ避けた方が良い。
禁煙を初めて、3日目が一番つらい。
それから、2〜3週間で大分楽になるのでがんばって欲しい。
たばこを吸いたいと思ったら、
1.思いっきり冷やした水か、熱いお茶を飲む。
朝起きて一口、食後に一口、吸いたくなるたびに一口である。
2.深呼吸をする。
いっぱいに空気を吸い込んで、吐く時は口から糸を吐くように
細く、ゆっくり肩の力を抜いて吐く。
3.体を動かす。
歩く、体操をする、歌を歌う、電話をかける、音楽を聴く。
4.場所を変える。
食後など、たばこが欲しくなる時は、
食べ終わったらすぐに席を立つようにする。
5.歯を磨く。
たばこに火をつけるのは、これらを試した後でも遅くないはず!
禁煙後
1日目、1週間目、1ヶ月目に山がある。
それを過ぎると楽になるので、
前述の期間はつらくて当然、ここを乗り越えて欲しい。
たばこをやめると太る!
これは、
1.たばこにエネルギーの燃焼細胞を活性化させる作用がある。
2.たばこをやめると、口寂しくなりつい食べてしまう。
といった理由があるからである。
対策は、前述のニコチンガムや、
歯磨き、ノンカロリのガムやキャンディー、お茶、水である。
また、運動をする習慣をこの機会につけるのもいい。
たとえ、3〜4kg太ったとしても、
それにまさる健康が手にはいるので、それを理由にしないで欲しい。
特に女性は、美しい顔が戻るのだから・・・。(男でもそうかな?)
ニコチン依存度チェーック!
1.起床後何分で最初の喫煙をしますか?
5分以内 :3点
6〜30分 :2点
31分〜60分 :1点
61分以降 :0点
2.寺院や図書館など禁煙の場所で禁煙することがつらいですか?
はい :1点
いいえ :0点
3.一日の喫煙でどれが一番やめ難いですか?
朝最初の1本 :1点
その他 :0点
4.一日に何本吸いますか?
10本以下 :0点
11〜20本 :1点
21〜30本 :2点
31〜 :3点
5.他の時間帯より、起床後数時間に多く喫煙しますか?
はい :1点
いいえ :0点
6.ほとんど一日中床に伏している病気の時も喫煙しますか?
はい :1点
いいえ :0点
合計得点で
0〜3点 依存度低い
4〜6点 依存度普通
7〜10点 依存度高い
最後に、禁煙に失敗しても、あきらめないで欲しい。
禁煙に成功しても、1年後に吸っている人は多い。
3人に1人しか、一年後禁煙を維持している人はいない。
一回で成功できることの方が珍しいのだ。
だから、失敗してあきらめないで、
再度、何度でもチャレンジして欲しい。
回数が増えるたびに、成功する確率も上がるからだ。
最後に、モームの有名な一言
(僕は、受験時代この人の文章が、一番苦手だったけど)
「禁煙なんて、簡単なものだ。 私は何回もやっている。」
7月 5日 2003
たばこの害(続き)
たばこの害は、これまで、たくさん言われている。
今更言うまでもないと思われるかもしれないが、改めて確認してもらいたい。
昨日も書いたが、肺癌の90%以上は、その原因は喫煙(受動喫煙も含む)
にあることがわかってきた。
そして、肺癌死は、近い将来、日本人の死因のトップになる。
人口10万人あたりの生涯死の確率というのがある、
毎年胸部レントゲン写真を撮ると、 0.05〜0.5人
ディーゼルの排気ガスの多いところに住むと 300人
配偶者がたばこを吸うと 700人
これだけでも、桁外れにたばこが有害であることがわかる。
それも、本人だけでなく周りを巻き込んだ害である。
まだある、
母親がたばこを吸うと、胎児の精神構造に悪影響が出る。
生まれてきた子供のリスクを見ると
ADHDという病気
(じっとしていられないで絶えずあっちに行ったりこっちにきたり、
あれこれものをさわったりする子)が生まれる確率が 2.8倍
行為障害(平気で万引きなど悪いことをしてしまう子) 4.2倍
その後も、子供が病気になる確率も高い
中耳炎 1.6倍
喘息 1.5倍
アデノイドや扁桃腺炎 2.1倍
肺炎 2.5倍
受動喫煙だけでこれだけ害があるのである。
いわんや、当人おや!である。
たばこを吸ってないと、
たばこを吸っている人は、すぐにわかる。
においである。
当人の吐く息が臭いだけでなく、
衣服にも、手の指にもにおいがしみついている。
そして顔つきである。
目の下のクマが目立ち、しわが多い。
眉間に縦皺が寄っている。
歯にはヤニが着いているし、歯ぐきもどす黒い。
唇もきれいなピンクではなく、黒っぽいし、
顔色も悪い。
さらに進むと、首筋にも、しわが目立つようになる。
オードリヘップバーンの若い時は、すばらしく美しかった。
40歳代以降、ずいぶんしわくちゃになって、ふけ顔になってしまった。
たばこのせいである。
身近にはキムタクや工藤静香がそうらしい。
(僕は、よく知らないけど・・・・。)
このように、たばこは、毒なのである。
それも、周りを巻き込んだ毒である。
マリファナを禁止するように、たばこも禁止してもいいくらいである。
是非やめてもらいたい。
”減らすのではなく、やめる”のである。
よく、マイルドとかライトとか言っているが、
”タールやニコチンが減ったから癌になるリスクが減った”
ということではないのである。
それに、その、軽くなったと言っているたばこにもからくりがある。
あの記載の数字は、正確には覚えていないが、
3cmの長さを、一分間に一回軽く吸った時(たしか1秒か2秒)の量である。
しかも、機械なので、吸い口のフィルターは、指で押さえられていない。
実際は、もっと吸い込むし、頻度も多い。3cm以上吸うだろう。
そして、
フィルターの横にあいている、煙を逃がす小さな穴は、指が塞いでいる。
たばこ会社の戦略通りに、やられっぱなしである。
目を覚ましてほしい。
禁煙は、
誰でも、
いつでも出来るし、
お手伝いは諸手をあげてする。
禁煙しましょう!
そして、
周りの人も、禁煙させましょう!
愛する人を、たばこの作った癌で失いたくないから・・・。
今度は、禁煙の仕方について書きたい。
7月4日 2003
たばこの害
今日は、未成年者の禁煙指導について、
神戸アドベンチスト病院の薗はじめ先生の講演を聴いた。
禁煙人口を減らすのに、一番有効な方法は、禁煙キャンペーンではなかった。
”たばこの値上げ”が一番効果的なのだそうだ。
だから、今回のたばこの値上げも、「もっと上げろ!」と運動してきたらしいが、
たばこ販売会社(JTだけではなくて、外国の強力な会社も含む)の
強力な反対にあって一本十円で押さえられたらしい。
マルボロのキャンペーンでハリソンフォードのそっくりさんの俳優が
使われていて、彼が、休憩中にたばこを吸っていて、
たばこ会社のえらいさん達がたばこを吸わないので
いぶかしく思って聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「たばこは、貧乏人と黒人と若い奴らが吸うものだ。
我々は、そんなものは吸わない。」
「君の役割は、10代の若者を一人でも多く喫煙者にすることだ。」
アメリカでも若年者の喫煙が問題になっている。
たばこ会社のターゲットは10代の若者なのだ。
一回たばこ中毒にしてしまえば、
その後、ずっと死ぬまでたばこを吸ってくれるのだから、
若ければ若いほど好都合なのだ。
「すまないね!
たばこが原因で死んでいく人が多いんだ。
喫煙人口はすぐに減るから・・・。
だから、
君たち若者が一人でも多く
喫煙者になってもらわないと困るんだ。」
といったナレーションが流れる中に
子供達にむかってたばこがゆっくり何本も空から降ってくる。
これが、アメリカの若者に禁煙を呼びかけるコマーシャルだ。
そして、もちろん、
いまはたばこのコマーシャルなんてむこうでは流れていないはずだ。
ちなみに、若年者が持続的にたばこを吸うのには、
自動販売機(児童販売機)がそれを助長している。
マルボロのコマーシャルで、
昔、たばこを吸っていたかっこいいカーボーイ達は、
今はみんな肺癌で死んだり、
あるいは、酸素吸入器につながれている。
今度から、日本でも”肺癌や心筋梗塞”などの
具体的な病名をあげて、
たばこのパッケージに注意書きが書かれるらしいが、
僕から見れば、まだ生ぬるい。
日本の21世紀の肺癌死は、20世紀の10倍になることが予測されている。
肺癌の90%以上がたばこの害であることも証明されてきた。
外国のように、
「吸ったら、死ぬで!」とか、
「肺癌になるで!」
と、大きく正面に書くべきである。
たばこの具体的な害は、近いうちにまたアップしようと思う。
とにかく、たばこは本人も、周りの人間にも
肺癌をはじめとした多くの害を及ぼしている。
7月3日 2003
刺客たち
カナダのトロントも、SARSの感染地区から除外されて、
あとは、台湾だけになった。
SARS問題は、このまま収束するのかもしれないが、これで終わりではない。
対症的な対策で収束してきただけのことだから、またおこらない保証はない。
ウィルスの人類に対する攻撃(ウィルスにはそんな意志はないのだけど)は、
とどまるところを知らない。
以前に、日記にもコラムにも書いたが、
また、西ナイルウィルスのシーズンがやってきた。
日本には、今のところ上陸していないが、いつ上陸してもおかしくないし、
上陸してそのまま、日本で蔓延する可能性も十分にある。
人から人には感染しないから、まだいいけど、
もし、そんなタイプのものなら、開業医はパニックである。
アメリカなど流行地区で蚊に刺されたことがある人は要注意だ。
そして、アメリカ中西部で今度は、サル痘瘡が出てきた。
サル痘瘡のヒトへの感染は稀で、
主に中央アフリカや西アフリカの雨林地域で見つかっている。
ヒトに感染した場合、
天然痘に似ているがより感染力が弱い発疹が出るという。
普通は死に至ることはない。潜伏期間は約12日。
今回アメリカでは、19人の患者発生があり、西半球の流行は初めてである。
これら全ての患者は、
プレーリードッグと直接または間接的に接触した後、発症している。
このプレーリードッグは、ミルウォーキー市の動物流通業者が今年5月、
市内2カ所のペットショップに販売したほか、
ウィスコンシン州北部で行われたペット交換会で売られている。
この業者は、これらプレーリードッグと当時発病していたガンビア・ジャイアントラットを、
イリノイ州北部の業者から購入したという。
日本でも、プレーリードッグは人気のペットらしいが、
ガンビア・ジャイアントラットとともに
現在は輸入禁止の処置がとられている。
トリインフルエンザに始まって、次から次に目白押しに
新しい人類に感染するウィルスが出現する。
エボラ出血熱など本当に恐い。
これが自然の成り行きだとしたら、自然ってなんなんだろう?
必要以上に増えた種に対しては、
それを減らすためのプログラムが準備されていて、
次々に実行されているようにも思えてしまう。
7月1日 2003
老後をどう生きようか
”元気な50代60代の世代の人たち”をなんと呼べばいいかが議論されている。
「シニア」という言葉は、日本では最近多くのメディアでも
従来の「シルバー」や「高齢者」「熟年」などに代わる言葉として
使われることが多い。
しかし、「Senior」という言葉は、やっぱり高齢者みたいで嫌だ。
参考までに、「シルバー」は和製英語であり、アメリカでは使われない。
一部の人が「サードエイジ」という言葉を使っている。
この言葉はもともとヨーロッパで使われ始めた言葉だが、
成人までをファーストエイジ、成人後をセカンドエイジと呼び、
その後の発展段階をサードエイジと呼ぶのがもともとの定義のようだ。
が、どうも長い。
アメリカでは、人種差別、性差別とならんで
年齢差別(エイジズム)の解決が、歴史的に大きな課題となっている。
この具体的事例として、「雇用における年齢差別禁止法」という
日本にない法律が制定されている。
この法律は、企業が従業員を雇用するときに、
年齢によって差別することを禁じたものである。
これによれば、企業は従業員が一定の年齢になったからといって、
強制的に退職させてはいけない。
つまり、日本でおなじみの「定年退職」は、アメリカでは違法となる。
「Retirement」のことを「定年」と訳していたが、
前述のとおり、定年という制度はアメリカには法的には存在しない。
(アメリカでも年長者に対して間接的な“退職圧力”が存在するらしいが・・・)
「Retirement」という言葉については、
それをどう「再定義」するのかが、議論の中心となっている。
アメリカで「Retirement」というと、気候のよいアリゾナ、フロリダの
サンシティのようなところに移り住んで、朝から晩までゴルフ三昧、
悠々自適でのんびり暮らす、いわゆる「ハッピーリタイアメント」を
想像する方が多いようだ。
しかし、現実には、このような「ハッピーリタイアメント」のイメージは
すでに時代遅れとなっている。
サンシティなどの旧来型リタイアメント・コミュニティでは、
新規の入居者が減り、居住者の平均年齢は上がる一方である。
この最大の背景は、日本同様、高齢者意識の薄い「高年齢者」が
増えてきたことにある。そして、そのような新しい世代に対応した
サービス開発が必ずしも追いついていないことだ。
「Reinventing Retirement(リタイアメントの再創造)」、
「Recasting Retirement(リタイアメントの再定義)」、
「The word of Retirement should be retired
(リタイアメントという言葉自体リタイアしろ)」
「Don’t retire. Rewire.(リタイアするな。新たなつながりを創れ)」
などの多くの言葉が飛び交っている。
この背景には、「Retirement」という言葉に、
単に長く勤めた会社を退職するというより、
「社会的なつながりの喪失」というニュアンスが強いことにある。
したがって、「Retirement」という言葉を再定義するという意味は、
そのような立場に立った人が、どのような社会的つながりを、
いかなる方法で創り出すのかということを意味する。
日本では定年を境に自分の老後をどうすごすか、
そのための準備をどうするかという議論が多い。
しかし、このような考え方は、
自分の人生の判断基準が、あくまで「会社」にあることが多い。
これは、英語でいう「Independent(自立的な)」な生き方ではない。
Independence には、他人の介助なしに生活できるという肉体的なものと、
他人の経済力や影響力に頼らず生活できるという精神的なものとがある。
後者のIndependenceの有無がこれからは重要である。
たとえ、CCRC(元気なうちから入居でき、要介護状態になっても
継続的に住むことのできる住宅コミュニティ)に移り住んだとしても、
可能な限り自分の力で何とかしようとする姿勢が必要である。
日本の老人ホームでよく見られる過保護体制とはおさらばしたい。
「Independent」な生き方とは、個人主義的な生き方では決してない。
社会との関係において、自分の人生をいかに有意義に全うするかを
問い続ける姿勢のことだ。
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