DIARY

  6月30日   2003
    
時代は変わる
    この週末は、大学のスキー部OB会の発会式があって出席した。
僕が、大学でスキーをしていた頃にはまだ生まれてもいなかった連中が、
現役の部員であることに大いにショックを受けた。
考えてみれば、我々の子供の世代が大学生だから、
当たり前といえば、当たり前だけど・・・。

  さらに、スキーテクニックの変貌にも、驚かされた。
式は、グループ(世代)ごとに、
いくつかのテーブルに分かれて座って行われた。

  僕たちの席は、”竹のポールの世代”だそうだ。
隣のテーブルは、”グラスファイバーのポールの世代”
その隣は、名前を忘れたが、今使われている、
”根元からビョーンとたわむポールの世代”で、
さらにそれが、二つに分かれて、
”逆手の世代”と”膝の世代”になる。
逆手とは、
(昔は、スキーでターンする時に外足に体重をかけて、
内側のポールを内側の腕で払いのけて滑っていたのだが)
ターンの時に内側のポールを外側の腕で払いのけるテクニックである。
膝の世代は、さらに進化して、
腕ではなくて膝で払いのけて滑るテクニックである。
逆手から先は、もうついて行けない。

さらに、外足加重も古いテクニックで、
今は6:4で内足にも乗るのだそうだ。
今から思い起こせば、僕たちの頃も、
その当時べらぼうに強かったステンマルク達は、そうして滑っていた。
天才のなせる技が、常識になってきたのだ。

  ちなみに、スキーのオフシーズンの練習には、
インラインスケートがいいそうだ。
現役生達は、これを履いて練習するそうだ。
ミーハーの僕は、早速、昨日購入した。
これがこなせるなら、実際のスキーはもっと楽に出来るそうだ。
花の文化園の広場で夜にやってみようかな!

しかし、年はとりたくないのぉ!



  6月27日  2003
   
若者よ、胸を張れ!
    昨日、小滝カイロプラクティック院の小滝さんが遊びに来てくれた。
話をしていて、日本の若い人たちの姿勢の話が興味深かった。
それは、小滝さんのところに来ておられる人の感想として聞いた話だそうだ。
その人は、海外に行かれることが多く、
「海外では、若い人たちの姿勢が良いが、
最近の日本の若者の姿勢は悪い。日本の将来はどうなるのだろう。」
という内容だった。
若者の姿勢と日本の将来が関連があるのかないのかわからないが、
確かに、猫背の若者が多いような印象がある。
かくいう僕も、姿勢が悪くて、
研修医の頃、よく婦長さんにしかられたものだ。
(感謝してます。)
僕も、ダイビングで外国に行くことがあるが、
確かに、外国の若者の方が姿勢が良いような印象がある。
小滝さんにきくと、抗重力筋を鍛えるには、
姿勢をよくする時間を増やすことが良いそうだ。
特に、座っている時に意識した方が良いとのこと。
「若者たちよ、胸を張れ!」 ということだ。

 昨日は、露天風呂の日(語呂合わせ)
露天風呂っていいなぁ!
しばらくはいっていないし当分はいる予定もないけど、
昔、ニセコのプリンスホテルの旧館の露天風呂は、
ビールを持ち込みしてもよかった。
風呂場の前にホテルのコンビニがあって、
ビールを買ってはいるのが楽しみだった。

  温泉法によると「温泉」の定義は、
1.地中からゆう出する温水、鉱水、水蒸気、その他のガスの
 温度が25度以上であること。
2. 泉水1kg中、19種類の物質のうち
 どれか1つでも基準値以上含まれていること。
 である。
つまり25度以上のお湯ならばただのお湯でも温泉だし、
成分が1種類でも入っていれば、10度の水だろうが温泉なのだ。

  ひとつ、庭でもほってみるべか?




  6月24日  2003
    
19日の続き
    19日の医療費問題を、
今日の医師会の理事会にはかろうかと思っていた。
今日の、医師会の議事予定にはそのことは、全く触れられていなかった。
みんな、あのメールは読んでるはずなのに・・・。

 僕が、議題に出しても、
「おまえが返事を書いておけ。」で終わるのだろう。
しゃくに障るから、知らん顔しておく。
もう返事は書いているし、
医師会の理事会に出しても、
それ以上の進展は望めないから。

 そもそも、医師会のホームページ自体おもしろくも何ともない。
某理事の好きなように作られている。
まぁ、おもしろくする必要なんかないのだろうけど・・・。
必要最低限の情報が得られたらそれでいいのだろう。
(僕は、うんざりだけど・・・。)
もちろん、某理事には、ホームページを作ることが出来ないから、
ん百万円を払って、暴利をむさぼる業者に作らせている。
ホームページ一つ作るのに、ん百万円だ!
それなら、俺に作らせて!
といいたいが、僕が作るときっとボランティアで只になる。

高いからやめろといっても聞く耳を持たない様なので、
僕も、ホームページから手を引くことにした。
しかし、あのインチキくさい業者に
高い金が払われ続けるのは、腹が立つ。
だって、僕らが納めた医師会費と
僕らが出動した労働の一部から拠出されているのだから。



  6月23日 2003
  
 きれいなおばぁさんは好きですか?
  しわとり、しみ抜きにもナノテクノロジーが応用されるようになってきた。
しみ、しわなどに対する治療手段として、
ビタミンAの活性型であるレチノイン酸の効果が注目を集めている。
レチノイン酸のなかでも最も効果が高いとされる
オールトランス型レチノイン酸(atRA)は皮膚刺激が強く、
光に対して不安定で長期保存ができないという問題点もある。
ナノテク技術を用い、薬効を落とさずにこうした副作用を防ぐ
新しいレチノイン製剤の開発が国内で進められている。
「atRAナノパーティクル製剤(atRA-np)」と呼ばれる物質である。

 まず水溶液中でatRAのミセル(分子の集合体)を作成し、
ミセルの表面を1〜2nmと極めて薄い炭酸カルシウムの結晶で覆った。
さらに界面活性剤で凝集を防ぎ、直径13nm程度の微粒子を形成した。
微粒子中には60〜100個のatRA分子が含まれる。

 この処理によって光に対する安定性が大幅に高まった。
水中、またはワセリン中に保存した場合、
従来のatRAでは数日で変性がみられたが、
atRA-npでは50日近く経っても変化はごく少なかった。

 刺激性も低くなった。
また、atRA-npは塗布後10分後から血中濃度の上昇が見られ、
約3日間血中にあった。
皮膚からの浸透性がよく、しかも徐放効果を発揮していると考えてよいだろう。

 刺激性が少ないにもかかわらず、表皮細胞の増殖効果は向上した。
マウスの皮膚に5日間塗布し続けたところ、
何も塗布しない場合には表皮厚が30μm弱、
ワセリンだけを塗布した場合には30μm強、
既存の0.1%atRAを塗布した場合には50μm強だったのに対して、
atRA-npを塗布した場合には、実に130μm弱と大幅に厚くなり、
表皮細胞の増殖を促していることが確認された。

今後、皮膚のしわやしみに対する薬効の有無を確認する動物実験を進める予定という。
人体への適用は先の話だが、
低刺激でしわ取りや美白効果の高い外用薬や化粧品に応用できれば、
男女を問わず、皮膚のトラブルに悩む中高年者にとって大きな福音になりそうだ。

 そのうち、20歳台の顔つきの70歳のおばぁちゃんが
町をミニスカートでかっ歩する時代が来るのだろうか?
きれいな女の人が増えることは歓迎だけど・・・・、
頭が混乱してしまいそうだ。




  6月21日 2003
      プロトピック
     プロトピックといっても、なんだかわからない人の方が多いだろう。
アトピー性皮膚炎の治療薬である。
もともとは、移植後の免疫抑制剤だ。
アトピー性皮膚炎は、繰り返し起こる皮膚の炎症で、
昔に比べて、ずいぶん患者が増えてきている印象がある。
アトピー性皮膚炎は、
副腎皮質ホルモン(ステロイド)の外用が効果があるが、
使い方を誤ると、副作用に苦しまないといけない。
基本的には、だらだらと付け続けないことが大切である。
3日連用したら、4日は休む必要がある。
そのために、ステロイドを使わない治療法、
あるいは、ステロイドを休む間の治療法として、
プロトピックが使われるようになった。
はじめはありがたいと思っていた。

今日、送られてきた”正しい治療と薬の情報”誌を読んで驚いている。
そこには、プロトピックが承認販売されて約4年経過して、
今年5月9日に薬事・食品衛生審議会の医薬品第1部会で
「2歳以上のアトピー性皮膚炎にプロトピック軟膏の承認を了承した。」
という報告がのっていた。

 そして、その危険性について検討されていた。
プロトピックは、日本でも外国でも、小児の移植後の全身使用で、
10%前後に悪性リンパ腫が発生している。
そして、アトピー性皮膚炎の掻破痕やびらん面からは吸収が多くて、
経口投与した時と同等の血中濃度になりうることから、
その承認の審議の際にも、厚生省審査事務当局から
「悪性リンパ腫は明らかに発生する。」という認識が表明されている。
また、プロトピックを塗った皮膚が紫外線に暴露された時には、
皮膚癌の発生率が増加し、死亡率が上がることが
動物実験で明らかにされている。

 そんな危険性のある薬を、実際に使用する医師に
十分に情報を伝えないで承認するやり方は、
もういい加減終わりにしてもらいたい。
MRという製薬メーカーに所属して、
自社の薬剤情報を医者に伝える活動をする人たちがいるが、
彼らは、自社の製品がより多く使われるように活動しており、
マイナスになる話はまず話さない。
こちらが知っていて、追求するとしゃべるが、
自分から言い出すことはない。
だから、僕はMRとは面会しない。

僕は、”正しい治療と薬の情報”誌を定期購読しているから、
情報を得ることが出来るが、
ほとんどの医者は、そんなことは知らないままに、
ある日そのことが社会問題になって取り上げられる日が来るまで、
使い続けるだろう。
(この雑誌を読んでる医者は、医者の数%だろう。)

 そして、そんな薬が、小児用として濃度は薄くなってはいるが、
もうすぐ承認されそうだ。
具体的には、
6月29日に開催される予定の薬事食品衛生審議会の
薬事分科会での審議と、
厚労省としての承認の手続きが残っているが・・・。

  どんな判断が下されるのか見守ってゆきたい。



  6月20日 2003
      
シーサー
    僕の家には、シーサーがいる(いる?)。
大きいのが2匹と小さいのが一匹。
最初は、石垣島の土産屋のショーウィンドゥにいて、
その店の前を通るたびに
妙に人なつっこい顔でこちらに笑いかけていた。
家内も、気になっていたみたいだったが、
「高いし、割れ物だし・・・」と思っていた。
何回目かに石垣に行った時に、「シーサーを買おう!」
とどちらともなく決心して、迷わずにその子(?)を手に入れた。


もともとは、石垣のシーサーではなくて、
西表で作られたものである。
家にあると、なんだかいい感じなので、
「お相手のシーサーもいるだろう。」と思い、
西表に行った時に、その工房をたずねて、あとの二つを手に入れた。
何でも、シーサーは無理にペアにする必要はないそうで、
「一匹でもいいですよ。」と欲のないことをいわれたが、
やっぱり買ってしまった。


沖縄で見かけるシーサーは、なんだか恐い感じのものもある。
もともとは守り神だから、恐い感じなんだろう。
石垣島には、このシーサーと森の守り神のキジムナーが
一緒になった感じのシーサーが売られている。
かわいいし、カラフルでちょっとブームになっているみたいだ。
石垣空港にも、荷物を受けとるベルトのところに飾ってある。


僕のところも、診察室においているが、たまに怖がる子供もいる。

とってもかわいくて、小さいものは値段も手頃なので、
石垣に行ったら一度見てみる価値ありである。



  6月19日 2003
    
 医療費
   先日、医師会メーリングリスト宛にメールが届いた。
てっきり僕宛だと思って、勝手に返事をしてしまった。
その方の許可を得て、そのメールと僕の返事の一部を
載せたい。
原文そのまま引用
70歳を超えた老人医療保険を使用している者です私は、
糖尿病の為インシュリンを使っています、
その上狭心症でステンドを入れています、
毎月採血投薬を近大で受けています、
その他月1回日泌尿器科に前立腺で診察投薬を受けています。
毎月の医療負担がここ数年上がってきています、
前に役所で相談したら近くの医院に行くと
一回8百円で済むからと言われそのようにしたら、
今度は逆に検査も直ぐには判らずかえって高く付いています、
最近大病院に老人の患者が増えているように思われます。
 年金でも生活に苦しいものも沢山居ると思います
国は取りやすい所から取って いるとしか思われません、
医師会がもう少し近くの医院に行きやすく勤めてく ださい。
私達は何処にも言う所がありません。


私は、以下のような回答をした。
> はじめまして。 池田です。
>
>
>  医療費の問題は、本当に私達は心を痛めています。
> これまでも、個人の負担があがらないように、署名活動を
> やってきました。各医師会でも、努力はしています。
> しかし、われわれ、末端の町医者の考えと、医師会のえらいさんの
> 考えは違うようです。
> 日本医師会の会長を、誰がどうやって決めているのかさえ、
> 未だに、僕にはわかりません。
> もう何十年も医師会員ですし、医師会の理事をしていてもそんな状態です。
> 河内長野市くんだりの末端の医師会は、中央の医師会の言いなりが現状です。
>
> 医師会とは別に、保険医協会という組織があり、そこは、民主的な運営で、
> 患者負担の増加反対など熱心に活動しています。
> 僕のところでの、署名のお願いもほとんどはその保険医協会のものです。
> しかし、いくら署名を集めても、小泉の一言で物事は決まります。
> 私達も無力感にうちひしがれています。
>
> この先も、消費税が10%を超えるようになり、
> 普通は、そういった消費税が上がれば、福祉が充実するはずなのに、
> 逆に、年金給付は下がり、年金からの税負担は増える構想があるようです。
> 今の政府は、年寄りに金を使う気はないのです。
> もっといえば、病人は切って捨てる政策なのです。
>
>  こんな政策をする政党を支持しているのは、
> とりもなおさず、その国民なのだから仕方ありません。
> こんな政策をしているにもかかわらず、
> 自民党の支持者が高齢者に多いのが僕には理解できません。
> hさんの様な意見がたくさん出てきて、それが世論になって、
> 政治屋が、当選するためにはその意見を聞かないといけなくなった時に
> 情勢が変わります。だから「私達は何処にも言う所がありません。」などと
> おっしゃらないで、どんどん発言して頂きたいです。
> 新聞に投稿してもいいし、仲間同士の会話でも、病院の待合室でも、
> そういった意見をみんなに浸透させていくことしか道はないと思います。
> おっしゃっている意見が、多くの人たちに浸透しない限り、
> このまま、さらに状況は悪化していくものと思われます。
> もちろん、我々もこれからも同じように、一緒に活動していくつもりです。
> さもないと、非常に近い将来、小泉のもくろみ通りに
> 「金持ちはちゃんと医療を受けられるが、
> 貧乏な人は最低限の医療しか受けられなくなる。」ということになります。
> 今すでにそうなりつつあるのは、実感されていると思いますが・・・。
>
> このままなら、
> 僕は年をとって引退したら、日本から出て行きたいと思っています。 
>
> それから、差し支えなければ、いただいたメールを
> 私のホームページや保険医協会の新聞に載せていいでしょうか?
> もちろん、お名前は出しません。
> それから、医師会の理事会にも出して各理事の先生方にも見せたいと思います。
> もちろん、hさんの許可がなければ、
> このまま僕の胸の中だけに入れておきます。
> 池田桂三 wrote

その後、「保険医協会などに発表してもかまわない。」という回答をもらっている。

多分、河内長野医師会は、このまま行けば、このメールは無視するだろう。
回答する担当者を決めていないからだ。
理事会には、はかるけど・・・。
保険医協会は、たぶん協会の新聞に載せてくれるかな。

とにかく、医療制度は国民にとってまだまだ悪くなることだけは確実だ。
小泉がやめても、同じだろう。(程度はましだが)
基本的に、
「国民の健康を守っていく」
という視点に欠けているのだから・・・。

 医療に金がかかるのは当たり前だ。
医療費が上がるのも、
新たな治療法や検査が出来て医療レベルが上がり
なおかつ、老人人口が増えれば仕方のないことなのだ。
それを上がらないように抑制するのは無理があるのだから、
何で補うのか、負担を誰がどのようにするのか、
根本的なことを国民に問いかけるべきなのだ。
税金を上げてでも保証が受けたいのか、
税金は上げないで、
アメリカのように、個人がそれぞれ保険に入って、
自己責任で病気に対処するのか
決めなければいけない時代になったのだ。
ただし、後者の場合、お金がなく、保険に入ってない人は
病気になると大変である。
その部分だけ、国が最低限の保証をすることになるのだろう。



  6月18日 2003
     歩くのは、早足がよろしいようで
  2型糖尿病の男性では、速足で歩く人の方が、
ゆっくり歩く人よりも死亡率が低い。
米国の男性医療従事者が参加したコホート研究から、
こんな興味深いデータが得られた。
2型糖尿病の男性2800人を14年間追跡した結果で、
歩くペースが速い人は、1日に歩く時間とは無関係に、
冠動脈疾患の発症率だけでなく総死亡率も低かったという。
研究結果は、Circulation誌5月20日号に掲載された。

 この研究は、「HPFS」(Health Professionals' Follow-up Study)と呼ばれる、
男性医療従事者によるコホート追跡研究。
男性医師による「Physicians' Health Study」に対抗する形で1986年にスタートしたもの。
参加者の6割を歯科医師、2割を獣医師、1割を薬剤師が占める。
今回は、参加時に30歳以上で糖尿病を発症しており、
かつ歩行などに不自由がない2803人を解析対象とした。

 追跡期間中に355人が死亡し、266人が冠動脈疾患(CVD)を発症したが、
総死亡やCVDリスクは身体活動性と負の相関があった。
これは他の疫学研究でも報告されている通りだ。
また、歩行量は総死亡とのみ、負の相関がみられた。

 面白いのは歩く速度別の解析で、
年齢や体格指数(BMI)に加え歩行時間で補正しても、
ゆっくり歩く人(時速3.2km未満)よりも
速く歩く人の方がCVD発症率や総死亡率が低いことがわかった。
ゆっくり歩く人のCVD発症率を1とすると、
                   CVD発症率      死亡率
普通(時速3.2〜4.7km)、     0.82          0.59
速足(時速4.8〜6.3km)、     0.58          0.62
超速足(時速6.4km以上)、    0.17          0.42
                                     となった。

 “超速足”で歩くのはなかなか難しいかもしれないが、
普通〜速足程度なら、日常生活でも実行できる範囲。

 この論文のタイトルは、
「Physical Activity in Relation to Cardiovascular Disease and
Total Mortality Among Men With Type 2 Diabetes」
アブストラクトは、こちらまで

  しかし、時速6.4kmってほとんど小走りに近い速度だ。
元々、運動能力がある(つまり、心肺能力が優れている)人が
長生きだったということかも・・・。




  6月17日 2003
        ツバメに関する追加報告
        もう早いところでは、
ツバメが巣立ちを始めているらしい。
昨日、見たら、なんと!
2羽ずつ二組のツバメが、蛍光灯の上で羽を休めていた。
よかった! 無事でいたんだ。
本当に、心配させおって!
「おしりペンペンしてやろう」と思ったが、
どれがそのツバメかわからないので、
今回は勘弁してやった。

 もうすぐ、巣立ちをするのだろう。
だいぶ大きくなっている。
というか、どれがどれだか区別がつかなくなっている。
マトリックスに出てくるエイジェントのスミスのような奴らだ!

来年も帰って来るのだろうな。
そうすると、来年はまた巣が増えて、
再来年はさらに増えて・・・。
ゲゲッ、うちの駐車場は、
ツバメの巣だらけになってしまうのだろうか!
なんか、心配になってきたぞ。




  6月16日 2003
       西表のリゾート開発
       ユニマットが西表に大型リゾート開発を展開している。
「産業のない離島に産業が出来るのは、
その島の人たちにとっては、いいことなのだろう。」
ぼんやりとそう思って、あえて反対はしなかった。
僕個人としては、
「あのすばらしい自然に、絶対に人の手を加えないでほしい。」
そう思っている。
「あんえい号で40分足らずの石垣には、
大きな町があるのだから、開発は石垣だけでやめておいてほしい。」
そう思っていた。
しかし、地元の人たちを差し置いて、
「そんな意見を言うべきでない。」と思って黙っていた。
しかし、目にしたいろんな情報は、別のものだった。
要約すれば、
1.地元の人のことなど考えられていない計画で、
  地元の人たちの意見は、入れられていない。
2.ただ、金儲けだけの目的の開発である。
3.リゾートが出来ても、地元の人たちが潤ったり、
  雇用が促進される訳ではない。
4.もちろん、西表のかけがいのない自然が破壊される。

 そんなわけで、
僕も開発反対の立場をとることにした。
西表リゾート開発差止訴訟・原告募集にも応募して、
原告団の一員に入れてもらおうと思う。
詳しくは、下のバナーをクリックして下さい。



賛同して下さる方がいれば、一人でも多くお願いします。





  6月14日 2003
     ものすごいデフレ対策
     FORBES誌に、日本のものすごいデフレ対策として
週刊現代の関連記事が載っている。
内容は、以下の通り。

  計画は、国の全ての貯蓄及び定期預金への
3%から5%の年間租税とする。
これの目的は、
事実上貯蓄に法外なマイナス金利が発生するのを避ける為、
日本の貯蓄家に消費物資を買わせるか、
株式債権や不動産に投資させること。

人々が単に現金を貯蔵する事を防ぐ為、
日本政府が偽造防止に新円切替を計画している
来年4月に行われるだろうとのことだ。
政府が3%から5%を取り、
人々がどのくらいお金を隠し持っているか目録を作った後、
古い現金は新しい現金と交換される。

人々がその前に旧円を切り替えなければ、
それらは価値のない紙切れとなる。
やくざや脱税者等によって保持されているアングラマネーは、
不動産あるいは株式債券へ追い込まれる。

日本の貯蓄家にとって選択肢は、資産を国外へ出すことであり、
これは世界市場上に円の津波を送る動きになると予想される。

日本は約12兆ドルほどの貯金を持っているため、
この動きは、もし実行されれば、
果てしない波紋を投げかけることになるだろう。
それは、少なくともほぼ確実に
13年の日本の株式下げ相場に終止符を打つだろう。
さらに、国のデフレも終わらせるかもしれない。

  もし本当なら、すごくえげつない!
借金まみれの僕には、あまり関係ないけど・・・。
でも、金利が上がるから、やっぱり困る!
国民の幸せなんて、全く考えてないのだろう。
政治家の考えてることは、本当に、果てしなくえげつない!



  6月13日 2003
    前立腺癌(続編)
    今日は、以前の前立腺癌の話に、
追加する情報が入ったので、それについて。
一昨日、近大泌尿器科の助教授に
前立腺癌のことについていろいろと教わる機会が得られた。
前にも書いたが、アメリカでは、
前立腺癌が男性の死因の第2位である。
当然前立腺癌の治療も進んでいる。
日本では、早期のもの(PSAだけが高値で
腫瘤(癌のかたまり)がまだ認められないもの)は、
前立腺全摘出術が行われるのが主流である。
しかし、実は、その半分近くは、
癌が十分に取りきれてなくて残るのだそうだ。
その上、手術による障害も残る。(詳しくはコラムの前立腺癌を参照)
したがって、アメリカでは、放射線療法が主流になっている。
放射線療法も、そのまま当てれば、
直腸障害などの副作用が出るので、
病変部にだけ集中的に当てる技術がいろいろと工夫されている。
日本でも、兵庫県にある放射線施設で
重粒子を用いた治療がなされている。
重粒子は、その性格上、
照射した表面からさらに奥に入ったところで、
エネルギーが最大になるので
目的の部位だけに大きなエネルギーを当てることが出来るのだ。
でも、保険がきかなくて、300万円かかるそうである。
いま、有力な治療は、放射性のマイクロチップ(針)を
何本も前立腺に埋め込む方法である。
これだと、手技も簡単で、苦痛も少なく、
入院の翌日には歩いて退院できるそうだ。
アメリカはこれが主流である。
日本では、まだ保険がきかないが、
数年先には使えるようになるだろう。
前立腺癌は、ゆっくりとしか進行しないので、
今、早期癌だといわれた人も、
watchful waiting でその時期まで待てる可能性は高い。


 6月12日 2003
   一羽足りない!
   おとといから、気になっているのだが、
一羽足りない!
雛はもう巣から出て、飛びたったようで、巣の中にはいない。
気になってよく見てみた。
巣は駐車場一番奥の蛍光灯の上にある。
数日前から、もう巣は使われていない。
ツバメたちは、巣に戻らないで、蛍光灯の上で休むようだ。
夕べは、駐車場の入り口近くの蛍光灯の上に留まっていた。
2カ所に分かれて留まっていて、
片方に2羽、もう一方には1羽が羽を休めている。
2羽は寄り添うようにしていて、片方がやや大きいので親鳥と雛だと思う。
もう一方にはやはり親鳥らしきのが留まっている。
雛の内、一羽はやや小さくて元気がなかったが、どこに行ったのだろう。
巣の中にはいない。もちろん、巣の下にもいない。
巣は、外敵が入ってきて襲うことはまずない。
カラスが入ってこられるほど、シャッターの隙間も大きくない。
外で、うまく飛べないうちに、外敵にやられたのだろう。
かわいそうだが、どうしてやることも出来ない。
自然の掟は、身近でも適応されているのだ。


  6月11日 2003
   医師政治連盟(医政連)
  昨日、医師会の会合があって、
医政連の会費徴収について話し合われた。
今までは、年間35000円を医師会が負担していた。
僕は、そういう趣旨に反対なので入会していないが、
会議に出席している他の全員が入会している。
僕個人としては、
政治家に金を渡して自分の都合のいいようにしようなんて
渡す方も、とる方も腐っていると思っているから、
「医師会費と予防接種や健診の出動給与から
そういったお金を拠出するのはけしからん!」と思っていた。
今の、うちの医師会長は、出来た人で(僕は尊敬している。)
「そんなことはよくない。」と考えて、
今回の議題にそれを上げてこられた。

 ここで、医政連について簡単に、僕のわかる範囲で説明しておく。
正式名は、医師政治連盟といって、医師会とは別の組織であるが、
各医師会で、会員が入会するように誘導している。
だから、僕のようにはっきりと嫌だといわないと会員になってしまう。
そして、たとえば、河内長野市医師会で入会率が●%で
摂津医師会では●%というふうにデータが出て、
(摂津医師会が大阪府で最低だそうだ。
 僕は、いい医師会だと思ってしまうが・・・)
大阪府医師会で、「おたくは入会率が低い!」と
名指しで非難されるらしい。(本当にいやらしい団体である!)

 何をしているかは、ベールの向こうであるが、
自民党の厚生族といわれる議員どもに献金しているらしい。
「国会議員は、その多くが医療のことはわからないから、
よくわかった議員にそれなりの適切な活動をしてもらうため」だそうだ。
しかし、よくわかった議員は、金をもらわないと
適切な活動をしないのか?
だいたいこんなことをして、世間から
「医師会が、もっとも巨大な政治圧力団体!」
とレッテルを貼られて、
金と権力で政治に介入しているように思われている。
(実際そうなのかもしれないが・・・。)
挙げ句の果てに、実際の医療改革はひどいものだ。
それでも、これで止まっているのは献金のおかげだという意見もあるが・・・。
確かに、金まみれの国会議員の良心を期待するより、
お金を渡して有利に誘導した方が効率はいいのかもしれないが、
それでは、堂々巡りだと思う。
民主主義はどこに行ってしまったのだろう?
「そんなことはいっさいやめた!」と宣言すれば格好良いのに・・・。

政治献金をやめさせたいが、
やつらがそれを規制する法律を作るわけがないし・・・・。
これからもそんなことが続くのだろう。
こんなことを機会に医政連がつぶれてしまうのも、
またいいのかもしれないが、そんなこともないだろう。

 というわけで、河内長野市医師会では、
医政連の会費は、個人負担となったが、
そうなると脱会者が増えるので、
予防接種や健診の出動給与から天引きすることになった。
それでも、脱会する人が出るだろうな。
僕は、やはり入会しないでおこうと思ってるけど・・・・
会長が肩身の狭い思いをするのを申し訳ないと思ってしまう。
迷っているが、どうしたらいいのだろう?
誰かいい考えない?

ところで、昨日の医師会からの帰り道は、
いつも通り11時をまわっていた。
帰る道すがら、橋の上に車を止めて、窓をあけると
雨上がりで、澄み切った空気の中、
川の土手の茂みは、いたるところで
黄緑色の明かりが点滅していた。
蛍見物は、今、一番の最盛期をむかえている。




  6月 10日 2003
    ツバメの雛たち
    昨日の昼に、ツバメの巣を見上げると、
親鳥と同じくらいの大きさになった雛が巣から顔を出していた。
頭の上に、まだ灰色のうぶ毛が生えている以外は、
もう、親鳥と区別が付かなくなってしまった。

 夕方、巣を見上げると、巣にはツバメの姿がなかった。
もう飛べるようになったのだろうか?
夜には、また、巣に帰っていた。
でも、とりあえず、1羽しか確認できなかった。

 奴らは、あっという間に育ってしまうのだ! 
今度は、是非、飛んでいるところを見たいものだ。




  6月 9日 2003
   高血圧ガイドライン
   第7次米国合同委員会報告による高血圧ガイドライン(JNC7 2003年)
を見てみると、
正常者        :120/80未満 (高い方も低い方もこれを満たす必要がある。)
高血圧前症     :120-130/80-89(高い方か低い方のいずれかがこの範囲)
高血圧症ステージ1:140-159/90-99(高い方か低い方のいずれかがこの範囲)
高血圧症ステージ2:160以上/100以上(高い方か低い方のいずれかがこの範囲)
ということになった。
今までは、120台/80台の人たちを正常者としてきたが、
今後この人たちは、要注意者になってしまったわけだ。
これはしかし、年齢の要因を加味していない。
僕は、以前から20歳台までの人に関しては、
120台/80台の人たちに
「高いで! 身内に高血圧症があるなら、特に要注意やで!」
と話していた。
しかし、年配の人(特に60過ぎ)に関しては、
それくらいの血圧で問題ないと思っている。
70歳代なら160/90までは、薬を出さない。
なぜなら、高血圧症の治療の目標は、
”その人が、ほぼみんなが寿命と認めるくらいの年齢まで
元気に機嫌良く生きられること。”と思っているからだ。
そのために、”現在の血圧で、この先、血管や心臓が何年持つか”
を考えることになる。
若者は、50年先まで考えないといけない。
70歳台のひとは、その人に聞くことにしているが、
100まで生きたいという人にはまだ会っていない。
みんな、せいぜい80歳台で死ぬ直前まで、
麻痺や痴呆にならないで生きられたらいいと考えておられる。

 ちなみに、高血圧症の診断基準が厳しくなった理屈は、
動脈硬化のない、しなやかな血管なら
(たとえば、そこらあたりを歩いている高校生の血圧を測れば、)
血圧は、100/70位である。
そのくらいの血圧があれば、全身にくまなく血液が行き渡るのである。
それ以上に高いのは、必要以上に高いということである。
ということは、必要以上に血管や心臓の負担が
大きいということになるのであり、
動脈や心臓の傷みが進展することになる。
だから、全身にくまなく血液が行き渡る必要最小限の血圧で
生きているのが有利なのである。

 ただし、病院で医者がはかると、おうおうにして高い血圧が出る。
”白衣高血圧”というやつだ。
これに関しては、
「治療すべきだ」という意見と、「治療は必要ない」という意見があって
確定的なデーターがない。
しかし、”そこらあたりを歩いている高校生の血圧”は、
白衣の前でも高くない。
白衣高血圧は、高血圧症の前兆であることは間違いないと思う。
だから、塩分制限は指導させてもらっている。
理想的な血圧測定は、
1.座位(いすでも、畳でも座って)で
2.腕に服がまとわらない状態で、
3.上腕(肱から上)にマンシェットをまいて
  (自動血圧計なら左腕で)
  (家庭用の自動血圧計は左腕ではかるように作られているから)
  (本来は、病気で腕に行く血管が狭くなったりしていなければ、
   右も左も血圧は同じである。)
4.落ち着いた状態ではかる。
  (しゃべりながらはかると高くなる。)
5.風呂上がりや、お酒を飲んだ後、食後すぐは低いが、
  普段の血圧の反映にはならない。
  また、寒冷にさらされている時は高い。
6.肥満(腕に脂肪が分厚く付いている人)も高めに出る。
7.理想的な状態で血圧計を巻いて、医者や看護婦ではなくて
  機械ではかるのが普段の血圧を一番反映している。

  参考までに、僕の友人たちは、
少し高めでも、(ステージ1で)血圧の薬を飲み始めている。
その方が、さっき述べた理由から、
高血圧症を放っておくよりも、リスクが低いからだ。


  6月 6日 2003
   かなりかわゆい子たち
   昨日までは、巣の雛たちは静かにしていた。
昨日から、巣から出て過ごすようになった。
細かいモコモコのうぶ毛も大分減ってきた。
今朝は、親鳥がくるとかなり大きな声で鳴くようになった。
じゃまをしないようにと心がけているのだが、
どうしても気になる。
育っているのがわかると、ついついみんなに見せたくなる。
2羽の雛は、なぜか、
180度向きを反対にして重なるようにじっとしている。
かなりかわゆい! というわけで、
  
 
  

ねっ! かわゆいでしょ!

  6月5日 2003
  
アフリカではマラリアだけで毎日3000人以上の子供が死んでいく
  世界保健機関(WHO)は、
アフリカのマラリアによる死亡率は依然として高く、
1日3000人を超える子供が死亡しているとする報告書
「AFRICA MALARIA REPORT 2003」を公表した。

 その中で、新しい抗マラリア薬や
マラリア予防に効果のある殺虫剤付き虫除け網
(insecticide-treated nets;ITN)が、
最も必要とする地域の大部分で入手できない状況も明らかにしている。

 報告書によると、アフリカの東部と南部における、
1990〜1998年の5歳未満のマラリアによる死亡率は、
1982〜1989年に比べて倍増しているという。
この原因としては、1980年代後期から同地域で、
クロロキン耐性のマラリアが大幅に増加した点が考えられるとしている。
(クロロキンという薬がマラリアの特効薬)

 WHOによると、世界中で毎年3億人超が
マラリアによる急性疾患を発症し、
そのうち少なくとも100万人が死に至るという。
死亡例のほとんどが5歳未満の幼児で、
また90%がアフリカとサハラ南部で起こっている。

 WHOは、ITNの使用と適切な治療で、
マラリアの感染率は約60%、
子供の死亡率は5分の1に減らすことができるとしている。
実例としてタンザニアでは、3年間で、
幼児を寝かせる際にITNを使用する率が10%から50%に上がり、
子供の死亡率が25%あまり減少した。

 マラリアだけで、こんなに多くの子供が死んでいくのは、心が痛む。
フマキラーをしみ込ませた蚊帳があればいいだけのことなのに・・・。
何とかならないものだろうか?
2000年にナイジェリアで開かれたアブジャ サミット以降、
抗マラリア薬や蚊帳の関税廃止など様々な試みが行われ、
効果は上がっているとのことだが、これではまだまだである。
いったい、年間200億ドル以上の金は何に使われているのだろう?
(国際的なマラリア対策に、年間200億ドル以上が使われている。)

 詳しくは、WHOによるニュース・リリースまで。

  
6月 4日 2003
  テーラーメイド医療
今日読んだ記事に、
乳癌術前の遺伝子発現解析が補助化学療法の延命効果を高率に予測”
というものがあった。
このホームページのリンク先にある
米国Texas大学M.D.Anderson癌センター
の研究である。要約すると
現在、再発予防や生存率向上の目的で様々な化学療法が行われているが、
抗癌剤の効果や副作用には個人差が大きく、
どのレジメン(治療のメニュー)が患者に最適なのかは
投与してみなければ分からない。
それを遺伝子発現パターンの違いで高率に予測できるというものだ。
 術前化学療法を施行した乳癌患者の大規模臨床試験(NSABPB-18)の結果から、
術前化学療法で病理学的に腫瘍が消失した症例(病理組織学消失:pCR)だけが
高い生存率を得られることが判明し、
pCRは極めて信頼性の高い治療効果の代替指標とされている。
ただ、これまでの報告では
レジメンの種類によりpCR率は0.8%〜36%と幅がある上、個人差も大きい。

個々の患者にとって低コストかつ最小限の毒性でpCRが得られるレジメンが
最適の化学療法であり、
それを患者ごとの
抗癌剤の感受性と耐性に関する遺伝子発現パターンの違いを調べることにより
見出せるのではないかと考えた。
研究対象としたのは、パクリタキセル(週1回投与)を12サイクル施行した後に、
フルオロウラシル(5-FU)、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを含む
レジメン(FAC)を4サイクル行うという現在最も高いpCR率が得られる
術前化学療法(T/FAC)を施行した乳癌患者24人。
治療前に針生検で採取した組織からDNAマイクロアレーを用い、
レスポンダー(pCR:腫瘍が消失したグループ)と
ノンレスポンダー(腫瘍が消失しなかったグループ)
との違いによく関連する約500の遺伝子を抽出し、
遺伝子発現プロファイルを作成した。
次に、同じ術前化学療法を施行した別の乳癌患者21人を対象にして、
その遺伝子プロファイルを検証し、pCRを正確に予測できるか否かを検討した。

 その結果、感度38%、特異度92%、陽性的中度75%、陰性的中度71%と
極めて高い確度で、
この遺伝子発現プロファイル解析によりpCRを予測できることが分かった。
つまり、これにより陽性と判定された4人のうち、3人は
実際の化学療法でpCRが得られることになる。
また、陽性と判定され、画像上でも完全寛解が得られた人では、
手術不要といった選択肢も可能になってくるとみられる。

 「他の多くのレジメンにおいても、
このようなpCRを予知する特有の遺伝子発現プロファイルが
確立されることにより、患者ごとに、pCRが得られ、
かつ毒性やコストが最小限の最適なレジメンを決定できるようになるだろう」と期待される。

 まずは、テーラーメイド医療は抗ガン剤から始まるのだろう。
そしてもう、それはスタートしている。
僕らが使っている、喘息の薬や高血圧症の薬にまで、
使えるようになるのは、まだまだ先なのだろうけど・・・。
多分、医療費抑制政策の元に、
一部の抗ガン剤や免疫抑制剤だけに限られるだろう。



  
 6月 3日 2003
   昨日の続き
   昔、僕が勤務医だった頃、
(10年以上前だが医療情勢は今の方が悪いから
 医者のアルバイト代は、今も同じくらいだろうと思う。)
当直代は、相場は3万円だった。
老人病院などは、外来がないので、
患者が急変しなければ、夜中におこされない日もあるので人気だった。
少しいろんなことを覚えて、
はじめの頃は、急患が診たくて救急外来のある病院でも当直したが、
慣れてくると、外来のない病院しか行かなくなった。
今は、たとえ一晩10万円あげると言われても絶対に行きたくない。
翌日の診療に支障が出るし、リスクが高いからだ。
まず、よその病院では、どんな検査が出来て、
どんな検査が出来ないかがわからない。
どんな処置が出来るのかもわからない。
また、薬も使い慣れたものが使えない。
自分の思ったように治療が出来ないことが多いのだ。
そして、
”どこで、どんなミスや事故が起こるのか”
ということに関して危険の予知が出来ない。
つまり、ストレスのかたまりになっているのである。

 じつは、同様に休日診療所も行きたくない。
報酬はいいのだから希望者はいるはずなので、
希望者だけでやればいいのに、”そうはいかん”のだそうな。
医師会員の多くは行きたくないと思っているのである。
昼間の休日診療所でさえそんなわけだから、夜間はなおさらである。
そのうち、食うのに困ったら、
当直して、休日診療所の出動も増やしてもらうことにしよう。
いや、そうなっても、そのまま食うのに困っていようかな!

 6月 2日 2003年
    医療環境が問題!
    今日の昼のワイドショウは、
3月に腸閉塞で入院して亡くなった子供のことでもちきりだった。
この事件は、
”前日の当直医と翌日の日勤医の申し送りが悪い。”
ということで、
当事者の医者たちと病院が
”ぼろかす”に言われて罰せられるのだろう。
そりゃぁそうだけど・・・・。
本当にそれだけで良いのだろうか?
医者になって、当直を経験したものなら、
まかり間違えば
自分が、その当事者の医者になってしまう可能性を思ったはずだ、
「きっと、自分ならそうならないはずだ。」
という思いはあるだろうけど、
「最悪のタイミングが重なれば起こりうる。」と思ったはずである。
当事者だけのレベルや人間性の問題だけで
片付けられない問題が、根底にあるのだ。
これが解決されないと、同じようなことが、また起こる。
表面化してない同様のことはすでに、
そして、今も起こっているはずである。

 いくつかの問題がそこにはある。
1.当直医のレベルが低い。
  と言うか、レベルの低い医者がよく当直するのだ。
  当直は、かなりしんどい。
  年をとると特にこたえる。
  出来れば、したくない。
  したがって、
  当直の仕事は、若い新米の医者になりがちである。
  金のない医者(医者になりたての頃は、ものすごく貧乏である。)
  が、当直代ほしさに当直するケースが多い。
  その病院の自前の医者だけで、
  当直がやりくりできるのなら、ベテランの医者も当直するが、
  なかなかそうはいかない。
2.当直事情の悪さ。
  それに、当直明けの仕事は、休みにはまらない。
  いつも通りに仕事をしないといけない。
  看護師は翌日休みだが、医者は休みではないのだ。
  それでは、体が持たないので、出来るだけ寝たい。
  看護婦の呼び出しに対して、
  そのすべてに現場に駆けつけていたのでは体が持たない。
  看護婦の呼び出しにも、
  その看護婦のレベルの低さのために呼び出される
  ”緊急性を要しない用事”がたくさんある。
  ”緊急性を要しない”かどうかは、電話だけではわからないことがしばしばである。
  緊急性を要しないと思っていたが、
  現場に行ってみて、「こりゃぁたいへんだ!」と焦ったことは、
  みんな”少なからずある”はずである。
では、どうするか?
「医者も看護師のように2交代制や3交代制にすればいい。」
そうすれば、昼間と同じように仕事をする気になる。
でも、それは、現実問題として不可能なのだ。
まず、自前の病院の医者だけで
そんなに豪勢な人事は組めるわけがない。
(医者の数が圧倒的に少ないから。)
よそから応援を頼んだら、
その医者にとっては、当直明けは普通の勤務日である。
(勤務先が違うから。)
要するに、夜間勤務する医者の数が足らないのである。
せめて、当直明けに休める制度を導入しないと、事態は同じだと思う。
翌日の、日勤の医者にしても、外来でごった返している最中に
病棟から呼ばれても、なかなか動けない。
日曜や祝日の日勤は、
外来が忙しい病院なら、はじめから
外来に対応する医者と、
病棟の患者を診る医者と二人の当直医がいるのだ。
しかし、そんなことをしたら、
いまの、何でもかんでも医療費を抑制するむちゃくちゃな医療制度のもと
そうでなくても、病院は(赤字で青息吐息なのだから)つぶれるしかない。
これからも、医療制度はさらに悪くなり、医療環境はさらに悪化する。
個人の努力には限界がある。
きっと、同じようなことは、この先もっと増えていくだろう。  
こら、純一郎!聞いてるか? (・・・って聞いてるわけないけど)  
  

                                

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