2004年2月


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読書メモ
2004年2月7日(土)

引き続き、読書メモ。


沖倉利津子『木曜日はひとり』

個人的な見解だけど、セッチシリーズで
この収録作2つは今ひとつ。


『7月25日(水曜日)台風上陸!?』

この本に入っている
「サヨナラ火曜日またきて日曜」
は、非常に思い出深いです。初出を見ると
“別マ55年2月号”となっていますが、
ちょうど高校受験の前に別マで読んだこと
をありありと思い出せます。で、内容が
ちょうど中学を卒業して高校に入る話で。
ジャストミートでした。


『ゆけ!柴崎真実!!』

56年の別マ掲載作品を収録。私は高校
2年で、『りぼん』と『別マ』を生涯で
一番熱心に読んでいた時期だったので・・・
どれも印象深い。なかでも、
「そこのけそこのけミツルが通る!」
(別マ56年1月号掲載)
には心底感動しました。アンケートでは
オールタイムまんがベストテンの一つに
入れています。
いくつかのセリフは完全に暗記していた!
今回久しぶりに読んだけれど、やっぱり
良かった。


『卯子そのぐんじょう色の青春』

で、この単行本収録の作品は57年に
別マに掲載されたものだけれど・・・
言いにくいことだが、前年の輝きは
どこへ? リアルタイムで読んだ時も
“アレ?どうしちゃったの沖倉先生?”
と思ったが、何かが変わった印象。


『今がチャンスよ!』

絵が変わったんだよね。眼がキツい。


『ケンカ友だち』
とはいえ、ここではもう芸風が確立
されていて面白い。この作品集、
サブタイトルを付けるとすれば
“素直になれない人たち”。
初期作品からの基調低音が主旋律に
なっている、のおもむき。
特にイイのが
「脱走行進曲(エスケープマーチ)」。
クッタクだらけの主人公が自分の気持ち
すら裏切ってドツボにはまるが・・・
ラストで映画「大脱走」の主題曲と共に
救済される。感動の幕切れ。泣ける。
ちなみに沖倉センセはスティーブ・マック
イーンのファンのようだ。セッチと
デイビーが観に行った映画も「大脱走」
だったし。余談ながらこの映画は今年
リバイバル公開されるようです。


『日曜日はげんき!!=自選傑作集=』

ワイド版。最後の2頁のおまけマンガが
良い。

それにしても沖倉利津子センセイ、ある
世代にとっては忘れがたい作家さんです。

ふたりはプリキュア
2004年2月8日(日)

今日(2回目)は見逃した。

先週から、「明日のナージャ」の後番組と
して始まった、日曜朝8時半のアニメ

「ふたりはプリキュア」

朝日放送のページ
東映アニメーションのページ

変身ヒロインものです。
一回目を見て思ったのは、主人公二人が
マーシャル・アーツで闘うことです。
「マトリックス」
「チャーリーズ・エンジェル」
等を代表とする“戦闘ヒロイン”という
世界的潮流を取り込んでいるものと推察
されます。


話変わりますが、やはり戦闘ヒロインの
本家本元は香港映画。近日公開の
「ツインズ・エフェクト」
に期待しています!
(ジャッキーも少し出ているらしいし)

リアルタイム日記
2004年2月15日(日)

この土日も休日出勤です。

14:10
今、コンビニ弁当を食べ終わった
ところで、勤め先のパソコンで
こそこそ書いています。

14:15
暖かいし、
天気がいいなあ〜。
空には白い雲が浮かんでいるよ。

14:20
そろそろ仕事に戻るかな。

リアルタイム日記その2
2004年2月15日(日)

なかなか仕事が終わらんよ。

19:25
おやつ用に買っておいたコッペパンを
食べる。これが晩御飯になりそうだ。

19:30
「野生の王国」が始まる時間だ(←うそ)。
小学生は、ああ日曜日も終わりだな・・・
と寂しくなる時間、とよく言われます。
こんな寂しい気持ちをわかちあえる
女の子といつか出会えるかな・・・(←小学校
高学年)。

19:35
そろそろ仕事に戻ろう。
今日もタクシー帰りかな。

BSマンガ夜話第29弾(いらぬ心配)
2004年2月16日(月)

NHKからメーリングリストでお知らせが
来ました。

> Sent: Wednesday, February 11, 2004
> ========================================
> お待たせしました。BSマンガ夜話第29弾の
> 放送日と取り上げる作品のラインアップが
> 決定しました。
>
> BSマンガ夜話 第29弾は、
> 2月23日(月)〜26日(木)
> 各日午後11:00から生放送でお送りします。
>
> 「はいからさんが通る」作 : 大和和紀
> 「ブルーシティー」作 : 星野之宣
> 「自虐の詩」作 : 業田良家
> 「小さなお茶会」作 : 猫十字社
>
> 作品の放送順・放送日、ご出演頂くゲストの
> 皆さんは決定し次第、ホームページ等でお知
> らせ致します。
> 番組ホームページでは、各作品への皆さんから
> の熱いメッセージを募集中です。ぜひお寄せ下
> さい。宜しくお願いします。
> http://www.nhk.or.jp/manga/
> では、BS2でお会いしましょう。
> ========================================

「ブルーシティー」は読んだことがない。
大学のサークルで星野之宣が好きな後輩がいた
ので他の作品なら少しだけ読んだことがあるが。
あまり・・・。

「小さなお茶会」はちょっとだけ読んだけど
今ひとつなじめなくて。人から借りた一冊が
未返却で手元にあって、心残り。

「自虐の詩」は、ダメな夫の名前が“イサオ”
っていうのが、何とも。文庫本で読んだけど
けっこう良かった。

「はいからさんが通る」かあ〜。テレビで
大和和記論をやるのか。
不安だなー。
BSマンガ夜話という番組は途中から見始めた
ので、最初の頃はどうか知らないけど、
少女まんがで「はみだしっ子」とか「エロイカ
より愛をこめて」で漫画家のI氏が作品を罵倒
して、見てるこちらがいたたまれない気持ちに
なったことがあって。「はいからさん」・・・
これはN氏のセレクションだと思うけど、
どうなんだろう。
危険な時は、ゲストを呼ばずにやってほしい。
好きだと言っているゲストの人がかわいそう
だし、失礼なんじゃないかな。
FAXも受け付けずにやってほしい。
まあ、見なければいいだけなんだけど。

疑問氷解
2004年2月17日(火)

自己完結の話なのですが。

以前、「少女漫画好きに100の質問」という
質問サイトに回答したことがあるのですが、
その中で
「Q.051 作者名やタイトルなど思い出せ
ないけれどもう1度読みたい少女漫画はあり
ますか?」
という問いがあり、こんな答えをしていま
した。

「何の雑誌に載っていたか忘れましたが、
たしか『くたばれねえちゃん』とかそう
いったタイトルのまんが。
キツイお姉さんにいじめられる弟の苦労を
描いたギャグまんがだったのですが、連載
途中からその姉さんがつらい恋をして
『翔んだカップル』後半のような陰鬱な
ムードになってしまいました。その急激な
転調が印象に残っていて、ぜひもう一度読み
たいのですが・・・。」


これ、判明しました。
70年代後半に別冊マーガレットに連載され
ていた
「ゆるして!!ねえちゃん」(すえつぐなおと)
でした。

わかってみれば、そうだよね、という感じです。
知らなかったのですが、集英社のマーガレット
レインボーコミックスで単行本も出ているそう
で・・・(1980年刊)。探してみようかな。

インターネット検索したら、本当かどうか未確認
なのですが、この作者の方はその後改名して
「堀田かつひこ」になったそうな。「オバタリ
アン」か。言われてみれば、丸い眼とか、コマ
運びの間合いとかが似ているような(記憶では)。
“年長女性の脅威”という点で、テーマ的にも
共通しているし。


ともあれ、墓場に持って行く疑問点が一つでも
減ったことは喜ばしいことです。

ナナ・モン
2004年2月18日(水)

矢沢あい「NANA」(既刊9巻)

同居人がどこからともなく借りてきた。
矢沢あいといえば私がまだ学生で
「りぼんオリジナル」を読んでいた時に
デビューした人だ。名前は懐かしいが
大ヒットまんが「天ない」「ご近所」とも
読んでないので、20年ぶりぐらいに
読む、の感。

よくわからんが前にまんが喫茶で読んだ
「ハッピー・マニア」を思い起こしたりした。
それはともかく、私は、“グループ内で
順列組み合わせ的にカップルが交代する”
話がどうにもなじめなくて。ドラマの「ビバ
リーヒルズ○○白書」とか。よって、この
まんがもなじめませんでした。
ただ、絵がね、人物の横顔なんかが
すごく良くてこれは眺めてて飽きること無し、
ではありました。


浦沢直樹「MONSTER」(全18巻)

血縁者から、「電車の中で少女まんがを
読むのはやめてくれ」という涙の申し入れ
があったので、「青年まんが」を読むこと
にしました。

で、読んだのが「MONSTER」。
たしか12巻ぐらいまでは単行本が刊行
される度に読んでいたのですが、
「一度に読んだ方がいいかも」と思い、
途中から買うだけで積んでいたもの。
今回、一気に全18巻読みました。

結論から言うと、うーん、終わり方が
いまいち。
途中は面白くて、「こんなに楽しませて
くれてありがとう」と、本にお辞儀をしながら
読んでいたんだけど。
贅沢な不満と言うべきだろう。


やっぱり大ヒットまんが作品にはそれなりの
理由があるなあ、と実感。

「虹を渡る7人」
2004年2月19日(木)

で、「矢沢あい」さんのデビュー作を
久しぶりに読もうかと思って、本棚から
引っ張り出してきたのが

「りぼん新人まんが傑作集【3】
虹を渡る7人」(1985年・刊)

であります。1984年にデビューした人の
作品が収録されていて、矢沢あいさんの
「あの夏」が入ってます。
久しぶりに読んだけど、70年代でも90年
代でもない、あの時代の空気が残っていて
面白かったです。
収録の他作は、あんまり時代に沿ってなくて
・・・さくらももこ、高倉あつこ、柊あおい・・・
それぞれに独自世界を展開してます。

「死と彼女と僕」
2004年2月20日(金)

自分の守備範囲の読書しかしてないので
“驚き”の無い日々なのであるが、
久しぶりに新鮮な衝撃。といっても新作
ではなくて、知らなかっただけなのですが。

川口まどか「死と彼女と僕」
(講談社漫画文庫・全5巻)

同居人が借りてきた。帯の絵が怖く、
題名からしても私が手に取ることは
永遠になさそうなまんが。

ところが、読んでみたら、良くて。
死者が見えたり聞こえたりする女の子と
男の子の話。映画の「○○○」とか
「×××」みたいな(ねたばれになるので
題名は伏す)感じかな。

映画といえば、5巻所収の「君知らぬ涙」
というエピソードの冒頭で、主人公ゆかり
が読んでいる本の題名が
「DESTRY RIDES AGAIN」
なので、驚く。字しか書いてないけど、
これって、ジェームズ・スチュワート主演の
西部劇「砂塵」(1939年)の原題だよ!
私は大学の頃にリバイバル公開で映画館で
観たけど、作者の人も古い映画ファンなの
かもしれない。

個人的には4巻所収の「開かれた死の夢」
という、エピソードが好きです。

ちなみに3巻所収の「埋葬された明日」の
最終ページ、市街の風景でデパートの外観が
描かれているが、店の名前が小田急ならぬ
「OBAKYU(小羽急)」
・・・さすがに幽霊、お化け(←違うけど)
を描いた作品として、偉大な先達
「オバQ」にさりげなくリスペクトを送る
あたりにも、好感を持ちました。

今さら、の感がありますがオススメです。

デカレンジャー
2004年2月21日(土)

日曜の朝七時半のスーパー戦隊シリーズ
最新作、
「特捜戦隊デカレンジャー」
が始まった。第1話を観た。

子供もいない39歳の私が、何故鑑賞に
及んだのか。その理由は以下のどれか。

(1)甥っ子と話を合わせるため。

(2)“白鳥スワン”役で出演する
石野真子ちゃんが目当て。

(3)8時半からの「ふたりはプリキュア」
のタイマー録画をかけようとしたが、
同居人から後で「朝、ビデオが動いてたけど
なんだったの?」と聞かれた時に、
「・・・デカレンジャー」と答えた方が、まだ
不審者度数が低いから。カムフラージュ。

といった要素が考えられる。
本当の答えはどれか?
それは、ご想像にお任せする。


それでもって、観ての感想。
アクションシーンを見て、ある種の感動に
とらわれる。それは、最近の映画−
ジョン・ウー、ウォシャウスキー兄弟、
タランティーノ −といった映像作家の
特徴ある動きを貪欲にパクっていること
なのだが。
振り返れば、それらの人たちは、香港映画や
日本の日活・東映のアクション映画から
直接の影響を受けているわけで、いわば
本家に“逆輸入”されているところが、
心を震わせるわけなのです。
冒頭のミニカーのカーチェイスなんかも
深作欣二っぽくて良かったよ。

「心の中の国境」
2004年2月22日(日)

先週の日曜日(2/15)に放映された番組を
ビデオで見た。

「心の中の国境
〜無国籍投手スタルヒンの栄光と挫折〜」

http://www.htb.co.jp/vision/kokoro/

私は小学生の時“野球の歴史マニア”だった
ので(嫌な小学生だ)、スタルヒン投手の
名前には親しんでいて、その興味から見て
みた次第。ちなみに娘・ナターシャが
2冊ほど本を書いておりまた以前に「知って
るつもり!?」という番組でも取り上げられた
らしいが、未読・未見でした。

1916年生まれ、ということは市川崑監督
より一つ年下。ロシア革命のため2歳で故郷
を脱出。この番組では、ロシアの風景が
多く出てきて、今「オルフェウスの窓」を
読んでいて“血中ロシア濃度”が高まっている
私にはちょうど良い映像でした。

まあ、「知ってるつもり!?」風の構成なので、
感銘、というところまでは行きませんでしたが
その生涯には、う〜ん、とうなりました。

映画「炎のランナー」の曲を使用している
のが、あざとい、とも言えるのですが、
「フィールド(トラック)でだけ精神の
自由を謳歌した若者(たち)」という
作品テーマは共通しているので、その意味で
まあ許そう、という気持ちになりました。

今度ナターシャ・スタルヒンの本は図書館で
借りて読もう。

「ロシアから来たエース」
「白球に栄光と夢をのせて」

風の激しい夜
2004年2月23日(月)

昨晩は風が強く、物音でなかなか寝付かれません
でした。
そのような時に、実家にいた犬の、故・ヤス号の
ことを思い出しました。

前にも書いたのですが、私は人の見えないところ
でいじめていたので、彼女とは仲が悪かったの
ですが。

実家はサッシではなくガラス戸で、風が強いと
雨戸が揺れ、ガラス戸がかなり鳴ります。
ヤス号はその音に恐怖を感じていたようで、
いつも浮き足立って、助けを求めていました。
しかし1階の兄貴や両親はしつけが厳しくて
ヤス号が所定範囲からでることを許さず、結果、
彼女は2階の「なんとかなりそうなところ」に
向かうことに。

風の強い夜、部屋の入り口をガリガリ叩く音が響く。
しばらく放っておく。謎の生命体が入り口にガンガン
体当たりしてくる。仕方なく起きて開けると、ヤス号
が尻尾を振りながら入室してくる。
掛け布団の、位置を示すと、そこに丸くなってすぐ
寝る。足元が狭い。普段はそう思わないが
「やっぱし ちょっぴり かわいいかな・・・」(※)
とも思う。
朝になると、親に怒られて階下に下りていく彼女の
カチカチと階段を下りる足音。

まあ、そんなようなことが風の激しい日には
よくありました。


※・・・あべりつこさんの佳作「わたしのネコ子」より拝借。

「雪の夜の物語」
2004年2月24日(火)

先週の2/18は不世出のまんが家・千明初美先生
の誕生日でした。遅ればせながら、おめでとう
ございます。

去年は「ちひろのお城」のことを書きました。
先日は、「蕗子の春」について書いたので
今日はデビュー作の「雪の夜の物語」のことを
ちょこっと書くことにします。

たしか『りぼんデラックス』掲載の
「なでしこによせて」だったと思いますが、
掲載作品の脇(ハシラというのでしょうか)に
「平家物語の好きな千明初美先生にお便りを」
と書かれていました。千明初美先生は時代物
を何作か(学習漫画も含め)書いていますが、
「中世」を題材にしたものが多いです。やはり、
“平家物語”的な世界がお好きなのでしょうか。
デビュー作の「雪の夜の物語」も、そのような
時代のものとして描かれています。
混乱の世の中で運命にもてあそばれて
さまよっていく“はかないもの”・・・といった
ようなものが千明初美先生の一つの表現
モチーフであるように思われます。

「雪の夜の物語」は、要約すると、盗賊に
間違われて夫を役人に連れ去られてしまった
妻と、その盗賊との偶然の出会いと、盗賊の
悲惨な過去が描かれた作品です。

社会制度と貧困が生んだ悲劇として、
社会派的なアプローチも出来る題材ではあり
ますが、それをテーマにした作品ではありません。
流麗な絵とコマ運びで物語られたものを読んだ
印象は、「悲しみを抱えて生きていくしかないの
だなあ」「居場所もなくさまよっていくしかないの
だなあ」といったものでしょうか。
それは、虚無的に語られるわけではなくて、
そういった長い長い時間を支える充実した瞬間も
またあるのだなあ−といったことと表裏一体として。

ここでは、静かな雪の夜が一瞬かき乱れて、また
夜が長い静けさを取り戻すところで終わっています
が、16ページの短編にふさわしい構成と、余韻が
あると思います。

いつになるかわかりませんが、次回は「ときめき」
について書こうと思います。

「新選組!」
2004年2月25日(水)

実は・・・と改まる必要もないのですが・・・
実は、今現在、いちばん楽しみに見ているTV
番組は、NHK大河ドラマの「新選組!」です。

前にも書いたように大河ドラマを見る習慣は
無く、強いてあげれば、途中から見たものと
して「勝海舟」があるぐらい・・・いつの話や・・・
昭和49年?1974年だから、30年ぶりか。

関心が無いわけではなく見たいと思う題材も
あって、「獅子の時代」「峠の群像」「琉球の風」
「徳川慶喜」は、一回目だけは見た。しかし
それっきり。二回目をみることはなかった。

「新選組!」は、三谷幸喜の作ということで、
どうだろね・・・一回ぐらい眺めてみようか・・・
ということで、見た。もう一回ぐらいつきあうか
ね・・・ということで二回目を。二回見ると
なんとなく情が移ってきて、三回目。
そうすると「けっこう面白いな」と感じはじめ、
今日に至る、という具合である。

見続ける動機、というものが一つはあったと
思う。それは、主題歌だった。
聴き取った歌詞は、このようなもの


♪愛しき友は 何処に 

この身は 露と消えても 

忘れはせぬ 熱き思い 

誠の名に集いし 遠い日を 

あの旗に 託した夢を


聞き違いがあるかもしれないが。
ここで喚起されるのは、「悲劇の結末」である。
若者たちにやがて訪れる悲惨な末路・・・
を私たちは既に知っている。
沈むとわかっていている「タイタニック」、
狂言が失敗して死んじゃう「ロミオとジュリエット」
と同じように(同じかな?)。

例えば第6回、「ヒュースケン逃げろ」。
私たちはヒュースケンが暗殺されることを
知っている。近藤勇がヒュースケンと会ったのが
史実か知らないが、こういう「歴史の合間の
meetsもの」というのは、観ている者を場に
引き込む効果があって、非常に印象的ですね。
川平慈英のヅラ、文字通りの「赤毛もの」で
おかしかったけど。

N響による服部隆之氏の主題曲はなかなか
勇壮。氏は「平成ゴジラ」の音楽も(たしか二作)
手がけている。ここではサブタイトルが出る箇所の
“タメ”が抜群で、毎回燃える。
普段、30分アニメの「OP60秒」に慣れているせいか、
ここでの「2分OP」は非常に長く感じる。「いいの?」
って感じ。

役者では、勇の両親の田中邦衛・野際陽子が
良いです。余裕があって、安心して見ていられる。

若手では、オダギリジョーがいいですね。最近
好きになりました。中村獅童や山本太郎は
出てくると場をさらうねえ。活気があっていいです。

一応ふれておくと、主演の香取慎吾。私、この人
は馴染みがなくて、なんか「得体の知れない人」
と思っていたのだけれど、ここではそれが役柄に
合っているようで、なんとなく納得できるものが
あります。

それにしても一年か・・・。

新選組2 (→3は無いです)
2004年2月26日(木)

新選組については、実はよく知らない。
「新撰組」が正しいのかな。それも判らない。
中学の修学旅行(奈良・京都)でグッズを買った
ことはあるが、意味も無くの行為であった。

「マカロニほうれん荘」という、私の後半生を
決定づけた傑作まんがが、主要人物の構成を
新撰組から借りている関係上、人ごととは思え
ない部分はある。
ちなみに鴨川つばめ作品としては、まず
月刊チャンピオンの読み切り「呪われた夜」で
新撰組パロディを描いて、これが好評だったので
「マカロニ・・・」の連載につながった、と聞く。
「呪われた夜」は未読なので、いつか国会図書館
で読んでみたい。
「土方」を「ひざかた」と読んでしまう人も
多いだろう。私も、未だに「ひじかた」という
のに慣れない。
また、鴨川氏の出身校、大牟田・船津中学の
先輩=萩尾望都さまは手塚先生の「新選組」を
読んでまんが家を志したとも聞く。
結論:我々のまんが史と新選組は、不可分の
関係があるっ!!

ちゃんとした新撰組のまんがは、和田慎二の
「あさぎ色の伝説」(だったか、そんな題名)
ぐらいしか読んでいないなあ。
ものすごい小ネタで言えば、学年誌連載の
藤原栄子・作「うわさの姫子」で、主人公姫子の
BF・岡正樹(←たしかこんな名前)が運動会の
仮装行列で新撰組の扮装をした・・・いや、しようと
したが「金色夜叉」の扮装に無理矢理変えられて
姫子と寛一お宮をさせられたのだっけか?
記憶曖昧。いずれにせよ些細なことである。

近年、市川崑と大島渚という私の敬愛する映画
監督が相次いで新撰組の映画を撮ったことで
関心が高まっていたところでした。
その「新選組」「御法度」とも、恐ろしい規律を持つ
殺人集団の悲劇として見ごたえがありました。
短評をここここに書いたので、ここで繰り返しは
しませんが、市川崑監督の「新選組」は
映像ソフト化されていないので、大河でやって
いるこの機に、是非ともDVD発売して欲しい。
切望。これは凄い映画だよ!!

失われた時計を求めてbyプルースト
2004年2月27日(金)

ややショックで書けずにいたが、もうあきらめた
ので書こう。My腕時計がどこかに行ってしまっ
た・・・。正月に出かけて、家に着いた時に一度
見た記憶があるが、その後どこかに消えてしま
った。家の中のバミューダ・トライアングルに
入ってしまったらしい。

使用期間=26年間半。

中学に入学した1977年に親に買ってもらった
もの。バンドが壊れた以外は故障もなく、買い換
える理由もないのでそのまま使っていた。
近年意外なリバイバルヒットした「大きな古時計」
ではないが、私が死ぬまで動き続けると思って
いたので、消えてしまったのが残念。

ちなみに、同年輩の人向けに書くが機種は
「SEIKO TYPE−K」
でした。これは、テレビや雑誌のCMでは、
田中健と荒木由美子がモデルをしていたやつ、と
言えばご記憶にあるかも。若い人向けに補足する
と、二人とも青春スターだった人です。
彼女がボクシングのグローブを付けて彼とふざけ
てスパーリングをしていると、誤ってパンチが入っ
てしまい彼がダウンする・・・というのがCFでした。


と、いうことで、気持ちを紛らわすために「時計」
が登場するシーンを思い出せる映画をいくつか
挙げてみます。


「夕陽のガンマン」
初めて観たマカロニ・ウェスタン映画。
懐中時計が重要な小道具だった。

「ミクロの決死圏」
これほど映画の中の時計をドキドキしながら
観た映画もなかろう。

「007/私を愛したスパイ」
腕時計から上司の指令が来る。あまりにも
気に入って、自主映画でパクった。

「まぼろしの市街戦」
オープニングタイトルが時計の音をフィーチャー
したデザインになっている。

「イージーライダー」
主人公が映画冒頭、旅に出る前に腕時計を
捨てる様が異様なズーム・ショットでとらえら
れる。ニューシネマだねえ。

「非行少女」
浦山桐郎監督の名作。和泉雅子が泣き
続ける駅の食堂のシーンで異様な動きを
見せる壁時計。

「愛人」
市川崑監督。部屋にある止まった時計。
ある人物の衝撃的な告白で部屋の全員が
ストップ・モーションになった瞬間に、動き出す。

「時をかける少女」
タイム・リープのシーンで道に置かれた時計。

「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」
学校の時計に針が無い。

「銀河鉄道の夜」
巨大な振り子が見える。

「未来は今」
コーエン兄弟の変な映画。これも巨大な
振り子の時計が印象的に描かれる。

「ランブルフィッシュ」
コッポラ監督の傑作。時計が何度も画面に
登場する。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
当たり前すぎるけど・・・

「ルパン三世/カリオストロの城」
これも当たり前すぎるけど・・・。

「ブルース・ブラザース」
二人を追跡するパトカーが横転、大破。
ぶっ壊れた車中で警官がつぶやく
「ちくしょう、腕時計が壊れた」。



今は仕方ないので、同居人がどっかで景品で
もらってきた安っぽいデジタル時計をしてますが、
どうもねー。

「ふたつのうた時計」
2004年2月28日(土)

時計ねたでもう一つ。
そういえば、ということで本棚から
引っ張り出して久しぶりに読んだのが

太刀掛秀子さんの「ふたつのうた時計」。

私はアンケートでは少女まんがベストテン
(短編部門)に入れるぐらい好きな作品です。
『りぼん』に掲載された読みきり短編で、
単行本では長編のおまけとして収録された
はずだけれど、その後、この作品を表題作
にして文庫化されたところを見ると、恐らく
ファンの間では人気のある作品なのではない
かと思われます。

太刀掛秀子さん(本当はデコちゃんと書きた
いところだが、さすがに自年齢を考えて、
とりすました書きかたをしますが)の作品は
昔から好きなのですが、敢えて言うと、やや
深刻で必要以上にメロドラマチックな話が
イマイチだなあと感じるところもありました。
特に、『りぼん』を読み始めた頃に連載して
いた「花ぶらんこゆれて・・・」が。人気は
あったし絵は巧いなあと思いましたが、
かなり読むのに疲れました。

「ふたつのうた時計」は、ストーリーを要約
できないほど話がなくて、驚きました。
強いて言えば、男の子と女の子がお互いに
好きになる。男の子の転校を機にぎくしゃく
するが結局気持ちが通じる、といったもの。
読んだ時には、「デコちゃんも絵が巧いんだ
からこんな風に、無理に話を作らなくてもいい
作品が描けるのに・・・」とか偉そうに考えた
ことを思い出します。その後やっぱりドラマ
チック路線から離れなかったけど。そんな意味
でも、デコちゃん史上で突出した作品です。

文庫で初出が出てるけど、
「『りぼん』1983年3月号」
なんだよね。発売は、おそらく1983年2月の
3日とかそのへんでしょう。これがどういう
時期かと言うと、私は共通一次試験が終わっ
て、二次試験の前・・・という状況。そうとう
精神的にヘバっていた頃です。そんな時に
読んだもので、無茶無茶に印象が強いんだよ
ね。

いま、客観的に読むと、舌足らずな作品だと
感じます。それを補うイマジネーションが
こちらにあった時期もあったのだなあと、
少々悔しいような気もしたりします。

5m事件
2004年2月29日(日)

「紛失」の次は「盗難」。
クレジットカードの停止理由のようで昔の
仕事を思い出したりもします。
盗難“未遂”なのですが。

クリーニング出しに行こうと自転車置場へ。
いつもの場所になくて見回すと、5mばかり
先にある。鍵をあけようとしたら、鍵が壊さ
れてロックフリー状態になっていた! 工具
で壊したのか、ぐにゃりとなっている。

誰がやったんだ!!と怒りがこみ上げるが、
フッと素に戻ると、疑問が。

「鍵が壊されているのに、何故この自転車は
ここにあるのだろう」

いくつか考えられる。

(1)賊は、持ち去ることを目的に鍵を破壊
したが、乗ってみると、異音がするし変速機
が調子悪い(←そういう自転車なのです)
ので、持ち去ることをあきらめた。

(2)魚釣りと同じで、持ち帰らず、釣れた
ら川に戻す、といった感覚。つまり狩猟本能
が充足されれば良い、といった行為。

(3)愉快犯。壊したかっただけ。

(4)怨恨。私に恨みを持つ人間の仕業。

どれだろう。(4)なら同居人だろうが、
アリバイあり。たぶん(1)だろう。

仕方なく自転車屋にいって鍵を付け替える。
これも後で考えると、「自転車屋に自転車
窃盗犯だと思われたかもしれない」という
疑念が。警察行ったほうが良かったか。再犯
を防止するためにそうすべきだったかもしれ
ない。

やはり、本件で一番悔しいのは新しい鍵を
つけることで無駄な1,500円の出費を強いら
れたことだろう。非常に悔しい。

この1,500円で何が買えたか?

DVDで、ワーナーが「アカデミー賞スペシ
ャル20選 1500円限定」というキャン
ペーンをやっているのだけれど、目玉の一つ
に今までソフト化されていなかった

ウイリアム・ワイラー監督の「ミニヴァー夫人」

があるんだよ・・・。無駄な出費がなければ
これを買えたのに。ちなみに同じラインナップ
にロバート・ドーナットの「チップス先生
さようなら」があって、これも見たいんだけ
ど。って、映画の話はいいから犯罪への怒りを
忘れるなよ、自分。


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