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【メニエール】

■症状・原因・検査

症状

20分〜数時間続く突然起きる激しい回転性のめまい発作を繰り返し、耳鳴り難聴などの蝸牛症状が発作時にひどくなり、発作が治まれば軽くなります。発作を繰り返す内に蝸牛症状は元には戻らない事もあります。回転性のめまいは、何らかの動作が原因で起きるわけではなく、まったく突然起こります(自発性めまい)。発作の前に耳閉感や耳鳴りがひどくなって、前兆がわかる人もいるようです。めまいを何回も繰り返して症状が進行して難聴がかなり悪化すると三半規管の働きも悪くなって、めまいは軽くなってふらつくぐらいに感じたり、めまいはおきなくなる時もあります。
聴力検査では、低音部が悪い事が多いようです。発作の時は、内耳と関わりのある脳幹が自律神経とも関係があるため、悪心や顔面蒼白などの自律神経症状を伴います。ただ、自律神経症状がひどくてもメニエルそのものが重症というわけではなく、発作の頻度や聴力の悪化がポイントとなるようです。

発作の頻度が数年に一度から、週に何回もある場合、めまいが比較的頻発しやすい時期とめまいのない安定した時期を繰り返すようなケースなど様々です。

■その他の症状********************

※難聴・耳鳴り以外の耳の症状として、陶器同士があたる音や子供の声が耳に響くなどの聴覚過敏になる事もあります。内耳の音を聞く蝸牛の中にある有毛細胞のうち、内有毛細胞が障害されると聴力が悪くなり、外有毛細胞が障害されると音が響くなどの症状もでてきます。

※メニエールの典型的めまいは回転性ですが、フワフワした浮動性めまいの症状がでる事もあります。回転性めまいの後、前庭機能の低下があれば平衡機能訓練などで脳の代償をうながしてやる事が必要です。高齢者以外であれば3ヶ月ぐらい以内で代償は働くようになります。不安が浮動性めまいの誘引になっている事も多いので、心理療法、自律神経訓練などのアプローチも有効です。

※メニエール病では悪いほうの耳に痛みがしばしば生じることがあります。けれども急性中耳炎のように激しいことはまれで、通常は外耳道深部または耳介後部に限局する鈍痛のようなもので、鼓膜に充血もみとめられません。発生機序については鼓室神経叢(耳の中の神経の集まり)に異常刺激が加わったために起こるとされていますが、正確な原因は不明です。


原因

内耳の内リンパ水腫が原因ですが、なぜ内リンパ水腫になるかというと内耳への血流不全、アレルギー、自己免疫、ウィルス、などなどいろいろな説がありますが、原因はわかっていません。むしろ内リンパ水腫という状態は同じだが原因は人それぞれであるかもしれず、「・・・がよく効いた」という体験談にはさまざまなものがあるけれどすべての人に有効ではないために「確たる治療法がない」という事になっているのかもしれません。
ストレスが原因ともよく言われます。また、神経質、極限までがんばるなどの性格の人はメニエルにかかりやすいなどの統計がありますが、ストレスが体の他の場所に現れる事もある事から元々内耳が弱く、弱いところはストレスの影響を受けやすいのかもしれません。

研究班のアンケートでは下記のような結果となりました。ストレスの受け止め方を一度みなおしてみるといいでしょう。

「日常の過ごし方、ストレス源はメ病患者でない人達(対照群)と違いはない
メ病患者群は対照群に比べ、自己抑制(我慢)行動、熱中行動が強く、
イライラしたり怒りやすい事が判明している。」
「メ病患者群は、奉仕的な行動が周囲から適切な報酬(感謝や高い評価)
で代償されないと、ストレスとなり身体症状を誘発させる」
「メ病患者群では、気分転換や発散が有意に少ない・・・」
「メ病患者の特徴は置かれた環境ではなく、個人的な行動特性にある」

内耳の音を聞く働きをする蝸牛の中です。正常の場合。

内リンパが必要以上に作られるか吸収が悪くなって内リンパ水腫の状態となります。

内リンパ水腫が起きて圧が高まりすぎるとライスネル膜がやぶれ、
外リンパと内リンパが混ざり合います。両者は含まれる電解質が違うので、
異常な刺激を受けめまいや難聴、耳鳴りを引き起こします。
(内リンパ水腫が高じると、ライスネル膜の破壊がなくても外リンパのカリウムが内リンパに混入してイオンの急激な変化が起こり、めまいが引き起こされる事もあるようです。)

 

 

検査


両足直立検査        単脚直立検査  マン検査      足踏み検査

立ち直り検査・・・ 両足直立検査、 単脚直立検査、 マン検査
眼を開けた状態と閉じた状態で行います。脳が悪いと開眼でも閉眼でもふらつき、
内耳が悪いと閉眼でふらつきが大きくなります。

偏倚検査・・・足踏み検査など
50歩か100歩行います。内耳が悪いとだんだんと悪い耳の方に寄っていき、
脳が悪いと前後左右にふらついたり、足踏みがスムーズにできません。

重心動揺検査・・・30秒もしくは60秒両足直立検査を体重計のような器械に乗って
ふらつき度合いを数値やグラフによってあらわしてより詳しい分析ができます。

注視眼振検査・・・眼の前で動くペンの先などを眼で追っていき、その時の眼振の様子をみます。

頭位眼振検査・・・フレンチェル眼鏡という特殊な眼鏡で頭を動かした時の眼振の様子をみます。
患者からは何もみえないのですが眼鏡の外側からは患者の目の動きが
よくわかるようになっています。内耳がわるいと眼振がでやすいのと、
良性発作性頭位めまい症の場合には症状がでやすく診断の決めてとなります。

温度眼振検査・・・ベッドに寝た状態で方耳に水もしくは温風を入れます。
内耳前庭機能が正常の場合には2〜3分の回転性めまいとなります。
内耳前庭機能が低下している時はめまいは軽いかまったく起きません。

グリセロール検査・・・利尿作用のあるグリセロールに点滴をする前と後で聴力の比較をし、
グリセロールの点滴の後の聴力検査が有意によくなってると
ほぼメニエルの可能性が高いのですが、
陰性だとしても必ずしもメニエルではないという事ではありません。

聴力検査・・・ヘッドホンをつけて音が聞こえてきたらボタンをおして
どの音域の音がどのくらい聞こえるか
を検査します。
ヘッドホンを耳にして測る気導聴力と
耳の後ろの骨にあてて測る骨導の聴力とを測ります。
気導も骨導も悪ければ内耳が悪い感音難聴
気導が悪くて骨導がいい時は内耳は正常なので
外耳から中耳にかけてのどこかが悪い伝音難聴です。
メニエルの場合は低音が悪い事が多いようです。