「水平線の会」97年度生徒会選挙公約 第三項

国民は誰?

- わたしたちの身分というものを、よくよく考えてみたほうがよくない? -

現在在籍している生徒に対して意識調査および実績調査を行い、自身の希望をも含めて総合的に判断したうえで現在の生徒を
「授業を受けるために在留している授業ビザ受給生徒(授業参加は義務、入学後六年以内に卒業。六年限以降の在籍は課徴金相当の割増授業料徴収。選挙権はもつが被選挙権なし)」と
「学園の総合的な発展と改革に寄与するための行動に時間を割いたうえで授業をも受ける権利および義務を持つ内国民待遇生徒(授業参加は権利でありかつ義務、卒業年限は特に定めない。ただし学園維持機能への参加係数を考慮した授業料軽減あり[ただし授業ビザ受給生徒が三年で卒業した場合よりも金額は高くなる]。選挙権・被選挙権ともに持つ)」、
「もっぱら学園の機能維持をつかさどるために授業参加の権利を自ら制限することも拒否しない生徒待遇内国民(授業参加は自らの義務に背かないかぎり権利として留保、卒業年限なし、福利厚生関連の施設利用・管理料として通常授業料の一部を支払う。選挙権・被選挙権ともに持つ)」
授業ビザ受給生徒(授業のみ、通常云う生徒)・内国民待遇生徒(中間形態)・生徒待遇内国民(労働主体)のように分類し直す。この分類自体各入学登録年次より一年ごとに再分類登録できるように制度整備。
現在の生徒会を学園内部、特に学園生活に関する部門(純粋生徒会部門)とそれ以外の部門との二つに機能分割する。
学園生活部門を「生徒会」とし、こちらに通常の学校で云う生徒会の機能すべてを移管し、学園機能維持に生徒全員が関与するように機能別に管掌委員会を分割する。
通常「学園政治部門」を担ってきた上記以外の機能すべてを「学園政府」とし、それぞれの委員会の改廃・分割・統合などによりそれぞれの業務の合理化、簡素化を図る。
独立の推進を図るため、旧島民およびゲットーとの間の政策に関する協議機関を設ける。
ゲットーを正当な学園労働の供給組織として契約を明示的に結び、その環境の改善・また不法雇用のないように環境整備を行う。
政策変更に伴う不利益を蒙り、かつそれが死活問題であることが明確な学園利害関係者に対する援助機能を整備。

わたしたちがこの「国」のコクミンであるなどという戯言をまだ信じている人は、どれくらいいるのだろう。
わたしたちが「コクミン」であるはずなどない。わたしたちはあくまでこの学園に「滞在」しているのにすぎないのだから。ちょっと考えてみればわかることでしょ?どこかよその国の学校に留学している人は、その国の国民になってしまうのか。もちろん、そんなことはない。
だから、もしこの学園が実質的に独立を果しているのだとして、その国の構成員、平たく云えば国民は一体誰になるだろう。それはもちろんわたしたちじゃない。この国家が本当に「国家」であるとして、その保護のもとにおかれるべき国民というのは一体誰のことをさすのだろう。
このことばを口にするものはみな、なぜか肝心かなめのことを忘れ去ってしまうような気がするんだよね。「誰が国民としてふさわしいのか」。もっと云ってしまえば「国民としてふさわしいのは誰なのか」。
それは誰?
この島のニンゲンであり、この国のニンゲンであると云えるのは、一体誰だろう。それにしっかりと答えを出せないうちは、「独立」なんてごっこにすぎないよ。まして厚顔無恥に「おれたちが国民だ」なんて云いだす連中がぞろぞろ出てくるうちは。
バカなことは云わないで。
学園の出せるのは学籍であって国籍ではない。それを国籍と勘違いできるのはこれまでの学園の体制がそのように誤解させていただけだから。ほうらい会なんてない。あるとしたらわたしたちの怯えの中にだけしかない。
その怯えの正体がわたしたちのこの学園がこれまで「国」であり、国家として機能していた、と思わせていただけにすぎない。
わたしたちは「国家ごっこ」「政治ごっこ」を行っていただけにすぎないんだ。国民のいない国家なんて存在しないのに、わたしたちのこの「国家」には国民というもののコンセンサスが存在しない。
それは誰?
わたしたちの目の前にいる「見えない国民」は。

公約その1 島衆共存っ
公約その2 授業改革っ
公約その3 国民は誰?
公約その4 脱小米主義
公約その5 ***


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