「水平線の会」97年度生徒会選挙公約 第一項

島衆共存っ

- 自分のことだけ考えてたら本当に滅びちゃうんだよ、ここは? -

今後一年以内にゲットーの人人との現状打開。もちろん話し合いによる。軍事介入は行わない。
交渉が終了するまでは学園生徒による労働代替(この場合、何らかの意思表示が労働供給側からあるのならばこのかぎりでない)。このために他の業務に支障が発生しても仕方がない(彼らはいちばんの基盤作業を担ってきたのだから)。またこの作業に充てるため授業の一部時間を振り分ける。
最終的には学園により彼らと直接契約をとりおこない、彼らと協同して作業が行える基盤作りを行う。彼らの賃収入手段を奪わないことを大原則とする。
彼らに対する食料・医療品などの生活必要物資の供給。収奪してきたのがわたしたちである以上いかに論理的に破綻があろうとここは少しでも「恩」を返さなければ子供のケンカになってしまう。

もともとこの島の住民である旧島の人はもちろん、ゲットーに押し込められていた人も、そして学園の生徒も、みんな現状において運命共同体であるということ。ゲットーの人たちが、我慢に我慢を重ねてきて遂に堪えきれなくなって立ち上がったその結果、港が占拠された、その意味をきっちりと認識しなきゃいけないんだ。港がだめなら空輸があるとかなんだか楽天的なことを考えている人もいるみたいだけど、それでもし助かるとしてもごく一部だけ、うまく行っても学園生徒とせいぜい旧島民の人まで。ゲットーの人のことは頭にない。
方法がどんなに悪辣であったにせよ、自分の意思ではめ込まれたのではないにせよ、ゲットーの人たちの作業は明らかに学園を維持するための礎になってきたんだよ。それを忘れてない? ゲットーの人たちと和解できなかったら、わたしたちが彼らのやって来たことすべてを肩代わりすることになるってことを本当にわかってる? 本当ならそうすべきだろうけどね。
わたしたちは彼らの反乱をどう抑え込むかを考えるのでなく、どうやったら彼らの不満を解決できるのかを考えなきゃならないのだと思う。「救うべき人たち」と他人のふりをするのでなく、彼らをこの島の利害関係者としてとらえることを考えなくちゃいけないと思う。
わたしたちは運命共同体なんだ。
誰が倒れてもこの学園は、この島は滅ぶんだ。
学生(生徒)の本分は授業、よろしい。それならこの学園の生徒の大半は本当は「生徒」じゃないんだ。どうせ進んでもいない、まともに受けているものなどほんの一すくいしかいないような授業のことを考えるより、授業が滞っても、ここはゲットーの人たちが納得できるような事態の収束方法を考えるべきじゃないだろうか、そう思うんだ。
万が一うまい解決法方がなかったとしても、その時は責任をもって全員でパイを分け合えばいい。どうせ時代が20年か30年か戻るだけのことでしょ? 滅ぶよりはましだと思うな。
そこで鼻で嗤ってるあなた、自分で汚れ仕事する勇気ある?
彼らの仕事を「仕事」として認識し、自分たちでやってもいいと思うくらいの思い切った待遇改善。何もしなくてもこの島でならそれほど無理なく暮らしていけるはずなのだから、「ゲットー」が実質的に膨脹して柵が意味を持たなくなっている、しかも監視するものも存在しない今が、彼らの置かれている環境をドラスティックに改善する大きなチャンスだと思うんだよ。財源がないとは思わない。みんなが少しずつ血を流せば、みんなが少しずつ今もっているものを手放すことができれば、それですむんだ。難しいことじゃないんだ。
やろうと思いさえすれば。

公約その1 島衆共存っ
公約その2 授業改革っ
公約その3 国民は誰?
公約その4 脱小米主義
公約その5 ***


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