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撮影機材の紹介
デ ジ タ ル カ メ ラ を 選 ぶ
 デジタルカメラ (ファインダーの形式で選ぶ)
  現在(2018年)、デジタルカメラの主なファインダーの形式は液晶モニターを含めて下記の4種類です。この中から、「ピントの確認が容易なもの」と「被写体への追従性」で選ぶとすれば、やはり〈一眼レフタイプ〉になります。
 
   
 

(A) 実像タイプ ファインダーは素通しのガラスやプラスチックで、被写体を目線で確認することができますが、あくまで被写体の位置確認用であるために、どこにピントが合っているのか?を確認できません。主にコンパクトデジタルカメラで使用されていますが、最近はこの機構を搭載しないで背面の液晶モニターのみという製品が増えてきています。

(B) 液晶モニター:背面タイプ 本体の背面に液晶モニターを搭載したものです。実際に撮影される画像そのものが見られるが、何処にピントが合っているという確認は液晶画面では難しい。また被写体を目線でなく液晶モニターを見ながら被写体の動きに追従していくということはとても難しいです。コンパクトデジタルカメラやミラーレス一眼に使用されています。

(C) 一眼モニター:ファインダータイプ EVF(電子ファインダー)といわれるもの。今後普及していくと考えられます。実際に撮影される画像そのものが見られるが、液晶画面を見ているのでピントが合って見える範囲が大雑把で、光学系の滑らかなピント合わせの状態を期待するのは厳しい。背面タイプの液晶モニターと比べれば、目線の動きとカメラが同一となるので被写体への追従性はし易い。

(D) 一眼レフ:ファインダータイプ ペンタプリズムを利用した光学系のファインダー。実際に撮影する被写体の動きをリアルタイムで見られる為に、何処にピントが合っているという確認が判りやすく、眼にピントが合った「その瞬間!」にシャッターを切ることが出来ます。動きに対しての追従性も目線の動きとカメラが同一となるため自然体で撮ることができます。

「魚の眼にピントを合わせて撮って!」と言われたとき、一眼レフタイプ以外では至難の業となってしまいます。

2018年12月現在、視認性の良いペンタプリズムを搭載するデジタル一眼レフカメラを販売しているのは Canon、Nicon、Pentax の3社のみとなりました。Pentaxは全機種に搭載されていますが、Canon、Niconは中級機以上にしか搭載されていません。

 
 レンズ (最大撮影倍率と最短撮影距離で選ぶ)
 
〈 最大撮影倍率 〉
 
 

小さな被写体の撮影にはマクロレンズが必要です
メーカーで表記がやや異なるので、レンズ仕様表の「最大撮影倍率」で確認します。一般的なマクロレンズの最大撮影倍率は「1倍」もしくは「1:1」とレンズの仕様表に明記されているのでこれを選びます。

最大撮影倍率「1倍」とは10mm×10mmの被写体が撮像素子上に10mm×10mmで写されることを意味しています。APS-Cの撮像素子サイズが 23.5×15.6mmの場合、そのうちの 10mm×10mmが使われていることになります。

「1:3」と仕様表に記載されていた場合は、10mmの物体が撮像素子上に3.3mmで写されることになりますね。

直径20mmの1円玉を撮影した画像をパソコンの23インチモニターで見た場合。
 
 
(1) (2)
 
  (1)画像サイズ6000×4000を20%の表示で見た場合。まぁ普通はこんな感じです。
(2)100%の表示だとまるで顕微鏡のよう!。これが最大撮影倍率「1倍」の威力です。
 
     
 
〈 最短撮影距離 〉
 
  レンズの交換ができないカメラでは大きく撮影するために「どこまで寄れるか?(=最短撮影距離)」というのを重要視していましたが、一眼レフカメラで使用するマクロレンズは最短撮影距離が選べます。左図参照。  
 
最短撮影距離はレンズの焦点距離で変わります。下記に3種類のレンズを使用して撮影した画像を例として紹介します。
 
   
   
  ① SIGMA
50mm F2.8 MACRO↓
② PENTAX
100mm F2.8 MACRO↓
③ SIGMA
18-50mm F2.8 MACRO↓
 
   
     
 

①と②のレンズは最大撮影倍率が1倍ですが、撮影する時の被写体との距離が異なります。取り扱い易いのは①のレンズになりますが、最短撮影距離が20cmなので、30cm水槽でも奥にいる小さな魚を大きく撮ろうとした場合、レンズの先端が水槽にぶつかってしまいます。

②のレンズは最短撮影距離が長くなるのでレンズの先端が水槽にぶつかることはありませんが、手ぶれが①のレンズより2倍ほど起きやすくなります。

③のレンズの最短撮影距離は①のレンズと同じなのですが、最大撮影倍率は0.33倍しかないので思っているほど大きくは撮れません。MACROという名前が付いているだけにちょっと紛らわしいです。

焦点距離50mmと100mmのどちらを選ぶかはとても悩ましいところですが、当方の経験からいけば、50mmを推薦します。

魚に寄ったり引いたり追いかけたりという動作が身体で自然に行うという取り扱いやすさ、手ぶれを起こしにくいということ、魚以外の一般撮影でも単焦点50mmレンズとして使えること、が上げられます。

欠点は、魚からみた場合に接近しすぎて怯える状態(警戒色になったり、やたらと動き回ってしまう)になることです。この場合には100mmが欲しくなります。

接写が得意なマクロレンズですが、ピントを合わせるのはとても厳しくて数mm単位です。被写界深度(ピントが合って見える範囲)を撮影距離と絞りとの関係で表を作成しているページがあります。

マクロレンズの被写界深度 50mm(きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影)
TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO(272E) 取扱説明書