今日の出費:1998.1/3
(1ルピー=約3.6円で計算)
バス 18 みかん 10
ホテル:Mamalla Bhavan Hotel 75
オート力車 40 入場料 5
昼食:海の幸のサラダ+コーラ 50
おやつ:パイ+ドーナツ+チャイ 50
夕食:エビ料理+炒飯+酒 123
カメラ用電池 375 チャイ 4
合計 750 円換算 2700円






 
1997.1/3(土)晴れ
*マドラス〜マハーバリプラム
backnexthome

 マハーバリプラムに入ると町のあちこちから石をカチコチ叩く音が聞こえてくる。それもそのはず、この町の名所の一つ、パンチャ・ラタという7世紀半ばに建てられた寺院は、ひとつの巨大な花崗岩を掘り出して造られた、言ってみりゃ超巨大彫刻みたいなものなのだ。それを実証するかのようにマハーバリプラムでは今も多くの石職人がそこかしこで石を叩いている。

 昨日からのバス20時間(カニャークマリ〜マドラス〜マハーバリプラム)のハードスケジュールを押して、今日、僕はこの町の名所を気が狂ったように早足で回った。
 まずは数々の貴重な遺跡が残されているという町の西側にある小高い岩山の麓へ行き、アルジュナの苦行、落ちそうで落ちないクリシュナのバター・ボールを見る。続いて海へ向かい、砂浜を歩いて海岸寺院へ。ところが海側から寺院へ入るには入り口が遠く、そこまで歩くのが面倒だったので有刺鉄線を乗り越えて侵入する。で、入るときはよかったのだが、出るときに有刺鉄線に気を取らせ過ぎて、地面を這っていた刺付の枝に気づかず、踏みつけてしまう。ビーチサンダルだったので、足の裏に突き刺さり、出血。痛みはないが、バイ菌が気になるので、ビーチのレストランで血が止まるまでの間、昼食をとった。20時間振りくらいのまともな食事。そのあと立て続けにUMA Lodgeというホテルの屋上にあるネパール人が経営するベーカリーでもおやつを食べる。このあと出会うI氏も「地球の歩き方」でこの店のことを投稿しているが、久し振りに食べたチョコドーナツはメチャクチャうまかった。
 ベーカリーを出たところで、力車を拾い、町から少し離れた例の花崗岩を掘ってできたというパンチャ・ラタ(5つの寺院)へと向かう。さすがに疲れが貯まっているせいか、往復Rs60とふっかけてくる力車にRs40ってとこでOKしてしまう。それに今日はカメラの電池を買ったり、海岸地方最後ということで食事も海の幸を豪勢に頼んだりとかなり散財してしまった。

 いったんホテルに戻ってシャワーを浴びてから、再び、小高い岩山に登る。山中で、おしっこをしている少女(18歳くらい)に出くわし、目が合ってやや気まずい思いをするも、彼女の姿が見えなくなるなり、僕は持ち前の変態気質を発揮。彼女のおしっこ跡を見たいという強い欲求にかられ、拝みみようとする。が、どういうわけかその湿った痕跡は地面のどこにも見当たらなかった。
 ところでこの小高い岩山には、いくつか見晴らしのよい頂があるのだが、僕はそこに行き着く度にみかんを一個ずつ食べていた。まるで何かの儀式みたいに! しかし、そんなアホけたことに没頭していた報いか、灯台近くの頂で猿にみかんを奪われる。茫然としたまま、夕日が沈む少し前に下山。

 夕食は、カニャークマリで知り合った高校教師のO氏が教えてくれた日本人が経営しているというレストラン「WHITE CAVE KITCHEN」へ行ったのだが、当の日本人経営者が見当たらないのと魚料理がメニューにないのとで、「Papillon」という別のレストランへ移り、豪華なエビ料理を食べる。そのあとでもう一度、その「WHITE CAVE KITCHEN」の前へ行ってみると、中に日本人らしき人がいることを確認。実はそこでいろいろの理由により(満腹であるとか、今更初対面の会話をするのが面倒だとか)、しばしその店に入るかどうか躊躇したのだが、意を決して入ったのは正解だった。
 地元のインド人と1ヶ月前から共同でそのレストランを経営し始めたばかりだというI氏からは、インドでレストランを始めるに当たっての苦労話や裏話、それと今後のヴィジョンみたいなものを聞けたし、偶然その店に居合わせたフランス人旅行者のG氏、F氏とは同じホテルに泊まっていたこともあって、マハーバリプラムの波の話やその店の話、日本の話、そして言語の話等、ゆったりとしたペースでいろいろ話すことができた。ある意味、インドに来て最も充実した一日だったといえるかもしれない。I氏には今後も是非とも頑張ってもらいたいものだ。

topbacknexthome