私がこの年末年始、実家に帰らずに無駄に過ごしていた時のことである。
凄まじい程に大きく、そして無駄な事を学んだ。
なんとなれば、何に利用できるとも思えないものだ。
しかもこれを共感できるには少々の練習が必要なのだ。
その上共感できたからと言って人によっては何も感動を得られぬ場合もあるのだ。
しかし、私はそのような高い壁を乗り越えて素晴らしさを実感できた。
その素晴らしいものを思いついた人間はそれをこう呼ぶ。
「壁」

両手を用意してもらいたい。
ほとんどの人はそれに恐らく指がついているであろう。
人差指なら人差指、小指なら小指というように対応する指をくっつけていただきたい。
足の指と間違えないように。
両方手の指である。
つけたらそれを繰り返してもらいたい。
手を叩く行動の指だけバージョンとでも言おうか。
どうだろうか、違う感触が得られるだろうか。
この場合、下敷きを指と指で挟んだような感触が得られるはずだ。
ここで、2、3回くっつけただけで感触を得られるときは、あなたはもしかすると天才の可能性がある。
ぜひ私達が開催する壁ミーティングに参加していただきたい。

他にも指と指を合わせたまま動かし、地球外の物質を作り出すという荒業等もすでに生み出されている。
しかしこれをやっていて思われるのは壁ではなくてむしろ板なのではないだろうかと言う疑問だ。
ここで一つ考えてもらいたい。
板と壁、その二つの単語を使ってインパクトを求めたとき、どちらが勝利するだろうか?
壁、KABE、その亀と間違えそうな語感は聞いた瞬間思考を断ち切るような勢いがある。
いや、ないか?
まあいいや。
とりあえず亀と間違いそうなのである。
それに比べて板である。
板、ITA、伊田さんは元気であろうか?
って言うか伊田さんって知り合いはいない。
つまり壁の方が頭に残るのである。
多分。
壁を大事にしよう。
終わり。
違った、壁が正しいと言える。

壁リンピックなるものが教祖により提唱されている。
何かというと、壁の質、壁の種類、壁の出来る速さによって勝負が決するという真剣勝負だ。
出来あがった壁は単位「壁」により評価がなされる。
例えば、このような具合だ。
「彼は壁が出来るのが早いなぁ。
でも種類は一般的なものだな、ありゃあプラスチックだ。
お、でもなかなかの硬さを保ってるぞ。
ならばあれは32壁だ。」
という具合である。
なお、点数のつけ方は、どれだけ本能に訴えかける壁だったか、による。
いかに美しく、いかに大きな物を作っても本能に訴えかけられなければ、駄壁となる。
駄壁、いかにも悲しい響きを持った言葉ではないか。
駄壁、だかべである。
駄作の壁である。

なお、壁を作るにあたって副作用として指が柔らかくなる、と言うことがあげられる。
これは教祖の壁作成の瞬間を見ていれば分かるが、それはもう気持ちが悪くなるほどのものである。
現在そこまで壁レベルを上昇させているのは教祖だけであり、これから始める者もまだまだ挽回のチャンスはある。
来れ、壁コミュニティへ。
みんなで壁ろうではないか。

やがてはこの壁が世界を熱中させることであろう。
壁の世界チャンピオンが出てくるのだ。
そしてチームバトルなども出てくる。
世界チャンピオン擁する「アタッカー壁」チームVS壁の権化擁する「壁先三寸」
しかし世界最強のタッグは世界チャンピオンと壁の権化なのである。
誰も勝てない。
壁の世界チャンピオンを擁する国は名誉に値する、と言うことでチャンピオンを自国へ帰化させようと躍起になる国が現れる。
そうすると世界中の国が誘致合戦を繰り広げ、やがてそのことが発端で世界大戦が発生する。
しかし、壁世界チャンピオンはどこにも属さず、自ら建国をする。
国名はもちろん「壁」
壁憲法第2条国民ノ権利取得ノ条件を見てみよう。
壁ヲ作成可能ナコト。
壁国としては当然なのかもしれない。
第一期ミーティング参加者はすでに条件をクリアしている。
やがて壁国に壁魔法が確立する。
壁によって体を守ったり壁を投げたりすることが出来るようになるのだ。
この壁魔法によって壁国の人々は次々と他の国を制圧していく。
そして世界最大の国になるのだ。
しかし、国民になる条件に壁が作れること、という項目があるので、作れない者は外国人の扱いになる。
壁国は自国への忠誠を誓ったものへは寛大ではあるが、やはり外国人と国民では扱いが異なる。
壁を作れる者でなければジョナサンでは笑ってはいけない、等だ。
壁による単一次術国家。
恐らく歴史上初の持ち得る技術によって国民が選別される国である。
世界史でも現れるだろう。
しかし、あまりにそれまでと成り立ちが違う国なので、学生に覚えづらいと顰蹙を買ってしまうのだ。
反面、特徴があるので一度覚えてしまうと忘れないという利点がある。

そのような歴史が出てくれば、おのずと疑問に思ってしまうのが壁という技術の成り立ちである。
恐らくこのようなものだろう、と想像をしている者もいるかもしれない。
しかし、壁の成り立ちはその全ての想像を打ち砕くほどの凄まじいインパクトがあるのだ。
心して聞いて欲しい。



テイオーという男がいた。
彼は大学へ行っていて、とある授業を受けていた。
しかし彼にはその授業の内容はレベルが低すぎたのか、暇をもてあそぶようになった。
何しろ暇なのである。
暇な時、私は何をしているかというと、こちらを参照。 しかし彼は違った。
私は文章を構築、と言うことで、メモのためのアイテムが必要だ。
彼はどうしたか。
何も必要ないのだ。
自らの体一つで十分なのだ。
おもむろに手を机の下で広げた。
そして指をくっつけ合わせたのである。
そのまま離す、くっつけ合わす、を繰り返しているうちにとんでもない発見をした。
指に何かが挟まっているような感触がするのだ。
これが壁の成り立ちである。



どうだろう、君もこの将来ある壁使いになってみては。
現在なら称号を与えられる事になる。
ちなみに私の称号は、「広報部長」である。

第一期壁ミーティング参加予定者
東京テイオー(暗黒皇帝)
Nonsuch(二度で出来た天才)
はるはる(出来た途端突然「出来た、出来た」と張り切った、しかもファミレスで)
咲穂(まだ壁を作れないうちから壁リンピックの採点基準を打ち出した)
さるを(隣の人の手を使ってまでやろうとする破天荒ぶり)
不肖私め、ぼぶ。

参加希望者募集
条件:壁が作れる者、壁を作りたい者。

冗談抜きでやりそうで怖い。<壁ミーティング



トップへ A Thinker インデックスへ うっかり八兵○へ戻る 一つ前へ戻る