SIGMA High-speed Wide 28mm F1.8 Aspherical

シグマ ハイスピード ワイド 28mm F1.8 アスフェリカル(I型ニコンAF用)

Last update 02/04/2004

SIGMA 28mmF1.8Aspherical

【Sigma 28mm F1.8 Asphericalの外観】

 シグマ28mmF1.8アスフェリカルの鏡胴はゴムコーティングされた金属製と思われる。 ひんやりとした感触が手に伝わるからだ。そのためかずっしりと重い(実測約390g)。 レンズが収まっている鏡筒も金属製のようで、AFレンズなのにがたつきや遊びはみられない。 被写界深度目盛はやや見づらいがF4,8,11,22の目盛りがある。

 シグマ28mmF1.8アスフェリカル同梱の花型フードは大きくてかさばるが遮光効果は高い。 使わないときは逆付けできる。内側には反射防止の植毛がなされている。

 8群9枚のレンズ構成で第3レンズがガラスモールド非球面レンズだ (II型は8群9枚だが第3・第8レンズが複合型非球面レンズ)。 コーティングはあまり良くなく、はっきりと反射している面が内部に何面かある。

【シグマ 28mm F1.8 アスフェリカルの操作感】

 シグマ28mmF1.8アスフェリカルのピントリングは無限遠から30cmまで約90度回転する。ピントリングは軽くいわゆるスカスカ。 ただしリングの幅が12mm程あるのでMF操作はしやすい。 2mと無限遠との間がやや狭いので、絞り開放時中間距離でのMFは注意が必要。 回転方向はニコンと同じ。最近のシグマはピントリングの回転方向をライカ・キヤノン方向に統一してしまったのが残念。

 絞りリングは半段ごとにクリックがあり、滑らかな動きである。 ただ絞り羽根のバネが弱いので絞り動作はやや遅いような感じを受ける。 Nikon F5などで高速連写した時に追従するのかやや不安がある(高速連写で使うことは想定してない?)。

SIGMA 28mmF1.8Aspherical

【Sigma 28mm F1.8 Asphericalの描写】

 シグマ28mmF1.8アスフェリカルの色味はレンズを覗くと黄色がかって見え、ファインダーでは青みも加わって若干緑色っぽい感じがするが、 実写では若干赤の発色が弱くシアンがかってかつ黄色い感じを受けた。 快晴時の日向や逆に薄暗いところでのアベイラブルライトでの撮影では色味の偏りは気にならない。 晴天の日陰では青味が目立つことがある。 このあたりが安価の代償なのだろう。コニカのフィルムと相性が良くないことがある(分光感度の関係か?)。

 Kenkoのポートレートエンハンサーというフィルターをつけると黄色味が取れていいカラーバランスになる。 ただこのフィルター、コーティングされてないようなので反射が気になる。 常用ではスカイライトでマゼンタが濃い目のフィルターをつけている。 黄色いのは我慢できるのだが、緑がかったのは嫌だからだ。
 *最近、富士のシートフィルターSC-40Mを使うとカラーバランスがかなり改善されることがわかった。
  詳細は富士シートフィルター SC-40Mで。(2004年4月2日加筆)

 全体にシャープで、値段の割にはよく写る。 「開放からシャープ」というキャッチフレーズのレンズも多いが、これは本当に開放から周辺部までシャープである。 開放時でもフレアを感じない。ファインダーを覗いただけでもわかる。 ただ、逆光ではゴーストが出やすい。コーティングにあまりコストをかけていないのであろう。 しかし、ハレ切りなどに注意すれば全然問題ない。「なんとなくフレアっぽい」というコメントも見かけるが、 逆光でもハレ切りさえすればフレアを感じることはない。 画角ぎりぎりの強い光源では困るかもしれない。 これらの点は個体差があるかもしれない。 当時としては先端の非球面レンズ使用で、組み立てがシビアだからだ。

 やや立体感に乏しくべたっとした感じに写ることがある。

 樽型の歪曲がほんのわずかにあるようだがほとんど気にならない。像面は平坦である。絞り開放時でも周辺減光は目立たない。

絞り開放付近では距離によっては二線ボケ傾向がある。F2半まで絞ると二線ボケは出ない。F2.8より絞ると、F2.8クラスの単点レンズと互角以上である。 画質は周辺まで均一で周辺で悪化することはない優秀なレンズである。

 F1.8とF2.8では1段強しか変わらないように思えるが、薄暗いところではこの差が大きい。 その場の雰囲気を生かした写真が撮れる。 このレンズ、コーティングさえ金をかければ文句ない銘レンズなのに惜しい気がする。

【Sigma 28mm F1.8 Asphericalその他】

 他に、シグマ28mmF1.8アスフェリカルは、AF用接点に接触するので接写リングPK-11Aをつけられないということがあった (本来PK-11AはAFレンズに接触しないようにPK-11を改良したものであるのに)。 AF用接点がニコン純正に比べて長いのが原因。 ただし、レンズ単体で30cmまで寄れるのでPK-11Aが使えないことの実用上の不便はあまりない (PK-12、PK-13は問題なく装着できる)。

 ここで述べたシグマ28mmF1.8のいわゆるI型は、1991年から95年まで製造され、定価3万円(のちに3万5千円)。 後続のII型は、定価3万5千円、実売2万円程であった。 (ただし、II型は旧型とは外観・光学系・重量など変更がある)。 なお、2000年10月にデュアルフォーカスタイプの新型( SIGMA 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO)が発表された (しかしこのEX DGレンズは最近のシグマレンズの例にならってフォーカスリングの回転方向がニコン純正と逆である)。

【Sigma High-speed Wide 28mm F1.8 Asphericalの仕様】

焦点距離;28mm/口径比;1:1.8/最小絞り;F22/レンズ構成;8群9枚(うちガラスモールド非球面レンズ1枚)
/画角;74°/絞り羽根枚数;7枚/最短撮影距離;0.30m/フィルターサイズ;φ58/重量;約390g(実測)
/ニコンAF用(CPU内蔵)・Ai-S対応/その他;専用花型フード付き

「初夏の上高地」 作例(ニコンオンラインアルバム「初夏の上高地」)へ

(2002年6月25日 記)

Yokohama 作例(ニコンオンラインアルバム「Yokohama」)へ(2003年1月20日リンク追加)
東京ジャーミイ 作例(ニコンオンラインアルバム「東京ジャーミイ」へ(2003年1月20日リンク追加)

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