Voigtländer Macro Apo-Lanthar 125mm F2.5SL

フォクトレンダー マクロアポランター 125mmF2.5SL(ニコンFマウント)

Last update 17/03/2006
Since 25/06/2002

マクロアポランター 125mmF2.5SL

【外観】

 マクロアポランター125mm F2.5SLの鏡胴はアルミ合金製で最近のプラスチックの鏡胴にはない ひんやりとした感触が手に伝わる。 絞り値や距離目盛はきちんとエングレーブされて墨入れされている。 鏡胴は3段になっていて、3群フローティングに対応して伸縮する。 途中1/2倍のところに赤線が入っているが、細かな倍率表示はないのが残念である。 また、被写界深度目盛もない。取扱説明書ぐらいには被写界深度表を載せてもらいたい。

 同梱の角型フードの外側は縮緬塗装で、フォクトレンダーの古いロゴがプリントされている。 このフード用にラバーの角型フードキャップが同梱されている。

 レンズキャップはアルミ削りだしのねじ込み式。Vの飾り文字がプリントされている。 9群11枚とレンズ枚数が多いが、コーティングがいいのでよく抜けて見える。 異常低分散ガラスを2枚使って色収差を極限まで補正している(アポクロマート)。

マクロアポランター 125mmF2.5SL

【操作感】

 ピントリングは2回転弱ほど回る。 このお蔭で1/2倍から等倍までの浅い被写界深度でもピントは合わせやすい。 遠距離の回転角は、古い単焦点レンズに比べるとやや詰まった感じだが、 最近のAFレンズに比べるとかなり余裕があるので遠距離でピントが合わせにくいということはない。
 ピントリングはグリスのねっとりとした感触を伴いつつ滑らかに回る。 ヘリコイドが少し重いが、マクロ域では深度が浅いのでこれぐらいの方が使いやすいと思う。 ピントリングの回転方向はニコン純正と同じ。

 絞りリングは金属のカチカチという感触とともに滑らかに回る。 クリックはF2.5の次はF4でF4からF11までは半段ごとのクリック、F11からF22までは1段ごとのクリックになっている。 ペンタックス用と内部部品を共用しているためだろうか。 F2.8にクリックを入れて、半段のクリックは無しにして欲しい。 半段のクリックを入れるならすべてに入れて統一して欲しいものだ。

 マクロアポランターには、ニコンAiレンズのようなボディに取り付けるときの銀リングのようなものはなく、 一番外側の鏡筒はピントリングと一体で回るため、 取り付け時にはレンズ全体を掌で覆ってそっと回す必要がある。 ほんの少し裾をあげて取り付け時に握る部分を確保して、ピントリングのギザギザは先端へ移動すれば使いやすかったのではないか。 コンタレックス用レンズ似のデザインを優先させたかったのか?  繰り出すと重心が前に移動するのでピントリングのギザギザは前よりにあったほうがホールドし易いはずである。 個人的にはピントリングは梅鉢タイプが好みだ。

マクロアポランター 125mmF2.5SL

【描写】

 マクロアポランター125mm F2.5SLの色味はニュートラルと思う。やや青みがかっているという雑誌レポートも見かけたが、私はそうとは思わなかった。 色味がこってりとしているわけではないので、青みを感じる人もいるのかもしれない。 こってりとしてはいないが、渋みや濁りもなくきれいな発色である。

 描写は線が細く、開放からシャープ。距離や絞りを問わずシャープで、開放から高水準の描写傾向は変化しない。 特筆すべきは絞ってもカリカリしないことだ。カリカリしないのでポートレートにも使える。 絞りは深度調節のためにだけにあるような感じだ。 ただ、マクロアポランターの中遠距離の深度は他の135mmレンズに比べてやや深い様な気がする。 3群フローティングのせいかも知れない。

 円形絞り(上の写真は絞りF5.6の状態)を採用し、前述のカリカリしない傾向とあいまって、ボケ味は非常に美しい。 形を残しながら大きくとろけるようにボケる。マクロ撮影時はボケた背景をうまく使うと主題を強調できるだろう。
 マクロレンズなので当然解像度も高いし近接時も像面は平坦である。

*【歪曲収差について】

Macro Apo-Lanthar 125mmF2.5SL Test Macro Apo-Lanthar 125mmF2.5SL Test

 日本カメラ2003年10月号において、マクロアポランターの歪曲収差がマクロレンズとしては大きいとのレポートがあった。 意外な結果に思ったので、1/2倍時と60cmぐらいで新聞紙を撮影してみた。 近接時には気になるほどの歪曲はないことが分かると思う。 もちろん、私のテストは厳密に被写体の新聞紙に平行とは限らないし、フィルムスキャナを通しているのでその収差も影響するのだが、直接ポジを見ても日本カメラ掲載の写真のような歪曲収差は目立たなかった。 『日本カメラ』のような中遠距離でも撮影したかったのだが、撮影したのが深夜でもあり、歪曲のわかるような被写体が見当たらなかった。 そのうち中遠距離でもテストしてみるつもり。 クリックすると大きな画像がでます。それぞれ181KBと291KB。 画像がいまいちなのは、ほとんど、相当古いスキャナのせいです。新しいの欲しいんだけどなぁ…。

撮影データ:ニコンF3,マクロアポランター125mmF2.5SL,コダクローム200(KL),絞りF8 シャッタースピード2秒,三脚使用,蛍光灯下で撮影
*(この項2003年10月10日追加)

Macro Apo-Lanthar 125mmF2.5SL Test Macro Apo-Lanthar 125mmF2.5SL Test

上の歪曲テストの画像があまりに汚いので気になりつつも放置していました。Nikon SUPER COOLSCAN 5000EDでスキャンしなおしました。左側の1/2倍のものは撮影時にブレているので鮮明ではありません。へたくそですみません。実は夜中に酔っ払ってテストしたものなんです。そのうち別のテスト画像と差し替えるつもりですが、いつになるかわかりません。
(この項2006年3月17日追加)

【その他】

 マクロアポランター125mm F2.5SL購入時の比較対照はAF Micro Nikkor 60mmF2.8DAF Micro Nikkor 105mmF2.8DAi Micro Nikkor 55mmF2.8SAi Micro Nikkor 105mmF2.8Sだった。

 前2者のAFマイクロは単独で等倍まで撮影できるもののピントリングの回転角が極端に小さく、特に中遠距離のMFでのピント合わせが難しいと感じた。 マクロレンズなのだからMF使用が多いはずで、AFの合焦時間を短縮するために回転角を小さくする必要はないはずである。 せっかくA-M切り替えをつけても宝の持ち腐れである。 ニコンの最近新しく出るレンズは皆回転角が小さくMFしづらいので再考を求めたい。

 後2者は単独では1/2倍までしか撮影できないので、両条件を満たしたマクロアポランターを選択した。 しかしMicro55mmのカリカリ感には引かれるものがあるのでそのうちF2.8かF3.5のいずれかを手に入れたいと思っている。

【マクロアポランター125mmF2.5SLの仕様】

焦点距離;125mm/口径比;1:2.5/最小絞り;F22/レンズ構成;9群11枚(うち異常低分散ガラス2枚)/
画角;20°/絞り羽根枚数;9枚/最短撮影距離;0.38m/最大撮影倍率;1:1/最大径;φ76/
フィルターサイズ;φ58/全長(Ai-sマウント);88.2mm/重量;690g/
マウント種類;FD、Ai-s、MD、OM、PK-A/R、CY、M42、EF、α/
その他;専用角型フード付き
※注…EF.αはマニュアルフォーカス時のみ使用可
コシナのマクロアポランターのサイトへ(※)
コシナ公表のマクロアポランターのMTF(驚異的!) → ※サイトリニューアルで消されてしまった。
(2002年7月23日追加、※2004年8月25日コシナのサイトリニューアルにつきリンク先変更)

 URLを変更したら旧URLから新URLに飛ぶようにしてもらいたいものだ。 この点ニコンは古いURLからでも現在のURLに辿れるようにした上でサイトをリニューアルしている。見習ってほしい。
 驚異的コントラストの高さを示す、上辺に張り付いたMTFのグラフをWeb上から消してしまったのは惜しい。
(2004年8月25日)

【参考文献】

日本カメラ 2001年6月号151頁「ファーストレビュー」(飯田鉄氏執筆):日本カメラ社
アサヒカメラ2001年8月号137頁「試用速報」     (赤城耕一氏執筆):朝日新聞社
(2002年8月27日追加)

※1 Apo-Lantharはかつて「アポランサー」と呼ばれていたが、コシナ・フォクトレンダーでは「アポランター」と呼んでいる。 「マクロアポランサー」と呼んでも間違いではないと思うが、コシナでは「マクロアポランター」としている。

※2 "Voigtländer"(フォクトレンダー)は"Voigtlander"と表記されることも多い。文字化けで"Voigtl舅der"となることもある。

(2002年11月29日追記)
 

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