Aiニッコール20mmF2.8S Last update 18/07/2007,Since 22/07/2002 ![]() 【Ai Nikkor 20mmF2.8Sの外観】 Ai Nikkor 20mm F2.8Sは、ズームレンズなどに比べると非常にコンパクトでスナップや旅行に便利だ。 鏡胴はAFニッコールとは異なりアルミ合金製である。 絞り値や距離目盛はきちんとエングレーブされて墨入れされている。 レンズ名などは正面ではなくフィルター枠の外側に入っている。 レンズを正面から見ると、前玉とフィルター枠との間にわずかな隙間があり、ヘリコイドが前進すると 前玉は回転しながら前進するがフィルター枠は回転しない。これは近距離補正機構(CC,CRC)のためである。 すなわち、レンズ全体を2群に分け、後群はフィルター枠などとともに回転せずに前進するが、前群は 回転しながらやや遅れて前進する。最終的には前群と後群の間が1mmほど詰まる形になる。 その結果、フィルター枠側と前玉側とで最近接時には1mmぐらい隙間ができるというわけだ。 このレンズはニコンスーパーインテグレーテッドコーティングが施された最近のレンズである。 内部はアンバーのコーティング面が何ヶ所か見える。 ![]() 【Ai Nikkor 20mm F2.8Sの操作感】 Ai Nikkor 20mm F2.8Sのピントリングは無限遠から最短25cmまで約90度回る。 超広角レンズで被写界深度が大きいのでこれぐらいがちょうどいい感じだ。 MF用のAiレンズなのでピントリングはグリスのねっとりとした感触を伴いつつ滑らかに回る。 被写界深度目盛りはF5.6、F11、F16、F22が表示されている。 赤外線フィルム用指標あり。 絞りリングは金属のカチカチという感触とともに滑らかに回る。 クリックは1段ごと。 ![]() 【Ai Nikkor 20mm F2.8Sの描写】 Ai Nikkor 20mm F2.8Sの色調はニュートラルで、9群12枚という構成にもかかわらずヌケがよい。 色味はこってりとしており、プロビア・アスティアなどのフィルムでもベルビアのようである。 コントラストも高く、空は紺碧に写る。 このコントラストの高さはファインダーを覗いてもわかるくらいで、 海外でシャッターを押してくれた観光ガイドのおばさんに 「このカメラはよく見える」と言われたことがある。 いままで相当数のカメラのシャッターを押してあげたが、こんなに像が鮮明に見えるカメラは 初めてだという。それぐらいパッキーンとコントラストが高いのだ。 半面、シャドーがつぶれやすい。 歪曲はほとんど気づかないくらいの樽型である。 建物や屋内の撮影でも歪曲が気になることはない。 歪曲が少ないので水平に気をつけて撮影すると何ミリで撮ったかわからない感じになることがある。 開放では周辺光量の不足が感じられるが、一段絞ると解消する。 逆光には強いが、正面からの光源よりも画角ぎりぎりの斜めの入射光の方がゴーストが出やすい。 ![]() 【Ai Nikkor 20mmF2.8Sその他】 Ai Nikkor 20mm F2.8S購入時の比較対照は、AF Zoom Nikkor ED 18〜35mm F3.5〜4.5D(IF)とAi AF Nikkor 20mmF2.8Dであった。 前者はズームで便利そうなのであるが、実写の評判は悪くないものの、雑誌等で見た作例は 周辺部のピントが甘く、歪曲も非常に目立つものであった。値段と性能が見合ってないと判断した。 ズームにしたというだけで、値段が高くなったり(17-35mm)、大きさが大きくなったり(17-35mm、18-35mm)、 描写が落ちる(18-35mm)のは納得がいかないので、単焦点を選んだ。 後者は光学系が本レンズと同一なので、CPU内蔵でボディを選ばないから迷った。 結局、AFレンズはプラスティック鏡胴だし、AF駆動の関係で鏡胴にガタつきが出やすいので避けることにした。 被写界深度が深くて、置きピン・目測などの使い方が多いのでMFで十分(もっともMFの方がAFよりも9千円も高いのだが)と判断した。
このレンズ専用のかぶせ式フードHK-14は直径10cmもあるお皿のようなフードである。
かさばる割には効果は弱かったりする。このレンズだけ普段からフードなしで使っている。
「おもしろレンズ工房」の「ぎょぎょっと20」用TI.HK-1
のようなかぶせ式花形フードを作ってほしい。
ちなみにぎょぎょっと用の花形フードは、内径が1mmほど足りないので本レンズにはつけられない(残念)。 【Ai Nikkor 20mm F2.8Sの仕様】
焦点距離;20mm/口径比;1:2.8/最小絞り;F22/レンズ構成;9群12枚/近距離補正機構(CC,CRC)/
ニコンの Ai AF Nikkor 20mm F2.8D のサイトへ 同一光学系のAF20mmのニコン発表のMTF ■HOMEへ ■前のレンズへ ■次のレンズへ ■レンズ一覧へ ■BLOGへ Copyright "Haniwa", Japan 2002 Since 18.06.2002 |